ITパスポート
あくまでもパソコンの入門資格、就職・転職の際には評価されません。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
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国家資格 |
2か月程度 |
やや易しい |
60% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己満足 |
~1万円 |
誰でも受験可 |
最終更新日:2022/12/20
ITパスポートとは
試験の学習を通して、IT社会に必要なモラルや、積極的にITを活用するための知識を身に付ける狙いがあります。
ITパスポート試験は、パソコン操作ができる、必要な表計算ソフトを使える、ウイルスの危険性を理解している、といったレベルには留まらず、日常的にパソコンなどの情報機器を使用する社会人が、パソコンの基本機能やセキュリティの重要性などについてどの程度基本的なことを理解しているかを確認するための試験という位置づけです。
主催者サイト:【ITパスポート試験】情報処理推進機構
所轄省庁:情報処理技術者試験 (METI/経済産業省)
情報端末を使う側にはモラル・危険性などの理解が求められる
かつて大型のコンピューターで処理していた情報処理の技術は、小型で高性能なパソコンに置き換えられ、今やどこのオフィスでもパソコンが導入されています。
1人に1台パソコンが普及し、日常の暮らしの中でパソコンやインターネットを使うことは当たり前になっています。
スマホ、タブレットなどの情報端末を持ち歩いて、どこでも必要な情報を瞬時に引き出すことができます。
IT技術が進歩する上では、使う側の意識やモラル、危険性などについて正しく理解することも重要になってきます。
さらに、ビジネスで情報端末を使うときは、ネットワークシステムを上手に活用するスキルや、利用する上での問題点、さらには業務を効率化するための知識が欠かせません。
役に立つ資格なのか?
ITパスポートとは、パソコンを利用するための基本的な知識を学習するための試験であるため、就職・転職に役に立つとはいえません。
ただし、新卒の学生であれば若干評価される可能性はあります。何もITについて知識のない学生よりも前向きな姿勢があるということでマイナスの評価にはならないでしょう。
現在IT関係の仕事をしているわけではないが、そちらへ転職する際の武器として取得したい、と考えているのであれば、あまりお勧めはできません。それは試験の内容があくまでも基本レベルであるため、能力の判断材料になるとまでは言えないからです。
ITパスポートは一応は国家資格なので、履歴書に書けばそれなりに就職・転職が有利になるかもしれませんが、過度に期待しない方がいいです。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
ITパスポート試験に合格したからといってIT関連の特別な仕事ができるわけでもありません。
あくまでも、ITに関してどれくらい基礎的な知識を持っているのかという知識の確認をするための試験です。資格というよりも検定試験という方が正しいでしょう。
仮に就職・転職を希望する会社が極端にIT化が遅れていて、社内にパソコンの知識がない年配の方が多いようであれば、履歴書に書けば注目されるかもしれません。
パソコン超初心者に向かって、「私はパソコンの基本的な知識がある程度はありますよ・・・」というくらいはアピールできます。それ以上の仕事上でのメリットはありません。
とはいえ、一応は経済産業省認定の国家資格です。履歴書の欄を一行埋める程度には使えます。
就職・転職は本当に有利になる?
履歴書にITパスポート試験に合格したことを書いて、就職・転職が有利になるのかというと、いわゆる大手のIT業界の会社においては、全く有利になりません。持っていても持っていなくてもほぼ同じと言ってもよいでしょう。
IT業界未経験者が、この業界に就職・転職を希望してITパスポートを取得することが多いようですが、はっきり言って合格しても役立つことはありません。
むしろ履歴書に書くと、「この程度の資格で自己PRするの?」と、悪い印象を与える可能性すらあります。
ITパスポートと同様にMOSの取得を目指す人も多いようですが、こちらも就職・転職は有利になりません。
関連資格:MOSとは
一般の事務職を目指すとしても、ITパスポートやMOSの資格より実際にWordやExcelを使いこなせた方が、よぽど就職や転職には役立ちます。
新入社員が入社前に身に着ける程度の学習内容
ITパスポートは、新卒でこれから就職活動をする高校生や大学生が、パソコン技術習得のために取得する資格といってもいいでしょう。高度なIT技術者やプログラムの開発者向けというよりも、利用者向けの学習内容です。
学習する内容も、現場ではほとんど使い物にならない程度の薄っぺらな知識です。そのため、社会人がパソコンの使い方を身に付けるために学習するメリットも低いといえます。
IT全般に詳しくなりたい年配の管理職とか事務職であったとしても、ITパスポートの学習を通して得られる程度の知識は、仕事に役立つ機会は少ないでしょう。
IT入門の第一歩の基礎知識として、また上位資格へのステップアップ程度に考えるくらいがちょうど良いでしょう。
大学入試で優遇されるケースがある
一部の大学・短大では、情報処理技術者試験(ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者・情報セキュリティマネジメント)の合格者を入試の際に優遇しています。出典元:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験:試験の活用事例
「入試優遇」の大学が240校あるとなってますが、他に公表不可の大学が37校あるので、実際は全国で277校が入試で優遇措置を実施しています。
情報元:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験:大学活用(入試優遇)
ほとんどが私立ですが、中には国公立の大学もあります。一般・推薦・AOのどの入試でどの程度優遇されるのかは不明です。
ちなみに、4資格の中でもITパスポートだけに限れば、以下の大学・短大で入試優遇措置を実施しています。
希望する大学の学部が「入試優遇」になっているのであれば、ITパスポートの合格者は入試が多少有利になるかもしれません。
詳細につきましては、各大学の募集要項などで確認してください。
目指すならもう1つ上のランクの資格を
就活にIT系の資格を活かしたいのであれば、ITパスポートよりもさらに上位資格となる基本情報技術者、応用情報技術者、情報セキュリティマネジメントを目指してください。
