臨床心理士が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

臨床心理士

公認心理師の誕生で行き先不透明な民間資格、将来性については不安

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

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3年以上

民間資格

民間検定試験

75%

臨床心理士,使える,役に立つ,年収,将来性

※臨床心理士の資格を取得するためには大学院へ進学して受験資格を得る必要があります。難易度を表現するのはふさわしくないので省略します。

臨床心理士とは

臨床心理士の男性

現代社会では子どもからお年寄りまで、多くの人が「心の病」にかかっています。1億総ストレス社会などと称されることもあります。

 

その原因は様々です。激化する競争社会・管理社会によるストレス・パワハラ・セクハラ・対人関係によるストレス、高齢化社会による孤独・健康への不安、子どもの成長期における歪んだ心の発達などが考えられます。

 

自殺者25,427人、うつ病等の患者100万人以上、いじめ件数188,057件、完全ひきこもり23.6万人、小中の不登校者数約12万人など、あまり気持ちの良い数字ではありませんね。

 

臨床心理士とは、「心の病」が原因で身体の異変や生活上の問題が生じた人たちを、心理学的な手法を通して支援・サポートする専門職です。つまり対象は「人の心」と言えるでしょう。

 

仕事の内容としては、対話(カウンセリング)を通して面接・観察・心理テストなどを行い、患者の性格や問題点を明らかにし、いろんな専門的な手法(遊戯療法・箱庭療法・家族療法)などを行うことで、正常な心に改善できるように支援します。

 

基本は患者との1対1のカウンセリングです。とにかく「話を聞く」のが中心の仕事とも言えます。より良いアドバイスをするアドバイザーではありません。患者の抱えている悩み・心配事・不安を取り除いて解決する仕事ではありません。

 

話を聞いているううちに、話をしている患者本人が自分の言葉から何かを気づくのを助けるのがカウンセリングの目的でもあります。物事の解決は本人がするのが一番効果的だということです。その解決に寄り添うのが臨床心理士の仕事です。

 

臨床心理士は医者ではないので、精神科医のように治療のための投薬は行えません。あくまでもカウンセリングによる改善を目指します。

臨床心理士は現代社会の縁の下の力持ち

世間では臨床心理士の活躍が伝わってくる機会はあまり多くはありませんが、実は現代社会の縁の下の力持ち的存在で、最も社会で必要とされている職業の一つとも言えます。

 

臨床心理士には高度な専門知識とカウンセリングの経験が必要になります。患者と向き合い、信頼を得るためには、人間性や感情に左右されない人格なども必要になります。

 

職場は、病院の心療内科や精神科、障害児福祉施設・老人福祉施設といった福祉施設、家庭裁判所や児童相談所、少年院・少年鑑別所・刑務所、などと幅広いのが特徴です。中学校、高等学校に配置されているスクールカウンセラーになるための基本的な資格でもあり、産業カウンセラーとして企業内で必要とされる資格でもあります。

 

臨床心理士になるためには、大学卒業後に日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院に進学する必要があります。卒業後に一定の条件を経て資格試験に合格することが必須条件となります。

 

臨床心理士は非常に人気の高い資格でもあります。男性女性を問わず人気の職業なので、大学院の競争率はとても高く狭き門です。資格取得後も5年ごとに更新審査があり、厳しいプロ意識と高いレベルを常に求められます。

今後、公認心理師との関わりは絶対的に意識する必要がある

臨床心理士の資格について語る上でどうしても避けて通れないのが公認心理師の存在です。この記事を読んでいる人の多くは公認心理師についても意識していることでしょう。臨床心理士と公認心理師の関係や、今後について、予想も交えて解説します。

 

臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格という決定的な違い

臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会という民間団体が認定している民間の資格です。1988年に誕生し、既に3万人以上の臨床心理士が誕生しています。

 

一方、公認心理師は、公認心理師法という国の法律に基づく国家資格です。2015年9月9日に法案が成立し、第1回国家試験が2018年(平成30年)に実施されました。合格発表が同年11月30日ですから、それ以降に公認心理師が誕生します。

 

公認心理師が誕生した経緯と背景

日本では、様々な医療専門職の国家資格が存在します。例えば、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士などです。しかし、不思議なことに心理職といわれる医療の分野に従事するための国家資格は存在しませんでした。

 

一方で、民間の心理職関連の資格は多数存在します。臨床心理士、学校心理士、臨床発達心理士などです。その中でも臨床心理士は知名度・難易度ともに高く、民間資格とはいえ文部科学省の任用規程により、全国の教育機関に派遣されるスクールカウンセラーの資格要件とされていました。

