「行政書士って儲かるの? 儲からないの?」こういった疑問を持っている人は少なくないでしょう。
「儲かっている行政書士もいれば儲かっていない行政書士もいる」
これがある意味正解だと思います。みなさん納得するでしょう。けれど、それじゃあまりにも説得力がないです。
そこで、是非紹介したいのが兵庫県西宮市にある行政書士事務所です。
こちらの代表者の方の考え方が理解できれば、行政書士として成功するための条件が見えてきます。
これから行政書士の国家試験に挑戦してみようかと迷ってる方、最後まで是非ご一読ください。
行政書士とは、独立も可能な人気の国家資格
行政書士とは、毎年ほぼ4万人以上が受験する人気の国家資格です。
参考:行政書士とは
ちなみに、令和4年度(2022年度試験)の受験者数は47,850人、合格者は5,802人でした。
この資格、合格すれば独立して事務所を開けるとあって特に会社員に人気です。
合格しただけ、つまり資格を持っているだけの人がほとんど
しかし、現実には合格しただけ、つまり行政書士の資格を持っているだけの人の方が圧倒的多数です。
開業しても多くは2年以内に諦めて閉鎖とか、そもそも儲からないとか、とっくに飽和状態で需要がないとか・・・そういった体験談やら噂を耳にすると開業するのを躊躇してしまいます。
就職や転職に活かそうと思っても、全国的に行政書士の求人はとても少ないです。
で、合格したけどそのままで、他の国家資格を目指したり、ずっと開業せずに有資格者のままという人が大勢います。
ちなみに、私もそうです。
行政書士として続けていけるかどうかは考え方や行動力次第
もちろん、行政書士として事務所を開いて果敢に挑戦する人もいます。
けれど、事務所の看板を掲げて見栄えの良いホームページを作って、NTTの電話帳に広告を出したところで、待てど暮らせど問い合わせや仕事の依頼なんて来やしません。
やっぱり行政書士は儲からないのか・・・と、かつて聞いた後ろ向きの噂が頭をよぎります。
もちろん行動力や営業力が必要なのは言うまでもないです。
とは言え、儲かるか儲からないかは、やはり仕事に対する取り組み方次第です。
儲からなかったということは、きっと何かが欠けているのでしょう。
そこを理解できず、せっかく事務所を開いても短期間で閉鎖する行政書士がどれほど多いことか。
優秀な行政書士の考え方を参考にすると解答が見えてくる
私が行政書士試験に合格したのは平成17年度です。合格率が2.6%と超低かった年です。
事務所を開こうかとも考えましたが、やっぱり冒頭の疑問通り「行政書士って儲かるの?」と考えると二の足を踏めません。
これと言って得意な分野があるわけでもありません。
そこで、どこかの事務所で雇ってもらおうなどとイロイロと考えながらネットで調べまくっていると、ひとつの行政書士事務所のホームページにたどり着きました。
それは、兵庫県西宮市にある甲子園法務総合事務所です。
参考:甲子園法務総合事務所
平成18年にこの事務所について知ったので、もうずいぶん前の話しになります。やはり2024年3月現在も活躍されているようです。
短期間で事務所を閉鎖する人が多い中、模範というか理想的な事務所です。
仕事もある程度潤沢に回って経営が軌道に乗っている行政書士事務所です。
この事務所の代表でもある藤井さんの考え方を理解できれば、「行政書士って儲かるの?」という疑問に対する解答がおのずと見えてきます。
この事務所、驚くことに正規常勤職員が7名もいるようです(2013年9月現在となってますが、2023年現在も同等数のようです)。
全国の行政書士事務所のほとんとが1名(行政書士本人のみ)あるいは補助者が1名(多くは嫁さん)程度の超零細事務所であることを考えると、確実に「大手の行政書士事務所」の部類です。
まず業務内容ですが、下記を中心に活動をされています。
得意業務 ~この業務ならば誰にも負けません!~
- 会社設立手続
- NPO法人設立手続
※甲子園法務総合事務所のホームページより一部引用
しかし「誰にも負けません!」と言い切っているのがスゴイですね。
実績も多くよほど自信がある分野なんだと思います。この姿勢は見習いたいものです。
求人情報を見ると行政書士に必要な考え方が理解できる
この事務所は定期的に正社員を募集しています。
「求人情報」のタグをクリックすると、まず採用条件として下記のようにサラリと(ところどころ長文で)説明文が出てきます。
- 求める人物像
- 弊社があなたに提供できるもの
- 休日、給料、賞与
- 採用試験、応募方法
- 仕事の内容
まぁ、ここまではどこでも見かけるような一般的な内容です。
続いて、かなりの長文で代表でもある藤井さんの考え方を交えて下記についても説明しています。
- 労働時間について
- 賃金について
- 弊社の「行政書士資格」に関する考え方
- その他、求人応募者に伝えたいこと
中でも、最も藤井さんの行政書士に対する考え方が如実に表れているのが【弊社の「行政書士資格」に関する考え方】で書かれている下記の文章でしょう。
◆賃金について◆
採用面接の際に、「行政書士の資格を持っていますが、資格手当みたいに加給されることはあるのでしょうか?」と質問を受けることがあります。(資格を持っている方は必ずこの質問をしてきます。)答えは「資格手当はありません」です。
ここで、資格を持っている方に逆に質問をさせてください。
あなたは、
- 会社設立の書類を一から間違いなく作成できますか?
