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新卒予定の学生や、再就職や転職を考える社会人に人気の資格と言えば、簿記検定、MOS、FP(ファイナンシャルプランナー)、ITパスポートなどです。

 

履歴書に書けば有利になる!なんて盲目的に信じて安くないお金を払って取得に走る人も多いようですが、どれくらい選考で有利になるのでしょうか?

 

率直に申し上げて、この程度の民間資格じゃ就職活動は有利にはなりません。これと言って自己PRにもつながりません。

 

それどころか、採用する企業側は学生が持っている資格などに感心はないんです。

 

つまり、MOS、FP(ファイナンシャルプランナー)、ITパスポートなどは履歴書に書いても完全スルーなんです。

 

※FPは技能検定試験、ITパスポートは一応国家資格ですけど。

 

企業は、採用にあたって学生の所有資格はほぼ見ていない。

 

採用する企業側は学生が持っている資格などに感心はないという点について、根拠となる資料が経団連所属企業によるアンケート結果に出ています。

 

※下記は「2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」より抜粋しています。

 

2018年経団連アンケート結果

 

上記に年度毎の「新卒採用に関するアンケート調査」が掲載されています。なお、2019~2021年度についての掲載は2022年11月現在ではまだ掲載されていません。

 

※抜粋したのは、2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果(pdf)です。

 

そもそも採用基準に「保有資格」の項目がない。

 

上記の表内に資格の項目がありません。つまり、採用する企業としては学生の保有資格などそもそも参考にすらしていないということです。

 

かつて、2104年度のアンケート結果までは「保有資格」という項目があったんですけど、それでも0.8%という低い数字でした。

 

経団連参加企業のアンケート結果ですから、一定規模以上の企業に限定されてますが、「学生のコミュニケーション能力」や「主体性」「チャレンジ精神」を重視しているということがわかります。

 

かつてあった「保有資格」の項目がなくなったのは、くだらない民間の検定試験をずらずらと履歴書に書く学生が増えたので、思い切ってバッサリと採用基準から外した企業が増えたのが理由かもしれません。

 

けれども、全くゼロということはないので、おそらく一番下の「その他 3.9%」に含まれているものと思われます。

 

簡単な民間資格程度では自己PRにもつながらない。

 

グループ面接の様子

 

いくら簡単な資格や検定試験とはいえ、「履歴書の免許・資格欄に資格名を書けば、それなりにPRにつながるのでは?」という意見もあります。

 

まぁ言いたいことはわからないでもないです。きっと書いてもマイナス要因にはならないでしょう。

 

資格取得は、上記の表の3番めに出てくる「チャレンジ精神」に該当して自己PRにつながるような気もします。

 

けれど、数週間~数か月程度で比較的容易に短期間で取得できる程度の民間検定など評価されません。

 

評価されるとしたら、取得するのに1年以上の時間を要する難関な国家資格くらいでしょう。

 

資格といっても学習する内容が基本的すぎる

 

しかも、MOSやITパスポート、FPなどは学習する内容が基本的すぎます。入社したら数日でマスターできる程度の内容です。

 

「MOSは社会に出たら必ず必要だから有資格者は有利になる」なんて一部で言われてますが、ExcelやWordが使えるという理由だけで企業は採用しません。

 

それらは使えて当たり前なので、入社したらイヤでも使うようになります。初心者でも社内研修や入社前研修ですぐに使えるようになります。

 

参考:MOSとはITパスポートとはファイナンシャルプランナーとは

 

唯一評価されるとしたら簿記二級

 

簿記、MOS、FP、ITパスポートの中で、唯一評価されるとしたら簿記検定くらいでしょうね。しかも、三級では弱いです。少なくとも二級くらいあれば少しは有利になる可能性はあります。

 

ただし、簿記二級だけで必ずしも有利になるとはいえません。面接の結果、コミュニケーション能力や主体性に問題がなければそれに合わせて簿記二級が評価されるといった感じです。

 

つまり、簿記二級を持っていても、面接の結果が悪ければ速攻で落とされます。

 

基礎学力の高い学生であれば、入社後仕事をしながら簿記二級程度の実力はすぐに付きます。

 

参考:簿記検定とは

 

なぜ就職が有利になるなどという噂が多いのか?

 

ではなぜ、学生の間で、特にFラン学生の間で、「簿記、MOS、FP、ITパスポートを持ってると就活が有利になる」なんて噂が多いのか?

 

理由は簡単です。

 

資格取得の通信講座を開いている企業や資格予備校が儲けるために誇大にPRしているからです。

 

さらに、何も知らない人達が「資格=就活が有利」などという根拠もない書き込みを繰り返すので、何も知らない学生が信じてしまうんです。

 

取得しないと就活がフリになる、転職活動がうまくいかない、なんて不安を煽れば藁をもすがる思いで多くの人が飛びつきます。

 

そんな大人の世界の事情に振り回されている学生が少し可愛そうな気はします。

 

資格よりももっと大切なことはいくらでもある。

 

資格よりも、もっともっと大事なことがたくさんあります。つまり、企業の採用基準に対応しなければいつまで経っても採用されません。

 

本当に基本的な内容ですが、面接の基本マナーを知らない、身だしなみがダメで表情が暗いようでは資格以前の問題です。

 

それが証拠に、先程のアンケート結果によると「一般常識」が低い数字ですけ6.5%ほどの企業で重視するという結果も出ています。

 

もちろん採用基準に出身大学も入ってます。学歴フィルターなども現実的に存在します。

 

ロクに企業分析もできていないような、話しを盛って平気でウソをつくような(学生のウソなどすぐばれます)、ありきたりの質問しかできないような、面接担当者の質問に的確に答えられないような・・・それじゃ無理です。

 

社会人であれば、それまでの経験、実績、年齢、学歴などの方がよほど重要です。地方へ行けば出身高校で判断される場合もあります。

 

 

簿記、MOS、FP、ITパスポートなどでの簡単な検定試験程度じゃ、新卒大学生の就活、社会人の就職や転職は有利になりません。

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