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「インテリアコーディネーター」という言葉は誰しも聞いたことがあるでしょう。
言葉の意味から、だいたいどんな職業かは想像できます。
少し前になりますが、ドラマや映画にもなった「ホタルノヒカリ」の主人公に憧れてインテリアコーディネーターの資格に興味を持った人も多いと思います。
このインテリアコーディネーターという資格、民間の検定試験ですがどれくらい役立つのか調べてみました。
もくじ
インテリアコーディネーターは資格名であって職業の名称ではない
ところで、インテリアコーディネーターという職業は存在しません。
「インテリアコーディネーター」は商標登録されていて、公益社団法人インテリア産業協会が認めた試験の合格者のみ利用可能な「称号」です。
それ以外の人は、勝手に名刺に「インテリアコーディネーター」と印刷したり名乗ったりできません。
簡単に言うと、「インテリアコーディネーター」とは資格名だということなんです。
知識ゼロでも比較的短期間で合格できる民間の検定試験
まぁ、そんなことはどうでもいいとして。
インテリア関連の仕事と聞くと、カッコいいデザイナーが登場して、モダンな建築物の室内を華やかに装飾して、明るい証明で照らして、センスのいいアンティーク家具を揃えて、居心地の良い空間を演出する・・・というイメージではないでしょうか?
ホタルノヒカリもこんな感じだったのでは?当ブログ運営者はテレビはほとんど見ないので全く知りませんけど・・・
このインテリアコーディネーターの資格試験、受験資格は一切なく誰でも受験可能です。全くの知識ゼロでも1か月~6か月程度の勉強で合格できます。
やはり女性に人気です。合格すれば憧れのインテリア関係の仕事に就けるかも、という夢を抱くんでしょうね。
試験に合格しても業務経験がなければ仕事に活かせない
しかし、試験に合格しただけで経験がなければ仕事などできません。資格を取得したからと言って、すぐに顧客にインテリアの提案などできません。
憧れているようなインテリアの仕事をするには現場での経験が必要です。
採用する会社としても、やはり経験者を優遇します。就職や転職に役立つ資格ではないということです。
インテリアの業界ではたしかに知名度は高いのですが、そこまでです。
「有資格者=実力の証明」とはみなされません。インテリアコーディネーターの資格は役立つとは言えません。
こういうコトを書くと、「努力すれば何とかなるだろ!」とか「経験を積めば一人前になれるだろ!」と言われそうですけど、やはり民間の検定試験ではできる仕事に限界があります。
インテリアのプロとして働きたいのであれば建築士の国家資格
では、一人前のインテリアコーディネーターとして働くためには何を目指せば良いのか・・・
それは建築士の国家資格を取ることです。
建築について理解していないと、インテリア全般について顧客に十分にアドバイスできません。
例えば、内装を改装したくても、構造的に柱や壁を抜いていいのか判断ができないと大掛かりな改装はできません。
建築や大規模なリフォームの提案ができるのは、法律上(建築基準法)建築士だけです。インテリアコーディネーターにできる仕事は建築設計のほんの一部にすぎません。
民間の資格には独占業務はないので、インテリアコーディネーターの有資格者にしかできない仕事は存在しません。つまり誰でもできる仕事だということです。
一方、建築士は国家資格です。法律上建築士にしかできない独占業務があります。建築士にしかでない仕事が存在します。
本気で建築・インテリア業界のプロを目指すのであれば、国家資格でもある建築士を目指してください。
2年制の学校へ通って建築士の受験資格を取得する
インテリアの仕事がしたくてインテリア系の大学や専門学校へ進む人もいますが、可能であれば建築士の受験資格を満たせる学校がおすすめです。
二級建築士の受験資格は、大学(または専門学校)の建築系学科で必要単位を修得すると卒業時に生じます。
社会人であったり、あるいは学費の面で心配であるのなら、夜間の専門学校という手もあります。
学校では、パース(建物の外観や室内を立体的な絵にしたもの)の描き方や、CADの使い方も学べます。この2つは建築・インテリアの仕事で最低限必要な技術です。
まずは、インテリアコーディネーターから入るのではなく、可能な限り建築士を取るのが先だと思います。
建築士の資格があればインテリアコーディネーターの資格も活きてくる
断っておきますがインテリアコーディネーターの資格を否定しているのではありません。
しかし、これだけ持っていても仕事にはあまり活かせません。建築士の資格があればさらに生きた資格になって仕事に役立つでしょう。
社会での評価も圧倒的に建築士の方が上です。収入も大幅に違います。就職や転職も圧倒的に有利です。
建築士の資格は難易度も高いです。建設関係の会社に勤めながら苦労して取る覚悟が必要です。
一級まで取得しなくても、二級でも十分仕事に活かせます。
役立つ資格というものは、やはり簡単には取得できません。