テレビを消すことによる節電効果はエアコンの1.7倍?

テレビのリモコン

夏が近づくと、決まってマスコミが騒ぎ立てるのが「今年の夏の電力事情」です。

少し前、2022年の夏にも「電力需給ひっ迫の恐れ」が大々的に報じられ、日本中が節電モードになったのを覚えている方も多いかと思います。

その際、テレビのワイドショーではお決まりのごとく「節電のためにエアコンの設定温度は少し高めに」「使わない電化製品はコンセントを抜く」などと解説していました。

これ自体は身体に無理のない範囲で行うべきですし、私も大賛成です。

しかし、私がどうしても気になったのは、アナウンサーが発した次のコメントでした。

「テレビは画面を少し暗くすれば節電につながります」

これを聞いた瞬間、私は正直呆れました。

どこまで自分たちに都合のいい情報しか流さないつもりなんだ!と。

本気で節電を訴えたいのであれば、なぜこう言えないのでしょうか。

見ないテレビは、今すぐ消してください」と。

もっとも、テレビ局の人間は口が裂けてもそんなこと言えません。

なぜならそこには、マスコミが絶対に国民に知られたくない「不都合な真実」があるからです。

目次

ネットを騒がせた「テレビの節電効果はエアコンの1.7倍」という数字

当時、ネット上である公的なレポートが大きな話題を呼びました。 野村総合研究所が2011年4月に発表した「家庭における節電対策の推進」という報告書です。

そこには、夏の日中(ピーク時)の節電効果として、驚きの数値が並んでいました。

  • 液晶テレビをこまめに消す:一軒あたり「220W」の節電効果
  • エアコンを1台止める:一軒あたり「130W」の節電効果

単純に計算すると、「テレビを消す節電効果は、エアコンを止めることの約1.7倍」ということになります。

この衝撃的なデータをもとに、「エアコンを敵視する前に、テレビ局が放送を休止しろ!」という世論が巻き起こったのです。

参照:家庭における節電対策の推進(2011年4月15日) | 株式会社野村総合研究所(pdf)(5ページ参照)

しかし、ここには非常に巧妙な「数字の罠」が隠されていました。

専門家も指摘する、11年前のレポートに隠された「数字の罠」

テレビとエアコンが付いた部屋

実は、この「1.7倍」という数字を現在の生活にそのまま当てはめることはできません。

これには2つの理由があります。以下に説明します。

算出された「前提」が全く違う

レポートをよく読み解くと、比較されている前提が不平等であることが分かります。

  • エアコンの130W = 「家庭にあるエアコンのうち、1台を完全に止める」
  • テレビの220W = 「家庭にあるすべてのテレビ(当時は複数台所有が前提)の視聴時間を一律に減らす」

つまり、「テレビ1台 vs エアコン1台」のデータではなく、「家中のテレビ全部 vs エアコンたった1台」の比較だったのです。

さらに、2011年当時はまだ消費電力が極めて大きい旧式の「プラズマテレビ」や「ブラウン管テレビ」が現役で多く残っていた時代のデータでした。

テレビの驚異的な省エネ化

2011年以降、家電の省エネ技術は劇的に進化しました。

エアコンも省エネ化が進みましたが、それ以上に液晶テレビの省エネ化は凄まじく、バックライトがLEDに移行したことで、現在の40インチ前後の液晶テレビの消費電力はわずか50W〜80W程度にまで激減しています。

野村総合研究所自身も、2022年のひっ迫時には「当時と現在では家電の性能が異なるため、この数値をそのまま現代に適用するのは不適切」と公式に説明する事態となりました。

現代のリアル:本当に消すべきなのはどっち?