 

臨床心理士は医学系学会が認定する臨床専門医資格であり、日本看護協会が認定する専門看護師資格などメディカルスタッフの資格要件としても掲げられています。そのほか、防衛省職員の技官として、陸上・海上・航空の各自衛隊の衛生隊などに臨床心理士が配属されています。

 

以上のことからも臨床心理士は民間資格でありながら、非常に公共性の高い資格であることがわかります。該当する国家資格がなかったことが大きな理由の1つと言えるでしょう。

 

そこで、公的に認める質の高い専門職として国家資格が必要であると叫ばれるようになったわけです。臨床心理士をそのまま国家資格に格上げするなどという噂もありましたが、利害関係者の意見がまとまらず公認心理師が誕生する運びとなりました。

 

臨床心理士と公認心理師資格との違いは?

臨床心理士と公認心理師の業務内容はほぼ同じといえます。違いとしては、臨床心理士は、必要に応じて医師との「連携」で業務をおこないますが、公認心理師は、法律の規定により「医師の指導の下」に業務をおこないます。これは、臨床心理士は自由に業務をおこなえるというワケではなく、元々法律に資格の根拠がないというのが理由です。

 

資格の専門性という面においても正反対ともいえる違いがあります。公認心理師は、「医師の指導の下」と明記されている以上、他の
医療専門職(看護師、理学療法士、作業療法士など)を含むチーム援助や連携を前提とした専門性を目指して作られている資格です。

 

一方、臨床心理士は、1対1の個別面接による心理療法を専門とする資格です。チーム援助や連携、個別面接はどちらも必要なものですが、どちらに中心を置いて、専門性を発揮するかということについては正反対ともいえます。

 

参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

臨床心理士のレーダーチャート

臨床心理士は、有資格者が大量に存在(30,000名以上)していますが、臨床心理士を募集している就労先はものすごく少ないのが現実です。

 

求人の多くは欠員の補充ですが、非常勤の契約社員やアルバイトのような正規以外の募集がほとんどです。

 

資格を取っても、アルバイトのような仕事に付ければまだいいほうで、当初の希望通り心理職の仕事に就くことができず、他のアルバイト等で食いつないだり、業界をあきらめたりする人が少なからずいます。

 

ただでさえ飽和状態といわれている臨床心理士の世界ですが、公認心理師の誕生で増々将来性のない資格になりつつあります。これから病院や保健施設、福祉施設で、心理職として働こうと思ったら公認心理師でないと採用が難しくなる可能性が高いでしょう。

 

元々臨床心理士は民間資格であり国家資格ではありません。それゆえ病院などに必ず置かなくてはならない資格ではないという不安定な立場でした。

 

国家資格としての公認心理師が誕生した以上、今後は公認心理師が施設の配置基準に含まれる可能性が高いのは当然です。また、公認心理師の仕事には保険点数が認められる可能性が高いので、病院としては公認心理師しか雇わなくなる可能性もあります。例えば、障害児入所施設だと「心理担当職員」の配置が必要ですが、これが「公認心理師」の配置に変更される可能性もあります。

 

少なくとも、現状では万単位の多くの臨床心理士が心理職として働いているので、当面の間は臨床心理士と公認心理師はが共存する状態が続くでしょう。しかし、今後は公認心理師にしかできない独占業務出てくるかもしれません。そうなれば、最悪の場合、臨床心理士は排除され公認心理士取得者しか働けない仕事が増えることになります。

 

文部科学省の補助事業として行われているスクールカウンセラーの配置事業には公認心理師がカウンセラーとして多く入ってます。学校は医療機関ではなく、医師の指示をうけなくてもいい現場なので、今後も臨床心理士でも仕事はあるかも知れません。

 

ただし、公認心理師は文部科学省と厚生労働省の共同の管轄となっています。こういったことから判断しても、文部科学省の補助事業であるスクールカウンセラー配置事業には、公認心理師が資格要件として記載されることは確実だと言えます。

 

しばらくは移行措置(救済措置)として臨床心理士が公認心理師の試験を受けることができるので、現在臨床心理士を持っている人の多くは公認心理師の資格も取得するはずです。大学院の中にも両方の資格を取得できるところもあるので、学生は将来のために同時に取得することを考えると思います。つまり当分の間は同時に両方の資格を持つ人がほとんどという状態になるでしょう。

 

