ノートとクリップとペン

 

資格試験に挑戦するにあたって気になるのが合格までに必要な勉強時間です。

 

どこの予備校や通信教育のホームページにも合格までに必要なおおよその勉強時間が載っています。

 

例えば「合格に必要な勉強時間は平均1000時間」となっていれば、毎日3時間の勉強で1年くらいで合格できるという計算が立つので、挑戦しようか迷っている人には有益な情報です。

 

けれど、この数字、ほとんどがアテにならないと考えた方がいいです。

 

予備校や通信教育の会社がいう「合格に必要な学習時間」は最低限の勉強時間であって、可能性としては低いと思ってください。

 

例えば社会保険労務士試験合格に必要な学習時間は?

 

人気の国家資格でもある社会保険労務士について、予備校・通信教育各社がどれくらいの数字を「合格に必要な学習時間」としているのかを調べてみました。

 

  • ユーキャン:目安として1000時間
  • スタディング:平均500~1000時間が目安、最低でも500時間
  • TAC:800時間~1000時間
  • アガルート:800時間
  • フォーサイト:800~1000時間

 

どこも概ね800~1000時間としています。

 

本当にこれくらいの勉強時間で合格できるのでしょうか?

 

率直に申し上げてこの程度の勉強時間では無理です。合格ラインはまだずいぶん先です。

 

もちろんその人の能力にもよるので一概に否定できません。記憶力が極端に良い人であれば500時間くらいの勉強時間で合格できるかもしれません。

 

しかし、合格者の多くは1000時間どころかその倍以上の2000時間以上は勉強して、複数回受験してなんとか合格しています。

 

つまり「1000時間」というのは最低限必要な勉強時間です。これが現実です。

 

マレなパターンを引き合いに出して「合格に必要な勉強時間」として紹介するのはいかがなものかと思います。

 

実は、この1000時間という数字、ずっと以前から言われてますが、全然変わってません。

 

多少難易度の変化はありますが、社会保険労務士は軟化傾向にあります。それを一貫して「1000時間」というのはあまりにも無責任な気もします。

 

7%の合格率、1000時間程度じゃ到底無理です!

 

社会保険労務士試験の合格率は7%前後です。

 

7%って聞くと「そんなに難しくないような・・・」って感じる人もいると思いますが、7%の合格者の中には2回め、3回め、あるいはそれ以上の受講生も大勢います。

 

全員が同じスタートラインに立っていないんです。

 

通信講座の会社などは、「短期で一発合格!」などと宣伝していますが、一発合格などは合格者全体の1%ほどです。合格までに3〜5回くらいかかる人が多いです。

 

参考記事:資格試験の合格率は公表されている数字よりもっと低い理由。

 

一度でも社会保険労務士試験の勉強をした経験がある人であれば、その難易度はよく分かると思います。

 

試験範囲は想像以上に広く、膨大な暗記を必要とします。

 

「足切り」により毎年多くの人が涙をのむ

 

社会保険労務士試験が難しいと言われる理由のひとつが「足切り」の存在です。

 

選択問題を8科目全てを3/5以上取らないと、いくら他で満点近くてもその時点で不合格になってしまいます。

 

実力のある人でも選択問題で1科目落として不合格という人が普通にいます。落ちる人はこの足切りで5年や6年、あるいは10年以上受験を繰り返します。

 

簡単に言えば、合格レベルには1000時間あれば足りるかもしれませんが、そこから実際に合格するのが想像以上に難しいということです。

 

当然、複数回受験になると勉強時間はどんどん長くなります。1年目に1000時間を費やし、2年目も1000時間、3年目も1000時間だとすると、あっという間に3000時間になります。

 

しかも、3000時間かければ全員が合格できるワケでもありません。挫折者は、合格者の数の何倍もいます。

 

受講生を一人でも多く獲得したいので本当のことは書けない

 

どこの予備校も通信教育の会社も受講生を一人でも多く獲得したいです。自社の優位性をPRするのに一生懸命です。

 

そのため、難しいイメージを抱かせるような内容は掲載できません。

 

「合格までに必要な勉強時間は3000時間以上で挫折する人も多い難関な社会保険労務士試験」なんて説明したら受講生は集まらないですよね(笑)。

 

そこであえて、「合格できそうな最低ラインの勉強時間」を載せるワケです。

 

「1000時間くらいなら挑戦してみようかな・・・」って感じです。

 

で、これを鵜呑みにして講座を申し込むと「想像以上に難しかった」となって挫折してしまいます。

 

予備校や通信講座の会社が公表する無責任な「合格に必要な勉強時間」を信じてはいけません。

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