ITパスポートは難易度も低く就職や転職では評価されない
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | やや易しい | 60% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~1万円 | 2か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 304件 |
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年6月2日に集計。
ITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格がITパスポートです。
積極的にITを活用するための技術・モラルを身に付ける狙いがあります。
難易度の低いパソコンの入門資格なので就職・転職は有利になりません。
取得するメリットは少なく、これと言って役に立ちません。
ITパスポートとは
ITに関する基礎的な試験
ITパスポート試験(通称:Iパス)とは、経済産業省が認定するITに関する国家試験です。
試験の学習を通して、IT社会に必要なモラルや、積極的にITを活用するための知識を身に付ける狙いがあります。
合格すれば、ITの分野で基礎的な知識を身に付けていると証明できます。
ITパスポート試験は、パソコン操作ができる、必要な表計算ソフトを使える、ウイルスの危険性を理解しているといったレベルには留まらず、日常的にパソコンなどの情報機器を使用する社会人が、パソコンの基本機能やセキュリティの重要性などについてどの程度基本的なことを理解しているかを確認するための試験という位置づけです。
主催者サイト:【ITパスポート試験】情報処理推進機構
所轄省庁:情報処理技術者試験 (METI/経済産業省)
情報端末を使う側にはモラル・危険性などの理解が求められる
かつて大型のコンピューターで処理していた情報処理の技術は小型で高性能なパソコンに置き換えられました。
今やどこのオフィスでもパソコンを導入し、事務処理に活用しています。
1人に1台パソコンが普及し、日常の暮らしの中でパソコンやインターネットを使うことは当たり前になっています。
スマホ、タブレットなどの情報端末を持ち歩いて、どこでも必要な情報を瞬時に引き出すことができます。
IT技術が進歩する上で、使う側の意識やモラル、危険性などについて正しく理解することも重要です。
ITパスポート試験の勉強を通して、ネットワークシステムを上手に活用するスキルや、利用する上での問題点、さらには業務を効率化するための知識を学びます。
役に立つ資格なのか?
ITパスポートとは、パソコンを利用する上での基本的な事項を学習する試験です。
内容は基本レベルのため、就職・転職に役に立つとはいえません。
社会人であれば、履歴書に書いてもほぼ評価されません。
これからIT関係の仕事に転職したいと考えているのであれば、合格しても履歴書に書かない方がよいレベルです。
就活を控えて取得する大学生もいますが、企業の評価は思いの外低いです。
一応は国家資格なので履歴書に書けばそれなりに自己PRの材料にはなりますが、過度に期待しない方がいいでしょう。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
ITパスポート試験に合格したからといってIT関連の特別な仕事ができるわけではありません。
あくまでも、ITに関してどれくらい基礎的な知識を持っているのかを試す検定試験です。
仮に就職・転職を希望する会社が極端にIT化が遅れていて、社内にパソコンの知識がない年配の方が多いようであれば、履歴書に書けば注目されるかもしれません。
パソコン超初心者に向かって、「私はパソコンの基本的な知識がある程度はありますよ・・・」というくらいはアピールできます。
それ以上のメリットはありません。
大学入試で優遇されるケースがある
一部の大学・短大では、情報処理技術者試験(ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者・情報セキュリティマネジメント)の合格者を入試の際に優遇しています。
上記は、ITパスポートを何らかの形で評価・活用している大学・短期大学の例です。
「入試優遇」の大学が226校あります。知名度の低いいわゆる「Fラン大学」が中心ですが、中には国公立大学も含まれています。
情報元:情報処理技術者試験の大学における入試優遇 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
どの程度優遇されるのかは不明ですが、推薦入試・AO入試などがおそらく中心でしょう。
希望する大学の学部が「入試優遇」になっているのであれば、ITパスポートの合格者は入試が多少有利になるかもしれません。
詳細につきましては、各大学の募集要項などで確認してください。
目指すならもう1つ上のランクの資格を
就活にIT系の資格を活かしたいのであれば、ITパスポートよりもさらに上位資格となる基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティマネジメントを目指してください。
情報セキュリティ全般について学びたいのであれば、情報セキュリティマネジメントにステップアップするのがよいでしょう。こちらはITパスポートの上位資格です。
IT技術者の道を歩みたいのであれば、基本情報技術者や応用情報技術者がおすすめです。
応用情報技術者は基本情報技術者の上位資格です。
ちなみに、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験では、基本情報技術者の方が難易度は上です。
