車椅子を押す女性

 

サービス介助士という民間の資格を「目にする」ことがあります。

 

「目にする」とは、サービス介助士が胸につけている青いクローバーのバッチのことです。このバッジをつけた駅員を大きな駅に行くと最近よく見かけます。

 

関連ページ:サービス介助士とは | 本当に役立つ資格、全く役立たない資格

 

そもそも、サービス介助士とはどんな資格?

 

サービス介助士とは、主にサービス業において、高齢者や身体の不自由な人に対する正しい介助・サポートの方法を学ぶための民間の検定試験です。

 

「介助」ですから「介護」とは違います。車椅子を押したり、白い杖を持っている人を安全に誘導するといったお手伝い的な手助けを目的としています。

 

ヘルパーほどの技術を要しないけど、高齢者や障害のある人を気持ちよくお手伝いするための知識や方法を学びます。

 

どうして大手企業がサービス介助士の導入に力を入れるのか?

 

サービス介助士の試験を主催している団体のホームページを見ると、企業の導入実績が出ています。そこにはズラリと鉄道会社をはじめ大手企業の名前が並んでいます。

 

参考:導入実績・受講者の声|【公式】サービス介助士の公益財団法人日本ケアフィット共育機構

 

東急電鉄のように全社員にサービス介助士取得を義務化している会社もあります。

 

導入している企業は全国で1000社を超えているそうです。これはすごい数です。

 

では、どうして大企業がそこまで力を入れるのか?全社員にサービス介助士取得を義務化する意味は何なのでしょうか?

 

企業のイメージアップ戦略として取得するケースが多い

 

それは、ズバリ、企業のイメージアップ戦略です。

 

悪い噂も良い噂も瞬時にネットで拡散する時代です。障害のある人に対する悪い接客態度が噂として広まれば、店の評判は落ちて客足は遠のきます。

 

サービス介助士になると、ブルーのクローバーをデザインしたバッジがもらえ(有料)、胸に付けられます。

 

「お気軽にお声がけください」と印刷されたデカいシールやPOPスタンドもあり、会社や店頭、駅構内に掲示してPRできます。

 

お店や会社にサービス介助士がいることをPRすれば、障害のある人や高齢者に対して優しい企業であることを表面的にPRできます。

 

サービス介助士の資格を社員に取得させるのは、企業のイメージアップが一番の目的です。

 

イメージアップは優秀な新卒学生の採用にもつながる

 

イメージアップする狙いはまだあります。

 

実は、企業のイメージが良ければ、優秀な学生を採用しやすくなります。

 

この人手不足の世の中、企業にとって優秀な人材を確保することは重要です。

 

ブラック企業を避けたいのはどの学生にとっても同じです。企業のイメージが良ければ学生が就活セミナーに集まりやすくなります。

 

これがイメージアップの本質的な狙いの1つでもあります。

 

取得しても鉄道会社への就職は有利にはならない。

 

このサービス介助士という資格を前もって取得すれば鉄道会社の就職が有利になるのでは、と考える学生が少なからずいます。

 

駅員や車掌や運転士がサービス介助士のバッジを付けているのをよく見かけるからなんでしょうね。あらかじめ取得しておけば就職が有利になると考えるのも無理はありません。

 

確かに入社試験にあたり、資格欄に「サービス介助士取得」と書いてあれば、面接担当者に悪い印象は与えないと思います。

 

何も記入していないよりは判断材料の1つとして好印象を与える可能性はあります。

 

しかし、残念ながら期待ほど役には立ちません。サービス介助士の資格を持っているからといって就職は有利にはなりません。

 

この程度の難易度の試験であれば、いつでも取得できるからです。入社後に新人研修をかねて全員に講義を受講させれば、2日間の実技講習とわずかな自宅学習でほぼ100%合格できます。

 

何十人何百人の社員がまとめて講義を受けるだけの話しです。たった数人が入社前にサービス介助士を取得していたとしても、会社にとっては大した影響はありません。

 

これが、電験三種、電気工事士、危険物取扱者、溶接、クレーンなどといった少し難しい国家資格なら話しは別ですけどね。こちらの方がまだ就職が有利にな可能性は高いです。

 

誰でもすぐに取得できる民間資格よりも、もっと大事のことはいくらでもあります。出身校や在学中の成績、そして面接です。少なくともサービス介助士の資格よりは重視されるはずです。

 

サービス介助士とは、企業がイメージアップ戦略の一環として社員に取得させるための資格なんです。

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