ウェブ解析士
資格商法的な色合いが強い民間の検定試験、取得する意味はありません。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
1か月程度 |
易しい |
70% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己満足 |
5万円~ |
誰でも受験可 |
※試験は3種類に分かれていますが上記はウェブ解析士の数字です。事前の知識により学習期間にかなり差がでます。
最終更新日:2022/12/14
ウェブ解析士とは
※本文中にホームページ、ウェブ、サイトという用語が出てきますが、ほぼ同じ意味だと理解して読んでください。
ホームページなどのアクセス解析つまりウェブ解析の知識やスキルを身につけることで、正しくデータを読み取り、内容を改善してアクセスアップにつなげる技術者の育成を目的とした検定試験がウェブ解析士です。
検定試験の勉強を通して、ネットビジネス(ウェブマーケティング)においてウェブ解析データを活用し、売上を延ばす等の成果アップを目指すことを目的としています。
ウェブ解析士とは、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が運営する民間の検定資格です。レベルによって難易度の低い順に、(初級)ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターの3種類に分かれています。
ただ、どれも難易度は低く、取得しても専門的な知識は身に付きません。お金を払えば誰もが合格できます。
それどころか、講座受講料・受験料・登録費用・年会費を目的としただけの資格商法です。お金と時間の無駄です。
主催者サイト:ウェブ解析士とは ウェブ解析士協会
売上を延ばすためにサイトのアクセス解析は重要
インターネット上のホームページを利用して、商品のPRや販売をする企業は珍しくありません。
アマゾンや楽天のように店舗を持たずにネット販売のみに限定して売上を延ばしている企業は数多く存在します。個人でもネットショップを開設すれば、世界を相手にビジネスを展開できます。
ホームページを開設したら、「アクセスを増やしたい」とか「売上を増やしたい」と誰もが考えるでしょう。それらを実現するにはなんといっても検索順位が重要です。yahooの検索順位で上位に表示されれば、より多くの人に見てもらえます。
ホームページを作ってそのままにしておけば、勝手に上位表示されて売上げアップするなんてことはありません。上位に表示されるには、ホームページのデザインはもちろんですが使い勝手なども重要です。そしてさらにアクセス解析も重要になります。
アクセス解析によって、検索したキーワードをはじめ、男性女性の別、閲覧時間、閲覧ページ数など様々な情報がわかります。ホームページへのアクセス数を増やすためには、正確にアクセス解析(ウェブ解析)をして、その結果を反映させなければなりません。
役に立つ資格なのか?
率直に申し上げて、ウェブ解析士とは就職や転職には役立たない民間資格です。
対費用面を考えても取得するメリットがほとんどない検定試験です。
試験の学習をとおして得た知識は多少実務に役立つかもしれませんが、わざわざテキストや問題集を購入して、さらに講習会を受講してまで取得する資格でもないです。
いわゆるIT・コンピュータ業界に関連する資格には、情報処理技術者試験などの国家資格、日商PC検定のような自称公的資格、NCAAなどのベンダー系資格など多数あります。
関連資格:IT・コンピュータの資格一覧
しかし、評価されるのは国家資格くらいです。百歩譲ってベンダー系資格なども転職の際に役立ちます。
民間の検定試験では、就職や転職だけではななく、社内での評価アップにもほとんど役立ちません。
プログラムを組めればシステムを開発できます。簡単なルールさえ理解できれホームページも作れます。ツールを使いこなせればデータベースを構築できます。いずれの場合も資格は要りません。IT業界とはそんな世界なんです。ITの世界は実力優先です。
ましてや、アクセス解析、ウェブマーケティング、ネットビジネスに関しては正しい検索順位アップ(SEO)のための知識さえあれば資格は全く関係ない世界です。
ウェブ解析士は、取得する費用や年会費が安くありません。学習して取得する意味をよく考えましょう。資格商法的な要素も多分に見受けられます(これはサイト運営者の個人的な感想です)。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
ウェブ解析士の資格を取得するための勉強を通して、アクセス解析や検索順位アップ(SEO)の知識の基本は身に付くかもしれません。
アクセスアップするために何から勉強してよいのか分からない人にとっては、テキストや問題集を購入するのはよいキッカケになるでしょう。個人でネットショップを開設する際は、学習した知識を活かせます
また、多少なりともウェブマーケティングの知識を身につけているという証明になります。
ただし、初級に該当するウェブ解析士であれば学習するのはあくまでも基本的な内容です。
ITの技術は常に新しくなります。ヤフーの検索順位が目まぐるしく変化するように、一度学んだウェブ解析の知識も3か月もすれば「昔の技術」に陳腐します。
資格を取得してもそれはアクセス解析の始まりに過ぎず、常に最新の知識を貪欲に吸収して実行していかなければなりません。
資格を取得するのも維持するのもかなり高額!
