パソコンの上に置いた本

 

本日紹介するのは、あのユニクロをここまで大きくした柳井正さんが書いた本です。

 


現実を視よ

 

こういった経済的な要素を含んだ本は難しくて読みづらいのが一般的ですが、「現実を視よ」はわかりやすく書いてあるので一気に最後まで読めます。

 

この際ユニクロがブラックだの、モノが悪いだのという話は置いといて・・・「現実を視よ」は素晴らしい内容の本です。

 

本当におすすめです。お年寄りから若い人達まで読んでほしい一冊です。特に将来のある若者達には是非読んでもらいたいです。

 

ジャパン・アズ・ナンバーワンからジャパン・ナッシングへ

 

ジャパン・アズ・ナンバーワン、かつて経済が絶好調な頃の日本は、世界中からこう呼ばれていました。日本は国際競争力もあり世界でも有数の金持ち国だったんです。ちょうどバブル景気全盛の頃です。

 

ジャパンマネーが世界を席巻し、日本の企業による海外企業や不動産の買収が連日のように新聞やテレビで報道され、日本人は自信に満ち溢れていた時代でした。

 

ところがバブル崩壊後、経済の収縮とともに国際競争力も低下し、次第に日本の存在価値も薄れていきました。

 

ジャパン・ナッシング、つまり「日本は存在しないのと同じ」、今ではこうも呼ばれています。つまり国際的な影響力を失った日本は政治も経済も素通りされるようになったんです。

 

ところが多くの人は未だにこの事実を知りません。まだまだ世界の中では重要な先進国の1つだと信じて疑いません。

 

家電製品と言えば、日本製が一番売れていると多くの人は今だに信じています。

 

しかし現実は、中国製と韓国製が世界を席巻しています。日本製など見向きしません。

 

「現実を視よ」は日本の国が今、世界でどのような立場に置かれているのかを明確に教えてくれます。

 

そして同時に、日本がこの先どういう道に向むべきかを経営者視点で的確に明示してしいます。

 

 2012年の発行ですけど、書かれている内容は新鮮で遜色ない!

 

「現実を視よ」は、2012年10月に発行されました。既に10年近くの時間が経過しています(現在は2021年)。

 

なーんだ、随分古いじゃないか!って多くの人は思うでしょうが、内容は全く色褪せることなくかなり新鮮です。

 

むしろこの本に書かれている内容が、時間の経過とともにジワジワと現実味を帯びはじめているといった印象です。今が読み頃なのかもしれません。

 

多くの人は日本が置かれた状況を知らない、知らされていない

 

政府の発表によると、ここ数年は国内総生産(GDP)も経済成長率もプラスで、経済は順調に成長しているとのことです。

 

でも、これって本当なんでしょうか?

 

多くの人に経済成長の実感はありません。

 

景気拡大?緩やかに回復し続けている?景気がいい?

 

現実は違います。

 

トヨタ自動車の豊田章男会長が2019年5月13日、都内で開いた記者会見で「この先、終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と述べたのは記憶に新しいです。

 

つまり、日本はこの先経済成長が見込めないということです。

 

当然ですよ。この先20年間は確実に人口が減少します。人口が減少すれば内需は確実に減ります。

 

世界でも日本でもモノが売れない・・・当然ですけど、経済成長はマイナスです。

 

日本製品は既に国際競争力を失い、貿易にいたっては輸入も輸出もマイナス、経済大国だったのは過去の話しです。

 

日本製品は国際競争力を失い、中国製や韓国製が世界中で売れている

 

高性能の証、メイド・イン・ジャパンは既に過去の話しです。

 

電化製品で日本製品が優位なのは日本だけなんです。世界的に見れば、中国製や韓国製が圧倒的シェアを誇っています。

 

売上や利益も、日本の家電メーカー全てが束になっても韓国のサムスン1社にかないません。

 

これが現実なんです。

 

その事実をあまり日本人は知りません。知らされていないと言った方がよいのかもしれません。政府やマスコミはあえて都合の悪い報道は一切しないからです。

 

本当に重要な政治の話しはマスコミは一切しない

 

日本人が誰もが感じている焦燥感、経済の停滞したムードの中、政治の話しといえば言葉尻をとらえるだけの政治家同士の批判やくだらない問責決議、辞任要求ばかり・・・本当はこんなことどうでもいいんですけどね。

 

マスコミもどうでもいいような報道ばかりで確信に迫るような報道は一切しません。視聴率を稼ぐためにくだらない芸能ニュースばかり垂れ流しています。

 

アベノミクスで報道されているGDPは、単に「かさ上げ」しているだけだということは官僚も国会の答弁で認めています。しかし、その内容をマスコミは報道しません。

 

そもそも、国の借金が莫大に膨れ上がっているのは多くの人が知っていても、一向にかまわない様子で是正される気配すらありません。

 

もっと真剣に議論してもよさそうなものを、国民に全く危機感がなければどうにもなりません。

 

柳井正氏は、日本が置かれている現実や、あまり報道されない真実について、目を背けずにありのままを知るべきだ、と我々日本人に警鐘を鳴らしています。

 

最終章では、日本再生への提言もしています

 

第三章の「政治家が国を滅ぼす日」では、「政治家も官僚も三流どころか四流」と言いきっていて、時の政権政党や官僚を痛烈に批判しています。

 

ここまで書くとは、それだけの実績を積み上げ、裏付けられた自信があるからでしょう。政治家や国の批判をすると柳井さん自身にも大きなリスクがあると思いますが、それをあえて承知の上で、日本人のためにもっと知るべき事実について書いています。

 

そして、批判だけ述べているのではなく、最終章となる第四章では、柳井正氏は日本再生への提言もしています。

 

最後は日本人個々に必要な生き方として、有名なケネディの言葉が紹介されて締めくくられています。もはや国に頼っていては経済再生はままならないということでしょう。

 

さすが経営者らしい締めくくりです。単に批判だけで終わっていないところが柳井正さんらしくていいです。日本人がもう一度誇りを持って世界で輝く存在になることを提言しています。

 

根底には日本を衰退させてなるものかという意識があると思います。

 

これからの日本を背負う若い人達をはじめ日本国民全員が読むべき一冊です。