消費生活相談員資格が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

消費生活相談員資格

資格の活かし方は限定的、合格しても就職は保証されません。

難易度 学習期間 資格の種類 資格の分類 合格率 将来性

普通

6か月程度

国家資格

名称独占資格

24%

※合格率は1次試験24.6%、2次試験99.2%です。

最終更新日:2020/04/25

消費生活相談員資格とは

電話で相談を受ける女性

(※イラストは「消費者庁イラスト集」より)

 

何かに悩んでいるときに、誰かに相談することで解決へのきっかけにつながるケースがあります。

 

しかし、内容によっては、いきなり警察や弁護士に相談するのも気が引けます。

 

例えば、購入した商品の不良、詐欺の疑いがある販売方法など、消費者として困った問題がある場合です。相手が企業であれば、個人がクレームを言ってまともに取り合ってくれないかもしれません。けれど泣き寝入りするのもシャクだし・・・。

 

そんな場合、利用すると便利なのが全国の市区町村(自治体)が運営する消費生活センターです。

 

消費生活センターでは、主に企業が提供する商品やサービスなどに関する苦情や問合せなどを市民から受け付けていますが、この相談業務は誰にでもできるワケではありません。専門の知識を備えた消費生活相談員資格の有資格者が対応し、公正な立場で処理にあたっています。

 

消費生活相談員資格とは、市区町村が運営する消費生活センター等などにおいて、市民(消費者)からの苦情に係る相談・あっせんなどに従事する相談員としての能力、資質を向上するための国家資格です。

 

2018年度の消費者安全法の改正案に基づき消費生活相談員資格試験が始まりました。なお、この試験に合格すると、それまで国民生活センターが実施してきた「消費生活専門相談員」の資格も認定されます。

 

主催者サイト:消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度_国民生活センター

消費生活センターは公共の施設なので誰でも利用可能

消費生活センターとは、市区町村が運営する行政機関の1つです。つまり市役所・役場などと同等の公共の施設で、どなたでも利用できます。

 

名称は「消費生活センター」に限らず、消費者相談室、消費者生活センター、市民生活センターなどもあります。

 

全国には、市区町村が1,741(平成30年10月)ありますが、そのうちの約半数829か所(平成29年4月)で消費生活センターが設置されています。そのほかの自治体では、役所の市民相談室などが相談窓口として担当しています。

 

消費生活センターは、事業者に対する消費者の苦情や相談受付けのほかに、消費者啓発活動や生活に関する情報提供などを業務としています。

 

参考:全国の消費生活センター等_国民生活センター

公平な立場で苦情を処理、必ずしも消費者の味方ではない

消費生活センターの消費生活相談員は必ず消費者の味方というワケではありません。

 

消費生活相談員は、商品やサービスなどの苦情や問合せなどについて消費者から相談を受け付け、公正な立場で処理にあたります。

 

消費生活相談員は、難しい国家試験を突破した人で消費者関連の法律等に精通した人ばかりです。明らかに消費者の言い分が正しい場合は業者との間に入ってくれて解決の交渉までしてくれます。県や国に連絡して業務停止命令等を出すような要望もできます。

 

しかし、仮に事業者に落ち度がなく、明らかに消費者に問題がある場合は、どちかが正しいか判断して事業者側に立つことも珍しくありません。あくまでも「公正な立場」で処理するので、理不尽な消費者の要求などほとんど聞いてくれません。

 

つまり消費者センターは、正しい方、正義の味方なんです。ここが無料で相談できる消費生活センターを利用する際の重要ポイントです。

 

絶対に味方になってもらって何がなんでも要求を通したいのであれば、有料で弁護士に依頼しましょう。弁護士は依頼主の味方ですから。

消費生活専門相談員資格との違いについて

国民生活センターや各地の消費生活センターのサイトを見ていると、消費生活相談員資格と消費生活専門相談員資格の2種類が存在しているのがわかります。

 

両者はどう違うのか?資料をじっくと読まないと少し分かりづらいです。

 

簡単に説明すると、「専門相談員資格」は過去の制度です。しかし、この制度は廃止されていません。現在は「相談員資格」の試験のみを実施しており、受験生は合格すると両方の資格を得ます。
情報元:2019年度消費生活相談員資格試験 受験要項(pdf)

 

もともと、「専門相談員資格」は内閣府認定の国家資格(公的資格)として、平成3年度から国民生活センターが試験を実施してきました。

 

その後、消費者安全法の改正により「相談員資格」として同じく国民生活センターが試験を実施するようになりました。

 

