民間の心理カウンセラーの資格はどれもおすすめしません

カウンセリングを行っている女性

数ある心理カウンセラーの資格の中でおすすめはどれですか?

通信講座で取得できる民間の心理カウンセラー資格ってホントたくさんありますよね。

どれが一体おすすめなんでしょうか?仕事につながったり知識として役に立つのはどれでしょうか?

知らない人であれば迷ってしまいますよね。

結論を申し上げますと、どれも必要ないですね。おすすめはありません

通信講座で短期間で取得できる程度の「なんちゃって心理資格」など取得する意味はありません。

講座受講料と検定試験受験料、さらには登録料やら年会費、更新費を目的とした資格商法も多いので要注意です。

目次

心理カウンセラーと称する検定試験がいっぱいある!

ここでは個別具体的な心理カウンセラー資格の名称を列記するのは控えますが、驚くほどたくさんあります。

概ねどれも「メンタル」と「心理」と「カウンセラー」の言葉を組み合わせています。探せばたくさんあります。全て法律的な根拠などない民間の検定試験です。

これらの民間資格に共通して言えるのは、どれも3~6万円程度の通信講座の受講が必須で、数か月程度の短期間で合格できるものばかりだということです。

試験は多くは在宅受験です。これならほとんど全員が合格できます。

テキストも超基本的な内容です。「心理カウンセラー」と名乗るにはレベルが低すぎます。もちろんカウンセリングの実習などもありません。

そういった短期間で取得できる民間資格にどれくらいの価値があるのでしょうか?

仮に本職のカウンセラーにならなかったとしても、その資格が知識として役に立つことはないと私は思います。

中には専門性の高い民間資格もある

もちろん私は民間資格の全てが無駄だとか詐欺だなんて言ってません。

中には専門性の高い民間のカウンセラー資格もあります。

例えば、臨床心理士、認定心理士、心理学検定などです。

臨床心理士はスクールカウンセラーの任用資格になっています。認定心理士と心理学検定は大学・大学院で専門性が認められています。通信講座の受講は必要ないです。

あるいはメンタルヘルスマネジメント検定であれば、テキストは市販されているので通信講座を受講する必要もなく勉強できます。

こういった民間資格であれば、心理職に就けるかどうかは別にして学習する意味はあるでしょう。

民間の心理カウンセラー資格では仕事につながりません!

こめかみに指をあてて疑う女性

手っ取り早く通信講座で心理カウンセラーの資格らしきものを取得してカウンセラーの仕事に就職したい、あるいは心理カウンセラーとしての知識を身に付けたいと考えているのであれば止めた方がいいでしょう。

講座受講料と受験料を目的としただけの資格商法です。お金と時間の無駄です。

民間の心理カウンセラー資格など合格しても就職や転職には役に立ちません。履歴書に書いても完全にスルーです。

って言うか、履歴書に書くと笑われるのがオチです。

スクールカウンセラーには応募すらできない

では、民間のカウンセラー資格では仕事につながらないという点をもう少し掘り下げて説明します。

就職するために必要な条件を確認するのが一番明確です。まずはカウンセラーになるために必要な条件を確認します。

カウンセラーの代表的な仕事といえばスクールカウンセラーです。全国各地の小中学校はもとより高校・大学でもカウンセラーの配置が進んでいます。

ここで必要となるのが下記の資格です。

  • 精神科医
  • 公認心理師
  • 臨床心理士

(※心理学に関する教授・助教授、一定年数以上現場に立った教職員、心理学の研究者なども資格要件を満たす場合が多い)

民間のカウンセラー資格では応募すらできません。つまり、資格として認められていないということです。

精神科医になるには医学部で最低6年間は勉強します。

公認心理師と臨床心理士は大学で4年以上、さらに大学院(修士あるいは博士)で2年以上心理学について研究します。

それではじめて受験資格を得ます。その後試験に合格しなければなりません。

つまり、いずれも6年以上という長い年月をかけてようやく心理カウンセラーになれるんです。それほど心理学は奥が深いんです。

それをたった数か月の通信講座でプロのカウンセラー?在宅受験?ちょっとふざけてます。

こういった実践には不十分な知識レベルの民間資格で中途半端にカウンセリングなどを行うのであれば、かえって「有害な行為」となる可能性すらあります。

心理学について勉強したいなら本を借りて読めばいい

中には、仕事には活かせなくてもいい、人のため自分のために心理学について勉強してみたい、そう考えている人も多いでしょう。

それなら図書館で借りるなり本屋で買って読めばいいだけのことです。

心理学って、人気の分野なので入門書も専門書もたくさん並んでいます。

一度図書館で予約して借りて、気に入ったら買えばいいだけのことです。

わざわざ数万円も払って民間の通信講座を申し込んでも、多くは人気の入門書を少し改変して載せてるだけのテキストです。

何度でも言いますけど、民間の心理カウンセラー資格など意味ないです。

そもそも通信講座に頼る人の動機も浅はかなんですけど・・・

バインダーを持ってメモを取る白衣の女性

ただ、思うんですけど、こういった民間資格に頼ってしまう側にも問題があるような気がします。

  • 大学や大学院へ通って公認心理師などの資格を取得するのはお金も時間もかかって勉強も大変そう。
  • 社会人あるいは主婦なので、大学へ通うのは難しい。それで仕事や家事の合間に学べて取得できる心理カウンセラー資格はないものか?

そんな考え方の人がとても多いんです。

そこで、お手軽そうで誰でも短期間で5万円程度で取得できる通信講座で取得したい。そしてカウンセラーの仕事をしたい・・・そう考えるようです。

「時間がなくて大学は無理だから、大学で専門の勉強もせずに、お手軽に手っ取り早く通信講座で資格を取りました。勉強したのは4か月です」

そんな人誰も信用しませんし、採用する側は全く評価しません。

民間の心理カウンセラー資格に頼ってしまう人は考え方が全般的に浅はかで安易です。

その点もやはり考え直す必要がありそうです。

受講生は単なるカモです。被害額が5万円程度なんで表立って騒がれないだけです。

心理カウンセラーの職に就きたいのであれば、しっかり勉強して大学の心理系の学部へ進んで、その後大学院で心理学の研究をしてください。

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