法務局の建物

 

つい先日ですが「無資格で登記申請を行った疑いで東京都新宿区の建設会社の社員が逮捕された」という記事が各ネットニュースに載っていました。

 

参照:無資格で不動産登記の疑い 男らを再逮捕 産経デジタル(イザ!)(2022/06/29)

 

不動産には登記記録(かつての登記簿謄本)があり、そこには建物の現況や所有者、抵当権の情報などが明記してあります。

 

この登記記録を変更するための申請書類を作成して法務局へ提出するのは司法書士の独占業務です。誰にでもできるワケじゃないんです。

 

参考:司法書士とは

 

無資格で日常的に100回以上登記申請

 

司法書士に業務を依頼する代金を節約するために、仕方なく申請書類を作って司法書士のフリをして提出したらバレて逮捕された・・・というのであればまだ理解できます。

 

けれど、なんと、これまでに100回以上違法な登記申請を繰り返していていたといいますから驚きです。

 

さらに信じられないのですが、いずれも法務局で受理されていたといいますから超驚きです。これは驚きというよりも呆れます。

 

バレて逮捕されたきっかけは、別の詐欺容疑でこの建設業者を調べていていたところ、余罪でこの「司法書士法違反」の疑いが浮上したということです。

 

逮捕されなかったらおそらくこの先もずっと続けていたんでしょうね。

 

これは氷山の一角で、他の建設業者も同様なことをやってる可能性を否定できません。

 

だって、法務局でおとがめなしなんですから。

 

これは法務局側にも責任があると思います。本来であれば無資格者の登記申請は、窓口で拒否すべきです。

 

官公署への書類の提出は原則行政書士の独占業務のはず

 

実は、こういった無資格者による違法行為は世間では少なからず行われています。

 

例えば・・・

 

赤帽や宅急便、Amazonなどから委託を受けて個人で運送業を行う軽自動車には黒ナンバーが付いています。これは個人で運送業を営んでいるという証明です。

 

この黒ナンバーを得るには、前提として陸運局へ「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出しなければなりません。

 

この書類の作成と申請は、誰でも行ってよいワケではなく、本人以外が行うのであれば、行政書士しかできません。つまり行政書士の独占業務なんです。

 

参考:行政書士とは

 

日常的に行政書士の業務を無資格者が代行

 

とある運送会社では、普通に社員がドライバーさんの代わりに書類を陸運支局へ提出していました。

 

しかも、委任状もなにもなしで、本人から預かった印鑑持参で、職員の目の前で書類を記入していました。

 

それも日常的に毎週のように、ごく当たり前のように陸運局に提出して、窓口で受理されて、陸運局のファイルに綴じられていました。

 

それって行政書士法違反だろ?!

 

私は既に行政書士の資格を持っていましたから、違反であることはすぐに理解できました。

 

知ってか知らずか、少なくとも当事者は法律に違反しているという認識はなかったと思います。

 

無資格で皮膚縫合?!それはさすがにヤバいでしょ!

 

さらに、信じられないようなニュースも最近目にしました。

 

「無資格で役所へ申請する行為」ではありませんが、無資格者による医療行為です。

 

医師免許のない臨床工学技士が、手術で患者の皮膚の縫合を行っていたそうです。

 

参照:医師免許ない臨床工学技士、手術で皮膚縫合 : 読売新聞オンライン(2022/06/29)

 

参考:臨床工学技士とは

 

縫合って簡単に言いますけど、今までどれくらいやったんでしょうね!

 

バレたキッカケは匿名のタレコミだそうです。

 

ということは、繰り返し行われていたであろうということは容易に想像がつきます。おそらく手慣れたもんで、テキパキと縫合していたんだでしょう。

 

まさか、前述のニセ司法書士と同じように既に100件以上縫合していたらちょっと怖いですね。

 

「患者の健康状態に問題はない」らしいですけど、そういう問題じゃないでしょ!

 

無資格者の登記申請と違って、医療行為は生死に関わる行為です。かなり悪質だと思います。

 

歯科助手が患者の詰め物をするのはよく見る光景かも

 

患者の皮膚の縫合は極端な例だとしても、歯科助手が普通に口に手を入れて削った歯の部分に仮の詰め物をして、それを外すのはよく見る光景のような・・・私だけでしょうか。

 

本来、歯科助手は患者の口の中に手をいれる行為はできません。歯科医師あるいは歯科衛生士のみです。

 

けれど、歯科助手が医師や歯科衛生士の業務の一部を平然と行っていたりします。

 

私が以前通っていた歯医者では、削った歯の穴に仮の詰め物を入れる作業はいつも歯科助手が行っていました。

 

手慣れたもので、噛み合わせなんかも調整してくれました。

 

まぁ、上手だったので文句は言いませんけどね。

 

参考:歯科衛生士とは歯科助手とは

 

バレなきゃ大丈夫・・・そんな考え方がまん延

 

無資格者によるレントゲン撮影、行政書士による税務申請書の作成、測量士による土地の境界に関する申請書の作成、無資格者によるあん摩マッサージ指圧等、医師免許を有しない従業員がレーザー脱毛施術、無資格者による完成車検査(日産自動車)・・・

 

こういったニュースは枚挙にいとまがありません。ネット上ではごく普通に目にするニュースです。

 

いずれも、表向きは「人手不足」を理由とするケースが多いようですが、根底には「経費削減」の狙いがあります。

 

わざわざ有資格者に業務を依頼すると、その分余計な経費がかかります。

 

「バレなければいい」そんな空気が日本国中にまん延しているような気がします。

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