准看護師のなり方や看護師との仕事や給料の違いなどを解説
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | — | 96% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
養成課程修了 | 100万円~ | 2年以上 |
活かし方 | 全国求人数 | おすすめ度 |
一生モノの技術 | 41,208件 |
- 准看護師は都道府県知事の免許(資格)ですが、保健師助産師看護師法において規定しているため当サイトでは国家資格として紹介します。
- 難易度は省略します。合格率は最終の国家試験についてです。
- 全国求人数は、ハローワークの情報を基に2024年6月25日に集計しました。
2年制の学校で学んで准看護師になり、その後実務経験を積んで正看護師になるのが理想です。ステップアップを目指しましょう。
夜間コースもあるので働いている人にはおすすめです。
30代・40代の女性が人生やり直しをするには理想的な資格です。
独学や通信講座などを利用しては取得できないので要注意。
准看護師とは
法律的には看護師の下位資格
一般の人にはあまり知られていませんが、一口に看護師といっても看護師と准(じゅん)看護師の違いがあります。
まだ看護師のことを看護婦と呼んでいた頃は、現場では正看護婦・准看護婦に分けていました。
両者の大きな違いといえば、准看護師は都道府県知事の免許(資格)、看護師は厚生労働省つまり国家資格という点です。
できる業務の内容についての違いですが、看護師は、医師の指示のもとで看護の仕事を行います。
一方、准看護師は、医師または看護師の指示のもとで看護の仕事を行います。
つまり、場合によっては准看護師は看護師の指示がなければ看護の業務はできないということです。
法律的にも准看護師は看護師の下位資格という位置付けです。
ずっと昔から准看護師の制度廃止と噂されていますが・・・
准看護師はもともと戦後の看護師不足を解消するために「暫定措置」として1951(昭和26)年に設けられた制度(資格)です。
戦後しばらくまだ高校進学する女子が少なかった時代に、中卒で准看護学校に入って学んで資格を取得し、現場の看護師不足を補うための労働力とするために作られました。
そして、現在にいたるまで准看護師の制度はずっと続きます。
実は、看護師会と厚生労働省は、この准看護師の資格を廃止する方向で動いています。
これは20年以上も前から言われ続けていますが、准看護師の資格を作るきっかけとなった医師会が猛反対していて未だに准看護師の制度は残っています。
これには安く使える労働力を確保したいという本音もあるようです。
准看護師は看護師と比べて給料を抑えて使えるというわけなんです。
准看護師と看護師の業務の違いは?待遇の違いは?
法令上は准看護師と看護師は別の資格になりますが、現場での仕事の内容は基本的に差はありません。
もちろん、准看護師も医師や看護師の指示があれば注射・採血を行えます。
ともに「看護を行う」という目的は共通しているため、医療の現場では業務内容はほとんど変わらないのが実情です。
では、准看護師にはできないことは何かと言うと、まず自分の判断で看護業務を提供することができません。
看護師であれば、患者から頼まれたら自分の判断で看護・介護業務を行えますが、准看護師は看護師からの指示を受けなければなりません。
さらに准看護師は、看護計画を立案することもできません。
しかし、中小規模の病院では准看護師と看護師の差はほとんどなく、准看護師は普通に採血や点滴などすべての看護に関する業務をしています。
入院から退院までの看護計画を立てたり、管理職的な業務(リーダー)もするようです。
ただし、大きな病院になると話しは違ってきます。仮に同じ業務をしていたとしても給料は違います。
ほぼ同じ業務をさせる病院があるかもしれませんが、責任が重い業務は准看護師にはさせない病院もあります。
立場上、准看護師は看護師の下位資格に位置するので、准看護師が看護師に業務を指示することはできません。
准看護師は、知識や経験が豊富だったとしても一般的に看護師長や看護部長といった管理職への昇進やキャリアアップが難しいです。
准看護師は正社員として採用せず、看護師になる為の学校に行っている人だけ採用している病院、全く採用していない病院もあります。
よほど看護師の採用に困っている病院以外は新規の准看護師の採用はしない傾向にあります。
准看護師になるのと看護師になるのとでは、教育年数の違いだけではなく教育課程の違いがあります。
国が決めた施設基準で准看護師を看護師と認めていない病院も多くあります。
関連団体:一般社団法人 日本准看護師連絡協議会
役に立つ資格なのか?
