人気の資格・おすすめの資格ランキング?こんなの信じたらダメ!
ネット上で、こんな表現を用いた資格のランキングをよく見かけます。
- 使える資格ランキング
- 人気の資格ランキング
- 役立つ資格ランキング
- おすすめの資格ランキング
- 食いっぱぐれない資格ランキング
これって本当なんでしょうか?
ほとんどがデタラメで根拠などありません。
実態は通信教育の宣伝が目的です。
現実に即していない捏造だらけの根拠のないランキングばかりです。
お金さえ払えば誰でもほぼ100%短期間で取得できるような民間資格などが役立つワケがありません。
そんなの少し考えればわかるはずです。騙されないでください。
ちょっと目に余るようなランキングがあったので紹介します。
賢明なみなさん、騙されないでくださいね。
ランキングなどほとんどがデタラメで根拠なし
ネット上でよく目にするのがこんな感じのランキングです。
女性が取ってよかった資格 食いっぱぐれないランキング一覧表・TOP10
1位 日商簿記検定
2位 保育士
2位 秘書検定
4位 宅地建物取引士
4位 看護師
6位 介護福祉士
7位 MOS
8位 登録販売者
8位 普通自動車第一種免許
10位 カラーコーディネーター
10位 FP技能士
10位 医療事務
しかし・・・これはヒドいですね。目に余る内容です。食いっぱぐれまくりですよ。真偽の程は不明ですが250人が選んだそうです。
「食いっぱぐれない」ってなってますけど、この中で該当するとしたら、保育士、看護師、介護福祉士くらいでしょうね。これらの資格なら私も同意します。
4位の宅地建物取引士、8位の登録販売者、これらは一応国家資格ですから就職先が見つかる可能性は高いでしょう。生活もしていけると思います。
ただし、食いっぱぐれないかと言えばその人の能力次第でしょう。
一概に「食いっぱぐれない」などとは断定できません。
そしてここからが大いに疑問に感じる部分です。
秘書検定、MOS、カラーコーディネーター、FP技能士(ファイナンシャルプランナー)、医療事務が食いっぱぐれないって・・・
これらの検定試験などを持っていても就職先が見つからず困っている女性を何人も知ってます。食いっぱぐれまくりですよ。
秘書検定、カラーコーディネーター、FP技能士などは多少のPRにはつながるでしょう。完全に否定する気はありません。
ただし、単なる知識・教養の検定試験(技能検定)です。知識は日常生活で役に立ちますが、就職や転職の決定打にはなりません。
そもそも単なる民間の検定試験です。企業はほぼ評価しません。
秘書検定やMOSなどは履歴書に書かない女性もいます。この程度じゃまともな就職先すら見つからないんです。
「食いっぱぐれない」なんて明らかに問題ある表現です。これは「嘘・偽り・大げさな表現」「誤解を招く不当な表示」です。
みなさん、こんなテキトーで根拠のないランキングなどは信じてはいけません。
短期間で取得できる民間資格など評価の対象外
例えば、10位の医療事務ですが、調剤薬局事務や介護事務などと並んで「おすすめの資格」としてよくネット上で紹介されます。
しかし、これらは全て民間の検定試験です。講座受講料を払えば1~3か月ほどで誰でも取得きます。
試験は在宅受験・お家で受験ですから不合格になる方が不思議です。
そんな簡単なモノ、評価されると思いますか?ちょっと考えれば分かることです。
医療事務などの求人は経験者優先で、未経験者の採用は学歴・年齢・容姿・面接時の印象などで判断します。
賃金は低く、統計上ではスーパーやコンビニのレジ打ち以下の最低賃金である場合がほとんどです。「食いっぱぐれない」どころかその地域の最低賃金レベルです。
そして、7位のMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)もよくおすすめの資格として紹介されますが、こちらも数週間程度で合格できる民間の検定試験です。
特定のパソコンソフトの操作に関する入門的な検定試験など就職や転職では役立ちません。
概ね通信講座の宣伝である場合がほとんど
では、堂々1位の簿記検定、本当に食いっぱぐれがないの有望な資格なんでしょうか???
