「合格率」の罠!資格試験の体感難易度が劇的に跳ね上がる理由

資格試験合格を目指す人にとって、合格率はとっても気になるところです。
例えば、宅地建物取引士18.7%、司法書士5.20%、行政書士14.54%・・・難易度の目安を知る一つの根拠になるでしょう(令和7年度)。
宅地建物取引士の試験なら、100人受験すれば18人以上は合格できると単純に判断できます。
しかし、いざ受験してみると体感的には公表されている数字よりもずっと難しく感じられるはずです。
特に初めて受験する人にとっては「もっと簡単だと思った・・・」ってなります。
その理由を解説します。
合格率10%の試験なら、単純に「100人受験すれば10%合格できる」というものではないんです。
合格率という数字だけで単純に難易度を判断してはいけません。
宅地建物取引士の合格率18%の裏に隠れた難易度

宅地建物取引士(以下宅建士)の合格率は、ここ数年15~18%ほどで推移しています。
例えば、仮に合格率を18%とします。
単純に、100人受験すれば合格者は18人だということです。
これだけで判断すると、100人中の上位18人に入れば合格できるということですから、勉強すればなんとかなるような気がします。
中学の各学年の生徒が100人だったとしたら、そこで上位18人に入ればいいんです。
5段階評価の通知表であれば「4」の上位です(かなり5に近い)。
それだけでも実は大変なんですけどね。
気合と根性で人一倍努力すればなんとかなるはず!
・・・と上位18%を目指して試験に挑戦するワケです。
参考:宅地建物取引士とは
受験生は全員同じスタートラインに立っていない
けれど、現実は少し違います。
本当は18%の数字以上に難しいんです。
「中学の各学年の生徒が100人」として例に上げましたが、実は「各学年」という枠があてはまらないんです。
どういうことかと言うと、受験生は全員同じ時期に学習を始めたのではなく、学習して2年め3年めの受験生もいるということです。
全員同じスタートラインに立っていないんです。
トラック競技に例えると、初めて受験する人は、2年め3年めの受験生と比べたら周回遅れでのスタートとも言えます。
受験生全員の能力が同じ程度であれば、そりゃ2年め3年めの受験生の方が知識も豊富で合格率は高いでしょう。
前回の受験で、わずかに点数が届かず不合格になった人も大勢受験するはずです。
そういう人達の合格率はやはり高く、18人の合格者のうち10人くらいは占めるはずです。
さらに、記憶力が超絶良い受験生なんかも初受験組にいます。本当に短期間で合格するような人です。
残念ながらそんな人が18人の合格者のうち2人くらいはいるでしょう。
そういう人達も初受験組も含めて全員一緒に受験します。
その結果、初受験ではほとんど合格できない
上記の例では18人の合格枠の12人分は既に埋まってしまいました。
残された6人分の枠を、その他大勢の受験生で奪い合います。
つまり、18%の合格率はもっともっと低くなって難易度は高く感じられるということです。
自分は記憶力もいいし、効率よく勉強する自信はあるし、合格するためのノウハウ本も読んだし、他の受験生よりは一歩リードしてるだろう・・・なんて考えがちですけど、それは皆同じです。
誰もが短期間で一発合格したいと考えます。
「その他大勢の受験生」は、全員同じ「宅建士試験に合格したい」という目的意識を持って集まっていますから、自分と同じくらいのレベルの人が集まっていると考えた方がよいでしょう。
自分だけ秀でているなんてことはありません。
もっとも最初から諦めている「冷やかし受験生」も相当数いるでしょうから、合格率の数字よりももう少し簡単なはず、という意見もありますけどね。
「本当の合格率」は体感的にもっと低いはず

「宅建士の試験は、100人受験すれば18人ほどは合格できるから大したことないや」なんて考えがちですが、実態は大きく異なります。
確かに宅建試験は、申し込みをしても当日欠席する人が約2割、さらにはほぼ無勉強で受ける「記念受験組」が相当数います。
一見すると「ライバルが勝手に脱落してくれるから合格率はあがる」と思えるかもしれません。
しかし、それは全くの逆です。
当日欠席する人が約2割いても、その数は除外されるので合格率の数字自体には影響はありません。
その2割が消えたことで、受験生全体のレベルは確実に上がります。それに伴い私たちが合格圏内に滑り込めるかどうかの「体感難易度」も上がります。
さらに、合格率という数字の分母には、初めから不合格覚悟で受験する記念受験組が相当数含まれています。
つまり、真面目に勉強して当日試験会場に来た「ガチ勢」だけで実質的な倍率で計算し直すと、体感的には6%ほどの合格率の超難関試験に挑んでいる感覚に近くなります。
5段階評価の通知表であれば、その他大勢を大きく突き放す、ダントツの「5」の成績を求められるワケです。
特に1年目の受験で一発合格できる人がかなり少ないのは、この「絞り込まれたガチ勢の枠」を、2回目・3回目の受験でさらに実力をつけたリベンジ組が大勢奪いにくるからです。
事実、ろくに勉強もせず、社命などでなかば強制的に受験させられた集団には容赦ない現実が待っています。
その結果、大手不動産仲介業の全従業員(フランチャイズなので100名ほど)がこぞって受験したけれど、誰一人合格できなかったという残酷な結果になります。
真面目に勉強していない人達がいくら集まったとしても、このハイレベルな枠には誰一人として滑り込めません。
「中学生の頃、学校の成績が上位6%に入っていましたか?」そう聞いてみたいです。
ただの100人ではなく、わざわざお金と時間をかけて勉強してきた意欲ある大人100人の中の上位ですから、中学時代の学年トップ層並みの努力が求められます
「短期間で一発合格!」「比較的簡単な国家資格」「取得しやすい資格」なんてネット上によくある表現を信じてはいけません。
実際は宅建士とは言え難関な国家資格なんです。
単純に表面的な数字だけを信じてはいけません。合格率の数字だけで難易度を判断してはいけません。
関連ページ:資格・検定試験の難易度一覧
