将来スクールカウンセラーになりたいんですけど、どんな資格が必要ですか?

 

こんな質問を最近よくネット上で見かけます。社会人や大学生だけではなく、どうやら中学生や高校生にも多いようです。

 

スクールカウンセラーになりたいと思う動機はさまざまです。

 

中には、現在うつ病や不登校の境遇にあり、自分が悩んだ分、大人になったらスクールカウンセラーになって今度は自分が悩んでいる子を支えたいという純粋な動機を持っている中学生もいます。

 

けれど、ちょっと待ってください。現実はそんなに簡単にはスクールカウンセラーにはなれません。

 

結論を申し上げますと、スクールカウンセラーになるには下記のいずれかの資格が必要です。

 

  • 精神科医
  • 公認心理師
  • 臨床心理士

 

ユーキャンやキャリカレなどの通信講座で勉強しても、スクールカウンセラーとして採用されることはまずありません。

 

民間の心理カウンセラーの検定試験程度ではスクールカウンセラーにはなれないのでご注意ください。

 

参考:公認心理師とは臨床心理士とは

 

世間には民間の心理カウンセラー資格が氾濫

 

ユーキャン、キャリカレ、日本能力開発推進協会 (JADP)、諒設計アーキテクトラーニング・・・こういった民間団体が心理系の検定試験をいくつも開催しています。

 

一例を上げると・・・

 

メンタル心理カウンセラー、心理カウンセリング、上級心理カウンセラー、メンタル心理アドバイザー、チャイルドカウンセラー、自己肯定感アップカウンセラー、家族療法カウンセラー、行動心理士、産業心理カウンセラー、うつ病アドバイザーなどなど。

 

実はまだまだいっぱいあります。次から次へと雨後の竹の子のように出てきます。

 

どれも30,000~60,000円程度の講座受講料が必要で、約2か月ほどの勉強で合格できるようです。

 

多くは、まぁ、営利目的の単なる民間の検定試験です。

 

中には、「2か月ほどの勉強でプロの知識が身に付き、スクールカウンセラーとして働ける」みたいな宣伝文句で受講生を募集している講座もありますが、信じてはいけません。

 

全国の小・中学校にスクールカウンセラーの配置が進む。

 

全国の小・中学校にスクールカウンセラーを置くようになったは平成7年度(1995年)からです。

 

最初の年は全国で154校でしたから各県で数校程度の配置でした。その後、文部科学省指導の下で配置される学校は年々増えていきました。

 

現在も中学校を中心に全校配置が進んでいます。今後は、小学校と高等学校への配置も進むでしょう。

 

 

では一体、どういった資格を持っていて、あるいは経験があればスクールカウンセラーに応募できるのでしょうか?将来スクールカウンセラーとして働けるのでしょうか?

 

 スクールカウンセラーの募集要項を見れば一目瞭然

 

スクールカウンセラーの募集は、各学校で行うのではなく、都道府県と政令指定市によって行われます。

 

募集要項(応募資格)は県や市によって微妙に違いますが、概ね似た内容です。

 

心理系の検定試験を開催している会社の中には「スクールカウンセラーになるために資格は必要ない」とうたって受講生を勧誘しているところもあります。

 

けれど、だまされてはいけません。

 

無資格でスクールカウンセラーになれるとしたら、大学で心理学を教えている教授や助教授、あるいは教職者、既に5年程度相談業務の従事している方などに限定しています。

 

民間の心理系検定試験など、箸にも棒にもかかりません。

 

募集要項について詳しく調べたいのであれば、yahooやgoogleで「スクールカウンセラー 募集要項」と入力して検索すればほぼ全ての自治体の募集要項が見られます。

 

東京都、埼玉県、政令指定都市である千葉市の例が以下です。

 

スクールカウンセラー募集 東京都の場合

 

「令和4年度都立特別支援学校に配置する東京都公立学校スクールカウンセラーの募集案内(令和3年度実施)」の内容を見ると、応募資格を下記のように掲げています。

 