臨床心理士の資格はいずれにしても、就職も収入もどちらかというと厳しいので、あまり役立つ資格とは言えません。もちろん実力があって高収入の臨床心理士もいますが、どちらかと言うと、「高学歴ワーキングプア」が多い現実があります。

 

国家資格の公認心理師が誕生したことにより、将来性がある資格とはいえなくなりました。心理職を目指す人は、臨床心理士+公認心理師、あるいは公認心理師のみを目指すのが良いでしょう。


臨床心理士の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

「この資格の活かし方」という意味ではなかなか表現しずらいのが正直なところです。それは、活かせる範囲が狭くなっていくことが確実に予想されているからです。

 

病院や福祉施設などの医療機関、学校現場などの公的機関では公認心理師が臨床心理士にとって代わることが予想されます。文部科学省が公認心理師を管轄している以上、スクールカウンセラーは徐々に公認心理師を中心に回せるように変えていくのはある程度想像に難くないでしょう。

 

現在臨床心理士の資格を既に取得している人も、これから心理系の資格取得を目指している人も、できる限りの可能性を考えて最悪のことを考えて行動することが賢明です。

 

当分の間は、公認心理師も併せ持つダブルライセンスの人が多くなりますから、これから取得するという場合、臨床心理士だけでは、全ての面において厳しいかもしれません。

臨床心理士の就職の実態について

 

臨床心理士の数は過剰気味で余っています。普通に大学院を出た程度のキャリアでは就職は困難で、8割の人はまともな就職先はありません。アルバイトすら採用されない状況で、資格をとっても業界をあきらめる人間のほうが多いくらいです。

 

しかし、臨床心理士として心理の専門職に就いて高収入を得ている人はたくさんいます。その違いは一体どこにあるのか?それはズバリ、卒業した大学院のレベルといってもよいでしょう。大学院によって就職する際に有利か不利かの違いがはっきりと出てきます。

 

有力な大学院であれば、心理の専門職としての就職に困るということはほぼありません。新卒でも心理の仕事だけで自分が生きていくぐらいは最低でも稼ぐことはできます。そうい臨床心理士にとっては、働いて生活できるだけの収入を得ているのは極めて普通のことです。

 

心理の専門職を数多く輩出しているような有力な大学院に入学して、在学中からコネを作ることも大切になってきます。

臨床心理士の年収・収入について

 

臨床心理士の平均年収は、儲かっている一部の臨床心理士を除いて、3百万円以下と言われています。

 

仕事を探すのは難しく、医療機関だと給与が低くて正社員になるのは厳しく、週1〜2回程度の非常勤がメインです。しかも複数のカウンセリングルーム掛け持ちで、経験積んでも昇給なしが普通です。非常勤は1年契約が基本ですから、常に経済的な不安は付きまとい、バイトをしている臨床心理士も多くいます。

 

実際に、大学院まで修了しなければならないのに給与は安く「ワーキングプアー」の代名詞的存在とも言われています。

 

ちなみに「第7回臨床心理士会の動向調査」によると、常勤採用が全体の47.8%(常勤+非常勤を含む)で、約半数となっています。そして驚くことに非常勤のみも44.8%、約半数となっています。

 

収入に関してはは、200万円以上500万円未満が最も多くなっています。ちょっと幅があるので実態はよくわかりません。ただ、非常勤であれば、ここから税金や社会保障費が差し引かれるので、さらに収入は下がることになります。

 

参考:第7回臨床心理士会の動向調査

大学院によって就職が全然違ってくる

 

臨床心理士になるためには、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院か、あるいは専門職大学院に進学する必要があります(例外的に医師の現場経験2年以上や通信教育も一部あり)。

 

大学院の中にも第1種指定大学院と第2種指定大学院の違いがあり、第1種指定大学院であれば卒業と同時に受験資格を得ることができます。

 

ここで是非目指したい大学院は第1種指定大学院です。その中でも、なるべく歴史のある著名なところを目指した方が就職に繋がりやすいです。新卒の場合、どこの大学院かによって将来は左右されます(大学よりも大学院の方が大事)。

 

歴史がある有力な大学院では、業界で働く卒業生も多く輩出しているので、その卒業生の活躍によっては大学院指定で求人が来たりします。有力な大学院は、教員も業界で有力である場合が多いので、顔が効いて仕事のが話舞い込んだりもします。さらに、それ以上に、コネによって求人が回ってくることも多くあります。つまり学歴とプラスしてコネが重要になります。

 

