介護事務って意味ない?メリットの少ない民間資格
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
指定講座受講 | 3~6万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
自己満足 | 約500件 |
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年12月20日に集計しました。
介護事務といっても民間の検定試験です。取得しても就職や転職の際に採用が有利になるとは言えません。
多くは講座受講が必須となっています。
介護事務員募集と称して、採用後介護の現場に回されるケースが多発しています。ご注意ください。
介護事務とは
介護施設における請求業務を担う
介護事務とは、介護施設(老人ホーム、デイサービスセンター、介護老人福祉施設)などで行う介護報酬の請求業務のことを言います。
介護サービスの利用料金は、原則としてサービスを利用するお年寄り(利用者)が1割を負担します。
そして、残りの9割は介護保険(国)が負担し、サービスを提供する介護施設(事業所)への収入として支払われます。
この介護報酬の計算を担当者するのが介護事務の職員です。
一般の病院でいう診療報酬を計算する医療事務に当たります。
介護事務の担当者は、医療事務の担当者が病院で受付業務を行うのと同様に、介護施設において受付・会計、介護の補助、その他施設内の雑務も担当します。
介護保険サービスとは
介護サービスとは、要介護認定を受けた高齢者や障害者など、介護を必要とする人が利用できるサービスです。
利用者の居宅へ伺う訪問サービス(家事援助、入浴援助、買い物援助等)、通所サービス(デイサービス、デイケア)、短期入所サービス、福祉用具のレンタルなどさまざまな種類があります。
日本で介護保険の制度がスタートしたのは介護保険制度が制定された2000年です。
この介護保険制度の新設により、介護施設でも介護報酬の計算業務が発生するようになりました。
介護事務専任の求人は少ない
介護施設はご存知の通りかなりの人手不足です。
そのため、介護施設での求人を探すと20,000件をはるかに超えるます。正社員としての求人も他業種と比べると多いようです。
その中で、介護事務を専門とした求人となるとかなり少ないようです。
介護施設は、病院のように患者が診療を受ける度にその都度請求業務を行う必要がないからです。
早い人であれば、1か月分の請求業務を半日あるいは1日で全部終わらせられます。多くの施設では介護職員や他の事務職員が介護事務を兼務しています。
わずか1日程度で終わる作業のために、わざわざ介護事務専門の職員を採用する必要がないんです。
しかし、介護事務を担当する職員の求人をハローワークで調べたところ、なんと500件以上見つかりました。
それはなぜでしょうか?以降で説明します。
事務職で採用されて介護の現場へ回されるかも!
介護事務の職員募集の求人約500件を詳しく調べてみました。
もちろん介護事務専任の求人も見つかります。けれど、多くは「普通自動車免許必須(AT限定可)」となっています。
なぜ事務職員なのに自動車免許必須???
これは、介護施設での事務事務という内容で採用されたはいいのですが、ひょっとしたらすぐに介護の現場へ回されるのではないでしょうか。
実は、これは介護の業界ではよくある話しのようで、特に中途採用であれば当たり前のようです。
以前介護職員として働いていた知人に聞いたんですけど、普通にやっていると言ってました。
もちろんこれは確定的な話しではありません。しかし、珍しい話しではないようです。
中には介護事務員募集と称して、「介護職員初任者研修取得済み」を条件としている求人もあります。
介護の現場も知らない人に事務なんて任せられないので、まずは現場で実習というのが介護施設側の言い分のようです。
初日から「介護の現場でまずは勉強してください」とピンク色のエプロンを渡されるかも!
介護施設の求人情報を一度見てみるといいでしょう。
必要な免許・資格の欄に「普通自動車免許必須(AT限定可)」となっていたらまず怪しいですね。
介護事務専任であれば自動車の免許なんて要らないはずです。
お年寄りの送迎が待ってます。
しかも、事務職員という名目であれば、本来現場の人に支給される資格手当が支給されません。
施設側にとっても無資格者は安く都合よく使えるというワケです。
これが介護の業界の実態なのかもしれません。介護施設の事務員の求人には要注意です。
話しが違うと分かったらすぐに辞めるか、腹をくくって介護の仕事を続けるか・・・
役に立つ資格なのか?
