勉強の進め方は人それぞれですが、一般的に最も適していると言われる資格試験の勉強法について説明します。
資格試験の勉強方法は、基本は「読んで覚える」です。書いていてはいくら時間があっても足りません。
何度も読んで頭に記憶を定着させましょう。
書いて覚えるのは中学生まで、資格試験は読んで覚える

小学生くらいの時は、親からよく言われましたよね、「書いて勉強しろ」「書いて覚えろ」って・・・
確かにその勉強法は間違ってはいません。漢字を覚えるには書く必要があります。読んでいるだけではいつまでたっても漢字は書けません。
私もよく書いてました。いえ、書かされました。
中学に入ってからも、その勉強方法は基本的には変わりませんでした。やはり英単語も書かないと覚えられません。
数学も社会も理科も書いて勉強しました。
書いて覚えた理由は簡単です。学生の頃の定期試験はマークシートではなく、多くは筆記で解答する試験だったからです。
つまり、書いて勉強するということは試験で正確に解答するための訓練なんです。
学生であれば、書いて覚えるのが正しい勉強法です。
資格試験は出題範囲が広いので書いていては非効率

資格試験は出題範囲が広い
受験勉強や中高生の定期試験の勉強方法は、書いて覚えるのがもちろん鉄則です。
しかし、資格試験は違います。「大人の勉強」が要求されます。
資格試験の勉強では、限られた時間で多くのことを覚えなければなりません。
資格試験は出題範囲が広いので、幅広い知識が求められます。
そのため、書いて覚えていては効率が悪すぎます。広い範囲をとても覚えることはできません。
限られた短い時間で繰り返しテキストや参考書を読んで、理解して頭に入れるのが重要になります。
書いていてはいくら時間があっても足りません、「読んで覚える」ということです。社会人であればなおさらです。短い時間をいかに有効に使うかが重要になってきます。
資格試験のほとんどがマークシート
しかも資格試験のほとんどがマークシートです。解答に、正確な漢字などは要求されません。
与えられた選択肢の中から短時間で正解を見つけられるだけの知識があれば十分です。
そのために書いていては逆効果なんです。効率が悪すぎます。
極論を言えば、1回読んでそのまま覚える、見て覚えるのが理想です。しかし、さすがにそれは無理です。何回も繰り返し読んで覚えましょう。
繰り返し読むことで、数回書く以上の学習効果が得られます。
※もちろん筆記試験(作図、書式作成、論文)や計算問題などは書いて覚える必要があります。その点は誤解なきようお願いします。
テキスト・問題集の利用法と勉強法
次に、テキストの利用法を少し紹介します。これから資格試験に挑戦しようと考えている方に参考になれば幸いです。
ここでテキストとは毎日読むメインの教科書的な参考書のことを言います。
問題集を解いて疑問点があったら開いて、電車の中やお昼休みの空き時間にも開く勉強の中心となる教科書がテキストです。
まずこのテキスト、最初はとにかく飛ばさずに最後まで読んでください。それはかなり苦痛を伴うかもしれませんが、とにかく最後まで読んでください。
最初から理解しようとか、内容を覚えようなんて考えないでください。少し理解できればそれで十分です。
資格試験の勉強は覚える量が多いです。それに全く聞いたことがないような専門用語もいっぱい出てきます。最初から理解して頭に入れようなんて無理です。
そして2回目からは理解することをちょっとだけ心掛けて読んでください。できたら3~5回ぐらいテキストを繰り返し読んでください。
だいたい3回も読めば、はじめて読んだ時よりもなんとなく理解が進んでいるはずです。
そして、次はいよいよ過去問題集に挑戦です。
問題集の活用方法

