講座受講料と受験料を目的とした現代版資格商法に要注意

資格商法ってみなさん聞いたことがありますよね?
「受講するだけで簡単に資格が取れる」「合格すればプロの講師になって稼げる」などと、しつこく電話で勧誘して講座や教材を契約させようとする商法です。
資格商法の集客方法は、主に電話による個人を対象とした勧誘です(でした)。
しかし、ネット社会の現代では、集客方法も様変わりしています。
最近の資格商法は違います。
「履歴書に書けば就職や転職に役立つ」「合格すればプロの講師になって稼げる」などとインターネット上のサイトで宣伝し、通信講座や教材を販売する商法です。
そうです。最近の資格商法の主流は、ネットによる不特定多数を対象とした勧誘です。電話での勧誘は過去の話しです。
ネットを利用した資格商法を現代版資格商法と呼びます。
実は、こういったやり方で通信講座や講習の受講生を集めている民間の検定試験(民間資格)が少なからずあります。
時代の流れとともに販売方法も変わるようですね。やはり電話で1人ずつ対応していては効率が悪いようです。
3~6万円ほど支払って指定の通信講座を受講して、数か月後に自宅で受験すればほぼ全員合格・・・
指定の講習会を1~3回ほど受講すればほぼ全員合格・・・
これで資格と言えるのでしょうか?大いに疑問に感じます。
長い時間をかけて勉強してようやく身に付いた知識が就職や転職の際に評価されるはずです。
短時間の勉強では、専門知識どころか基礎知識すら身に付かないでしょう。
この程度の民間資格に合格して、履歴書に書いたところで企業は評価するのでしょうか?
少し冷静になって考えてみればわかるはずです。
マスコミの宣伝やネットの根拠のない宣伝文句や書き込みを信じてはいけません。
さらに資格商法と現代版資格商法について詳しく解説しますので、最後まで一読ください。
かつては露骨であからさまな詐欺的な資格商法が主流

かつて資格商法と言えば、電話による勧誘で50~100万円ほどするような高額な教材を無理やり購入させる「侍商法」や「サムライ商法」と呼ばれるパターンが主流でした。
一昔前(平成7年頃)までは、「就職が有利になる」「この検定試験は間もなく国家資格になる」などと言葉巧みに50万円以上もするような高額な教材を押し付ける手法が資格商法の中心でした。
中には職場に電話をかけてきて、半ば強引に「契約した」といいがかりをつけて自宅に教材を送りつけるケースもあったようです。
「仕事を紹介するには資格が必要になる」と主に主婦を騙し、聞いたこともないような資格を取得するための講座とワープロをセットで高額で売りつける資格商法もありました。
偽りの説明で人を騙したり強引に契約させるのは明らかな犯罪行為です。
さらに50万円以上も騙し取られたとなると詐欺や強迫に該当するのは疑いの余地もありません。
しかし、世間に販売方法の実態が知れ渡るようになり、次第に姿を消していきます。
最近では、かつての資格商法の被害はほとんど聞かなくなりました。
代わって広まったのが現代版資格商法

では、資格詐欺の被害がなくなったかというと全く逆です。
巧みに手法を変えて現代版資格商法として生まれ変わり、被害者の数は増え続けています。
現在の資格商法は、ネット上の宣伝やマスコミ(テレビCM等)を使って受講生を集めます。
3~8万円程度(あるいはそれ以上)の通信講座、あるいは講習を受講させる手口です。
被害者意識をあまり感じさせない程度の金額を広く集めます。
かつての資格商法は、主に社会人がターゲットでしたが、最近は就活を控えた学生もターゲットとしているようです。
ネット広告やテレビCMを通じて受講生を増やし続けています。その数はかつての比ではありません。
あなたが取得を考えているその民間資格も資格商法の可能性がありますよ!
簡単に取得できる民間資格がどれほど役に立つのかよく考えてみてください。
5万円ほどであれば「役に立たなかった」で済んでしまう
しかもほとんどの講座受講料は3~6万円程度で済みます。
一応教材は送ってくれますし、提出課題に解答して送り返せば添削もしてくれます。
数週間学習すればほぼ100%誰でも合格できるので、本来の目的である「合格」を手に入れられます。
一応は手元に合格証書みたいな紙切れやIDカードみたいなモノが送られてきて「やった!合格した!」と、それらしき達成感も味わえます。
受講料が5万円程度なら「役に立たなかったなぁ」で済んでしまいます。
実感がない程度の被害金額、これが現代版資格商法の特徴なんです!
どれくらい民間資格に価値があるのかよく考えて!

サイト運営者の感想として、医療事務、心理カウンセラー、食品・調理、法務(相続関係)の分野でこういった資格商法的な民間資格が多いような気がします。
もちろん全てがそうだとは言いませんよ!
例えば相続関係を例にすると・・・
あえて名称は伏せますが、相続◯◯という名称の民間資格が世の中に150以上存在します。おそらく誰もが耳にしたことがあるでしょう。
もちろん全部が詐欺とか怪しいと言ってるワケじゃありません。真面目に勉強すれば相続の基本的な知識が身に付くでしょう。
けれど、民間資格ですから合格しても法律上特別な業務は認められていません。
結局できることと言えば、税理士や司法書士あるいは弁護士などの法律の専門家の紹介程度です。
これなら誰にでもできます。
合格するには、概ね通信講座受講あるいは講習会受講が条件となっていますが、果たしてどれほどの意味があるのか考えてみてください。
もちろん法令等に違反していないので、主催者側からすれば、一体何が悪いの?って感じでしょう。
けれど、これらの検定試験に合格したところで一体どんなことができると言うのでしょうか。
どうかみなさん、「就職や転職が有利になる」「社内での評価アップにつながる」などという甘い言葉を真に受けて、意味があるとも思えない民間の検定試験にお金と時間を費やさないようにしてください。
本来、資格というものは国の法令に基づいて存在する特別の「地位」です。
法令による規定がなく、誰でも自由に作ることができる民間の検定試験にどれほどの価値があるのかよく考えてください。
自分で納得いくまで時間をかけて調べて!
大切な時間とお金を民間資格の通信講座に費やす前に、よく自分自身で調べてください。
ロクに自分で調べもせず、少数の意見を聞いてそれを鵜呑みにしてはいけません。
テレビや新聞などのマスコミは本当の内容を伝えているとは限りません。
ましてや利益を追求する民間企業のCM、さらには口コミサイトなどは眉唾ものの怪しい内容のものが目立ちます。
インターネットの世界はテレビ以上に情報で溢れています。何か単語を入力して調べようものなら無限といってもよいほど情報が表示されます。
良いことだけを書いているサイトもあれば、その逆もあります。検索結果で上位数行に表示されるサイトだけを見ていても真実は分かりません。
できるだけ多くの情報に触れて、どの内容が事実を伝えているのか、それを見極める力を付ける必要があります。
自分自身で徹底的に調べるということです。