なお、大学院と大学のレベルはおおよそ相関関係にあります。大学院のランクが下がると、就職が厳しくなります。

 

専門職大学院は業界的な評価はあまり高くなく、就職という面では進まない方がよい大学院の部類にに入ります。名前からして専門職の養成に特化した大学院と勘違いしがちですが、そうでもないようです。

 

参考:指定大学院・専門職大学院一覧

社会人からのやり直しには適さない資格

 

医療関係の専門資格は、社会人を経験してからの再チャレンジ組が多いのが特徴です。例えば看護学校や理学療法士・作業療法士の専門学校は30代、40代の人が少なからずいます。

 

臨床心理士も例外ではなく、社会人を経験した後一念発起して大学院に入学する人がいます。そういう人でも資格を取得することはできますが、資格を取った後、求職先に採用されることは想像以上に厳しいようです。

 

もともと就職に関しては競争が厳しい上、他業界からの出戻り組は求人を出す側としても全く人気がないので、書類審査する通らないことがほとんどです。

 

一番採用の可能性が高いのは新卒であり、仮に転職するにしても新卒からきちんとしたキャリアを積んでいる人くらいなものです。

 

心理職の業界は元の受け入れ口が狭い分、年を取ってから未経験で他の業界に移ってきたチャレンジ精神のある人間を受け入れるほどの余裕は残されていません。

 

同じような医療専門職でも、比較的年齢に関係なく仕事に就けるのは作業療法士、理学療法士などです。それは受け入れ口が広いからです。社会人やり直し組は、こちらの資格取得を目指す方が現実的です。

 

臨床心理士になるためには

臨床心理士になるためには、日本臨床心理士資格認定協会が主催する資格試験に合格する必要があります。受験に際しては、所定の受験資格の取得が必要になります。

 

おもな受験資格は次のとおりです。

  • 日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院(1種または2種)の課程を修了した者
  • 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
  • 医師免許取得者で、必要な心理臨床経験2年以上を有する者
  • 諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴および必要な心理臨床経験2年以上を有する者

大学卒業後に、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院に入学する必要があります。入学後修士課程を修了すれば受験資格が得られます。

 

指定大学院には1種と2種があり、1種ならすぐ受験資格が得られるのに対して、2種の場合は1年間の実務経験を経て受験資格が得られます。

 

大学院にまで行かないと臨床心理士になれません。学費はかなりかかります。筑波大学の心理学は有名で、著名な心理学者を多数心理職の業界に輩出しています。

 

参考:指定大学院・専門職大学院一覧

 

かつては指定大学院が少なかったのでどこも難関でしたが、最近は大学院の数も増えて比較的入りやすくなっているようです。社会人入試制度もありますので、頑張れば2〜3年で資格が取れます。

 

働きながら臨床心理士の資格を身につけられる通信制大学院もあります。しかし、一般の人では通信制大学院は入学するのが相当難しいようでです。すでに医療職やカウンセラーの仕事に従事している人が対象になります。スクーリングも毎週末行うことが多いようです。

 

通信制の大学(大学院ではありません)に3年次編入で心理学を履修したうえで、あるいは心理学の大学の3年次編入を経て、その後通信制大学院に入学する人もいます。

 

参考:臨床心理士資格認定事業

臨床心理士試験情報

試験日

お申込み

1次試験:10月初旬
2次試験:11月下旬

7月初旬〜9月初旬

受験資格

所定の学歴(指定の大学院卒)が必要です。

試験内容

筆記試験・面接試験がおこなわれます。
【1次試験:筆記】
多肢選択方式試験:100題のマークシートによる解答(2時間30分)
論文記述試験:定められた字数の範囲内で論述する(1時間30分)

  • 臨床心理査定
  • 臨床心理面接
  • 臨床心理的地域援助
  • それらの研究調査

臨床心理士に関する倫理・法律等の基礎知識および基本的な姿勢や態度にかかわる設問も出題されます。

 

「論文記述試験」は、心理臨床に関する1題のテーマについて、所定の解答用紙に1,001字以上1,200字以内の範囲内で論述記載することが求められます。

 

【2次試験:面接】
2名の面接委員による「口述面接試験」で、受験者を個別に時間指定して実施されます。 単に専門知識や技術の習得度を確認するだけでなく、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、専門家として最低限備えておくべき人間関係能力の実際が問われます。
※2次試験は、1次試験合格者のみに実施します。

試験に関する詳しい情報は資格審査の実施 | 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会をご覧ください。

 

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