さて、テキストを最後まで読んだら次は問題集です。本試験でどんな問題が出題されるのかを理解するためにも過去問をまずは解いてみましょう。
テキストを数回読んだだけでは当然過去問はほとんど解けません。あたりまえです。
けれど、テキストを読ん下地ができていれば、関連する内容がどこに書いてあったのかがなんとなく分かるはずです。
解答は遠慮なく見てください。大事なのは、解説を読んで、そしてテキストに戻って確認して理解することです。
その際、テキストに線を引くのもよいでしょう。蛍光ペンよりも鉛筆でかるく線を引くぐらいがよいと思います。テキストの余白に問題集の解説をメモ代わりに書き込むのもよいでしょう。
なぜ鉛筆がよいのかと言うと、鉛筆なら後で消せるからです。本当に重要な事項だけ蛍光ペンをひけばよいでしょう。
前述の通り、ノートに記すのは止めましょう。いくら時間があってもたりません。
あとは、問題集とテキストをひたすら往復します。
テキストを読んで頭に入れること(インプット)と頭から知識を引き出す(アウトプット)の繰り返しでグッと理解が深まります。「ふ~ん、なるほど」を繰り返すことで記憶が少しずつ脳に定着します。
このやり方で問題集を3回ぐらい解いてください。そして、4回めぐらいからは解答を見ずに一度最後まで自力で問題集を解いてみてください。そこでもまだまだ不正解が多いでしょう。けれど、中には完全に理解できている内容もあるはずです。
「繰り返し学習」をすることで実力がつきます
勉強の基本はとにかく繰り返し学習です。テキストに手垢がつくまで何度も読み返し、問題集を何度も解いて、理解して頭に刷り込んでください。
間違えた箇所をチェックして、しばらくしたらまた解いてみてください。そこで正解できたら実力がついている証拠です。
資格試験には王道も近道もありません。時間をかけて繰り返し勉強することで合格できる実力がつきます。
繰り返し学習、これが最も重要な勉強法です。
記憶のメカニズムをちょっとだけ説明すると…

まず記憶は一時保管される
ここでは少しだけ記憶のメカニズムについて解説したいと思います。
専門家ではないので、ホントに大ざっぱな解説ですけどご了承ください。
人間の脳には「海馬」という部分があります。海馬には目や耳から入った新しい情報が整理整頓され、記憶として一時的に短期保管されます。
再度大ざっぱで申し訳ないんですけど、イラスト中心のやや右下あたりの丸い部分になります。
その後海馬の中で、この先も必要なものや印象的なものと判断された一時記憶が、長期記憶の保存先である大脳に移されて保管されます。つまり記憶として長期固定されるわけです。
頭がボーっとしている時こそ実はチャンス!
勉強を毎日続けていると、ときに頭がボーっとした感じになり、全く勉強学習が手につかない時があります。
けれど安心してください。それはまさに一時的に海馬に保管された短期記憶が大脳に移されている感覚なのです。記憶として固定されて実力がついている瞬間を脳が症状として教えてくれているのです。
そんな時こそ無理して勉強をしましょう。遊んでる時ではありません。テキストに書き込んだ重要箇所をぼんやりと眺めているだけでもいいです。
何もせずボーっとしているよりは、さらに記憶を固定させるために、少しでも何か勉強をしましょう。
少しくらい体調が悪いくらいがちょうどいい(かも)
会社員を続けながら資格試験の勉強を続けていると、時には深夜まで勉強時間がおよび寝不足になります。
ついつい、あと1問、あと1問と繰り返しているうちに夜中の1時を回ってしまうこともあります。
頭が冴えてなかなか寝付けないこともあるでしょう。早朝4時に起きて眠い目を擦りながら勉強する日もあるでしょう。
そんな毎日を繰り返していると、常に頭がボーッとして睡眠不足のような状態になります。立っているだけでめまいがした・・・なんてことは受験生からよく聞きます。頭と目を酷使しているので、体の疲れというよりも精神的な疲れです。
体を壊してしまったら元も子もありません。時には早く寝るのも大事ですが、気持ちが緊張しているので、こういう時って毎日寝不足でもそんなに風邪をひきません。
こんな時って記憶力も鈍って何をしても頭に入らないと思われがちですが、実はそうではありません。十分に睡眠をとって体調が万全なときよりも、少しくらい寝不足の方が頭もよく回転します。
これは科学的な根拠もありませんし統計的なデータもありません。実は私の体験談にしか過ぎません。
睡眠不足の状態で、多少無理しながら勉強した方が頭によく入ったような気がします。
もちろん睡眠時に記憶が脳に定着するので、睡眠が重要であることは言うまでもないですけど。
※あくまでも個人的な意見です。責任持てませんのでご了承ください。時にはリフレッシュのため早く寝ましょう。
人間は忘れる動物です
海馬と大脳について説明しましたが、せっかく大脳に固定された記憶も時間の経過とともに薄らいでいきます。
さらに強固な記憶として固定させるためには、あるいは新しい記憶を固定させるためには、繰り返して勉強するしかありません。
何度も繰り返して勉強して、忘れたらまた勉強して、そして確かな記憶として定着していけば難関な国家試験も合格できます。
継続は力なり、本当に単純なことです。ただ単純なことができるかできないかで合否は分かれます。
楽しては決して資格試験には合格できません。合格に近道なんてありません。