企業が求める資格ランキングトップ10?公認会計士が4位って?

両手の指で帳簿の数字を追っている様子

根拠のないランキングを信じてはいけない②

前回に引き続きまして、「企業が求める資格ランキングトップ10」についてツッコんでみたいと思います。

前回のブログ:企業が求める資格ランキングトップ10?テキトーなこと書くな!

一級建築士が2位とか、宅地建物取引士が3位とか、そのあたりもツッコミどころ満載なんですけどね。

なんといっても、1位の簿記2級に続いて怪しいのは第4位の公認会計士です。

企業が求める資格ランキングの表

参考:公認会計士とは

目次

公認会計士の業務は、大企業の外部監査

ルーペと帳簿を持って企業監査をする女性

公認会計士の主な業務は企業の監査です。

かつては、東芝やオリンパス、カネボウなどの粉飾決算が世間を賑わせました。

本当は赤字の決算であるにもかかわらず、株主や世間を欺いて黒字の決算を作り上げたんです。

そういった不正がないよう、企業が作成した財務諸表(収支に関する帳簿)が適正であるかどうかを第三者の立場からチェックするのが公認会計士の仕事です。

つまり、企業ぐるみの詐欺行為がないよう、第三者として外部からチェックするのが公認会計士の社会的な責任です。

企業が公認会計士を直接雇用しても、あまり意味はありません

第三者として外部の公認会計士がチェックするワケですから、企業が公認会計士を直接採用する意味はありません。

そりゃ直接雇用すれば内部監査に力を入れている会社として世間にPRできるかもしれませんし、優秀な人材であれば経理部門の管理職として期待できるでしょう。

けれど、例え内部監査のために公認会計士を雇ったとしても、それは企業内の一部署としてやってるだけですから対外的に効力はありません。

公認会計士の監査が必要になるのは一部の大企業のみ

しかも、監査が必要になるのは、資本金5億円以上または負債の合計金額が200億円以上の大企業です。

世の中の会社はほとんどが中小企業です。

一部の大企業では必要かもしれませんが、必要となるのはあくまでも外部の公認会計士であって内部の公認会計士ではありません。

それを、企業が求める資格ランキングトップ10の第4位なんて・・・どう考えてもありえません。

企業が求める資格の4位が公認会計士であるのであれば、圧倒的に数も多い中小企業で必要となる税理士が第3位以上になるはずです。

ハローワークで公認会計士の求人を探してみました

では、実際に公認会計士の求人がどれくらいあるのかをハローワークインターネットサービスで検索してみました。

まず、条件を入れずに単純に求人数だけを調べます。

都会だけに偏らないよう、就業場所を東京都と私の住んでいる長野県にして、2019年2月22日時点で検索すると、全求人は99,647件ありました。

その中から公認会計士の資格コード2501を入力して求人情報を再検索します。

すると・・・なんとたった22件しかありませんでした。

99,647件中22件が公認会計士の求人だったワケです。

しかも、22件中の6件は資格予備校の講師としての求人でした。

企業が求める公認会計士としての求人は16件程度で極めて少ないことがわかります。

求人数が極めて少ないにも関わらず第4位って、やっぱり変でしょ!

それだけの少ない求人数にも関わらず公認会計士が企業が求める求人の第4位って、どう考えても変ですよね。

ランキングや統計調査っていうのは全くアテになりません。

おそらく根拠などなくテキトーに書いてるんだと思います。

書いてる人も、おそらく資格試験の受験経験などはないでしょう。

そうじゃなかったらこんな無責任な記事など書けません。

こんなランキング、信じてはいけません。騙されてはいけません。

参考:役に立つ資格かどうかを正確に判断する方法

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