では、現代の基準で夏の猛暑日に本当に消すべき(見直すべき)なのはどちらなのでしょうか。

結論から言えば、圧倒的に「エアコン」です。

夏の猛暑日にフル稼働するエアコンは、1台で数百W〜1,000W以上の電力を消費します。

そのため、本当にピーク時の電力を抑えたいなら、エアコンの設定温度を見直す(28度にするだけで約130Wの節電)ほうが圧倒的に効果的なのが現実です。

テレビを1台消すよりも、エアコンの使い方を少し工夫する方が、現代の省エネ基準では何倍もインパクトが大きいのです。

自分たちにとって都合の悪い情報は報道しないマスコミ

フジテレビの社屋

「なんだ、じゃあテレビを消してもそんなに節電にならないのか」と思った方もいるかもしれません。

しかし、話はここからが本番です。

たとえ現在のテレビの消費電力が50W〜80W程度だとしても、日本中の何千万世帯が一斉に「見ていないテレビ」を消せば、それだけでメガソーラー発電所数基分に匹敵する凄まじい電力量が浮くことになります。

テレビを消したところで熱中症にはならないですし、少なくとも健康被害などは考えられません。

最も手軽で、今すぐできる完璧な節電対策です。

それなのに、なぜテレビ局は「画面を少し暗くして」などという、効果の薄い微々たる対策でお茶を濁したのでしょうか?

理由はあまりにもシンプルです。 「国民にテレビを消されたら、自分たちが一番困るから」です。

テレビ局の本音は「節電はしてほしい(ポーズとして叫びたい)けれど、番組は見続けてほしい。

視聴率が下がってスポンサー収入が減るのは絶対に嫌だ」という身勝手なものです。

自分たちの身の保全が最優先。これは民間放送も、受信料で成り立つNHKも、そして本質的なメディア規制をしない国も根っこは同じです。

本当に電力が切羽詰まっているなら、夏の消費電力のピーク時にテレビの電源を切るように視聴者にお願いすればいいんです。

もっと言えば、放送自体を止めてしまえばいいんです。

夏の消費電力のピークは2回あります。「13時〜16時頃」と「17時〜21時頃」です。

そのタイミングを狙って、「お名残惜しいですが、電力を守るために今すぐテレビをお切りください。また夜にお会いしましょう」と伝え、放送を数時間ストップすれば一瞬で解決するはず。

さすがに、放送自体を止めてしまえば、どんなにテレビ好きな家庭も電源をOFFにするでしょう。

しかし、彼らはその「最も簡単で効果的な選択肢」を、知っていて完全に黙殺しているのです。

くだらないテレビは見る価値全くなし。主電源を切ろう

テレビの電源をoffにする女性

私は普段テレビをほとんど見ませんが、朝の時間確認のために少しだけつけることがあります。

しかし、流れてくるのは朝っぱらからくだらない芸能人のスキャンダル、大騒ぎするだけのニセグルメ情報、番宣、商品CMなどどうでもいい内容ばかり。

見ていて本当にバカバカしく、腹立たしくさえなります。

テレビを一切見るなとは言いません。 ただ、「とりあえずつけておく」「なんとなくチャンネルを回して面白そうなものを探す」という、受け身のダラダラ見はもうやめませんか。

テレビの雑音がない生活に慣れてみると、驚くほど静かで快適な時間が手に入ります。

※以前にもテレビの価値について考察しました。ぜひこちらの過去記事もご覧ください。

参考記事:くだらないテレビは全く見る価値なし

余談ですが、今回の件をきっかけに「省エネ」や「節電」に関する資格ビジネスがあるのかを調べてみました。

案の定、「エネルギーマネジメントアドバイザー」や「省エネ・脱炭素エキスパート検定」といった民間資格がゾロゾロと出てきます。

テレビ局の報道も、こうした怪しい資格ビジネスも、結局は「本質(テレビを消す、無駄な利権をなくす)から目を背けさせ、自分たちの金儲けのネタにする」という意味で全く同じ構造です。

こんな中身のない民間試験に大切なお金と時間を費やす必要はありません。

そんなことをするくらいなら、今すぐ目の前にあるテレビの主電源を「ポチッ」と落とすこと。

それこそが、私たちのサイフにとっても、日本の電力にとっても、最も価値のある「本当の節電」です。

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