介護事務の資格は意味ない?未経験者が知るべき現場のリアル

| 種類 | 難易度 | 合格率 |
| 民間資格 | 易しい | 99% |
| 受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
| 指定講座受講※ | 3~6万円 | 1か月程度 |
| 活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
| 要再考 | 約600件 |
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2026年7月16日に集計しました。
- 独学で受験できるものもあります。
- 取得に関しては再考をおすすめします。
結論から言うと、取得に関しては「再考」をおすすめします。
介護事務といっても、国家資格ではなく民間の検定試験です。公的に認められた資格ではないため、取得しても就職や転職の際に劇的に有利になるとは言えません。
また、介護事務の民間資格を取得するには、特定の通信講座の受講が必須となっているケースがほとんどです。
通信講座の受講料や受験料の自己負担に対して、得られるメリットが見合っているか、慎重に検討することをおすすめします。
介護事務とは

介護施設における請求業務を担う
介護事務とは、介護施設(老人ホーム、デイサービスセンター、介護老人福祉施設)などで行う介護報酬の請求業務全般のことを言います。
介護サービスの利用料金は、原則としてサービス利用者の所得に応じ、費用の1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)を負担します。
そして、残りの9割は介護保険(保険者:市区町村)または自治体等の保険財源が負担し、サービスを提供する介護施設(事業所)への収入として支払われます。
この介護報酬の計算を担当者するのが介護事務の職員です。
一般の病院でいう診療報酬を計算する医療事務に当たります。
介護事務の担当者は、医療事務の担当者が病院で受付業務を行うのと同様に、介護施設において受付・会計、介護の補助、その他施設内の雑務も担当します。
介護保険サービスとは
介護サービスとは、要介護認定を受けた高齢者や障害者など、介護を必要とする人が利用できるサービスです。
利用者の居宅へ伺う訪問サービス(家事援助、入浴援助、買い物援助等)、通所サービス(デイサービス、デイケア)、短期入所サービス、福祉用具のレンタルなどさまざまな種類があります。
日本で介護保険の制度がスタートしたのは介護保険制度が制定された2000年です。
この介護保険制度の新設により、介護施設でも介護報酬の計算業務が発生するようになりました。
介護事務専任の求人は少ない
介護施設はご存知の通りかなりの人手不足です。
そのため、介護施設での求人を探すと20,000件をはるかに超えます。正社員としての求人も他業種と比べると多いようです。
その中で、介護事務を専門とした求人となるとかなり少数です。
介護施設は、病院のように患者が診療を受ける度にその都度請求業務を行う必要がないからです。
早い人であれば、施設の全入居者の1か月分の請求業務を半日あるいは1日で全部終わらせられます。そのため、多くの施設では介護職員や他の事務職員が介護事務を兼務しています。
わずか1日程度で終わる作業のために、わざわざ介護事務専門の職員を採用する必要がないんです。
しかし、介護事務を担当する職員の求人をハローワークで調べたところ、なんと全国で600件以上見つかりました。
それはなぜでしょうか?以降で説明します。
事務職で採用されて介護の現場へ回されるかも!

介護事務の職員募集の求人約600件を詳しく調べてみました。
もちろん介護事務専任の求人も見つかります。けれど、多くは「普通自動車免許必須(AT限定可)」となっています。
なぜ事務職員なのに自動車免許必須?普通に考えて事務員なら車の免許はいらないですよね?
実は、介護業界の事務職には以下のような「兼務」がよく求められます。
- 朝夕の送迎業務(デイサービスなど): 利用者の送り迎えの運転手を兼務するケース。
- 介護現場のサポート: 人手が足りない時間帯に、お茶出しやレクリエーションの補助、見守りなどを行うケース。
これは、限られた人員で施設を回すための介護業界特有の働き方です。
そのため、「ずっとデスクワークの事務作業ができる」と思って応募すると、初日から送迎車の運転や現場サポートを頼まれて、話が違う!と戸惑うことになりかねません。
求人によっては「介護職員初任者研修取得済み」を条件としているものもあり、施設側が「事務と現場を両方できる人材」を求めていることがよく分かります。
国が支給を促している「介護職員等処遇改善手当」は、原則として介護職員への配分が基本ですが、ルール上は事業所の判断で事務員へ配分することも可能です。
しかし、配分基準はあくまで運営会社の裁量に委ねられているため、事務職には処遇改善手当を支給しない(または介護職より大幅に少なく配分する)というルールを事業所側が独自に決めているケースが少なくありません。
そのため、兼務や現場サポートをしていても、思ったような手当がもらえないケースがあることは留意しておきましょう。
役に立つ民間資格なのか?

あまり必要のない民間資格
結論から言うと、介護施設での事務や請求業務は、民間資格がなくても誰でも行えます。
介護事務の民間資格は、通信講座で1ヶ月程度勉強すればほぼ誰でも合格できる難易度です。
そのため、採用側からすると、民間資格の有無よりも実際に現場で介護の手伝いや送迎ができるか、実務でパソコンを使いこなせるかの方が遥かに重要視されます。
もし将来的に介護業界で強みとなる資格を取りたいのであれば、民間資格ではなく、公的・国家資格の取得を目指す方が圧倒的におすすめです。
介護の現場で資格というのは、ケアマネジャー、介護福祉士、社会福祉士、看護師などの国家資格と、都道府県知事が認める准看護師および介護職員初任者研修です。
将来介護施設で働きたいと考えているのであれば、是非上記の公的資格・国家資格を取得してください。
将来性について徹底研究

現場ではパソコンを使いこなせる方が重要
請求関係は全てパソコンソフトに入力すれば事足ります。
介護事務の勉強をするよりも、パソコンの使い方を身に付けた方がずっと役に立ちます。
現場では、ExcelやWordなどのソフトを頻繁に使います。請求業務はもちろん、施設内のお知らせや回覧、報告書、全てパソコンで作ってその場で印刷します。
施設全体の勤怠管理や備品、消耗品の発注なども全てパソコンです。
仮に事務中心の職員を希望するのであれば、かなりパソコンに詳しいレベルが要求されます。
合格するには
お金さえ払えば誰でも100%の合格率
現在、民間の団体による介護事務の講座の数は30以上あります。
その多くは、自宅で受験です。真面目に数週間勉強すればほぼ100%(約99%)の合格率です。そもそも合格できない方が不思議なくらいです。
おすすめの講座
介護事務の民間資格は何種類もあります。
「どれがおすすめですか?」と時々聞かれますが、まぁ、率直に申し上げておすすめなどないです。
主な介護事務の資格を取得するための費用(指定通信講座の受講料+受験料の合計目安)は以下のとおりです。
| 介護事務管理士 | 税込40,000円※通信講座は必須ではない |
| ケアクラーク | 税込40,333円 |
| 介護事務実務士 | 税込35,000円 |
| 介護報酬請求事務技能検定試験 | 税込49,500円 |
| 介事管理専門秘書検定資格 | 税込50,600円 |
| 介護保険事務士 | 税込39,800円 |
| 介護保険事務管理士 | 教育指定校に通学する |
※金額は2026年5月現在です。詳細な難易度などは不明です。頻繁に値引きを実施している講座が多いようです。
この他に受験料なども必要です。
中には3日間で取得できるような講座もあります。そんなのに合格して、意味あるの?
それで役に立つ知識が身に付くのでしょうか。