人生のやり直しに役立つ!
手に職を付けよう、人生やり直ししよう、そんな考えの元人生を再スタートするために准看護師の養成校へ入学する女性は少なくありません。
一度は就職して社会人になったものの思うように稼げない、1人の自立した女性として生きていきたい、高校を中退してしまったけどやり直したいなどと理由は様々です。
ホントこういった女性は応援したくなりますよね。自分の意思で勉強したくなって学校へ入学し直すなんて素晴らしいことだと思います。
より良き未来を切り開いていってほしいものです。きっと後悔しないと思います。
大卒もいれば中学校しか出ていない女性もいます。
いろんな人が「混在」していますが、みな目的を持って入学しているので一体感があって仲良く勉強を続けているようです。
養成校には多くの年齢層の女性がいる
実際に准看護学校へ入学する女性の半分近くは30代です。40代も珍しくありません。
主婦も1/3ほどいます。50代の新人准看護師なんて場合もあります。
准看護師も看護師の資格も、ともに取得するまでに長い道のりを要します。
簡単には取得できませんが自分の固い意思さえあれば大丈夫です。
誰でも簡単に数週間程度で取得できる民間の検定試験とは全然重みが違います。
自信を持って資格を取得した!と言えます。
簡単に取得できない専門性の高い資格とは、就職や転職にも使えて収入にもつながりやすいということです。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
准看護師の資格を取得したら、国家資格でもある看護師を是非目指してください。
関連資格:看護師とは
病院はどこも人手不足ですから准看護師と看護師の仕事の内容に差はあまりないようですけど、待遇面で違いがあります。
やはり就職してから看護師資格を目指す人が多いようです。
医療の現場は資格の難易度による階級社会です。医師のように、より難しい資格が立場としては上になります。
看護師も同じです。准看護師は、看護師に准(準)ずるので看護師よりも立場は下ということです。
国家資格と都道府県知事の資格という差もあります。
まず給料の面で差があります。
同じ仕事をしても計算の元になる基本給が違うので、看護師より2万~3万程度は安いようです。時給換算をしても100円~200円は低くなります。
一番の違いは、准看護師は看護師を管理する立場の管理職になれないということです。
准看護師のままでは職場でのキャリアアップは期待薄です。後から入ってきた若い看護師の後輩に役職を追い抜かれる可能性もあります。
もちろん勤務する病院によっても違いますし、個人の能力にもよりますから一概に決めつけられませんが、純然と資格の価値の違いは存在します。
准看護師から正看護師になるのは簡単ではないですが、決して「難しい」というワケでもないです。
准看護師の資格を活かして看護師を目指しましょう!
