昨日は、介護についてとっても前向きな気持ちにしてくれる、いわゆる良書に分類される本を紹介しました。

 

介護の世界に飛び込んでみたいけど不安・・・そんな人の背中をポンと後押ししてくれるような清々しい内容です。

 

今回紹介する本はまさに真逆といえるような内容です。少し背筋が寒くなるような内容ですけど、これは全て現実に起きています。

 

高齢化社会の現実を包み隠さず教えてくれる衝撃的な1冊


長生き地獄 (SB新書)

 

特別養護老人ホームや介護施設でのお年寄りの毎日の生活の実態が生々しく紹介されています。

 

ある施設では、大広間にズラリと一列に並べられたベッドにお年寄りが寝かさられています。そのお年寄り達は意識もあるのか無いのか分からない様子で、一日中ただベッドの上でほとんど身動き1つすることもなく横たわっています。

 

しかも、鼻や手首にチューブを差し込まれています。食事など自分ですることはできません。その代わりに胃にチューブを差し込んで栄養を流し込む「胃ろう」という方法で栄養を補給します。この「胃ろう」という言葉もぼくは知りませんでした。

 

ここにいるお年寄り達は強制的に「生かされ続けている」にすぎません。こんな状態で生かされて本人ははたして幸せなんだろうか・・・

 

この状態はいつまで続くのか、1年?2年?ひょっとしたら10年以上続くかもしれません。おそらく本人が死ぬまで続けられるでしょう。

 

そして、死んだら定型的な手続きで後は処理され、空いたベッドに次のお年寄りが横たわる・・・

 

「生かされ続けている」というよりも「死ぬのを待っている」と言った方が合っているかもしれません。

 

こんな生き方にどんな意味があるのか?それを筆者は読者に問いかけています。

 

これは珍しい話しでもなんでもなく、現実的に日本社会で日々営まれていることです。おそらくこれからも増えていくでしょう。

 

なんのために生きているのか考えさせられます。長生き=めでたい、なんて言ってられません。

 

読んでいると長生きが怖くなってくる

 

既に自然の状態では生きていけない体になっているのに、現代医療の力で人工的に生かされ続ける、しかも痴呆で本人に正常な意思がないにも関わらず・・・

 

知っている人にしてみれば既に現実の世界でしょうが、ぼくにとってはかなり衝撃的な内容でした。日本の介護の世界、高齢化社会の現実を理解できました。

 

日本は、平均寿命が男女とも世界一の長寿国です。けれど、こんなことをして長生きして、一体何の意味があるんでしょうか。こんな長生きなんて全然世界に誇れません。

 

孤独死や無縁仏よりも怖い「長生き」。長寿は必ずしも幸福ではありません。「長生き=幸福」という価値観は崩壊しつつあります。長生きすることは、いかにリスクが高いことなのか理解できます。

 

自分の死について改めて考えさせられる

 

この本を読むと、長生きがいかに大変で怖いことかよく理解できます。同時に「死」について考えさせられます。

 

誰かに看取られて死にたい、ボケたくない、孤独死はイヤだ、なんて言ってられません。とにかく誰にも迷惑をかけることなく、自然に天寿を全うしたい!と切に願うばかりです。

 

今の日本の高齢化社会、はたして国民にとって幸せなのか不幸なのか・・・ぼくは不幸なことに思えてなりません。医療技術の進歩で日本人の平均寿命は延びたかもしれませんが、それが幸せに結びついているとは到底考えられません。

 

どこかで日本の医療は間違った方向に進んでしまって現在に至っていると思えてきます。

 

最期は1人でひっそりと死にたい・・・そう真剣に考えてしまいます。

 

 

これから介護に関する資格を取って、この世界に飛び込んでみたいと考えている人にはちょっと衝撃的な内容です。

 

北欧の国での安楽死についても書かれていますが、歴史的な背景と現状について理解できます。

 

おすすめの1冊です。最期までイッキに読めてしまいます。ちょっと人生観が変わる本です。