悪事の片棒を知らないうちにかついでいる日本語教師

黒板にチョークで書く女性教師

日本語教師という職業・資格をご存じでしょうか?

その名称の通り、外国人(留学生)に日本語を教える仕事です。

平成6年度よりようやく日本語教師の国家資格が誕生しますが、それまでは民間資格しかないため誰でも比較的容易に日本語教師になれます。無資格でも問題ありません。

実は、騙されて日本へやってくる外国人留学生が多く、日本で待っているのは「現代の奴隷労働」です。

そこには少なからず日本語教師が絡んでいます。

たまたま読んだ人間使い捨て国家(明石 順平著)で「日本語教師の役割」について書かれていたので紹介します。興味深い内容です。

目次

誰でも簡単に取得できる日本語教師という民間資格

建設現場の外国人労働者

日本語教師は定年退職した元会社員や主婦に人気です。

教師って言えば聞こえ(世間体)がいいですからね。定年退職後に家でブラブラしているよりも、外国人に日本語を教えているって言えばなんとなくカッコがつきます。

女性にとっては、上から目線で人に何かを教えられる教師の仕事って潜在的に憧れの職業です。

実は、日本語教師の民間資格を取得するのはそんなに難しくはないんです。

日本全国各地にある民間学校が開催する「日本語教師養成講座420時間コース」と呼ばれる講座に出席すれば日本語教師として認められます。

つまり、お金さえ払えば誰でも取得できます。

あるいは、少し難易度は高くなりますが日本語教育能力検定試験に合格しても日本語教師として認められます。

まともに稼げるかどうかは別として・・・

いずれも民間資格なので厳格な基準は存在しません。

2024年4月に日本語教師は国家資格化される予定ですが、すべての日本語教師が登録日本語教員(国家資格)になるわけではありません。

「一部の機関で日本語を教える人」を対象にが国家資格が必要となるというだけのことです。

コンビニ・建設現場などで見かける外国人労働者の驚きの実態

工場で働く外国人労働者

で、前置きはこれくらいにして・・・

最近は日本中のいたるところで外国人労働者を見かけます。

ホントここ数年多いですよね、いっぱいいます。コロナ渦で一時期は減ったような気もしますけど。

介護施設、建設現場、清掃現場、飲食店、コンビニ、カラオケ店、自動車修理工場、食品加工工場、レタス畑、ぶどう畑、遊園地、動物園・・・いたる所で外国人労働者を目にします。

特に首都圏をはじめとした都会では、飲み屋、カラオケ、コンビニなど、店員がほとんど外国人みたいな店もあります。

建設現場の労働者全員が外国人労働者なんて現場も珍しくありません。

日本って外国人労働者の受け入れが厳しく制限されていたはずなんですけど、いつの間にか多くの外国人が働きに来ています。

その多くはベトナムをはじめとした日本よりも貧しい東南アジアの国の若者達です。

騙されて借金を背負って来日する東南アジアの若者達

驚くことに、実態は騙されて日本に来ている若者が非常に多いということです。

送り出す国側に仲介役となるブローカーがいて「日本へ行けば月に20~30万円稼げる」とウソをついて留学生を募集します。

あくまでも留学生という形です。単純作業の労働者ではありません。

本当にそれくらい稼げれば発展途上国の人達にとっては大金です。少しでも生活が楽になればと留学生募集に応募することになります。

もちろん日本へはタダでは行けません。渡航費、ブローカーへの手数料、日本語学校の授業料などイロイロとお金を請求されます。

金額としては150~200万円ほどになるケースもあるようです。

もちろんそんな大金なんて持っていません。いろんなところから借金をしてなんとか必死の思いでお金をかき集めます。

そして、念願叶って「日本語を学ぶ留学生」として日本へやってきます。

働くのはついでであってあくまでも日本語を学ぶ留学生という形です。もちろんこれは建前ですけど。

その後日本で待っているのは、「現代の奴隷労働」と呼ばれるほど過酷で搾取されるだけの長時間労働です。

借金が残っているので辞めたくても辞められない、そんな状況で彼らは働き続けます。

そもそも一週間で28時間までしか働けないルールなんですけどね、それを守ってる所なんてあるんでしょうか。

28時間を超える分は法令違反となるので、本人に支払われないのでしょうか?

コンビニで接客している若い外国人にはそんな背景があったんですね・・・

そう言われてみれば、笑顔もどことなくぎこちないような・・・そう感じるのは私だけでしょうか。

悪事の片棒をかつぐ日本語教師

実は「現代の奴隷労働」と言われる外国人労働者の実態の裏では日本語学校と就業先が結託していると言われています。

制度上(建前上)あくまでも日本語を学ぶ「留学生」として来日していますから、大学や専門学校、あるいは日本語学校などへ通わなければなりません。

それで「日本語学校の授業料」が必要となるワケです。

そこで受け皿になっているのが日本各地にある民間の日本語学校です。

もちろん日本語学校だって営利目的の民間企業です。タダでは教えません。

働いて得るはずの賃金は、ブローカーや日本語学校による「ピンハネピラミッド」によって搾取されます。

日本語学校で日本語を教えるのはもちろん日本語教師です。

ボランティアとして働いている日本語教師も多いようですが、ボランティアどころか悪事の片棒を担いでいたんですね。

ちなみに、留学生は過酷な労働で疲れて、授業中は寝ている者も多いとか・・・

騙されて原発で働かされている外国人労働者も

この人間使い捨て国家という本では、主に日本におけるブラック企業問題について解説しています。

外国人労働者について紹介しているのはほんの一部で30ページ程度の内容ですが、留学生と受け入れ側の日本語学校が増えている背景について簡潔に説明しています。

外国人留学生と言えば聞こえがいいのですが、実態は「日本へ行けば稼げる」と騙されて多額の借金を背負わされてやって来た若者達です。

日本での就業先では、現場で賃金未払や長時間労働が蔓延しています。

さらに、1993年に制定された技能実習生の制度では、表向きは国際貢献と称し開発途上国の外国人を受け入れて技能実習生として働かせていますが、実態は不足する労働力を補うのが目的の奴隷労働に過ぎません。

中には騙されて原発で働かされている外国人労働者もいます。福島原発での除染作業です。

過去には学費が払えず留学生が700人疾走した事件も

2019年に明るみになった東京福祉大学で留学生700人が失踪した事件の背景にはこういった事情があるんです。

おそらく仕事が辛くて逃げ出したんでしょう。

実際には700人どころか1600人以上行方不明になったとも言われています。

※その後の調査で、約1万2千人の留学生を受け入れ、うち1610人が所在不明、700人が退学、178人が除籍になっていた事実が判明。

参照:留学生1600人不明 東京福祉大に受け入れ停止指導 | 日本経済新聞(2019年6月11日)

もちろんこの本に書かれている内容が全てだとは思いませんけど、ちょっと生々しい内容です。

「日本語教師の資格と取ろう!」なんて日本語教師養成講座の生徒募集のチラシをよく見かけますが、こんな現実が隠れているんですね。

もちろん養成講座は50万円くらいはします。講座を修了しても、ほとんどの人はまともな日本語教師の職には就けません。

留学生だけじゃなくって、ついでに日本人相手に搾取するんですね!全く抜け目がないです。

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