キャリアコンサルタントとは?取得する意味ない官製資格商法
種類 | 難易度 | 合格率 |
技能検定 | やや易しい | 50% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
指定講座受講 | 30~50万円 | 3か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
自己満足 | 276件 |
- 取得するには高額な養成講座を受講しなければなりません(一部例外あり)。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月9日に集計。
講座受講料 | 350,000円~ |
受験料 | 学科試験:8,900円 実技試験:29,900円 |
その他費用 | 登録免許税:9,000円 登録手数料:8,000 円 更新手数料/5年:8,000円 更新の際の講習:約50,000円 |
※金額は2024年2月現在です。
取得費用と更新費用が高いだけで合格しても就職・転職は有利になりません。
率直に申し上げておすすめしません。
一応国が認める技能検定試験ですから履歴書に書いてアピールできますが、他にこれといって価値はありません。
メリットは少なく役に立たない資格(技能検定試験)です。
天下り団体の収益確保のために無理やり作っただけです。
実際はこれと言って使い道もないし、役に立たない技能検定試験なのよ!合格しても後からお金ばかり取られて、お金と時間の無駄よ!
キャリア・コンサルタントとは
就労支援に関する相談員
キャリアコンサルタントとは、2016年4月に創設された比較的新しい国家資格(技能検定試験)の一つです。
試験は厚生労働省が実施します。
学生、求職者、在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言をおこなう専門職で、簡単に言うと「就業に関する相談員」といった資格です。
仕事に就くことを望んでいる人(就業希望者)にはこれまでの職務経験があり、それぞれ能力や適性もあります。
仕事を紹介する際には、何でもいいから片っ端から仕事を紹介するなんてワケにはいきません。
本人の希望や家庭の事情なども考慮して助言や指導を行う必要があります。
キャリアコンサルタントは、労働者の就業に関して助言や指導を通して職業生活設計をおこない、これに基づいた職業選択や能力開発の支援します。
単なる技能検定、特別にできる業務はない
キャリアコンサルタント試験に合格したからといって特別な業務ができるワケでもなく、「キャリアコンサルタント」と名乗れるだけにすぎません。
国家資格とはいえ正確には独占業務のない「技能検定試験」です。
キャリアコンサルタントでない人が、キャリアコンサルタントの業務(例えば職業相談や再就職の助言など)をしても何ら問題ありません。
キャリアコンサルタントの資格は必須ではないということです。
一応、国家資格という位置づけなので、「キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタントやそれに紛らわしい名前を用いてはならない」と法律(職業能力開発促進法)で定められています。
その程度なんです。
これが名称独占資格の特徴で、キャリアコンサルタントでない人がこの肩書を名乗ったり名刺に印刷すると、30 万円以下の罰金に処せられます。
役に立つ資格なのか?
人材派遣会社でも必須ではない
人材派遣会社にはキャリアコンサルタントの配置が義務化されているので、キャリアコンサルタントの資格を持っていれば「人材業界に就職するアピールポイントになる!」って言う人が少なからずいます。
しかし、それは間違っています。
勘違いしている人がとても多いようですが、人材派遣会社にはキャリアコンサルタントの配置は義務化されていません。
平成27年に施行された派遣法改正において、派遣元事業主である人材派遣会社には「キャリア・コンサルティングの相談窓口の設置」が義務化されました。
これによって、希望する全ての派遣労働者がキャリア・コンサルティングを受けられるようになりました。
相談窓口には、担当者を配置しなければなりません。
しかし、この担当者については、キャリア・コンサルタント(有資格者)又はキャリア・コンサルティングの知見を有する者(職業能力開発推進者、3年以上の人事担当の職務経験がある者等)で構いません。
参照:許可基準 (1) 労働者派遣事業の許可の要件 – 厚生労働省
※18ページb項目
つまり、キャリコンサルタントの有資格者は必要ないということです。
人材派遣会社が求めるのは営業力のある社員
さらに申し上げますと、民間の人材派遣会社はとってもシビアです。
派遣会社で一番求められるのは数字をあげる営業力です。
どれだけ多くの人材を登録させて仕事に就けて売上を上げるかが全てです。
多少強引にでも人を仕事に当てはめて売上をあげる者が一番なんです。
派遣会社の社員がキャリアコンサルタントの資格を取得したとしても、あまり評価の対象とはなりません。
社員の採用に関しても同じです。
キャリアコンサルタントの有資格者よりも、営業力がありそうで過去に実績のある人を優先して採用します。
資格の活かし方を調べてみた!