情報セキュリティ全般について学びたいのであれば、次は情報セキュリティマネジメントにステップアップするのがよいでしょう。情報セキュリティマネジメントはITパスポートの上位資格です。
関連資格:情報セキュリティマネジメント試験とは
IT技術者の道を歩みたいのであれば、基本情報技術者や応用情報技術者がおすすめです。応用情報技術者は基本情報技術者の上位資格です。
ちなみに、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験では、基本情報技術者の方が難易度は上です。
ITパスポートでは、IT業界であまりアピールできません。最低でも基本情報技術者の資格がIT業界では必要になります。
IT業界でスキルアップを目指したいのであれば是非上位資格である基本情報技術者にチャレンジしてください。就活のために取得する学生もいます。
合格するには
とは言え、人によってはかなり難しく感じられるようです。特に普段からパソコンに触れていないような初学者の人にとっては、アルファベットやカタカナが並んだ横文字の専門用語には苦労するでしょう。
難易度を表現するのは難しいですが、仮にITに関する知識がゼロの人が合格しようと思ったら、おおよそ30時間~100時間程度の勉強時間は必要です。もちろん、各人の適性や能力に大きく左右します。
参考書をざっと一通り読んだ後に、過去問題8回分を3回転程度繰り返し、正解の選択肢がなぜ正解か、それ以外の選択肢がなぜ誤りかを正しく理解します。必要であればその都度テキストに戻り内容を確認します。
その後は演習を行います。演習で8割後半程度を安定して解答できれば合格に近づいた感じです。
3回転しても出来なかった問題は参考書まで戻り、弱い分野の復習をしていきます。
試験では、アルファベットの横文字専門用語が並びます。必要となる用語はだいたい130くらいですから正確に覚えましょう。問題を解くカギはやはり正確な用語の理解です。
ITだけでなく経営や法律の知識も問われる
ちなみにITパスポート試験では、コンピューターの知識だけではなく経営学や商業分野の問題からも出題されます。
在庫評価の移動平均法、経常利益の出し方、減価償却費、限界利益、経営方針など、簿記に関する知識も必要です。確率の出題もあります。
専門的なプログラミングの出題はないので、独学で十分合格は可能です。通信講座や予備校は必要ないです。
過去の問題が繰り返し出題されるケースが多い
ITパスポートは、過去に出題された問題が繰り返し出題されることが多いです。そのため、過去問の学習がそのまま試験対策になります。
過去問は6~8回分を何回も繰り返して解いてください。前述の通り、正解の選択肢がなぜ正解か、それ以外の選択肢がなぜ誤りかを理解しながら進めていくことが大切です。
多くの人は、「ITパスポートは簡単」と言いますが、やはり国家資格です。出題範囲も広く、事前の勉強は必要です。経営や法律の知識も問われます。
まずは無料の資料請求
おすすめの講座
全くパソコンの知識がない、どのテキストを買っていいのか分からない、そんな方にはやはりDVD付きの講座がおすすめです。フォーサイトの通信講座は価格も安いのでおすすめです。
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試験情報
試験日 |
お申込み |
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月に数回程度行われていますが日程・会場は都道府県により異なります。主催者ホームページをご覧ください。 | 主催者ホームページをご覧ください。 |
受験資格 |
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どなたでも受験できます。受験の制限は一切ありません。 |
試験内容 |
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四肢択一式、100問、120分
【マネジメント系(IT管理)】:20問程度
【テクノロジ系(IT技術)】:45問程度
合格基準:総合評価点、分野別評価点のすべてが次の基準を満たしていなければなりません。 |
試験に関する詳しい情報は【ITパスポート試験】受験要領をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
令和4-5年度版 ITパスポート試験 対策テキスト&過去問題集 (よくわかるマスター) | |||||
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ITパスポート受験生に最も使われているテキスト兼問題集です。これ一冊で合格できます。入門用としても最適です。
全く知識のない人にとってアルファベットの専門用語は意味不明ですが、そんな方にも分かりやすく丁寧に解説されており、独学で学習をすすめるにはおすすめの参考書です。 |
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キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和04年 | |||||
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ITに無縁、超初心者向けの入門用テキスト・参考書です。とにかくイラストや図解が多く、噛み砕いて解説してあります。漫画みたいな図がいっぱい載っています。
ただし、あくまでも補助的な一冊としての利用に限られます。これだけで合格は狙えません。
本試験では専門用語が普通に出てきますが、こちらのテキストでは用語の理解はできません。文章がとにかく平易で専門用語を多用していないからです。
試験対策には別の問題集・参考書が必要になります。このテキストでITパスポート試験の概要を理解して、過去問を解いてください。 |
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令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 (情報処理技術者試験) | |||||
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上記の「よくわかるマスター」よりもさらに詳しく内容を解説しています。重要なポイントはイラストのイメージで解説されているので、専門用語もすっきりと理解できます。
ただ、このテキストは必要最低限必要な知識に絞って解説しているので、上記の「よくわかるマスター」だけでは不安な方が併用して使うのをおすすめします。入門用参考書的なテキストです。 |
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