認定心理士
大学で心理学について必要な単位を履修すれば申請だけで取得可能。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
--- |
--- |
--- |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
知識習得 |
--- |
大学卒業 |
※合否判定するための試験はありません。申請だけで取得できます。
最終更新日:2022/11/10
認定心理士とは
大学で心理学について履修し、決められた科目を修めたことを証明する書類を同協会へ提出し、条件を満たしていると認められれば資格を取得できます。
試験を行って合否判定するといった制度はなく、一般的な大学の心理系の学部を卒業すればもれなくついてくる資格です。
最近の傾向として、人文学部、教育学部、総合人間科学部といった学部で、複数の学問分野のおいて研究や分析を行いながら心理学を学ぶケースが増えています。
そういった学部・学科で心理学を学んで卒業した人は、認定心理士として認定されていれば、心理学の最小限の学力と技能を修得していることが証明できます。
認定心理士は心理学の基本的な資格であり、カウンセリングをする上で欠くことのできない資格ではありません。あくまでも大学で心理学を学んだという証明です。
大学院修了を資格取得要件とする公認心理師や臨床心理士のように、高度な専門性までは認定心理士には必要とされておらず、その知識と技術を保証するものではありません。
主催者サイト:公益社団法人 日本心理学会
心理職を目指したいのであれば公認心理師の資格が必須
昨今、心理学はとても人気のある分野です。学校や病院・福祉施設などでカウンセラーとして将来活躍したいと考える人は多いようです。
小中学校及び高校においてスクールカウンセラーの配置が進んでいますが、募集要項を見ると、現在のところ公認心理師あるいは臨床心理士の資格が必須となっています(一部例外あり)。
病院や福祉施設でカウンセリング業務を行う職員を募集する際も、同様に公認心理師か臨床心理士の資格必須となっている場合がほとんどです。
つまり、公認心理師か臨床心理士を持っていれば憧れの心理職に就けるワケです。
しかし、スクールカウンセラーの配置は、国が進めている事業であるため、今後は公認心理師に限定される可能性もあります。
病院でのカウンセリングに保険点数をつけることを目的に公認心理師が誕生した以上、いづれは公認心理師資格なしで病院には就職できなくなるでしょう。
公認心理師は国家資格ですが、臨床心理士は民間資格にすぎません。この違いは想像以上に大きいです。
臨床心理士の資格だけでは就職や転職が不利になるのは間違いないでしょう。心理職と言われる仕事に就きたいのであれば、国家資格でもある公認心理師を目指してください。
役に立つ資格なのか?
認定心理士は、心理学科卒業を証明する「卒業証書」と同じなので、専門的なカウンセリング業務への就職や転職にはほとんど役に立ちません。
取得するのに実習なども必要はなく、単位を取ってお金を払えば簡単に取得できます。大学で決められた単位について心理学を学んでいることが条件となります。
しかし、お金さえ払えば誰でも数週間で取得できるユーキャンやキャリカレ、諒設計アーキテクトラーニングが主催してるような怪しい心理系検定試験とは一線を画しています。
認定心理士であれば履歴書に書いて堂々とアピールできます。全く無意味とか、自己満足といった民間資格ではありません。
一部では認定心理士を採用条件としている求人も見つかるため、心理職の仕事に就ける可能性はあります。取得するメリットのある資格です。
認定心理士であれば大学で心理系を履修した証明につながるため、一部の研修や心理学の検定試験では、認定心理士を参加資格にしているケースもあります。
将来性を徹底研究
認定心理士の求人は少ないけど見つかる!
