介護事務求人の罠?人手不足の施設が使う驚きの採用手段とは

車椅子の男性を介護する男性と女性

介護の現場って、ご存知のとおり超人手不足です。

毎週毎週タウン誌やら求人雑誌などで職員採用の募集記事を目にします。

しかし、いくら掲載してもほとんど応募はないようです。

そこで、なんと驚きの募集手段が横行しているんです!それは・・・

事務職員という名目で職員を募集して、採用後すぐに介護の現場へ回すんです。

「まずは現場を覚えてほしい」と初日にエプロンを渡され、その日から介護職員としての研修が始まります。

特に珍しい話しでもないようです。

※もちろんここで書かれている内容が全ての介護施設で当てはまるワケではありません。

参考:介護事務とは

目次

門戸は広く、誰でも受け入れてくれる介護の業界

介護施設のスタッフ募集のチラシ

介護業界の人手不足の原因は、仕事がハードで給与面の待遇も良くないということを多くの人が知っているからです(それが事実かどうかは別として)。

人気のない職種であるのは間違いないでしょう。

そのため、介護業界の希望者は、年齢や過去の経歴に関係なくほぼ採用される可能性が高いようです。

他業界での就業が困難だった人や、ブランクがある方にとっても門戸が開かれている側面があります。

中には40代や50代の長期引きこもり(いわゆるニート)の人も業界に入ってきます。

それほど超人手不足の業界だということです。

そんな業界ですから、職員を採用したくても普通の募集では応募はマレです。さらには、せっかく採用してもすぐに辞めてしまう人もいます。

職員の確保は介護施設の存続にかかわります。そこで、清潔で楽なイメージのある介護施設の事務職員を募集します。

介護事務や医療事務といわれる民間資格を持っている人は世の中にたくさんいます。介護事務担当者という事務職の求人には応募がいくらかあります。

しかし、これが罠なんです。

「やった、事務職として採用された!」と喜ぶのもつかの間、話しとは全く違う現実が待っています。

採用後、すぐに介護の現場へ行かされる!

年配の女性を介護する職員

事務職として採用後、速攻で介護の現場へ回されます。

「事務の仕事をするにもまずは介護の現場で勉強してください」と、もっともらしいことを言われます。

他にも介護の現場へ回す理由なんていくらでもあります。能力不足で事務員として使えないとか、知識不足で仕事ができないとか、事務職員は余ってるとか・・・現代の労務管理上、明らかにアウト(違法)です。

余ってるのなら採用するなよ!って思ってももう遅いんです。介護職の新人といっしょに介護基礎研修を次の日から受けるように言われます。

そして、考えてもみなかった介護の仕事をずるずると続けることになります。

話しが違うということですぐに辞める人もいますが、1年くらい頑張れば事務の仕事を任せてくれるかも、ということでしばらく頑張る人もいるようです。

もともと辞める人が多い業界ですからしばらくして辞めても施設としてはどうってことはないようです。

それに、事務の職員であれば資格手当などを払う必要もないので施設側としては好都合のようです。

ただし、書類上「事務員」として登録されている職員を現場の穴埋めに使い、あたかも人員基準を満たしているように書類を偽装していた場合などは、介護報酬の不正請求になりかねません。

最悪の場合、施設の営業許可取り消し(指定取消)になります。施設にとっては極めて危険な法律違反にもつながります。

求人情報に「要普免」となっていたら怪しい

試しに、介護施設の求人情報を一度見てみるといいでしょう。

必要な免許・資格の欄に「普通自動車免許(AT限定可)」となっていたらまず怪しいですね。おそらくお年寄りの送迎が待っています。

介護事務専任であれば自動車の免許なんて要らないはずです。

銀行回りや買い出しのために免許が必要なケースもありますが、面接時にそれ以上の「送迎業務」を求められるようなら注意が必要です

もし面接で「送迎も兼務できる?」と聞かれたら、それは実質的に現場スタッフとしての期待が高い証拠でしょう。

これは珍しい話しではありません。お年寄りの送迎や施設内の見守り等をするのは当たり前のようです。

面接の際に、介護職員と同じようなブルーのポロシャツを渡されたり、エプロンを持参してくださいなんて言われるのも要注意です。

労働基準法により、採用時には「従事すべき業務の内容」を明示しなければなりません。

最初から介護をさせる意図があるのに事務職として嘘の募集・契約をする行為は、俗に言う「求人詐称」であり、職業安定法第65条が禁じる「虚偽の求人広告」にも抵触するため、行政指導や罰則の対象になります。

安易な配置転換はトラブルの元、違法の可能性も

考えてみれば、これは介護の業界に限ったことではありません。

昔の一般企業では、事務職として〜営業職に回されるようなことがザラにありました。実際に私もそんな人を何人も見てきました。

事務職から見たら、営業成績を追求される営業職はある意味地獄かもしれません。当時は、必要のないあるいは余剰の事務職員を辞めさせるための常套手段のように使われていました。

今回の介護業界のケースと違う点といえば、職員を辞めさせるどころか「1人でも現場の頭数を増やすため」の手段だということです。

そもそも辞めさせる前提ではない点が違うといえば違うので、ありがたいことかもしれませんけど……でも、ちょっとやり方としては正しいとは言えませんよね。

昔はよく見られた光景ですが、現代の労務管理では「辞めさせる目的の配置転換」や「本人の同意のない強引な職種変更」は人事権の濫用にあたり、違法と判断されるリスクが非常に高いです。介護業界での強引な配置転換も同様です。

もちろん全ての施設がそうだとは言いませんが、「介護事務職募集」という記事には要注意かもしれません。

まともな施設であれば、事務職は事務職として、現場研修を行うにしても「運営を理解するため」の期間限定である意義が明確に説明されます。

募集要項が曖昧な施設であれば、面接時に「具体的な業務の割合」や「現場研修の明確な期間」を事前にしっかり確認しましょう。

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