初級のウェブ解析士を取得するにはどうすればいいのかとい言うと、まずはテキストが最低でも必要です。
市販されている廉価なテキストは存在しません。テキストから本試験は出題されるので、ほぼ全員が購入します。
その金額は
- 公式テキスト \4,400円(税込)
受験対策の認定講座を受講するとなると
- 講座費用 \11,000円(税込み)
テキストと受験費用で、最低でも15,400円!
当然ですが受験料も高い!
- 初回試験 \17,600円(税込)
万が一恥ずかしながら不合格になれば、追試もあって・・・
- 再試験費用 \12,100円(税込)
実はこの受験対策の講座ですが、受講は任意ですけど本試験の内容についてイロイロとヒントを教えてくれるようです。そのため受講する人も多いようです(半強制?)。会場でも自宅のパソコンでも受講できます。
試験に合格後、2週間以内に認定レポートを作成し提出しなければなりません。レポートに不備があった場合は、主催者から再提出を求められる場合があります。
どのようなレポートを提出するのかについては「レポートの作成、提出方法は、主催者や講師にご確認ください」となっているので詳細は不明です。
実は・・・これには抜け道があって、「Googleアナリティクス講座(UA)」33,000円を受講すればレポートの提出が免除されます(笑)。
想像ですけど、この33,000円を支払ってレポートを提出しない人ってやはりいるでしょうね・・・
これだけでは終わりません。
- 年会費\6,600円/年(個人正会員、税込)
資格を維持するには簡単な課題(フォローアップテスト)に合格した上で年会費が必要です。
初年度(認定年の12月31日まで)は年会費無料です。翌年以降年会費が発生します。
ウェブ解析士、取得するのもその後の費用もお金がかかります。
向学のため試験に挑戦するのは構いませんけど、大切な時間とお金を無駄にしないようによく考えてみましょう。ホント取得する意味ないです。
※上記の金額は全て2022年11月現在です。
上級を目指すとなると安くない講座受講が必須
ウェブ解析士の上位資格として、上級ウェブ解析士、さらにはウェブ解析士マスターと続きますが、いずれも講座を受講しなければなりません。
これがまた取得費用が高い!上級ウェブ解析士講座カリキュラムは
2日間でナント 88,000円(税込)!
中間課題の提出と、最終課題として修了レポートを提出して合格すれば、めでたく上級ウェブ解析士です。
そして、主催者サイトよく読んでみると、何やら修了レポートのテンプレートを入手できる裏技のような講座も・・・レポート提出は免除にならないようですけど、近道的な講座のようです。
受講費用はさらに44,000円(税込)!
ついでに、ウェブ解析士マスターになるには、これがまたエラく高いんです。
なんとナント、4日間で330,000円(税込)!
もちろん上級資格はともに年会費が必要なのは言うまでもないです。
これだけ費用をかけて、一流のウェブ解析士になれたらいいんですけどね。33万円あれば、もっと有意義な使い方があるでしょうに・・・。
※上記の金額は全て2022年11月現在です。
公式テキスト・問題集の内容がとてもお粗末
公式テキストや公式問題集だから、さぞ内容もしっかりとして充実しているだろうと思いきや、実は評判は良くないです。
ウェブ解析士認定試験公式テキストは多数の筆者によって書かれています。
一人で書くとなると時間がかかるので、とり急ぎ短時間で仕上げるために大勢で書いた感でいっぱいなんです。
うまく編集されていないため不必要に同じ内容が繰り返し出てきます。しかも内容に統一性がありません。人によって言ってる内容が違うんです。初学者にとって非常に分かりづらくなってます。
毎年12月中旬ごろに新しいテキストが発売になりますが、相変わらず誤字脱字が目立ちます。内容以前にお粗末です。
実践テクニックとはかなりかけ離れた内容が書かれていることもあります。ただ、この点は個人の主観による要素も強いので、明確に「間違っている」とは言えないので完全には否定できませんけど・・・
また、本文中に特定の商品の宣伝もよく出てきます。マイナーなツールをPRされても、逆にこの本に書かれている内容は本当に大丈夫?って疑ってしまいます。
テキストはこれしかないので受験生は購入するんでしょうけど、純粋にアクセス解析やウェブ解析を学びたいのであればおすすめできません。
SEOについて学ぶ手段はいくらでもある
これまで度々SEOという用語が出てきましたが、これは検索順位を上げるための対策のことをいいます。ウェブ解析士の目的もほぼSEO対策と同じです。
実は、SEOを学習する手段として無料で利用できる良質な教材がネット上でいくらでも存在します。
youtubeで無料の動画もアップされてます。ネットで検索すれば良質な教材がいくらでも見つかります。しかもほとんどが無料です。
無料は返って心配という人であれば、探せば有料の優れた教材も手に入ります。
