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- その資格役立つの?
MOSってみなさんご存知ですよね!そうです、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストの略です。「MOS」で検索すると、モスバーガーも出てきますがそれとは違います、念の為。
ところでこのMOS、よく「就職に役立つ資格」「転職に使える資格」「事務系の仕事には必須の資格」などと宣伝されてますけど、ホントのところはどうなんでしょうか?
関連ページ:MOSとは | 本当に役立つ資格、全く役立たない資格
MOSは役に立たない民間資格の代表格
まず、現実的にどうかと申し上げますと、MOSが就職や転職に役立つことはほとんどありません。企業側からすると、評価の対象とは見ていないということです。
マイナスにならない程度の民間検定試験、というのが正しいのではないでしょうか。履歴書に書いてもマイナス評価にはならないけど、これといってプラスにもならないということです。
年配者ばかりの中小企業で、最近パソコンを購入したけど、誰もExcelやWordを使えない・・・そんな会社なら「なに!マイクロソフト・・・スペシャリスト!?それはすごい!採用!」なんてことになる可能性はありますけど。
それから、派遣やパート、アルバイトの採用であれば多少有利になる可能性はあります。もっとも学歴や年齢、容姿も見ますから、MOSが全てとは言いません。
就職を控えた大学生が、何か履歴書に書くために資格を取りたい、と考えて手頃な検定試験であるMOSについつい走ってしまうのはよくある話しです。普通に勉強すれば2週間くらいで取れちゃいますからね。
しかもそういった大学生はあまりランクのよろしくない大学(いわゆるFランク)の学生だったりします。
短期間でお金さえ払えば誰でも取得できるような民間検定試験です。就職や転職に役立つことはありません。
ネットで検索すると、MOSを褒めまくるサイトばかりが目立つ
googleで「MOS」あるいは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」のキーワードで検索すると、上からズラリとMOSを宣伝するサイトがこれでもかといわんばかりに出てきます。
3ページめの途中くらいまではほぼMOSの悪口は書いてません。いいことばかり書いて、積極的にMOSを宣伝しています。
多くのサイトはだいたい下記のような理由でMOSを褒め讃えています。
- どの会社でもパソコンを使って仕事をしている
- 多くの会社で使われているのはマイクロソフトのオフィスソフト
- パソコンソフトの基礎を身につけることができる
どうしてこうまで誉め称えるのかと言うと、理由は簡単です。受講生を集めたいからです。検定料でがっぽり稼ぐのが目的だからです。
検索結果で表示されたサイトの下の方まで見てください。オンライン講座の申し込みや、パソコン教室の申し込みのボタンがズラリと並んでいるはずです。
そして、お決まりのごとく、「MOSは履歴書に書けて就職や転職に役立つ!」としめくくり、「申込みボタン」へと誘導します。
まぁ、分かりますよ、確かにパソコンを使っていない会社なんてほとんどないと思います。MOSの学習をすればパソコン基礎のも身に付きますし、ExcelやWordも使えるようになります。今の世の中いわゆるオフィスソフトが必須であることは言うまでもありません。
MOSが企業でほとんど必要とされていない理由は?
会社では、ExcelやWordを使いこなすことがパソコン利用の最終の目的ではありません。
ExcelやWordを使って、いかに業務に活用するかが目的なんです。使い方を覚えるのは会社の業務の入り口にすぎないということです。
しかも、パソコンを使った業務は他にいくらでもあります。MOSが役立つケースは業務のほんの一部分であることがほとんどです。
仮に使い方がよくわからなかったとしても、入社して数日もすればほとんどの人はExcelやWordの使い方はすぐに覚えられます。それは短期でMOSに合格できるのと同じです。
そのため、社内でMOSの取得を奨励している企業はほとんどありません。入社前教育で、ExcelやWordの操作を学ぶことはあっても、MOSの取得までは必要ないんです。
MOS取得者よりも詳しい社員など社内にはいくらでもいます。操作方法がわからなかったら聞けばすぐに教えてくれます。
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MOSの宣伝サイトを見て、その気になって「申し込みボタン」をクリックしちゃダメですよ。就職や転職にこれと言って役立つことなんてありませんから。
はっきりいってお金の無駄遣いです。実社会へ出れば、MOSなんて言葉はほとんど聞きません。