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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

【個人情報保護士】1か月ほどで合格できる難易度の低い民間資格は取得するメリットは少ない

鎖をまいて鍵をかけたパソコン

名前はカッコいいけど・・・民間の検定試験なので価値としては微妙

種類難易度合格率
民間資格易しい35%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可2~5万円1か月程度
活かし方全国の求人数おすすめ度
自己満足1件
  • 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2023年12月29日に集計。
試験の級他に「上級」あり。
講座受講料16,500円※任意(税込)
受験料11,000円(税込)
認定カード更新
(2年毎)
11,000円(税込)
※2年間で2回の講習を受講した場合です。

※金額は2024年2月5日現在です。時期によって割引あり。

個人情報保護士には「士」とついていますが完全なる民間の検定試験です。比較的簡単に合格できます。

ただし、民間資格ですから合格しても法律上認められた業務など存在しません

こういった検定試験の勉強をすることについて否定する気はありません。多くの人が個人情報保護法を誤解している中で本当の意味を正しく理解できれば学習する意味はあるでしょう。個人情報に関する基本的な知識が付けば良いことだと思います。

ただ、個人情報の取り扱いに関する勉強が目的なら、関連する本は一般の書店にズラリと並んでいるので、そういった本で勉強すれば十分です。内容も遜色ないレベルです。

個人情報保護士の試験合格後は、任意ですけどカード更新やら個人情報保護士会だのといろいろと料金が発生する可能性があります。

学習は決して無駄とは言いませんが、費用対効果をよく考えてください

当サイト内の評価や感想は公正で客観的な判断に基づいていますが、あくまでも運営者個人の意見です。参考にするかしないかはご自身で判断してください。

目次

個人情報保護士とは

赤いスマートフォンとクレジットカードを見つめる女性

個人情報を正しく扱う知識を身に付ける

個人情報保護士とは、財団法人全日本情報学習振興協会が試験を実施する民間の検定試験です。

個人情報保護法の改正に合わせて2005年から始まりました。

試験の学習を通して、個人情報保護法の知識を正しく身につけ、企業内のセキュリティに関するリスク分析など、個人情報の管理運用や対策をおこなう専門家を目指します。

個人情報を日々取り扱っている部署に所属している人には人気の検定試験です。

主催者サイト:個人情報保護士認定試験|一般財団法人 全日本情報学習振興協会

役に立つ民間資格なのか?

知識は役立つが民間資格なので価値は微妙

今の社会では個人情報に関する正しい法知識と安全管理意識が求められています。

そういった意味では個人情報保護士の学習は意義があるでしょう。

しかし、個人情報保護士の民間資格を取得することで仕事に役立つかどうかというと話しは別です。

学習する内容は基本的で、最短1週間ほどの勉強で合格できます。

個人情報保護士と「士」がついていますが、国家資格ではなく民間資格です。

なんら法的な裏付けがないため、この資格がないとできないという業務はありません。

つまり、合格しても合格しなくても同じです。

個人情報保護士の試験に合格したからといって、社内で情報管理やセキュリティの仕事を任されるわけではありません。

自分で勉強すれば十分、他の国家資格の方がおすすめ

個人情報の取り扱いに関する入門書や専門書は書店にズラリと並んでいます。

わざわざ民間の検定試験を受けなくても必要な知識は十分身に付きます。

会社で、従業員に対して個人情報の取り扱いについて注意喚起をしたいのであれば、社内で研修会をすれば誰でも短期間で到達できる内容です。

個人情報保護士に合格したところで、履歴書に書いてPRできてもそれが就職や転職が有利になる可能性は低いです。

その証拠に、全国の求人を探しても「個人情報保護士」の募集はほぼゼロです(マレに見つかることもあります)。

勉強するのであれば、例えば情報セキュリティマネジメント知的財産管理技能検定をおすすめします。この2つはともに国家資格ですから資格としての価値は高いです。

その他にもよく似た試験として、個人情報保護オフィサー検定、マイナンバー実務検定、個人情報保護実務検定、情報セキュリティ管理士、個人情報取扱主任者、オフィスセキュリティコーディネータ資格試験などがあります。

しかし、いずれも単なる民間資格です。

合格したからと言って、履歴書に書いても期待するほど評価されません。

検定料と講習会の費用が高い!

個人情報保護士は、受験料(検定料)は11,000円、試験前の実践対策講習会の費用は16,500円(2023年4月)です。

もちろんテキストだけで十分に理解できます。講習会は任意です。

しかし、実践対策講習会を受講すると合格者はかなり高くなるので多くの受験生は受講します。

参考:実戦対策講習会|個人情報保護士認定試験

主催者によると「学習時間がない方にお勧します」という講座らしいです。

実際に講習会参加者の合格率は一般の方と比較してかなり高くなっているそうです(詳細な合格率は不明)。

本来、忙しい人もそうでない人も試験は平等なはずです。

こういった講習会を受講すれば合格しやすくなるのって一体どうなのかなって個人的には思います。

講習で儲けるのが目的?て思うのは私だけでしょうか?

