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敷金診断士という民間資格があります。
なにやらこの敷金診断士に依頼すると敷金が多く戻ってくるとかこないとか・・・
間に入って不動産の管理会社や大家と敷金について交渉してくれるの?
でも、そんなことしたら弁護士法に違反します。たかだか民間の検定試験の合格者に国がそんな特権を与えるはずがありません。
「士」とついているので国家資格と勘違いする人も多いようですが、完全な民間資格です。
もくじ
敷金について多少の知識があれば誰でも取り戻せる!
マンションやアパートなどを借りて住んでいる人であれば、引越し時に敷金がどれくらい戻ってくるのか心配ですよね。
借りてる方が無知であれば、管理会社や大家は引けるだけたくさん引いて返金します。
例えば、壁紙張替え費用、畳の表替え費用などと称してだいたい敷金の半分くらいは引いてくるのではないでしょうか。
多くの人は「まぁ、しょうがないか」と諦めるようですけど、実はこれってもったいないですよ。ほんの少しの知識で全額取り戻せる可能性が高いんです。
そもそも敷金とは、家賃滞納などに備えて一時的に預けているだけのお金です。家賃を滞納したら敷金から差し引かれますが、何もなければ全額返金するのが原則です。
国のガイドライン(指標)により費用負担を明確化している
こういった敷金・礼金のトラブルが跡を絶たないので、国土交通省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」というものが出ています。そこで賃貸住宅の退去時における原状回復について費用負担等のルールを明確にしています。
全部で170ページほどあるので全てを理解するのは大変です。そこで、大原則を説明するとこんな感じです。
つまり、原則として、住んでいる間にわざと(故意、過失、ミス)部屋を汚くした、破損したということがない限り、敷金は満額返金されるんです。
床・フローリングのキズや汚れ、畳の表面の汚れや変色、ポスターや絵画の跡、カーペットについた家具の跡やへこみ、壁・天井のキズ・汚れ、テレビや冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ、壁紙やクロスの変色、台所や風呂場の汚れ・・・等々
これらは通常の使用の範囲であれば、借り主は修理代金を払う必要はありません。修繕費用どころか修繕義務も存在しません。
よく管理会社の担当者が、「畳表の張替え費用と壁紙の張替え費用を敷金から引いて返金しますね」なんて言うようですが、これって論外なんです。
「は?ガイドライン知らないの?畳の表面の汚れや変色は通常の使用の範囲でしょ???」って言い返してやればいいんです。
ただし、通常の使用の範囲を超えるような汚れや傷はダメですよ。例えば、ひどい水垢や大きな破損などです。
ここでは全てにわたって詳細に書ききれませんので、ネットで調べてみてください。「敷金 全額 取り戻す 方法 ガイドライン」等のキーワードで検索すればいくらでも出てくるはずです。
退去時の立ち会いで全額返金を堂々と請求する
退去時に、管理会社と大家も立ち会ってもらい、その場で「敷金は当然ですけど全額返してください」と主張しましょう。
まぁ、多くの場合大家はメンドーなんで来ませんけどね。管理会社に任せっぱなしです。
テキトーに敷金から差っ引かれて口座に振り込まれたら面倒です。その前に全額返金の
合意を取り付けておきましょう。
中には、過大なクリーニング費用や修繕費を敷金以外に請求されて、払ってしまう人もいますが、「経年劣化であって通常の使用の範囲だから払いません」とツッパネても問題ないです。
応じてくれないなら少額訴訟という手段も
自分に落ち度がなく、全て経年劣化の範囲であるにも関わらず敷金を全額返金してくれないようであれば、少額訴訟という手段もあります。
少額訴訟とは、請求金額が60万円以下の場合に限って短期間で簡単に手続きができる裁判です。
自分で簡単にできるプチ裁判のような感じです。費用も安く短期間で済みます。裁判なんて大げさと思われるかもしれませんが、利用するケースも少なくないようです。
敷金診断士に依頼せずとも普通に取り戻せる
借りていたマンションやアパートに普通に住んでいたのであれば、敷金は確実に満額回収しましょう。敷金診断士に依頼せずとも敷金は全額取り戻せます。
「敷金診断士はADR調停人の基礎資格」なんて宣伝してますけど、できることは限定的で、例えば修繕費の査定と提案までです。
あなたの代理人になって返金される敷金の増額の交渉など法律上できません。弁護士のような資格ではないため交渉のような業務はできません。
って言うか、そもそも修繕義務が発生しないケースが多いので、敷金診断士の出る幕すらないのではないでしょうか。
自分の大切なお金を本気で取り戻したいのであれば、自分でネットで調べて、あらかじめ勉強しておいて、自分で交渉しましょう。
意外と敷金は簡単に全額戻ってきますよ。