可能であれば最初から看護師を目指すのが得策
許される時間・予算・家庭の事情もありますから簡単には言えませんが、可能であれば初めから看護師の資格を取った方がいいです。
准看護師の採用を止める病院が最近は増えています。採用されたとしても若い看護師の指示の下で仕事をすることもあります。
給料も、長い目で見れば差が開く一方で生涯年収の差はさらに大きくなります。
稼ぎたいのなら看護師を目指すべきです。これは誰も否定しないでしょう。
ずっと看護師として働く覚悟があるのであれば、初めから正看護師になった方がいいです。
もちろん准看護師になって働きながら看護師を目指すのも可能なので全く否定するものでもありませんし、諸事情が許さないこともあるでしょう。
一度准看護師として仕事をはじめてからその後について考えるのも良いと思います。
資格は取れたとしても仕事ができない人もいますし、途中で辞める人もいます。
准看護師から看護師になるには
准看護師として病院で働きはじめると、仕事の内容にさほど違いがないとしても昇給・昇格などの待遇面で看護師と差があるのが気になるようになります。
看護の仕事をこの先も続けていく予定であれば、より良い条件を目指して看護婦の資格を目指しましょう。
准看護師が正看護師になるためには、まずは以下の2つの条件をいずれも満たす必要があります。
- 准看護師として3年以上働いていること
- 看護師学校養成所2年課程で学び、看護師国家試験に合格すること
看護師学校養成所とは、2年で看護師の国家試験の受験資格を得られる養成所のことです。
この養成所は、通学制(全日制2年・定時制3年)と、自宅で学べる通信制の2つの方法があり、どちらかを選択できます。
通信制は学校に通う必要がないので時間と場所を選ばずに勉強できるメリットがありますが、必ず2年間学習しなければなりません。
学費は通学制と比べると安く済むので経済的です。
しかし、通信制の受講には条件があり、准看護師として通算で7年以上の勤務経験が必要になります。
通学制、通信制ともに申し込めば必ず入学できるわけではなく入学試験があります。
学科試験や面接、小論文などを実施する学校もあります。
ちなみに通学制の国家試験合格率は約90%、通信制は80%といずれもしっかりと学習すればかなりの確率で合格できます。
大きい病院では、准看護師が正看護師の資格を取得するための支援を積極的に行っているところも増えていて、進学を手助けするための奨学金制度を設けているところもあります。
可能な範囲で利用できる制度は利用するのがおすすめです。
求人については減少傾向ですが・・・
准看護師の求人は減少傾向にあります。大規模な総合病院では、採用は看護師のみで准看護師の採用をしていないところが増えてきています。
ただし、中規模以下の病院になると、准看護師の需要が無いわけではありません。
個人病院や少し大きめな個人病院になると求人はたくさんあります。
人材を長く確保するために、採用後に看護師になるための経済的な支援をしてくれる病院も多いようです。
准看護師も立派な資格です。看護の仕事に変わりはありませんし土日の夜勤の勤務もします。
無資格の看護助手と違って昇給もします。経験を重ねて仕事を覚えていけば収入も増えていきます。
准看護師だからといって就職先が見つからないということはありません。
准看護師であっても求人はとても多くあります。
准看護師になるには
義務教育修了でOK、夜間コースも
准看護師になるには2つのコースがあります。いずれも専門の教育機関に進学し、修了(卒業)すれば受験資格を得られます。
卒業後(卒業見込み)、最終的に各都道府県ごとに実施される准看護師試験に合格しなければなりません。
それぞれについて詳細に説明しますので参考にしてください。
- 中学・高校卒業後に准看護師養成校(2年制)へ入学する
- 中学卒業後、高等学校衛生看護科(3年制・定時制4年)に入学する
ちなみに、ユーキャンなどのような通信講座で独学で取得できると勘違いしている人もいますが、ユーキャンでは准看護師の資格は取得できません。
1.中学・高校卒業後に准看護師養成校(2年制)へ入学する
中卒でも高校卒業でも入学できます。准看護師養成校を卒業すれば准看護師の受験資格を得られます。
働きながら准看護師を目指せるため、中卒・高卒だけではなく大卒、一般の社会人も入学します。
働きながら学べる点は大きな魅力です。
准看護師学校での学習は2つの時間帯から選べます。
週3日の全日制
時間割は8:30~17:00までと普通の学校と変わらない時間割になります。週3日なので空いている日は働くことが可能です。2年生になれば病院での実習が入ってきます。
週5日の半日制
週5日制で多い時間割は13:00~17:00です。学校によって違うので入学の際は事前に調べておきましょう。2年生になれば週3日は病院での実習、残りは学校で勉強となるケースが多いようです。
上記のように准看護師学校は多少なりとも働きながら通えるので、家庭を持っている主婦でも家計を助けながら勉強を続けられます。
准看護師養成校はほぼ地元の医師会で設立されていることが多いので、その医師会の系列の病院で看護助手や医療事務として働きながら学校に通う人も多数います。
やはりその場合は働く際の融通はかなりききます。
2.中学卒業後、高等学校衛生看護科(3年制・定時制4年)に入学する
高等学校衛生看護課に進学し、卒業すれば准看護師の受験資格を得られます。つまり高校へ進学するパターンということになります。通常、現役の中学生や高校生がこの方法を選択します。
ただ、残念なことに全国に定時制の高等学校衛生看護科は数えるほどしかありません。働きながら学習するのであれば准看護師養成校へ通うのが現実的です。
いずれも学校へ入学するための入試レベルはそんなに高くない
准看護師養成校あるいは高等学校衛生看護課のいずれに進学するにせよ、受験資格が中学校卒業ということもあり、入試レベルも中卒程度です。
入試科目は学校により異なります。受験を希望している学校で何を出題されているのか募集要項等で確認して下さい。
ただ、面接が行われる学校が多いようです。
どうして看護師の道に進みたいのかを答えられるようにしておくのは当然ですが、もしも高校中退の人であれば、中退した理由なども答えられるようにしておきましょう。
高校中退したからといって不利になるというのではありません。
これからの人生の目標などを目を輝かせながら答えられたら大丈夫です。
准看護師試験、簡単な県はあるのか?