宅地建物取引士の試験でもお金を払って講習会を受講すれば5問免除になりますから、それと変わりないと言われたら確かにそうなんですけど・・・

さらに、試験合格者にはIDカードのような「認定カード」が発行されます。

これにも有効期限があって2年間です。更新講習会による認定カード更新の場合11,000円が必要です。

参照:個人情報保護士の定期講習とカード更新|個人情報保護士認定試験

ちなみに「個人情報保護士 上級」という上位資格があり、これは個人情報保護士として定期講習を4年間で4回受講し、2回のカード更新をすると「昇格」する仕組みになっています。

2回更新して講習も決められた回数受講すれば上位資格に昇格?!すごい制度ですね!

将来性について徹底研究

ノートパソコンの上に置かれた南京錠

個人情報保護法とマイナンバー法との関係

個人情報保護法とは「個人情報の保護に関する法律」の通称です。

個人情報を取り扱う民間事業者の遵守すべき義務等を定めています。

一方、マイナンバー法とは、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」の通称です。長ったらしい名称なので世間一般的にマイナンバー法で通っています。

一般法である個人情報保護法の特別法がマイナンバー法はという位置付けです。

つまり、個人情報保護法をまず最初に定め、その後になってマイナンバー法を例外規定として定めたということです。

マイナンバー法を理解していなければ個人情報保護法が理解できないワケではありません。

仮に、マイナンバー法を正しく理解したいのであれば、まずは元となっている個人情報保護法を正しく理解する必要があります。

個人情報保護士会という団体まで作って…

個人情報保護士試験合格者を対象に「個人情報保護士会」という法人まで設立しているといいますから驚きです。

およそ「士」の付く国家資格には、法律で定められた組織が存在します。例えば、弁護士会、行政書士会、司法書士会、税理士会などです。

その資格で業務を行うためには国の法律により入会が強制されています。

入会の登録をしてはじめて独占業務ができます。

しかし、個人情報保護士は「士」とついていますが民間の団体が認証しているだけの民間資格です。

個人情報保護士会に登録したところで、特別な業務ができるわけでもありません。もちろん法律的な根拠はありません。

入会は任意ですし、入会すれば特典もあります。横のつながりを作るためなら無駄ではないでしょう。

けれど、そのためだけに入会金11,000円(税込)年会費13,200円(税込)ってどれくらいの意味があるのかなって思います。

入会するのであれば、費用対効果でどれくらい意味があるのか、よく考えてからにしてください。

合格するには

個人情報保護士の難易度は低めです。試験は年4回実施されますが、多くは過去問の焼き直しです。

同じような論点がよく出題されるので、過去問を繰り返し解いて理解すれば1か月以内でも十分合格できます。

合格率は35~50%前後ですが、過去問重視で学習すれば、それほど難しい試験ではありません。おそらく合格率以上に簡単に感じられるでしょう。

試験内容に課題Ⅰと課題Ⅱがあり、いずれも80%以上正解しなければなりません。

正しく覚えていないと正解できない問題が多く、正確な暗記が要求されます。

テキストは全てを読む必要はなく、過去問題集でどうしてもわからない箇所があれば、そこを確認する程度で構いません。

4回分の過去問をすらすらと解けるぐらいになるまで何回もやれば合格できます。

試験の直前に、主催者は「実戦対策講習会」を開催していますが、テキストの学習で十分であれば受講する必要はありません。

おすすめの通信講座

特におすすめの講座というのはありませんが、STUDYingスタディング(旧通勤講座)が比較的値段も安く良心的でおすすめです。

わかりやすいビデオ講座により、初学者でも無理なく学べます。試験対策に特化したオリジナルカリキュラムで構成しているため、合格に必要な知識を速習することができます。

※こちらから受講申し込みができます。

スタディング 個人情報保護士講座

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

多くの受験生が使っている公式テキストです。

これを何度も繰り返し学習する必要はありません。過去問の解説を読んでもよく解らない内容を調べるのに使うぐらいでちょうど良いと思います。

基本的にこの主催者の公式テキストと下記で紹介する「個人情報保護士認定試験公式問題集」だけで十分です。

問題集を使わず、このテキストだけでも十分合格できます。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

こちらは公式の過去問題集です。試験の主催者である全日本情報学習振興協会が出版しています。

公式テキストと合わせて使えば合格できるはずですが・・・実は、誤字脱字が多く、同じ問題の繰り返し、解答欄の誤植、さらには設問と解答が一致していないページすらあるといった状況です。

校閲されてるのか?と疑問に思います。

非常に不安を覚える過去問題集です。

種類評価
過去問題集

試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

年4回(6月、9月、12月、3月)

お申し込み

1か月ほど前までにホームページから申し込みます

受験資格

どなたでも受験できます。

試験会場

会場試験:札幌、仙台、東京、横浜、埼玉、千葉、名古屋、津、大阪、神戸、福岡
オンライン試験:自宅・会社など任意の場所

受験料

11,000円

試験内容

【課題Ⅰ】個人情報保護の総論(個人情報保護法の理解、マイナンバー法の理解)

  • 個人情報保護法の理解(35問)
  • マイナンバー法の理解(15問)

【課題Ⅱ】個人情報保護の対策と情報セキュリティ(脅威と対策、組織的・人的セキュリティ、オフィスセキュリティ、情報システム

  • セキュリティ)
  • 脅威と対策
  • 組織的・人的セキュリティ
  • オフィスセキュリティ
  • 情報システムセキュリティ

制限時間:課題Ⅰ・課題Ⅱ 合計150分

合格基準

それぞれの課題で80%以上の正答率

主催者情報

試験に関する詳しい情報は最新試験情報|個人情報保護士認定試験をご覧ください。

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