気象予報士という人気の国家資格、どれほど役に立つの?

一面に広がったウロコ雲

最近は廃止論まで出ている気象予報士の国家資格

テレビで天気予報を詳しく解説してくれる「お天気お姉さん」や「お天気キャスター」。あの知的な笑顔を見ない日はほとんどありません。

テレビの画面上には、どうだ!と言わんばかりに「気象予報士」のテロップの文字がピカピカと輝いています。

この気象予報士という国家資格、どれくらい役に立つのでしょうか?

イメージ先行というのはだいたい想像がつくんですけど詳しく調べてみました。

合格しても多くの女性は就職や転職に活かせていません。

お天気キャスターの華やかな印象から「女性に大人気の資格」というイメージがかなり先行していました。

けれど、最近では「難関資格の割に仕事に繋がらない」と資格のコスパを疑問視する声や、試験が廃止になるのではなんて噂まで一部で出ているようです。

関連ページ:気象予報士とは

目次

気象予報士とは平成6年に誕生した新しい国家資格

気象予報士の制度は、気象業務法が改正されて平成6年に誕生した比較的新しい国家資格です。

気象庁から提供される様々な気象予測データを、適切に判断できる技術者を確保することを目的として創設されました。

それまでは気象の予報は国家公務員である気象庁の職員しかできませんでした。一般の人が勝手に天気の予報をして報道するのは法律で禁じられていたんです。

気象予報と災害は密接に結びついています。専門家以外の素人がテキトーな予報をすると、大きな災害につながる可能性があるからです。

専門知識を持った気象予報士の誕生により、気象庁職員以外の者でも独自の気象予報ができるようになりました。

 試験に合格しただけでは独自の気象予報はできない

気象予報士の国家試験に合格しただけでは、独自に気象の予報業務を行うことはできません。

まず、試験合格後に気象庁長官の登録を受けて、はじめて正式に気象予報士と名乗ったり、名刺に印刷することができます(試験に合格しただけでは単なる有資格者です)。

しかし、気象予報士として登録を済ませても、個人の判断で勝手に独自の天気予報を不特定多数に向けて発表することは法律で禁じられています。

独自の気象予報を発表するには、気象庁長官から「予報業務の許可」を得ている事業者(予報業務許可事業者)において、配置された気象予報士として予報を行う必要があります。

この許可事業者は、民間気象会社や一部の放送局など、2025年10月現在で約80社(者)存在します。個人でも登録している人もいます。

参考:気象庁 | 予報業務許可事業者の一覧

つまり、独自の天気予報を社会に向けて発表するには、以下のステップが必要になります。

独自の予報を発表するまでの流れ

  1. 国家試験に合格する
  2. 気象庁長官の登録を受け、「気象予報士」になる(※この時点で名乗ることは可能です)
  3. 予報業務許可事業者に所属し、そこで予報業務を行う

テレビで見かける気象予報士キャスターの中には、自ら予報の計算(独自の予報行為)をしていないケースもあります。

しかし、彼らは単に気象庁の発表をそのまま読み上げているだけではなく、契約している民間気象会社などから届く詳細なデータを、気象の専門知識を駆使して「視聴者に分かりやすく噛み砕いて解説する」という重要な役割を担っています。

気象庁や専門会社の予報を伝えるだけなら資格は不要

法律上、気象庁や民間気象会社が発表した天気予報を「そのまま伝える(解説を加えずに読み上げる)」だけであれば、気象予報士の資格はいりません。

そのため、独自の予報を行わないテレビ局は、ウェザーニューズや日本気象協会といった「予報業務許可事業者」である民間気象会社と契約し、そこから提供された気象データや原稿をベースに番組を制作しています。

実は、テレビ局自体が許可事業者として登録しているケースはNHKや一部の民放局(TBSやテレビ東京など)に限られており、多くの放送局は自社で独自の予報(計算や予測)をしていません。

