食品衛生責任者は意味ない?飲食店をこれから始める人は必須
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
講習受講 | ~2万円 | 1日 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 1,252件 |
- 食品衛生責任者とは食品衛生法に基づく国家資格です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年7月30日に集計。
食品衛生責任者は、安全な食品を提供するために食品の製造・加工・調理・販売等において衛生管理を行います。
飲食店や食品製造の現場では店舗毎に1名以上食品衛生責任者を置かなければなりません。
飲食関係で需要が期待できます。しかし、履歴書に書いたからといって就職や転職が有利になるといったメリットは少ないです。
食品衛生責任者とは
飲食店における衛生管理の責任者
食品衛生責任者は、消費者に安全な食品を提供するために食品の製造・加工・調理・販売等の作業が衛生的に行われるよう衛生管理を行います。
例えば、設備の衛生確認、スタッフの健康管理、手洗いや清掃など衛生管理表の作成・管理、食材の保管や加熱方法のチェックなどです。
さらに、食品衛生上の危険が発生しそうな場合、経営者に改善を提言しなければなりません。
衛生管理を怠ると食中毒で営業停止の事態にもなりかねないので、非常に責任のある仕事です。
飲食店や食品製造の現場では店舗毎に1名以上必要
飲食店、喫茶店などを営む者、あるいは乳類・魚介類・食肉などの販売業者等は、店舗、施設等の公衆衛生を行うために食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。
分かりやすく言うと、飲食店や食品製造の現場では店舗毎に1名以上食品衛生責任者がいなければなりません。
飲食店に関わらず、コンビニやスーパーであっても店内で食品の製造販売を行っているのであれば一店舗につき1人の選任が必要です。
食品衛生責任者養成講習を受講すれば取得可能
食品衛生責任者になるには、各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習」を受講しなければなりません。
この講習は、たった1日受講するだけでほぼ全員が修了証書をもらえます。
飲食関連の資格の中では最も取得しやすい資格です。
しかし、受講しただけでは単に有資格者に過ぎません。
就業先で食品衛生責任者として選任されてはじめて食品衛生責任者と名乗ることができます。
食品衛生法に定められた営業者は、営業許可を受けた施設ごとに食品衛生責任者を選任し保健所に届け出なければなりません。
主催者サイト:公益社団法人日本食品衛生協会|食中毒を予防し、食品衛生の向上を図ります
役に立つ資格なのか?
これから飲食店をはじめる人が取得
食品衛生責任者の資格を持っていても就職や転職が有利になることはありません。
1つの店舗に一人いれば十分なので、退職などで有資格者の欠員が出そうになったとしても他の従業員が講習を1日受講すれば間に合います。わざわざ有資格者を採用するほどでもないです。
あくまでも、これから飲食店を始めたい人が取得するものです。
逆に開業予定のない人が取得する意味はあまりないです。
食品関係へ就職を希望するのであれば、食品衛生講習を修了済みと履歴書に書くことで食品衛生に対して少しは知識があると判断される可能性はあります。
ただし、それが採用の決定打になるとまでは言えないでしょう。
食品衛生への知識を持たせるために、全従業員にこの講習会に参加させる会社もあります。
飲食店を開業する際に必要となるのは食品衛生責任者と防火管理者です。
防火管理者の資格も1日の講習で取得できます。
両方取得すれば多少メリットがあるかもしれません。
将来性について徹底研究
どこの都道府県で受講しても全国で使える
食品衛生責任者養成講習は、全国どこの都道府県でも受講できます。
1997年4月の制度改正で標準化され、講習の内容は全国統一のカリキュラムで実施されています。
もちろん、講習を受講して取得した修了証(手帳or賞状)は全国どこでも有効です。
一度講習会を修了して食品衛生責任者となる資格を有すれば法律上は有効期限などなく更新する必要もないです。