人によって求めるSEOのレベルも違いますし、絶対に正しいというテクニックも存在しないので、ここでどういったサイトが良いのか紹介するは控えますが、ご自身で探せばたくさん出てくるはずです。
ウェブ解析士の取得にお金をかけるくらいなら、もっと良質な教材を購入するなど別な方法があるずです。
合格するには
ウェブ解析士には、難易度の低い順に(初級)ウェブ解析士、上級ウェブ解析士、ウェブ解析士マスターの3種類があります。
ウェブ解析士は誰でも受験できます。上級ウェブ解析士になるには、ウェブ解析士合格者であって正会員であることが条件です。指定の講座カリキュラムを受講しなければなりません。
ウェブ解析士マスターになるには、上級ウェブ解析士であって正会員であることが条件です。こちらも指定の講座カリキュラムを受講しなければなりません。
難易度は低め、事前の知識があれば2週間で合格可能
ウェブ解析士の認定試験は公式テキストから出題されます。
難易度のとしては低めで、パソコンに日頃から慣れていて、IT関係の用語についてある程度の知識があれば、1日1時間2週間ほど勉強すれば合格できます。ほとんど知識ゼロからであれば2か月ほどの学習期間が必要です。
試験に是が非でも合格したいのであれば、有料ですが認定講座の受講がおすすめです。本試験のヒントも教えてくれるようです。受講者を集める狙いもあるので、受講すればかなり有利になる情報を教えてくれます。
試験は、従来は主催者が用意した会場でパソコン画面に出題されるCBT受験でしたが、現在は各都道府県にある任意の会場で同じくパソコンを使って受験できます。その際は、各都道府県毎に設定された受験日・会場を選んでインターネットから申込みます。
また、自宅受験もできます。インターネットにつながるパソコンを用いて受験する方法です。インターネット回線が安定して接続できる環境であれば場所を問わず受験できます。
合格率が70%程度あって、しかも自宅で受験できます。これでは合格できない方が不思議です。
ウェブ解析士試験に合格したら、2週間以内に認定レポートを提出しなければなりません。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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随時 |
随時 |
受験資格 |
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ウェブ解析士はどなたでも受験できます。 |
試験内容 |
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試験は、全国各地のインターネットにつながるPCを使用して実施します。また、自宅でも受験可能です。
【試験内容】:60分60問、4択問題
【合格基準】非公開となってます、合否はその場でわかります。 |
試験に関する詳しい情報はウェブ解析士の学習内容と取得の流れ ウェブ解析士協会をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
ウェブ解析士認定試験 公式テキスト2022 オンデマンド | |||||
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ウェブ解析士認定試験公式テキストです。
前述のとおり、あまりおすすめできる内容ではないテキストです。特に初学者にとっては分からない用語が多く、勉強が先へとなかなか進みません。
毎年のように版を重ねていますが、誤字脱字は相変わらず多く、信憑性の低い内容もいくつかあるようです。ただ試験に合格するためだけであれば、問題はないかもしれませんが、これでは実務でも役に立たないと思います。
当サイト運営者なら・・・購入しませんねぇ。 |
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おすすめ問題集
(全文PDF・問題集アプリ付) 2022年版 ウェブ解析士認定試験 公式問題集 | |||||
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公式問題集に替わり、2021年より販売となった問題集です。公式テキストに準拠した内容になっています。これまで問題集は市販されていませんでしたが、一般の書店でも手にはいるようになりました。
ただ・・・残念ながら、以前の公式問題集と同様に、相変わらず誤字・脱字、誤植がヒドいです。日本語にも意味不明な箇所があり、選択肢にも誤植があります。解答に誤植があるというのは、そもそも論外です。
ウェブ解析士という検定自体の価値を下げる本ですね。もともとこの検定に価値は無さそうですけど。
結論を申し上げますと、テキストと同様に買わない方がよいです。内容もスカスカでおすすめできません。 |
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