ITパスポートでは、IT業界であまりアピールできません。最低でも基本情報技術者の資格がIT業界では必要になります。
IT業界でスキルアップを目指したいのであれば是非上位資格である基本情報技術者にチャレンジしてください。
就活のために取得する学生もいます。
合格するには
まずは用語の理解から
ITパスポートは、情報系国家資格の中では最も簡単な試験です。
とは言え、人によってはかなり難しく感じられるようです。
特に普段からパソコンに触れていないような初学者の人にとっては、アルファベットやカタカナが並んだ横文字の専門用語には苦労するでしょう。
難易度を表現するのは難しいですが、仮にITに関する知識がゼロの人が合格しようと思ったら、おおよそ30時間~100時間程度の勉強時間は必要です。
もちろん、各人の適性や能力で勉強時間は大きく変わります。
参考書をざっと一通り読んだ後に、過去問題8回分を3回転程度繰り返し、正解の選択肢がなぜ正解か、それ以外の選択肢がなぜ誤りかを正しく理解します。
必要であればその都度テキストに戻り内容を確認します。
その後は演習を行います。演習で8割後半程度を安定して解答できれば合格に近づいた感じです。
3回転しても出来なかった問題は参考書まで戻り、弱い分野の復習をします。
試験では、アルファベットの横文字専門用語が並びます。
必要となる用語はだいたい130くらいですから正確に覚えましょう。
問題を解くカギはやはり正確な用語の理解です。
ITだけでなく経営や法律の知識も問われる
ちなみにITパスポート試験では、コンピューターの知識だけではなく経営学や商業分野の問題からも出題されます。
在庫評価の移動平均法、経常利益の出し方、減価償却費、限界利益、経営方針など、簿記に関する知識も必要です。確率の出題もあります。
専門的なプログラミングの出題はないので、独学で十分合格は可能です。
通信講座や予備校はおそらく必要ないでしょう。
過去の問題が繰り返し出題されるケースが多い
ITパスポートは、過去に出題された問題が繰り返し出題されることが多いです。
そのため、過去問の学習がそのまま試験対策になります。
過去問は6~8回分を何回も繰り返して解いてください。
前述の通り、正解の選択肢がなぜ正解か、それ以外の選択肢がなぜ誤りかを理解しながら進めていくことが大切です。
多くの人は、「ITパスポートは簡単」と言いますが、やはり国家資格です。
出題範囲も広く、事前の勉強は必要です。経営や法律の知識も問われます。
まずは無料の資料請求
おすすめの通信講座
全くパソコンの知識がない、どのテキストを買っていいのか分からない、そんな方にはやはり講義を動画で受講するのがおすすめです。
ヒューマンアカデミー、スタディングの通信講座は価格も安いのでおすすめです。
※こちらから受講申し込みができます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
ITパスポート受験生に最も使われているテキスト兼問題集です。
これ一冊で合格できます。入門用としても最適です。
全く知識のない人にとってアルファベットの専門用語は意味不明ですが、そんな方にも分かりやすく丁寧に解説されており、独学で学習をすすめるにはおすすめの参考書です。
ひととおり本を読んだら付属CDで過去問を学習することができます。
これ一冊でテキスト、参考書、問題集として学習できます。
種類 | 評価 |
テキスト・過去問題集 |
ITに無縁、超初心者向けの入門用テキスト・参考書です。とにかくイラストや図解が多く、噛み砕いて解説してあります。漫画みたいな図がいっぱい載っています。
ただし、あくまでも補助的な一冊としての利用に限られます。これだけで合格は狙えません。
本試験では専門用語が普通に出てきますが、こちらのテキストでは用語の理解はできません。文章がとにかく平易で専門用語を多用していないからです。
試験対策には別の問題集・参考書が必要になります。このテキストでITパスポート試験の概要を理解して、過去問を解いてください。
種類 | 評価 |
テキスト |
上記の「よくわかるマスター」よりもさらに詳しく内容を解説しています。
重要なポイントはイラストのイメージで解説されているので、専門用語もすっきりと理解できます。
ただ、このテキストは必要最低限必要な知識に絞って解説しているので、上記の「よくわかるマスター」だけでは不安な方が併用して使うのをおすすめします。
入門用参考書的なテキストです。
種類 | 評価 |
テキスト |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
月に数回程度行われていますが日程・会場は都道府県により異なります。主催者ホームページをご覧ください。
お申し込み
主催者ホームページをご覧ください。
受験資格
どなたでも受験できます。受験の制限は一切ありません。
試験会場
全国主要都市
受験料
7,500円
試験内容
四肢択一式、100問、120分
出題は3分野です。
【ストラテジ系(経営全般)】:35問程度
- 企業と法務
- 経営戦略
- システム戦略
【マネジメント系(IT管理)】:20問程度
- 開発技術
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
【テクノロジ系(IT技術)】:45問程度
- 基礎理論
- コンピュータシステム
- 技術要素
合格基準
合格基準:総合評価点、分野別評価点のすべてが次の基準を満たしていなければなりません。
【総合評価点】
600点以上/1,000点。
【分野別評価点】
ストラテジ系 300点以上/1,000点
マネジメント系 300点以上/1,000点
テクノロジ系 300点以上/1,000点
主催者情報
試験に関する詳しい情報は【ITパスポート試験】受験要領をご覧ください。