准看護師の資格は都道府県単位で実施しますが、正確に言うと各都道府県を6ブロックに別けて実施しています。
試験日が6ブロックで異なるため複数回の受験が可能です。
出題内容・難易度は県によって多少異なっていて地域によっては出題内容や難易度が異なるとの声が上がっていました。
では、試験が簡単な県を探してそこで受験すれば合格しやすのでは?誰でもそう考えます。
しかし、現在は准看護師の試験は地方での統一試験になっています。
1番簡単な県を探すのは意味がありません。出題内容も毎年は変わります。
しかも、合格率は全国平均で97~99%と非常に高いです。
202年度の合格率は99.0%、2021年度は96.8%でした。これはほぼ全員合格できる難易度の試験です。
参照:「令和3年度准看護師試験の実施状況について」の訂正について
もちろん複数受験するのは良いことだと思いますが、どこか簡単そうな都道府県を探すというのはあまり意味のないことです。
※2020年度(2021年2月)の試験からは全国で同じ日(看護師国家試験とは別日)とする方針でしたが、まだ実現していません。令和4年現在では全国をブロック1~ブロック6に分けて試験を実施しています。
参考:これから准看護師を目指す人|一般社団法人 日本准看護師連絡協議会
まずは無料の資料請求
社会人でも入学できる大学・専門学校の資料請求
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
※Kindle(電子書籍)版です。
長年にわたって看護業界において看護師、助産師、保健師、そして看護学校の教員を務め、看護業界の様々な分野で仕事をしてきた著者が書いた本だけあって、仕事の内容がリアルに書かれています。
看護の業務には必ずある「日勤」や「夜勤」についての内容や給料事情にまで踏み込んでいます。
看護師として必要な資質についても説得力のある内容で解説されています。
「看護師ほど面白い仕事はない!」ことを伝えようとしているので、これから准看護師・看護師を目指す人にとっては力強く背中を押してくれる1冊です。
種類 | 評価 |
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試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
例年2月中旬から下旬の都道府県知事指定日。
都道府県により異なります。
お申し込み
都道府県の発表によります。
受験資格
所定の養成機関で定められた課程を修了という条件があります。
試験会場
各都道府県
受験料
6,900円
試験内容
【試験科目】
下記科目から150問です。
- 人体の仕組みと働き
- 食生活と栄養
- 薬物と看護
- 疾病の成り立ち
- 感染と予防
- 看護と倫理
- 患者の心理
- 保健医療福祉の仕組み
- 看護と法律
- 基礎看護
- 成人看護
- 老年看護
- 母子看護及び精神看護
※試験の詳細は毎年都道府県のホームページで発表されます。
合格基準
90点以上
合格発表
3月初旬ごろ
主催者情報
試験は都道府県単位で実施しています。詳しい情報は受験を希望する自治体のサイトを参照してください。