では、両者はどう違うのかと言うと・・・内容に違いはないです。あえて言うと「専門相談員資格」は資格の更新が必要です。

 

「専門相談員資格」は5年毎に更新しなければなりませんが、新しい「相談員資格」は更新する必要がないです。

 

参考:消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度_国民生活センター

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

消費生活相談員資格のレーダーチャート

消費生活相談員資格は、全国の消費生活センターで働くためにはほぼ必須となっている国家資格です。

 

しかし、ここで注意していただきたいのは、合格すれば必ず採用されるワケではないということです。

 

消費生活相談員資格試験の受験要項にもハッキリとその旨が明記してあります。勘違いする人がやはりいるのでしょう。
消費生活アドバイザーの受験要項
情報元:2019年度消費生活相談員資格試験 受験要項(pdf)

 

消費生活相談員の資格を取得後、各消費者センターで空きがあれば、書類選考、面接、作文等の結果次第で採用されますが、やはり資格よりも優先するのは面接の結果や学歴です。過去の経験も重視するでしょう。

 

さらに、相談員の募集に関してはなかなか空きがないようです。採用されたとしても、ほとんどが正規職員ではなく、嘱託・非常勤職員・臨時職員扱いで給与は日給制です。待遇は、自治体によって違いはありますが年収は決して高いとはいえません。

 

就職や転職、収入アップにはあまり役立つ資格とはいえないようです。消費生活センター以外での就職や転職にはあまり役に立ちません。

 

ダイレクトに資格を役立たせたいのであれば、宅建士、簿記、TOEICの高得点や英検準1級の方が良いかもしれません。


消費生活相談員資格の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

消費生活相談員は、困っている消費者の相談に対応するのが仕事です。

 

親身になって人の相談に乗ることが好きな人に向いているといえます。ボランティア精神が旺盛で、自分自身がこれまでに経験や抱えた悩みを活かして、誰かの役に立つ仕事をしたいと思う人に向いています。

 

また、消費者の代弁者となり、業者との間に立って、毅然とした態度で粘り強く問題に取り組む人が望まれます。

 

超高齢社会が到来する中、地域社会において消費生活相談員の有資格者が活躍する場は今後も増えるでしょう。高齢者支援等のボランティアにも活かせる資格です。

 

また、自治体の生活相談センター等に勤務する職員が取得すれば、業務に知識を活かせます。

消費生活アドバイザーと消費生活相談員との違い

 

消費生活アドバイザーか、あるいは消費生活相談員資格か、どちらか取得したいと考えている人も多いと思います。ここで両者の違いについて説明します。

 

消費生活アドバイザーの需要があるのは主に民間企業です。業種としては保険・金融業や製造業、サービス業などで、顧客と直結するお客様窓口やコールセンターなどで苦情・クレームの対応にあたります。

 

また、ある程度社内でのキャリアが必要になるので、担当部署に配置されたベテラン社員が消費生活アドバイザーの資格を取得するケースも多いようです。

 

消費生活アドバイザーは民間資格です。登録管理手数料や5年毎の更新など、資格の維持にお金がかかるのも大きな特徴です。日本産業協会に有料で登録して会員にならなければ消費生活アドバイザーと名乗れず活動も出来ません。

 

関連資格:消費生活アドバイザーとは

 

一方、消費生活相談員は行政の相談窓口=消費生活センターで勤務することを前提とした国家資格です。受験料や登録料も安く、5年毎の更新手続きもありません。

 

両資格はほぼ同等に扱われる場合も多いのですが、消費生活相談員のみに受験資格を限定する消費生活センターもあります。

 

試験の難易度は消費生活相談員資格の方が上ですが、平成28年より消費生活アドバイザーに合格すれば消費生活相談員の資格も取得できるようになりました。

 

どちらか迷ったら消費生活アドバイザーに挑戦するのが両方取得できて良いかもしれません。

関連する3資格の違いについて

 

消費生活センター等で働くには、現行では以下のいずれかの有資格者が応募条件になっている場合がほとんどです。

  • 消費生活(専門)相談員
  • 消費生活アドバイザー
  • 消費生活コンサルタント

では、消費生活(専門)相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントの3種類の資格はどう違うのでしょうか?