したがって、原稿をただ読み上げるだけのお天気キャスターであれば、極端な話、AIアナウンサーや資格のないタレントでも担当することが可能です。

資格の発足当初は話題を呼び、受験者数も増え続ける

傘をさす女性

最初に気象予報士の国家試験が実施されたのは1994(平成6)年8月です。

当初は、タレントや女子アナの合格が話題を呼び、受験者数は毎年着実に増え続けました。合格者数も順調に増えて2018年には1万人に達したようです。

合格すればお天気お姉さんや女子アナになれるんじゃないか・・・そんな淡い期待を抱く女性も多く、一時は人気の国家資格として多くの女性が取得を目指しました。

テレビの華やかなイメージから「女性に大人気の資格」と思われがちですが、実際の受験者・合格者の8〜9割は男性です。

そのため、イメージだけで挑戦すると現実とのギャップに驚くことになるでしょう。

せっかく合格しても就職に結びつかず、人気は減少

気象庁の発表するデータによると、令和7年4月30日現在、気象予報士名簿に登録された気象予報士の数は12,571名です。

参考:気象庁 | 気象予報士の統計データ

ちなみに、令和6年3月29日の時点で気象予報士として登録している気象予報士の数は12,095名です。

そのうち気象予報事業に就職している人は700名程度ですから全体の7.1%ほどです。

さらに、そのうちで気象の予想を担当しているのは400~450名程度です。全体の4%ほどになります。

気象予報会社に就職した人が7.1%ということですが、この数字が高いのか低いのか・・・

ある程度基礎学力があるような有名大学出身者で第二新卒くらいの年齢であれば、資格を活かして転職できるかもしれません。

もちろん、コネとか、現実的には容姿とかも・・・それは想像に難くないですね。

それ以外の人は最初から趣味の延長で受験したのかもしれませんが、ほとんどの人は転職や就職には活かせないと思います。

試験が始まった平成6年の受験者数は3,103名でした。

その後順調に受験者は増え続け、平成18年には5,724名が受験してピークに達し、その後は減少したものの、近年(令和以降)は防災意識の高まりなどから再び微増傾向にあります。

参照:気象予報⼠試験 実施状況|一般財団法人 気象業務支援センター(pdf)

単なる予報だけならスマホで十分な時代に

以前は、正確な気象予報をいち早く得るために、ゴルフ場やテーマパーク、海運・航空業界といったレジャー・インフラ産業を中心に、気象予報士の必要性が高まると言われていました。

しかし、それはパソコンやスマホが世間に普及する前の話です。

誰もが情報端末を持ち歩いている現代、スマホを開けば、いつでも無料で気象庁や気象会社が発表する詳細な予報データが手に入ります。

高性能な雨雲レーダーを見れば、「何分後に雨が降り、何分後に止むか」がピンポイントで一瞬にして分かります。

つまり、すでにシステム化された「一般的な天気予報を確認する」という目的だけであれば、わざわざ自社で気象予報士を雇う必要性はほとんどなくなってしまったのです。

難関資格なのに就職につながらない構造的な理由

気象予報士は合格率5%前後という非常に難易度の高い国家資格です。

会社を辞めて人生をかけて勉強に打ち込み、なんとか合格したものの、結局は仕事に活かせていないという人が大勢います。

ある調査では、試験合格者の約7割が気象と直接関係のない仕事をしているというデータもあるほどです。

なぜこれほど就職に結びつきにくいのでしょうか。理由は主に3つあります。

  • 市場規模が限られている: 気象予報の民間市場全体の規模はここ20年ほど大きく変わっておらず、大手の民間気象会社やテレビ局の「採用枠」自体が非常に狭いままです。
  • 受験者と採用ニーズのミスマッチ: キャスターなどの華やかな表舞台に憧れる女性や一般の受験生が多い一方で、実際の採用現場(気象会社など)で強く求められるのは、高度な気象データを処理する「データサイエンスの知識」や「プログラミングスキル(Pythonなど)」を持つ人材です。
  • 資格そのものが男性主体の構成: メディアの影響で女性向けの資格と思われがちですが、実際の有資格者や合格者の大半は男性です。限られた「お天気キャスター」の枠を除くと、一般企業への転職において「気象予報士の資格があるから」という理由だけで採用されるケースは極めて稀です。