率直に申し上げて、キャリアコンサルタントはあまり役立つ資格とはいえません。
取得するメリットは特にありません。国が実施する資格商法です。
キャリアコンサルタントの有資格者を募集している求人を探すと、全国での276件(2023年3月22日)見つかりました。
仕事の内容は、就労支援に関する相談業務です。就労場所は、就労支援センター、自立就労支援センター、人材派遣会社などです。
この内容だけで判断すると、キャリアコンサルタントは就職や転職に活かせる役立つ資格のように思えます。
すべての求人内容を詳しく調べてみると、意外な事実が見えてきます。
ほとんどのキャリアコンサルタントの求人は非正規職員としての募集です。
正社員以外のパート、アルバイト採用となっています。
しかも、1年以内の雇用期間で延長や再雇用無しという条件がほとんどです。
時間給は1,200~1,800円といったところです。
何か不自然ですよね。
普通なら仕事に慣れた人をずっと使い続けたいはずです。
けれど「延長無し・再雇用無し・正社員登用なし」という条件がほとんどです。
なぜこういった条件が多いのか理由は不明です。
まぁ、想像ですけど、せっかくキャリアコンサルタントの資格を取得したんだから1年くらいは雇ってあげよう・・・なんて魂胆が見え隠れするような気がします。
キャリアコンサルタントの資格を活かせる仕事があったとしても、1年未満のアルバイトかパート労働者だということです。
キャリアダウンにつながる?
キャリアアップ転職に活かすためにこの資格を取得する女性が多いようですが、現実はかなり難しいようです。
下手するとキャリアダウンです。
キャリアコンサルタントを取得するには講習を受ける必要がありますが、かなり高額です。
受験料も必要ですし、名簿に登録するためにもお金が必要です。
おまけに5年毎に講習を受けて、度々お金を払わなければなりません。
冷静になって考えてみると、とっても胡散臭いんです。
費用と効果を考えてください。
将来性について徹底研究
役に立たない技能検定
今現在、人事に関わる仕事をしていて、会社方針として取得するのをすすめられている人は取得する価値はありますが、それ以外の人は取得しても就職・転職は特に有利にはなりません。
具体的に申し上げますと、企業の人事部や人材開発部、高校・大学・国・地方自治体などの教育機関、人材ビジネス会社、公共求職支援機関の仕事に就いている人にはおすすめの資格です。
繰り返しになりますが、あまり役立つ資格とはいえません。取得するメリットは特にありません。
社会保険労務士の超下位資格、やれる仕事も限定的
相談が業務と言っても、あくまでも仕事などの「キャリア(過去の経歴)」に関する相談です。
現在就業している人から、賃金、解雇、残業代の未払いなどについて相談を受けたとしても、解決のために相談に乗るにはキャリアコンサルタントでは限界があります。
この場合、社会保険労務士(特定社会保険労務士)であれば、労働者と使用者の間に立って話しあいによって紛争の解決ができます。
本来は裁判で決着すべき争い事を社会保険労務士であれば間に入って解決に導くことができます。
キャリアコンサルタントでは、会社との間に立って和解交渉などもできません。
比較的容易に取得できるキャリアコンサルタントの資格では何もできないということです。
本格的に労働に関する資格を取得したいのであれば社会保険労務士がおすすめです。
講習(養成講座)の費用が高すぎ!
国家資格キャリアコンサルタントになるためにには、まずは受験資格を得なければなりません。
そのためには、まず養成講座を受講します。
3年以上キャリアコンサルタンティングの業務経験があれば必要ないですが、そんな人はマレでしょう。
この講習は国(国の出先機関)が委託した民間の業者(ヒューマンアカデミー、日本マンパワー、LECなど)が認定講習として実施しています。
講習受講を希望する人自身で自由に業者を選んで受講します。
で、この養成講座の費用がバカ高い!
だいたい30万円以上します。
開催する会社や地域によって幅があり、高い講習になると40万円以上もします!
さらに、受験料・登録料なども含めると50万円近くになります。
キャリアコンサルタントの資格を今後検討される人は、まずこの養成講座の費用から考えてみましょう。
40万円以上の出費がはたして意味があるのかどうか…ペイできそうなのか・・・。
まぁ天下り団体の収入になるということには疑いの余地はありません。
できて間もない資格なので今のところ合格率も高めに推移しています。
この先難易度が高くなるとも言われてますが、おそらくあまり変わらないと思います。
逆にもっと簡単になるような気もします。簡単にしないとカネヅルが集まらないからです。
高いお金だけ払って養成講座を受講すれば誰でも合格できますが、役に立たない資格であることには代わりはないでしょう。
受講生の7割が女性、男性は年配者が多いのが特徴
キャリアコンサルタントの受講者はどんな人が多いのでしょうか?少し調べてみました。
まず圧倒的に女性の受講者が多く、ほぼ7割を占めています。
年齢層は幅広く、20代から60代までいます。
残り3割は男性ですが、20代や30代はあまりおらず、50代、60代の年配の方が多いようです。
次に、キャリアコンサルタントを目指す理由、つまり取得後にどう活かすかについて調べてみました。
女性の受験者は年齢に関わらず資格を取得したらすぐにでも転職を考えている人が多いようです。
現在の職場で活かすことを考えている女性もいますが少数です。
一方、男性は定年後などの将来のことを考えて受講する人が多いようです。
資格取得後にすぐに活用したり転職するわけではなく、現在の職場で定年になったり早期退職してからセカンドキャリヤに役立てるためにキャリアコンサルタントを取得しておこうと考えている人が多いようです。
男性・女性に共通して言えることですが、人生経験を積んで年を重ねると「指導的な仕事」に憧れます。
男性であれば、定年後に若い人達に自分の経験を語りながら相談に乗れるような仕事についてみたいと考えるワケです。
女性は年齢に関係なく、「上から目線的」な立場に就ける職業に憧れる傾向があります。教師やアドバイザーという職業です。
ただ、残念ながらキャリアコンサルタントの資格を活かせる職業に就いて生活できる程度に稼げるような人はほぼいません。
キャリアコンサルタントになるための費用
養成講座の費用で30万円以上必要だと説明しましたが、この他にも費用がかかります。
当然ですが、受験料が必要です。こんな高い受験料他に知りません。
- 学科試験 8,900円
- 実技試験 29,900円
晴れて合格したら、登録料としてまたまた費用が必要です。
- 登録手数料 8,000円
- 登録免許税 9,000円
それで、一旦登録したら終わりではありません。
キャリアコンサルタントの登録を継続するためには、5年毎に更新講習を受講します。
更新講習には知識講習と技能講習の2種類があり、それぞれ20,000円程度が必要になります。
維持費も高いんです!