あまり必要のない民間資格
介護事務といっても民間資格です。介護施設での請求業務は無資格者でも誰でもできます。
合格しても、あまり就職や転職には影響しません。
残念ながら介護の現場でも医療の現場でも、介護事務の民間資格などは役に立ちません。
冷静になって考えてみてください。
専門の教育を受けてようやく取得できる国家資格と違って、通信講座で1か月程度で合格できるような検定試験です。
普通に考えて評価されませんよね。
介護の現場で資格というのは、ケアマネジャー、介護福祉士、社会福祉士、看護師などの国家資格と、都道府県知事が認める准看護師および介護職員初任者研修です。
将来介護施設で働きたいと考えているのであれば、是非上記の資格を取得してください。
将来性について徹底研究
現場ではパソコンを使いこなせる方が重要
請求関係は全てパソコンソフトに入力すれば事足ります。
介護事務の勉強をするよりも、パソコンの使い方を身に付けた方がずっと役に立ちます。
現場では、ExcelやWordなどのソフトを頻繁に使います。請求業務はもちろん、施設内のお知らせや回覧、報告書、全てパソコンで作ってその場で印刷します。
施設全体の勤怠管理や備品、消耗品の発注なども全てパソコンです。
仮に事務中心の職員を希望するのであれば、かなりパソコンに詳しいレベルが要求されます。
合格するには
お金さえ払えば誰でも100%の合格率
現在、民間の団体による介護事務の講座の数は30以上あります。
その多くは、自宅で受験です。真面目に数週間勉強すればほぼ100%の合格率です。そもそも合格できない方が不思議なくらいです。
おすすめの講座
介護事務の民間資格は何種類もあります。
「どれがおすすめですか?」と時々聞かれますが、まぁ、率直に申し上げておすすめなどないです。
主な介護事務の資格を取得するための費用は以下のとおりです。
- 介護事務管理士(税込40,000円※通信講座は必須ではない)
- ケアクラーク(税込40,333円)
- 介護事務実務士(税込35,000円)
- 介護報酬請求事務技能検定試験(税込49,500円)
- 介事管理専門秘書検定資格(税込50,600円)
- 介護保険事務士(税込39,800円)
- 介護保険事務管理士(教育指定校に通学する)
※金額は2024年4月現在です。詳細な難易度などは不明です。頻繁に値引きを実施している講座が多いようです。
この他に受験料なども必要です。
中には3日間で取得できるような講座もあります。
それで役に立つ知識が身に付くのでしょうか。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
介護保険は、これから超高齢化社会をむかえる日本の将来を左右する重要な仕組みです。その介護保険について最新の情報を網羅しています。
「保険者とは誰?」という介護の基礎知識から始まり、初心者向けに書かれています。左側のページに図や詳しい表形式の説明などが書かれており、右側は全体の説明文書が書かれています。レイアウトなどもとても読みやすくよく整理されています。
介護保険だけにとどまらず、高齢者介護、高齢者福祉、障害を持つ若年層に関する制度などにも触れられていて、制度の今後の課題についての解説もしています。
これから介護施設で働いてみたいと考えている人には、事前に知識を入れておくためにはおすすめの一冊です。
高額な通信教育など受講せず、こういった参考書で学習すれば十分です。
種類 | 評価 |
参考書 |
介護保険って、名前はよく聞くけど内容は全然わからない…そんな人がほとんどだと思います。そんな人におすすめの本です。
図解で非常に分かりやすくまとめられているので、最初の1冊に最適です。これから介護の世界に飛び込む予定に人には辞書的な使い方もできるのでおすすめです。いまさら聞けないことも丁寧に掲載していますのでとても参考になります。
身内の方が介護関係の施設に入院する際は読んでおくと良いかもしれません。
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参考書 |