しかし、実際の運用は都道府県ごとの条例によって決められていて、一部の都道府県では、食品衛生責任者に対して定期的(2年毎)に実務講習を課しています。
詳しくは、管轄する保健所にお問い合わください。
食品衛生責任者と食品衛生管理者の違いについて
よく似ている名称で食品衛生管理者と呼ばれる資格があります。
前述の通り、飲食店や食品製造の現場、コンビニやスーパーで必要な資格が「食品衛生責任者」です。
一方、「食品衛生管理者」は、食肉・乳・魚などのように、製造や加工の過程で特に衛生上の考慮を必要とする食品を製造する工場で配置が義務付けられている資格です。
ともに国家資格ですが、食品衛生管理者は食品衛生責任者のように講習を受ければ誰でも取得できる訳ではなく、より専門的な知識が求められるため受験制限が明確に定められています。
食品衛生責任者は各都道府県が管轄する資格、食品衛生管理者は厚生労働省が直々に管轄する資格という違いもあります。
普通の飲食店であれば、食品衛生管理者の資格が必要になることはまずないです。
食品衛生責任者になるには
ほぼ100%合格できる
食品衛生責任者養成講習会は誰でも受けられます。これからお店を持つ予定の人、高校生や大学生、主婦など様々な人が受講します。
ただし、都道府県および政令指定都市によっては、受講者を「17歳以上」「現役高校生不可」として制限しているところもあります。
食品衛生責任者養成講習は1日(計6時間程度)で済みます。
講習前の事前勉強も特に必要なく、眠らずに受講すればほとんど落ちる可能性はないです。非常に取得しやすい国家資格です。
講習の最後には、「講義の理解度及び知識の定着度を確認するための試験(確認試験)」が実施されます。
以前は、この確認試験を行わない自治体もありましたが、2020(令和2)年より試験の要綱が変更になり、確認試験が追加になりました。
参照:食品衛生責任者の取扱いについて|薬生食監発 0117 第1号令 和2年1月17日(pdf)
試験と言っても簡単な内容で、5~6問の選択式の問題です。
講習中に「ここ出ます!線を引いてください!」と教えてくれます。
通常は落ちることのない程度の難易度のテストです。実質ほぼ100%受かるように作られています。
申し込みは各都道府県の食品衛生協会へ
講習会を受講するためには、各都道府県の食品衛生協会への「受講の予約」が必要です。下記に全国の食品衛生協会一覧が載っています。
申し込み方法は「電話・FAX・はがき・インターネット」などです。申し込み完了後、受講日までに「受講票」が届きますので当日はその受講票を持参します。
最近では、インターネットを利用したeラーニングでも受講できます。
なお、全国的に数か月先の講習まで受付終了となるケースがが多々あるようです。早めに予約しましょう。
試験を含め講習会が終わると最後に修了証書を受け取りますが、この形が都道府県によって異なります。
現在のところ、大阪では賞状の形で交付されますが、東京では食品衛生責任者手帳という形で受け取るようです。
額縁に入れて飾っておきたいのであれば、もちろん賞状タイプがおすすめです。
将来お店の「営業許可申請」をする際は、この「修了証書」が必要となりますので大切に保管しておきましょう。
講習会情報
日程・受講資格・内容・その他
開催日
毎月複数回開催
お申し込み
随時受付(各都道府県によります)
受講資格
原則として誰でも受講できますが、受講者を制限している場合もあります。
講習会場
各都道府県
受講料
10,000円前後
講習の内容
【講義内容】
- 衛生法規:2.5時間
- 公衆衛生法:3時間
- 公衆衛生学:0.5時間
- 確認試験
計6時間程度
※次の有資格者は、養成講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます。
- 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者、作業衛生責任者、船舶料理士
- 食品衛生管理者もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者(医師・獣医師・歯科医師・薬剤師 等)
- 他の自治体で食品衛生責任者養成講習会の受講修了者
合格基準
ほぼ全員合格できます。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は各都道府県にある食品衛生協会のホームページをご覧ください。