お天気キャスターの華やかなイメージだけで目指すには、気象予報士はあまりにもハードルが高く、コストパフォーマンスの悪い資格になってしまうのが現実です。

これからの気象予報士に求められる「本当の必要性」

就職や転職に直結しにくい気象予報士の資格ですが、制度そのものが不要かと言われれば、決してそうではありません。

近年、ゲリラ雷雨や線状降水帯による豪雨、巨大台風など、気象災害は明らかに激甚化しています。スマホのアプリで誰もがデータを見られる時代だからこそ、「このデータが意味する危険性を、個別の現場(自治体や企業、イベントなど)に合わせて正しく読み解き、命や財産を守るアドバイスができるプロ」の存在は、防災の観点から非常に重要になっています。

一般の人が「就職・転職の武器」として憧れだけで挑戦するには現実が厳しすぎる資格ですが、今後は単なる天気の予測担当ではなく、「防災のスペシャリスト」や「ビジネスの需要予測アドバイザー」として専門知識をどう活かすかという、新しいスキルの掛け算が求められていると言えるでしょう。

余談ですけど・・・・・・・・

天気予報の解説をする気象予報士

yahoo知恵袋で面白い相談の書き込みを見つけたので載せておきます。

ID非公開さん
2018/5/1708:24:27

中3女子です。
私は気象予報士の資格を取りアナウンサーになる夢があります。
受験が終わって高校では気象予報士の資格を取るために勉強をしようと思っています。
資格を高校の内に取って、大学は早稲田大学あたりに行き、通いながら朝のお天気お姉さんの仕事をやりたいと思っています。

今、めざましテレビのお天気お姉さん、阿部華也子アナも早稲田大学通いながら仕事をしているそうです。

いくつか質問があります。
1、3年間気象予報士の勉強すれば資格取れますか?
2、高校に行きながら気象予報士になれる塾などを通いたいんですけど、いい所ありますか?(千葉、東京あたりで)
3、スカウトなどされたことは無いんですけど、高校の内に事務所に入りたいです。入れるでしょうか?
4、一重でもアナウンサーになれますか?

どれかひとつでもいいので答えて頂けたら嬉しいです!

yahoo知恵袋より引用

「一重でもアナウンサーになれますか?」っていうのが微笑ましいですね。

うん、なれますよ、心配しなくても一重でも二重でもアナウンサーになれます。でも、そこはテレビ局にとってはあまり採用する際の重要な判断基準ではないと思います。

しかし、こういう夢を抱いている女性は多いのでは・・・?

実際に、気象予報士と聞いて、お天気キャスターやお天気お姉さんを多くの人が連想します。

もちろん夢を追うのは素晴らしいことです、頭から否定する気はありません。それなりに努力すれば夢が叶うかもしれません。

でも本当は、気象予報士の資格の有無はあまり重要じゃないんです。採用されるにはもっともっと重要なことがいっぱいあります。

学力とか、人間性とか、熱意とか、コネとか、年齢も・・・それに、現実的には容姿とかも・・・

もちろんそこには努力して得られるモノもあれば、努力しても得られないモノもあります。

しかも毎年テレビ局にアナウンサーを志望する女性が殺到します。競争率は相当に激しいはずです。

それに最後にもう1点、通えば「誰でも確実に合格できる魔法の塾」は存在しません。

実績のある専門講座や通信教育は実在しますが、良い塾に入っても本人の努力がなければ東大に行けないのと同じです。

「楽に合格できる」といった甘い言葉のスクールに騙されず、最後は自分の努力が必要不可欠であることを忘れないでください。

ちょっと話しがそれてしまいましたが、受験を志す方は是非合格してください。どう気象予報士の資格を活かすかはそれから考えても遅くはありません。

応援しています。

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