CGクリエイター検定ってどれほどのメリットがあるの?
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 60~70% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 1件 |
- 上記はベーシックについてです。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年9月1日に集計。
CGクリエイター検定とは、CGの基本知識を問う民間の検定試験です。
情報系の専門学校の生徒が就活を控えて多く受験します。
試験では基本的なCGの知識を問われるだけで実際にCGを制作しません。
そのため、合格してもそれでクリエイターとしての実力が評価されるとは言い難いです。
履歴書に書いてもアピール材料としてはかなり不足します。就職や転職はあまり有利になりません。
作品のセンスが問われる業界です。
まずは自分の作品をポートフォリオとしてまとめて、実力を示すアピール材料にしましょう。
CGクリエイター検定とは
CGの基本知識を問う検定試験
CGクリエイター検定とは、CG(コンピューターグラフィックス)を利用して映像表現を行うデザイナー・クリエイターのための検定試験です。
試験では、CGによる2次元映像、構図やカメラワーク、3次元CG制作の手法などの映像制作やアニメーション作成に関する基本的な知識・技術を問われます。
CGクリエイター検定は、CG-ARTS協会が主催しているCG-ARTS検定の1つです。
CG-ARTS検定とは、CGを基本としたマルチメディア分野の知識・スキルを測る検定試験で、CGクリエイター検定の他に、CGエンジニア検定、Webデザイナー検定、画像処理エンジニア検定、マルチメディア検定の計5種類を実施しています。
主催者サイト:CG-ARTS|検定
役に立つ資格なのか?
就職や転職に関してはあまり意味ない
CGクリエイターになるために必要なのはデザインの実力であってセンスです。
こういった比較的短期間で取得できる民間資格では実力は測れません。
ハローワークインターネットサービスで「CG デザイナー」に関わる求人は40件見つかりましたが、経験者優遇がほとんどであって、資格に関してはほぼ全て「免許・資格不問」となっています。
情報系の専門学校や大学・短大の学生が、何か在学中に勉強した結果を残すために学校単位でこの検定試験を受験します。
専門用語を理解する、基礎知識を身に付ける・・・そういったクリエイターとしての基本知識を得るには良いかもしれません。
しかし、それで就職は決まりません。
CGクリエイター検定に合格すれば、履歴書の資格の欄を一行埋められます。
けれど、履歴書に書いてそれで就職や転職が有利になるとは考えない方がいいでしょう。
業界未経験で、CGの世界に転職したくて取得するのであればほぼ取得するメリットはないでしょう。
本気でCGクリエイターになりたいのであれば、まず自分の作品を作るところから始めてください。
実技を問わない検定試験ではクリエイターにはなれません。
センスも磨けません。
将来性について徹底研究
就職は狭き門、目指すならまずは美術系大学
全国には、こういったCGクリエイターになるための専門学校が100校以上あると言われています。夜間の専門学校もあります。
こういった学校を卒業すれば誰でも就職に直結するかと言えば、実はかなりの狭き門です。
「就職率90%以上!」をウリにしている学校もありますが、本当の意味でCGクリエイターとして就職できる人は10パーセント程度です。
つまり上位10%のデザイン力がなければ希望通りの就職はできません。
では、残りの人たちはどんな仕事に就くのかと言うと、単純な入力作業であったり、優秀なデザイナーの補助だったりします。
つまり雑用です。
いざCGクリエイターとして就活をはじめると、周りには美大卒や芸術学部卒などの学生が普通にいます。
ポートフォリオとして対抗できるCG作品がなければ相手にされません。
もちろん美術系大学卒だからといってセンス抜群というワケでもありません。
若い人、特に高校生などが本当に将来CGの事がしたいのであれば、まずは検定試験や専門学校進学を考えるのではなく、美術系大学を目指すのがおすすめです。
確かにCGクリエイターになるにはパソコンで動くCGソフトの使い方をマスターするのも重要です。
しかし、短期間で使い方は覚えられますし、わざわざ学校へ通って覚える必要なんてないんです。
自分の腕で鉛筆を持ってしっかりとした絵が描けるかというアナログ的なスキルの方が重要な世界です。
5種類の検定試験にどれくらい価値があるのか・・・
CGクリエイター検定を主催するCG-ARTS協会は、映像系を中心として以下5つの検定試験を「CG-ARTS検定」と称して実施しています。
- CGクリエイター検定
- CGエンジニア検定
- Webデザイナー検定
- 画像処理エンジニア検定
- マルチメディア検定
それぞれの検定試験は、難易度に応じてベーシックとエキスパートの試験に分かれています。
参照:CG-ARTS|検定
レベルとしては、専門学校で勉強したっていう学生が、何らかの形を残すために受験する程度の民間資格です。
いずれも高い評価を受ける・・・とは言い難いです。
合格するには
CGクリエイター検定は、難易度別にベーシックとエキスパートの2種類に分かれています。
難易度はベーシックの方が下です。
ともに受験資格の制限はなく、誰でも受験できます。
最初からエキスパートの受験もできます。1日で両方受験するのも可能です。
ベーシックであれば、基本的な知識について問われる問題が多く、難しい内容は出題されません。
しかも全てマークシート形式です。
合格率は60~70%程度ですから、誰でも普通に合格できるレベルです。
エキスパートになると、合格率は平均で30%前後です、難易度は高くなります。
経験者でも時間をかけて勉強しないと合格できません。
ベーシックであれば、初学者であっても1か月ほど勉強すれば合格できます。
CG制作ソフトを扱った経験があってCGの基本的知識が身に付いていればほとんど勉強しなくても合格できます。
エキスパートは試験範囲も広がるためベーシックの基礎知識に加え、3か月程度の学習が必要です。
勉強方法としては、主催者から公式テキストと公式問題集が出ているので、そちらがおすすめです。Amazonでも販売しています。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ問題集
公式問題集です。
内容がちょっと古い感じがします。収録している問題のボリュームも少ないです。日進月歩で技術が進歩する中、いまだに2016年の問題集?って感じです。
そろそろアップデートが必要だと思います。解答・解説も決して丁寧とは言えず、素人が作ったようで見にくいです。
※Kindle版(電子書籍)もあります。
種類 | 評価 |
問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年2回(前期7月、後期11月)
お申し込み
前期:4月初旬~6月初旬
後期:9月初旬~10月下旬
受験資格
どなたでも受験できます。
試験会場
20都道府県で実施(札幌市、仙台市、宇都宮市、熊谷市、習志野市、東京都区内、横浜市、静岡市、大垣市、名古屋市、金沢市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、松山市、福岡市、大分市、那覇市)
受験料
- ベーシック:5,600円
- エキスパート:6,700円
※2024年4月10日現在、税込み
試験内容
【ベーシック】60分、マークシート、10問
- CGとは
- 表現の基礎
- 2次元CGと写真撮影
- 3次元CGの製作
- 技術の基礎
- 知的財産権
【エキスパート】80分、マークシート、10問
- 実写撮影
- 映像編集
- モデリング
- リギング
- CGアニメーション
- シーン構築
- プロダクションワーク
- 知的財産権
- ファイル形式・規格
- 数理造形
合格基準
合否基準:70点(100点満点)難易度により多少変動
主催者情報
試験に関する詳しい情報はCG-ARTS|検定をご覧ください。