結論を申し上げますと、食いっぱぐれないと言うのはかなり大げさです。
2級で実務経験があればそこそこ転職に役立つのですが、3級であれば持っている人は山ほどいます。
採用にあたっては学歴が優先する場合も多いです。仮に1級を持っているMRECH大学レベルの新卒者でも内定をもらえず困っている学生もいます。
そもそも経理職の採用枠が少いんです。
さらに、民間資格ですから合格しても特別にできる業務はありません。簿記を持っていなくても優秀な人はいくらでもいます。
では、どうしてそんな民間資格を堂々の1位としてPRするのかと言うと・・・それはまぁ宣伝ですね。
文章中の簿記検定の文字にはリンクが貼ってあり、クリックすると「おすすめ簿記検定通信講座」のページへ飛びます。
そこには多くの通信講座の申し込み先が一覧表示されています。その気になって申し込むとサイト運営者に紹介料が支払われる仕組みになっています。
簿記検定だけではなく他の資格にも同様にリンクが貼ってあり、申し込みページへとつながる仕組みになっています。
ネット上には人気の資格ランキング、役立つ資格ランキング、おすすめの資格ランキング、使える資格ランキング、食いっぱぐれない資格ランキングと紹介しているサイトが多く存在しますが、ほとんどが通信教育・学校の宣伝です。
こんなランキングに騙されてはいけません。
一生仕事に困らない?稼げる国家資格?
また、別のあるサイトでは、司法・行政・経営の分野でおすすめの国家資格をランキングで紹介していました。それが下記です。
一生困らない!国家資格
- 行政書士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 公認会計士
- 司法書士
「難易度が高いものばかりだが、誰でも取得できて一生困らないと言われて高収入を期待できる資格」なんて紹介していますが、信じてはいけません。
3位、4位、5位の税理士、公認会計士、司法書士はわかります。そりゃ難関ですから合格すれば高収入が期待できそうです。
けれど、「誰でも取得できる」というのはちょっと言いすぎです。
特に、司法書士は今や司法試験と同程度に難関です。誰にでも合格できる可能性はあってもほとんどの人は合格できません。公認会計士も同じです。
そして、1位や2位の 行政書士と社会保険労務士は単に合格しただけでは高収入は期待できません。開業しても1年以内に多くの人が事務所を閉鎖する現実があります。
高収入を得るには人並み以上の努力が必要です。「一生困らない高収入を期待できる資格」なんて開業者が聞いたら笑ってしまいそうです。
これらは人気の資格ですが、人気があるのと稼げる資格とは全く別です。
このランキングはおそらく国家資格の受験経験すらがない人が書いたんでしょう。そうでなければこんな無責任な記事など書けません。
転職に有利で人気?ほとんどデタラメ
極めつきはこのランキングです。よくぞここまでウソを並べられるモンだと呆れてしまいます。
転職に有利な資格のランキング10選
- TOEIC
- マイクロソフトオフィススペシャリスト
- 簿記
- 衛生管理者
- ビジネス実務法務検定
- 秘書検定
- ファイナンシャル・プランナー
- ITパスポート
- 販売士
- 食品衛生管理者
「人気順」らしいですが信憑性は低いです。「転職に有利」という根拠は的を射ていません。
例えば1位のTOEIC、そりゃ分かりますよ、言いたいコトは理解できます。今の世の中、世界を舞台に勝負するのであれば英語は必須です。
まず私が言いたいのは、TOEICって英語の実力をスコアという点数で評価するということです。TOEICは資格試験じゃないんです。
仮にTOEICを1位にするのであれば、例えばスコア730点以上などと点数も併記しなければ実力は全く不明です。
それに日本国内の中小企業であれば、TOEICの点数など問わない場合がほとんどです。それで転職に有利などと堂々1位にするのは全く理解できません。
そして2位は、ホントどこでも出てきます・・・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)。
やっぱり出ましたね。申し訳ないんですが、特定のパソコンソフトが少し使える程度では転職は有利になりません。
5位、6位のビジネス実務法務検定と秘書検定ですが、常識のある社会人であれば就職や転職に活かそうなどとはまず考えません。
会社によっては履歴書に書かないほうがいいレベルです。
7位、8位のファイナンシャルプランナーとITパスポートですけど・・・一応国家資格という理由で世間ではおすすめの資格として頻繁に紹介されますが、実はそれほど評価されません。
3位、4位、9位、10位はというと・・・どうなんでしょうね。おすすめ10選に入れるほどではないと思うんですけどねぇ。
衛生管理者は「おすすめ・人気」であるのは理解できますが、転職に活かすための資格ではありません。
食品衛生責任者は一日の講習で取得できます。それで転職が有利になるって・・・テキトーなこと書くなよ!
もちろん全てを否定する気はないですよ。
MOSでExcelの操作方法を学んで、秘書検定で世間一般的なマナーを勉強するのは良いことだと思います。
ただ、転職を有利にするというのが目的なら、それは期待外れの結果になります。
記事が載っていたサイトでは、「ぜひ参考にして自分の転職の強みになる資格を見つけてください」なんて体の良い言葉で締めくくってますけど、仮に上記の資格を全部持っていたとしてもTOEICの高スコアを除いて大した強みにはならないでしょうね。
全て紹介文の後に企業サイトへのリンクが貼ってあるので、おそらく広告目的なんだと思います。「おすすめ」と称して通信教育のPRをするのが目的なんです。