しかし、スゴいですね!これじゃ資格商法となんら変わりません。
この費用を勤めている会社が出してくれたらいいんですけど、そんな会社はおそらくマレでしょうね。
キャリアコンサルタントとは、取得するのも維持するのも現金次第なんです。
とんだ金食い虫の資格にならないように注意したいものです。
まずは無料の資料請求
社会人でも入学できる大学・専門学校の資料請求
おすすめの通信講座
決してキャリアコンサルタントをおすすめるワケじゃなありませんけど、ヒューマンとLECの2社を紹介します。
養成講座の費用は30万円~40万円以上と幅がありますが、この2社が他社と比較しても最も価格がおさえてあります。
実際に受講した方の意見も参考にすると、この辺りがまともな養成講座です。最短2ヶ月でキャリアコンサルタントの受験資格が得られるので早い資格取得を目指せます。
価格を比較するとヒューマンが最も安いのですが、入学金が別途必要になるのでおそらくLECが一番安いのではないでしょうか。LECは開催場所が多いのも魅力です。
※こちらから受講申し込みができます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
キャリアコンサルタントのテキスト・問題集につきましては、基本的に講習会を申し込むとセットでついてきます。そのため一般には市販されていません。しかし、試験対策ではないものの学習に役立つ書籍はいくつかあります。もっとも評判の良い2冊を紹介します。参考にしてください。
初めてキャリアコンサルタントに関する仕事について学ぶ人におすすめです。まだ学習をしたことがない方や、全くの未経験からキャリアコンサルタントを目指す方に向いている書籍です。
実は、横文字と専門用語が多い業界ではありますが、この本に限って言えば初心者向けにわかりやすく説明してあるので、普通の感覚でスラスラと読みすすめられます。
合格された方の多くはまずこの一冊から入っているようです。
種類 | 評価 |
参考書 |
キャリアコンサルタントの業界ではバイブル的な本と言えます。
初心者が読むと難解すぎて、途中で挫折する可能性も十分にありますので、多少なりともキャリアカウンセリングについて知識がある方にはおすすめの一冊です。
この参考書から本試験で重要な設問が多く出題されているようです。講習会で配布される協会のテキストでは足りない個所を補うためには必須の参考書です。
この先キャリアコンサルタントを目指す人は、手元に置いてじっくりと読んでいただきたい書籍です。
種類 | 評価 |
参考書 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
下記サイトを参照ください。
お申し込み
下記サイトを参照ください。
受験資格
誰でも受験できるわけではありません。厳格な受験制限があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
職業相談などの経験がない方は1を選択するしかありません。30万円以上の高額な講習を受けてはじめて受験資格を得ることができます。そもそもこの講習費用がキャリアコンサルタント資格創設の目的でもあります。
キャリアコンサルタントの講習を受けて受験資格を得た場合は有効期限はありません。本試験に落ちた場合、何度でもその後試験にチャレンジできます。っていうかもったいないので1回で合格しましょう。
試験会場
講習主催者によります。
受験料
学科:8,900円
実技:29,900円
※他に指定の講座を受講することが条件です。
試験内容
【学科試験】
出題形式:筆記試験 (四肢択一のマークシート方式による回答)
問題数:50問
試験時間:100分
合格基準:100点満点で70点以上
【実技論述試験】
出題形式:記述式 (逐語記録を読み、設問に解答する)
問題数:1~2問
試験時間:50分
合格基準:実技面接試験と合わせて150点満点で90点以上の得点。
【実技面接試験】
出題形式:ロールプレイ(受験者がキャリアコンサルタント役となり、キャリアコンサルティングをおこなう)、口頭試問(自らのキャリアコンサルティングについて試験官からの質問に答える)
問題数:1ケース
試験時間:20分(ロールプレイ15分 口頭試問5分)
合格基準
実技論述試験と合わせて150点満点で90点以上の得点。
合格発表
8月中旬ごろ