- NPO法人設立の書類を一から間違いなく作成できますか?
- 障害福祉サービス事業所立ち上げ時の許認可書類を一から間違いなく作成でき、役所に受理していただくことができますか?
- 経理作業や給与計算が間違いなく行えますか?決算書が作成できますか?決算手続きについて弊社提携税理士と打合せができますか?
- 上記に関する依頼者からの質問に即答できますか?コンサルティングを行い、お客様に満足を提供できますか?
弊社は「○○の作業ができれば基本給○円アップ」というように、完全実力主義で給料を決定していますので、仮に資格をもっていても、仕事ができなければ給料は最低ランク(最低賃金)からスタートです。
引用:行政書士求人情報:行政書士法人の求人・補助者募集のお知らせ
つまり、行政書士として仕事ができて給料を払うのであって、行政書士という資格に給料を払うんじゃないってことです。
「行政書士って儲かるの?」と考える人は、まずその前に行政書士として何ができるのかを考えた方がよいでしょう。
もちろんこの考え方は、司法書士、社会保険労務士、税理士、弁護士、土地家屋調査士など、他の士業すべてに当てはまりそうです。
漠然と独立を考えているだけの人にはかなり衝撃的かも・・・
当時私は、何時間もかけてこのホームページをじっくりと読ませていだだきました。
漠然と行政書士事務所の求人を探していただけの私にとってはかなり衝撃的とも言える内容でした。
「ここまで覚悟を持って行政書士という仕事に挑戦できるのか?」と自問自答しただけです。
将来何かの役に立てば・・・儲かる分野があれば・・・という程度の動機で行政書士試験に挑戦した自分には、とても高いハードルのように感じられました。
実力があれば年齢・男女は関係なく採用
甲子園法務総合事務所は、採用にあたって年齢制限などは無いようです。
高齢であっても、女性であっても藤井さんの求める人物像に合致して「能力」と「やる気」があれば採用すると明記してあります。
行政書士として稼げるのかどうか不安なアナタ、このホームページに書かれている内容は参考になるはずです。
覚悟のある人なら応募してみては?
あるいは自分で事務所を開く予定の人であれば、一読するだけでも大いに参考になって勇気づけられるはずです。
独立する際の支援制度もある!
そして、驚くことに藤井さんは独立も支援しています。
せっかく一人前になったのに辞められたらガッカリするのが一般的でしょうけど、全く逆です。開業ノウハウすら提供するようです。
実際に、この事務所を退職後独立した元従業員が何人もいるようです。
ここの事務所で成果を出して藤井さんに認められるような人でしたら、行政書士として開業しても稼いでいけるでしょう。
逆に、採用後6か月の試用期間で「能力無し。短期間での改善も難しい」と判断されるような人であれば、行政書士として開業してもおそらく稼げないと思います。
藤井さんほどの意気込みがある人で、その気持を継続できるようであれば、間違いなく行政書士として稼げるでしょうね。
つまり、「行政書士は儲かる」ということです。
ちなみに、藤井さんは大の阪神ファンのようです。