心理カウンセラーの民間資格で独立開業は儲かる?厳しい現実と本音

カウンセリングの様子

できることといったらせいぜいボランティア程度でしょう!

自宅などで開業して心理カウンセラーの仕事をしたいと思っている人が多いようです。

しかも、数か月の通信講座で誰でも手軽に取得できるような「民間の検定資格」を使って。

はたして、その現実はどうなのでしょうか?

「自宅で開業すれば、すぐにお客さんが来るはず」と考えているなら、ハッキリ言って考えが現実的ではありません。認識が甘いような。

短期間で取得できる民間の心理系検定試験は、法的な裏付けのない「民間試験」に過ぎません。

厳しい現実を言うと、そうした民間資格だけで開業しても、せいぜいボランティアや身内の相談相手くらいでしょう。

カウンセラーの仕事をするのであれば、業界的には最低でも下記の資格が必要だと言われています。

  • 精神科医(国家資格)
  • 公認心理師(国家資格)
  • 臨床心理士(民間資格)

「やってみないと分からないじゃないか!」と思うかもしれませんが、プロとして飯を食っていくのであれば、精神科医などの専門的なバックボーンがない限り、独立開業は極めて困難です。

当サイト内における評価や感想は公正で客観的な判断に基づいていますが、あくまでも運営者個人の意見であって特定の民間資格を批判する意図はありません。参考にするかしないかはご自身で判断してください。

目次

心理系民間資格が世の中にはいっぱいある!

怪しいと感じて疑う女性

人の深層心理を読んでカウンセリングによって悩みを解決する・・・

悩める人を笑顔に導く仕事、しかも人の役に立てる仕事。本当であればカッコいいですよね!

ところで、世の中には心理系の検定試験(民間資格)がたくさんあります。

メンタル心理カウンセラー、メンタルケアカウンセラー、メンタルヘルスカウンセラー、ケアストレスカウンセラー、メンタル総合心理カウンセラー、メンタル心理ヘルスカウンセラー、上級心理カウンセラー、メンタルケア心理士、認定臨床心理療法士、青少年ケアストレスカウンセラー、行動心理士、ポジティブ心理学実践インストラクター、自己肯定感アップカウンセラー、交流分析士、学会認定カウンセラー、応用心理士、チャイルドカウンセラー・・・

「一体何が違って、どれを選べばいいの?」と迷う方もいるしょう。

しかし、結論から言うと、数日〜数か月の通信講座で取得できるものは、どれも入門書を数冊読んだ程度であり、どんぐりの背比べです。

こうした民間資格は、専門知識を体系的に学ぶための基礎知識を得るにはよいかもしれませんが、これだけでプロを名乗るにはあまりにもボリューム不足です。

心理カウンセラーを目指す主な理由

心理カウンセラーを目指す人の理由は様々ですが、多いのが下記のような理由です。

  • 身近に悩んでいる人が多いので少しでも力になりたい
  • 自分が同じような経験をしたので役に立ちたい
  • 相談者から「先生」と呼ばれ、頼りにされる仕事に魅力を感じる

ストレス社会と言われる現代において、心のケアの需要が高まっているのは間違いありません。

理由はどうあれ、「人の役に立ちたい」という動機自体はとても素晴らしいものです

これからもうつ病などの患者が増えそうだから需要がありそうと将来性を考える人もいます。

まぁ、理由はどうであれ、人の役に立ちたいという考えは立派です。

しかし、需要があることと自分がカウンセラーとして稼げることは、全くの別問題です。

無資格でも心理カウンセラーと名乗ってOK?

