上の表は、いわゆる「企業が求める資格ランキング」のようなモノです。
パソコンで作業をしていると、一時期よく画面右側に勝手に広告として表示されていました。
しかしですねぇ、一体どこからこんなランキングが出てくるんでしょうか。
賢明な当ブログの読者のみなさん!こういう根拠もないランキングを信じてはいけませんよ!
多くは通信教育の受講生募集の宣伝です。
※表は作り直してあります。元の表には求人件数などの数字が入っていますが記入してません。
関連ページ:人気の資格・おすすめの資格ランキングを信じてはいけない
企業が求める資格ランキングトップ10、その信憑性は?
資格についてネットで調べていると、いわゆる人気資格ランキングについての記事をよく目にします。
- 企業が求める資格ランキングトップ10
- 人気の資格ランキングTOP10!
- 就職に役立つ資格・検定TOP30 2024
- 企業が必要とする資格ランキング 2023
なんて内容です。
日頃から資格に関する記事やブログを書いているので、「ふーん、どんな内容なんだろう」と思って目が自然にいきます。
はぁ?1位は簿記2級???2位は一級建築士???
しかし、どんな根拠で作ってるんでしょうねぇ・・・テキトーなこと書くなよ!ってつくづく思います。
ネットで見かけるランキングなどはほとんどが根拠のない広告
大手の通信教育の会社、人材派遣会社、学生向け就活サイト、転職情報サイトなどなど、資格に関するランキングを掲載する会社は様々です。
まぁ、広告ですからね・・・一番の目的は教材の販売だったり、人材の登録、サイトの利用であったりします。
最近は広告1つをとってもいろんな法令による規制があるのでデタラメなことは書けません。
今回見たランキングは、一応誰でも知ってるような大企業のPR広告ですからそれなりに根拠があるんでしょうけど、でも現実的な内容とは言えません。
こういうのを、「現実とは乖離(かいり)した内容」と言います。
そりゃ日商簿記二級を持ってればそれなりに価値はありますけど
資格ランキングトップ10の堂々1位が日商簿記2級になってますけど、簿記2級の資格はどの程度の市場価値なんでしょうか?
転職が有利になるようにと簿記検定2級を目指す人が多くいます。特に女性です。
3級ではあまり履歴書に書いても評価されないという情報の下で2級を目指すようです。
しかし、現実は厳しい!
晴れて簿記検定(日商簿記)2級をを取得してハローワークの相談窓口へ行ってみると、担当者から厳しいひとことを言われれます。
「簿記2級を持っている人はたくさんいるんですよ」
ガーン!!・・・ここではじめて現実を知ります。
広告記事を信じて通信講座を申し込んで一生懸命勉強したのに、一体何だったの・・・?
やはり重要になるのは実務経験です。
簿記検定は民間の資格(検定)です。持っていても持っていなくても簿記の仕事は誰にでもできます。
関連記事:簿記検定3級と2級&実務経験有り無しの求人数の違いを検証
過去に企業で経理の業務を数年間していれば話しは別です。ハローワークの担当者も企業へ紹介しやすいでしょう。
単に簿記2級の資格を持っていたとしても、企業で一番求められている人材とは言えません。
例えば簿記1級まで取得していたとしても、やはり実務経験がないと話しは進みません。
実務経験がないとネックになります。
それに、そもそも経理専門職って求人が少いんです。
従業員が5000人以上いて毎年100人以上新卒採用するような大企業でも、5年に一人経理専門職を採用するかどうかといったところです。
「簿記検定2級を取得すれば就職できる」ような大きく膨らんだイメージを抱かせること自体「問題がある広告」だと思います。
関連ページ:簿記検定とは
企業のどの部署で求めている資格なのか?根拠まで書けよ!
企業の中でも、経理に関する部署、例えば経理部や総務部なんかであれば簿記の有資格者は必要かもしれません。
それ以外の、仮に営業や技術開発の部署であれば簿記の有資格者は必要ないでしょう。
必要なのは、売れる営業マンであり優秀な開発者・技術者です。
そこを、さもどんな会社でもどんな部署でも、「企業が求める資格ランキングトップ10のNo.1は簿記!」って表現するのは明らかに間違っています。
企業が求める資格ランキングとして簿記を評価するのであれば
経理部門の人気資格ランキングトップ10、1位は簿記2級(実務経験3年以上)
と書く必要があります。
企業が求める資格ランキング?もっと重要なことはいっぱいある!
企業が求める資格ランキングなんて聞くと、資格だけで採用が決まってしまうように思えてしまいます。
けれど、全くそんなことはありません。
っていうか、採用する企業側としては、学生の持っている資格などしれてますからそもそも気にしてません。
当然ですけど企業が採用する際には、もっと重要なことはいくらでもあります。
面接時には人柄も学歴も見ます。過去の経歴だって重要です。転職回数だって見るでしょう。
田舎であれば出身高校も重要です。それに、もちろん容姿も・・・スタイルも・・・
さらに年齢です。
20代であれば有利でしょうけど、言いづらいですが年齢を重ねるとマイナスになるのが一般的です。
もちろんそれが全てとは言いませんけど。
資格なんてなくても国立大学を卒業していて、初めての転職となる20代の若者であれば男性女性に関係なく就職はあっという間に決まるでしょう。
転職を繰り返している地元の偏差値の低い高校の中退者じゃ、多分簿記2級を持っていても絶望的です。
企業が求める資格ランキングなどという広告は全くアテにならない!
当ブログ運営者が何を言いたいのかというと、こういった根拠のないランキング、漠然としてテキトーで、宣伝じみた広告を鵜呑みにしないでほしいということです。
しっかりと根拠のあるランキングであれば話しは別ですけど、ほとんどが根拠などない無責任な広告です。
そもそも、「企業が求める資格」などその企業によって全然違います。
ランキングを信じて通信講座で簿記の学習をはじめて、なんとか苦労して2級を取得したけど全然就職できない、なんて結果になります。
これはお金と時間の無駄です。
騙される方に問題がないとは言えませんけどね。
「企業が求める資格ランキングトップ10」についての感想は、明日も書いてみたいと思います。