日本語教育能力検定試験とは?現実は厳しく低賃金のバイト
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 普通 | 20~30% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~3万円 | 6か月~1年程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 132件 |
- 合格点は公表していません。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月10日に集計。
日本語教育能力検定試験とは、外国人に日本語を教える能力を測る民間の検定試験です。
つまり、日本語教師となるための資格です。
資格とはいえ単なる民間資格です。学歴要件もなく教育実習などの必要もないため誰でも受験できます。
この民間資格だけで海外で日本語を教える仕事を見つけるのはかなり困難です。
世界で日本語の必要性が薄れている現在、欧州や豪州などで日本語教育の需要が少ないからです。
仮に海外で働きたいのであれば、大卒以上の学歴がないと就労ビザは下りません。
日本国内で日本語教師の求人は探せばみつかります。
しかし、低賃金のバイトが多く、長続きする人は少ないようです。
実はなにかとトラブルも多い業界です。
日本語教師とはどんなものなのか?という程度に考えているのであれば取得費用も高くないので興味がある人は挑戦するのもいいと思います。
ただし、あまりおすすめしません。
日本語教育能力検定試験とは
日本語教師になるための条件のひとつ
日本語教育能力検定試験とは、日本国際教育支援協会が試験を実施する民間の検定試験です。
国家資格ではありません。
しかし、法務省が定める「日本語教育機関の運営に関する基準」に該当する民間資格です。この試験に合格すると、日本語教師として基礎的な知識を持っていることの証明につながります。
そのため、国内や海外の日本語学校で日本語教師として働きたい人、あるいは既に日本語教師として働いている人が受験します。
民間資格ですが、日本語教師として働くための基礎的な資格として広く社会に認められています。
主催者サイト:JEES 日本語教育能力検定試験ホーム
日本語教育能力検定試験は役に立たない?
日本語教師と呼ばれる職業には国家資格が存在しないため、無資格であっても誰でも教えられます。
特に日本語教師になるための資格は必要ないということです。
※2024年4月に登録日本語教師と呼ばれる日本語教師の国家資格が誕生しました。その点は後述しますので参考にしてください。
日本語教育能力検定試験は、学歴要件もなく教育実習も必要ないので誰でも受験できます。
そのため、合格者の「教師としての能力」まで保証しているとは言い難い一面もあります。
日本語教師として働いて満足のいく収入を得られるのは、大学院で日本語を専攻した後、日本国内外の大学で日本語を教える教師などごく一部に限られます。
日本語教育能力検定試験に合格して欧州や豪州などの日本語学校で活躍するなんて夢のまた夢です。
仮に海外で働きたいのであれば大卒以上の学歴がないと就労ビザが下りません。
日本国内であれば海外留学生を相手とした日本語教師の仕事は探せば意外と見つかります。
しかし、条件の悪い仕事が多く、長続きしない人がほとんどです。
ボランティアと割り切っての海外留学生に日本語を教える人が多いのはそのためです。
将来性について徹底研究
日本語教師になるための一般的な条件とは
2024年4月以前は、日本語教師になるための正式な国家資格が存在しなかったため、以下の条件のいずれかを満たせば日本語教師の資格があるとみなされていました。
そして、現在(2024年4月)もこの基準は変わっていません。
- 大学または大学院で日本語専攻あるいは副専攻
- 大学卒で、日本語教師養成講座420時間以上を受講
- 日本語教育能力検定試験に合格(学歴不問)
参考:日本語教育機関の運営に関する基準(pdf)
(これが世間一般で「日本語教員資格ガイドライン」と呼ばれているものです)
概ね、この3つの条件のいずれかを満たせば誰でも日本語教師になれます。
※一部の機関で日本語を教える場合に登録日本語教師の国家資格が必要です。
上記2の「420時間の養成講座」は日本語専攻の大学へ行くよりは手っ取り早く取得できますが、どこで受講しても50万円ほどかかります。
実はこの養成講座ですが、強引な勧誘が多くトラブルの温床になっています。日本語教師になれず途中で挫折する人が極めて多いのが現実です。
「420時間の養成講座」については、日本語教師とはで実態を細かく説明しているので参考にしてください。
一番短期間で、失費も少なくて済むのがの上記3の日本語教育能力検定試験です。
独学ならテキスト代と受験料、受験料程度で済みます。
日本語教師の国家資格化について
日本語教師に関する国家資格が存在しなかったため、2024年4月「登録日本語教師」と呼ばれるは国家資格が誕生しました。
参照:文化審議会国語分科会日本語教育小委員会(第99回)議事次第|文化庁
公的な資格がなかったため民間事業者による悪質な「日本語教師養成講座」が多く開催され、全国でトラブルが発生していました。これが国家資格化した主な要因です。
しかし、大きな誤解が今も拡散されています。
それは、全ての日本語教師(日本語教育能力検定試験合格者、420時間の講座修了者、無資格で教える日本語教師)が登録日本語教員(国家資格)になるわけではないということです。
国家資格化されたと言っても「一部の機関で日本語を教える人」が対象になるだけです。
「一部の機関」とは法務省告示の日本語教育機関です。
日本語教師全体の約20%の人は新たな国家資格が必要となりますが、それ以外の日本語教師は今までと変わりはないので、待遇などもそれまでとは変わらないと思われます。
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いろんな講座を比較検討できます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
日本語教育能力検定試験用のテキストや参考書は意外と種類が多く出版されていますが、多くの受験生が利用しているのがこちらのテキスト、通称「赤本」です。
少し残念なのはあまりにも誤表記が多い点です。知らないと混乱します。
まず勉強開始前に、出版社のホームページで正誤表をチェックして、訂正した上で使い始めてください。
電子書籍で購入すると書き換えができないので、購入するのであればやはり紙の書籍がおすすめです。
とは言え評判の良い本です。通信講座は利用せず独学であればこのテキストを利用するのが一般的な勉強方法です。
この赤本を繰り返し読んで理解すれば必要な知識は身に付くので十分に合格点を狙えます。
種類 | 評価 |
テキスト |
おすすめ問題集
上記で紹介した赤本を何度も読んで理解できれば合格点は取れますが、過去問題はやはり解いておくべきです。
ただし、一般的な資格試験の勉強方法と違って5~10年分の過去問を解く必要はありません。
過去問はあくまでもどんな形で問題が出題されるのか知るために利用するのであって1~3年分あれば十分です。
解答に解説が載っていないので、これ一冊ではあまり役に立ちません。赤本である程度理解した上で利用してください。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
年1回10月下旬
お申し込み
6月中旬~8月上旬
受験資格
制限はなく、どなたでも受験できます。
試験会場
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡
受験料
14,500円(税込)
試験内容
試験の構成は以下の通りです。
- 試験Ⅰ 90分 100点 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
- 試験Ⅱ 30分 40点 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。
- 試験Ⅲ 120分 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。
※全て1日で実施します。
【出題範囲】
- 社会・文化・地域
- 言語と社会
- 言語と心理
- 言語と教育
- 言語一般
合格率:20~30%
合格基準
合格点は公表していません。
合格発表
12月下旬予定、不合格者のみ結果通知書に各科目の得点・総合点と、総合点が受験者全体の中でどの位置にあるかを8段階で記載します。
主催者情報
試験に関する詳しい情報はJEES 日本語教育能力検定試験ホームをご覧ください。