実は、日本には「心理カウンセラー」という職業を規制する法律はありません。

つまり、何の資格を持っていなくても、今日から「私は心理カウンセラーです」と名乗って看板を掲げ、お金をもらっても違法ではないのです。

「恋愛カウンセラー」や「離婚カウンセラー」を名乗り、ネット上で有料の相談に乗る占い師のようなスタイルで副業的に活動することは誰でも可能です。

じゃあ、資格なんてなくても開業して稼げるのでは?と思うかもしれませんが、ビジネスとして成り立たせるための顧客からの信頼を得られるかどうかは、また別の話です。

心理カウンセラーになるための条件は相当厳しい

カウンセリングする女性

心理カウンセラーの活躍する場所は、例えば学校や病院、企業の産業保健分野などがあります。

文部科学省の方針で、小中高校さらには大学でスクールカウンセラーを配置する事業が進められています。

全国の小中高と大学ですから相当な数です。それだけ需要は間違いなくあります。

求人サイトで「心理カウンセラー」の公的な募集を探してみると、確かに多くの求人が見つかります。

じゃあ、誰でもスクールカウンセラーに応募できるのかと言えば、応募条件が極めて厳しいのが現実です。

例えば、スクールカウンセラーになるための要件について文部科学省は以下のように示しています。

【スクールカウンセラー(SC)の主な選考要件】

  1. 公認心理師(国家資格)
  2. 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
  3. 精神科医
  4. 児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、大学の教授・准教授などの職にある者、またはあった者

参考:スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A|文部科学省(pdf)

基本的には、国家資格である公認心理師か、それに準ずる実績を持つ臨床心理士、あるいは精神科医でなければ、応募すらできないケースがほとんどです。

短期間で取得できる民間の心理カウンセラー資格では話しにならない

残念ながら、数か月の通信講座で取得した民間資格を履歴書に書いて応募しても、採用されることはまずありません。

書類選考の段階で「応募資格なし」として落とされます。

一般の病院や学校、企業において、数日〜数か月の独学と添削課題だけで取得できる民間資格は、プロとしての客観的な能力証明として認められていないからです。

「資格を取得すればプロとして活動できます!」といった通信講座の華やかな宣伝文句を真に受けてしまうと、履歴書を出した段階で厳しい現実に直面することになります。

専門家でも仕事が少ないという厳しい現実

麦わら帽子をかぶった女性

心理医療、心理職、心理カウンセラーのプロとして働きたいのであれば、臨床心理士か公認心理師にならなければなりません。

とは言え簡単にはなれません。例えば臨床心理士になるには、大学4年とさらにその上の大学院へ進学して2年間、つまり6年間は心理学の勉強が必要です。

大学院卒ですから修士か博士課程です。勉強というよりは研究です。論文も執筆しなければなりません。

これほどの膨大な時間と学費、そして努力を費やして、ようやくスタートラインに立てるのです。

それほど取得するのが大変な心理学の世界であるにもかかわらず、大学院を出たプロの臨床心理士や公認心理師であっても正規職員としての募集は少なく、複数の現場を非常勤で掛け持ちしているケースが珍しくありません。

高度な専門教育を受けたプロでさえ競争が激しい業界です。

通信講座を少し勉強しただけの「自称カウンセラー」が仕事をもらったり稼いだりするのがどれほど困難か、容易に想像がつくでしょう。

自宅でカウンセラーとして開業しても誰も来ない

もしあなたが心に強い不調を感じたとき、どこに相談に行くでしょうか?

多くの人は、まず専門の精神科や心療内科を受診し、医師の診断や薬の処方を受けようとするはずです。

通院あるいは症状によっては入院するでしょう。

そこで臨床心理士などの専門のカウンセラーの相談を受けたり、精神保健福祉士や作業療法士とレクリエーションなどの軽作業をする場合もあります。

医学的なバックボーンも実績もなく、プロフィール欄に数か月で取れる民間資格だけが書かれた個人のカウンセリングルームに、わざわざ高いお金を払って相談に行こうとする人は、よほどのことがない限りいません。

また、うつ病などの精神疾患を抱える方に対して、医師の指示なく治療行為(またはそれに類似する行為)を行うことは、医師法などの法律に抵触するリスクもあります。

プロのカウンセラーであっても、医療との連携は絶対条件です。

民間資格の「正しい活かし方」とは?

ここまで厳しい現実を書いてきましたが、民間資格が100%無駄というわけではありません。

  • 自分自身のメンタルケアやストレスマネジメントに活かす
  • 身近な家族や友人とのコミュニケーションを円滑にする
  • 現在の本業(接客、営業、管理職のマネジメントなど)に心理学のエッセンスを取り入れる

このような目的であれば、手軽に体系的な知識を学べる民間資格もよいかもしれません。

ボランティアで無料の話し相手をする際にも、知識ゼロよりはいいでしょう。

しかし、「民間資格を武器に、プロのカウンセラーとして独立開業して稼ぐ」というのは、ほぼ不可能だと言わざるを得ません。

スクールや通信講座の魅力的な広告に流されることなく、資格を取得する「本当の目的」を一度冷静に考えてみることを強くおすすめします。

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