認定心理士の資格は、「私は大学で心理学を一定基準以上学習しました」と証明するようなものなので、履歴書に「○○大学 心理学科卒」と書けるのであれば特に取得する必要はないです。
「総合人間科学部」や「人文学部」のように一見して「心理学」とは分からないような学部名の人が、認定心理士の資格を申請することが多いようです。
「認定心理士を取得しても意味ない」なんてよく言われますが、全く就職につながらないかと言えばそうでもなく、児童福祉施設・社会福祉施設などでは認定心理士であることを採用条件としている求人も見つかります。
ただし、この場合、同時に公認心理師・臨床心理士も採用条件となっている場合が多く、実習経験もなく専門性も低い認定心理士では採用は不利です。
心理職と呼ばれる仕事に就ける可能性のある最も入門的な資格が認定心理士という位置づけです。
通信制大学で認定心理士を取得する意味
公認心理師や臨床心理士は難易度が高く、大学院卒(修士か博士)が条件なので、社会人がゼロからこれらの資格取得を目指すのはかなり難しいです。
認定心理士も大学で心理学について学ばなければなりませんが、実は通信制大学で学ぶという手段があります。
認定心理士になって、どこかの児童福祉施設などで5年以上相談業務に従事すれば、スクールカウンセラーになれる道も開けます。
認定心理士の資格だけでも児童福祉施設・社会福祉施設などへ就職することは可能です。時給1,000円ほどで認定心理士を募集している求人は意外とあります。
まずは心理職に就くためのキッカケとして、通信制大学で学び認定心理士の資格を取得する意味は十分にあります。
さらに、その後大学院へ進んで公認心理師を取得することも可能です。
ただし、通信制大学・大学院で公認心理師を取得するのは想像以上に厳しいです。
怪しいだけの民間資格にはご用心
心理系の民間資格は、実は世の中にたくさん存在します。
国家資格の公認心理師を筆頭に、民間資格の臨床心理士・認定心理士、その他にも産業カウンセラー、メンタル心理カウンセラー、メンタルケア心理士、チャイルド心理、行動心理士、メンタル総合心理カウンセラー、青少年ケアストレスカウンセラー、心理学検定、こころ検定・・・などがあります。
参考:産業カウンセラーとは、メンタル心理カウンセラーとは、メンタルヘルスマネジメント検定とは
民間資格の中でも就職につながる可能性があるとすれば、臨床心理士と認定心理士くらいです。
残念なことに、多くの民間資格は講座受講料と受験料収入、登録費用や更新費用を目的としただけの資格商法がほとんどです(全てとは言いませんけど)。
お金さえ払えば短期間で誰でも取得できる程度の民間資格などでは病院などへ就職はできません。就職や転職は有利になりません。スクールカウンセラーに応募すらできません。
ユーキャン、キャリカレ、日本能力開発推進協会 (JADP)、諒設計アーキテクトラーニング・・・こういった民間団体が主催する心理系の検定試験などはお金と時間の無駄です。
合格するには
認定心理士となるには、大学で心理学に関する必要な単位を修了し、公益財団法人日本心理学会へ認定の申請をします。
その後申請が認められ、認定心理士として認定されると晴れて認定心理士と名乗れます。
申請と認定に必要な費用は、審査料11,000円と認定料30,000円、合計41,000円です(2022年10月現在)。
寄せ集めの単位でもかまわない
公認心理師であれば1つの大学で必要な単位を全て揃えなければなりません。別の大学で取った単位は認められないため、仮に大学を編入したらゼロから単位を取り直さなければなりません。
一方、認定心理士の場合は別の大学で取った単位も使えます。どこかの大学で一部の単位を取得していれば、あとは科目履修生で必要な単位を取って寄せ集めてもいいです。通信制大学で不足する単位を取っても大丈夫です。
ただし、申請の際に、大学名から担当教員名と職位などを正確に書いたりシラバス(講義要項、授業計画など)を集めたりするのは結構面倒です。
放送大学では、既卒者に必要な単位を修得させ、卒業しなくとも認定心理士を取得できる課程を設けています。
放送大学でも取得は可能
度々「通信制大学」の名称が出てきますが、認定心理士を取得するために必要な単位は通信制大学でも取得できます。
高卒者や全く別の学部を卒業した人でも入学可能です。
参考:認定心理士 | 放送大学
入試がなくほぼ面接だけで入学できる通信制大学は、入学するのはとても簡単です。もちろん大学には変わりないので一生懸命勉強しなければなりません。学費も一般の大学と同じくらいかかります。
自分のいい時間に勉強できるので、テストやレポートさえしっかりとこなせば他の大学よりは取得しやすいと思います。最短1年で取得する人もいます。
実習なども必要はなく、単位を取ってお金を払って申請すれば取得できます。
まずは無料の資料請求
おすすめ参考書
心理学 第5版補訂版 | |||||
---|---|---|---|---|---|
心理学の基礎をじっくり学ぶために最適な本です。図解も多く、心理学実験のコラムも豊富なため、心理学に興味のある方にはよい内容です。
説明が分かりやすくて、あまり心理学の知識がなくても理解できます。
当サイト運営者もこの本を図書館で借りて読んでみましたが、とても分かりやすかったです。
一つ一つの実験結果など、文字だけではなかなか理解ができないところをイラストと図解で解説しているので、イメージしながら興味深く読めます。
しかも、実験の内容がとても単純明快なので、心理学について全く事前の知識などなくても理解できます。
乳児や動物の行動パターンなどが実験結果としてところどころに出てきますが、解説が詳しく書かれていて興味深い内容になっています。 |
|||||
|