液化石油ガス設備士の難易度や合格率・勉強方法は?
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | やや易しい | 35% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~4万円 | 2か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 470件 |
- 取得する方法は、1.国家試験を受験して取得する、2.講習を受講して取得する、の2パターンです。
- 上記は国家試験を受験した場合です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月29日に集計。
かつては、誰でも講習会を修了すれば資格を取得できる「第一講習」の制度がありましたが、現在はどこも開催していません。
国家試験では配管の技能を問う実技試験があるので、実質的には実務経験者に限定した国家資格です。
未経験で独学で合格するのは難しいです。
液化石油ガス設備士とは
配管のプロフェッショナル
液化石油ガス設備士とは、家庭用プロパンなどに使用されているLPガスの供給設備・消費設備の設置工事、または変更工事などを行うため必要となる国家資格です。
ガスを供給する管の開閉を行う「ガス栓」と硬質な塩化ビニル樹脂や金属製の「硬質管」を接続する作業は、正しく行わないと災害の発生につながります。
管(パイプ)、管継手(つぎて)、弁類(バルブ)、配管支持金物などの中を、LPガスが安定してずっと流れ続けなければなりません。
そのため、特別な技能を必要とし、かつ、災害の発生防止に特に重要と認められる作業については、国の法律において液化石油ガス設備士が従事しなくてはならないと規定しています。
参照:液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)
免状の取得方法は2パターン
液化石油ガス設備士の免状を受ける方法は以下の3パターンです。
- 液化石油ガス設備士の国家試験に合格
- 高圧ガス保安協会又は大臣が指定した養成施設において、必要な知識や技能に関する講習を修了
- 上記1、2と同等以上の知識や能力があると都道府県知事が認定した場合
本来であれば液化石油ガス設備士の国家試験に合格しなければなりませんが、「液化石油ガス設備士講習」を修了すれば同等の資格を得られます(国家試験免除)。
上記のいずれかの条件を満たした上で申請を行えば、都道府県知事から液化石油ガス設備士の免状が交付されます。
実質的には実務経験者じゃないと合格できない
液化石油ガス設備士講習は、受講対象者により3種類に分かれます
第一講習 | 未経験者又は無資格者が対象 |
第二講習 | LPガス設備工事の経験1年以上の方が対象 |
第三講習 | 建築配管技能士等の関連資格保有者等が対象 |
1年以上の実務経験のある人であれば、高圧ガス保安協会が主催する第二講習(3日間)を受講し、筆記と技能の検定試験に合格すれば取得できます。
既にガス会社に勤務し、実務経験がある人はそちらを利用した方が効率良く取得できるのでおすすめです。
全くの未経験者であれば、第一講習であればどなたでも受講できるので講習さえ受講すれば資格を取得できそうです。
実はこの第一講習ですが、現在はほぼ実施されていません。第二・第三講習のみに限定している養成施設がほとんどです。
実質的に、設備工事の経験がある人を対象とした国家資格だということです。
合格するには
国家試験対策について簡単に説明します。
液化石油ガス設備士の資格は、プロパンガスを扱う上でほぼ確実に必要となる資格です。
ガス会社に勤務している、あるいはガス業界を目指す人は是非取得しましょう。
国家試験は筆記試験と技能試験があります。
筆記試験は法令と配管理論の2科目だけです。
筆記試験の出題は高圧ガス第二種販売主任者試験の延長上の内容が多いため、知識+経験があれば、あとは過去問題集を繰り返し学習すれば短期間で合格できます。1か月の学習期間で大丈夫でしょう。
試験対策としては「液化石油ガス設備士試験問題と解説」が受験生によく利用されています。
こちらは市販されていないので、各都道府県にあるLPガス協会あるいは高圧ガス保安協会より購入してください。
技能試験では、実務で使用する機械や配管の材料を使用して試験を行います。
工具は自分で揃えないと減点の対象となるので注意が必要です
比較的簡単ですが、全くネジ切りの経験がないと難しいですが、会社などでネジ切りがあって教えてくれる人がいれば練習してください。
あと、計算問題は捨てないことです。
そんなに難易度の高い計算問題は出題されません。
解き方さえ理解できれば解ける問題、数値を式に当てはめれば解ける問題なども出題され、これらは確実に得点源にできます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
この本では、「導管・建築設備配管」を中心に、公共設備と給水・衛生・空調などの建築設備に特有の配管用語をわかりやすく解説しています。
配管技能者がよく使用する用語や、配管と関連の深い代表的な機器・装置についてもまとめています。
建築関係の学生はもちろん、建築会社の新入社員から、細部を確認したい建築士・建築設備士、施工者にもおすすです。
ただ、読む人によっては初歩的すぎるかもしれません。
種類 | 評価 |
参考書 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
開催日
【筆記試験+技能試験】
- 筆記試験:11月中旬
- 技能試験:12月上旬
お申し込み
8月中旬~9月上旬
受験資格
国家試験は年齢、学歴等に制限はなくどなたでも受験できます。
講習を受講するには以下の条件を満たさなければなりません。
- 第一講習:年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます
- 第ニ講習:LPガス設備工事の経験1年以上の者
- 第三講習:建築配管技能士等の関連資格保有者
試験会場
各都道府県
受験費用
【試験の場合】
- 22,700円
【講習の場合は受講受検料】
- 筆記試験:15,800円
- 技能試験:19,700円
試験内容
【筆記試験】
1.法令:択一式 15問:60分
- 供給設備および消費設備の保安に関する法令および関係法令
2.配管理論:択一式 20問:90分
- 液化石油ガスに関する基礎知識
- 液化石油ガス設備工事に必要な機械、器具または材料に関する知識
- 配管理論、配管設計および燃焼理論
- 液化石油ガス設備工事の施工方法
- 供給設備および消費設備の検査の方法
【技能試験】(筆記試験合格者のみ)
- 電動ねじ切り機の場合:60分
- 手動ねじ切り機の場合:75分
- 配管用材料および工具の使用
- 硬質管の加工および接続
- 器具等の取り付け
- 気密試験の実施
- 漏えい試験の実施
合格基準
筆記・技能試験ともに60パーセント以上の正解
主催者情報
試験に関する詳しい情報は液化石油ガス設備士講習|高圧ガス保安協会をご覧ください。