  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神科医

 

その他、大学教授等、手話通訳士、児童指導員なども応募資格があるようです。

 

任用予定者数12名とわずかです。おそらくスクールカウンセラーの配置が他の自治体と比べて進んでいるからでしょう。

 

 

1年間の任用期間(延長は4回まで)という会計年度任用職員という身分です。報酬は日額44,000円ですから悪くはないですね。

 

参考:手話通訳士とは児童指導員とは

 

スクールカウンセラー募集 埼玉県の場合

 

「令和3年度埼玉県スクールカウンセラーの募集について」の内容を見ると、下記のいずれかに該当すれば応募資格があると明記されています。

 

  • ア 公認心理師
  • イ 臨床心理士
  • ウ 精神科医

 

 

その他、大学の教授、既に相談業務の経験を有する者(一定年数以上)、医師等の例外はありますが、概ね上記の3資格のいずれかを有している人じゃないと応募できません。

 

つまり、繰り返し申し上げますが、ユーキャンやキャリカレなどの通信講座で心理系の資格を取得しても、スクールカウンセラーになるどころか応募すらできないということです。

 

「勤務条件等(予定)」の項目には労働時間や報酬についても書いてあるので、将来スクールカウンセラーになりたい人は是非参考にしてください。

 

スクールカウンセラー募集 千葉市の場合

 

千葉市では、令和4年度に向けてスクールカウンセラーを募集しています。募集人数は予算次第となっていますが、令和3年度は76名を採用しています。

 

応募資格として、公認心理師か臨床心理士、精神科医、心理学に関連する学部・学科の教授、准教授または講師(常時勤務をしている者)などに限定しています。

 

 

やはり民間の心理系検定試験では応募すらできません。

 

勤務条件、採用方法なども詳しく書いてあるので、こちらも是非参考にしてください。

 

スクールカウンセラーになるには何を勉強すればいいのか?

 

では、中学生・高校生が、将来スクールカウンセラーになるために、将来に向けて今何をすればいいのか?

 

答えは明確です。将来医学部へ進学するか、あるいは少しでもレベルの高い大学の心理系学部へ進学できるよう学校の勉強に精を出してください。

 

中学生であれば、まずは進学高校へ行けるよう学校の勉強に精を出してください。

 

精神科医になるには、医学部へ進学して6年間勉強しなければなりません。もちろん医師の国家試験もあります。

 

公認心理師・臨床心理士になるには、大学の心理系学部で4年間勉強して、その後大学院(修士あるいは博士課程)で2年以上専門の研究をします。それでようやく受験資格を得て、その後試験に合格しなければなりません。

 

つまり、スクールカウンセラーになりたいのであれば、精神科医、公認心理師、臨床心理士のいずれかの資格を取得する必要があります。現実的には国家資格でもある公認心理師がおすすめです。

 

関連資格:公認心理師とは臨床心理士とは

 

中学生・高校生が民間の心理系資格の講座を受講しても、あまり意味はありません。もちろんそれは社会人や大学生でも同じです。

 

※臨床心理士は民間資格ですが、歴史も古く非常に公共性の高い資格として国家資格に準ずる扱いです。

 

心理学を学ぶには長い時間を要します。2か月程度じゃ無理。

 

心理学は人間の心の理解であり、理解するには長い地道な研究の積み重ねが必要です。

 

通信講座で2か月程度勉強しただけでは、心理学についての知識は身に付きません。表面的な興味本位の理解では間違いを生じやすく、時には有害な行為の元になります。

 

短期間でプロののカウンセラーになれるなどと通信講座を宣伝するのは、あまりにも無責任な気もします。

 

民間の心理系の検定試験は、全てが詐欺だとか資格商法だなどと言っているのではありません。知識ゼロの初心者が心理学について勉強するには多少効率がよいかもしれませんけど・・・

 

ただし、スクールカウンセラーにはなれませんのでご注意を!

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