 

ここで文章で長々と説明するよりも下記の資料で非常にうまくまとめられているので参考にしてください。

 

出典:資料6 消費生活相談員に関する現行3資格の概要[PDF:195KB]
消費生活相談員資格試験制度等に関する検討会 | 消費者庁に掲載)

 

※消費生活専門相談員資格について書かれています。消費生活相談員資格は更新手続きはありません。

 

1点だけ目立った特徴を説明すると、消費生活コンサルタントという民間資格は講座の受講が条件になっています。受講料は150,000円(消費税別)で、受講者はほぼ全員合格できるようです。

 

ちなみに、難易度としては、下記の順です。

 

消費生活相談員 > 消費生活アドバイザー > 消費生活コンサルタント

 

参考:消費生活コンサルタント養成講座 | 一般財団法人 日本消費者協会

求人はあるのか?就職できて稼げるのか?

 

2019年11月7日現在、全国の消費生活センター44か所(19県)で消費生活相談員を募集しています。

 

参考:各地の相談員の募集_国民生活センター

 

全国で44か所ですから決して多くはないです。47都道府県のうちの19ですから、募集がゼロという都道府県が半数以上です。

 

勤務条件を見ると、ほとんど全てが任用期間3年未満の臨時職員、非常勤職員という身分です。

 

時間給は1,400〜2,200円、勤務日数は月15〜22日と待遇に幅はあります。総じて月額20万円前後といった印象です。

 

事務の非正規職員の時間給は1,000円以下(最低賃金により1,000円以上)ですから、それと比較しても消費生活相談員の時間給は決して悪くはありませんが、収入・年収で見ると良くはないです。

 

もちろん資格を持っていても必ず採用されません。履歴書での書類選考があって、面接、作文を実施してふるいにかけられます。

 

ただでさえ少ない求人です。どれくらい取得する意味がある資格なのかよく考えてみてください。

 

消費生活相談員資格に合格するには

消費生活相談員資格試験は、1次試験(筆記試験+論文)と2次試験(面接)に分かれています。なお、一定の要件に該当すれば申請により第2次試験が免除されます。

 

合格率は、1次試験で24.6%、2次試験で99.2%ほどですから、ほぼ1次試験で決まります。2次試験は本人確認程度です。まず不合格になることはないでしょう。

筆記も論文も過去問題集の反復学習が合格のカギ

学習方法としては、やはり過去問対策が重要です。この試験の合格のカギは過去問を何度も繰り返して解くことです。過去問と同じような傾向の問題が出題されます。

 

国民生活センターのホームページに過去の試験問題が掲載されています。参考にしてください。

 

参考:過去の試験問題_国民生活センター

 

本試験では消費者問題に関する幅広い知識が問われます。1次試験は筆記(正誤式、選択式)と論文ですが、筆記は消費生活に関する一般知識が大半で、基礎的な法律知識も問われます。

 

論文試験では、相談内容の問題点を的確にまとめた資料を作成する能力を判定されます。「論文」ですから体験談や感想文とは違います。要求されたテーマに沿った論文を書かなければなりません。

 

論文を作成するにあたっては、あらかじめ与えられた指定語句を全て用いなければなりませんが、実はこれが大きなヒントになります。

 

必要文字数は1,000〜1,200と多いですが、指定語句が論文の構成の大まかな方向性を示してくれます。論文の過去問を見ておくことで、ある程度の対策と出題の予想ができます。また、テーマは2つ用意されているので書きやすい方を選べます。

 

2次試験の面接の一番の目的は本人確認です。面接官が手元に顔写真を持って、間違いなく本人かどうかジロジロと見ます。質問されたら臆することなく、明るい態度でハキハキと望みましょう。市民の相談に真摯に対応できるかどうかという資質も見ます。

受験生の数が極端に少ないので受験に関する情報がほとんど無い

消費生活相談員資格試験は受験者数が1000人に満たないマイナーな試験です。そのため市販のテキストもなく試験に関する情報も少ないです。

 

一般的に下記が3点セットとしてよく利用されています。

  • 消費生活アドバイザー受験合格対策
  • ハンドブック消費者(無料ダウンロード可)
  • くらしの豆知識

これだけでも十分に合格は狙えます(下記で紹介しているので参考にしてください)。

 

学習期間としては、1日2時間以上勉強して6か月程度は必要です。もちろん個人差はあります。

 

消費者問題については、日頃から新聞の切り抜きをスクラップして勉強に役立てるのはもちろんのこと、「くらしの豆知識」「ハンドブック消費者」等で知識を補う必要があります。

消費生活アドバイザーに合格して消費生活相談員資格を得る方法もある

平成28年度より、消費生活アドバイザーの試験に合格した者は消費生活相談員資格も同時に取得できるようになりました。

 

消費生活アドバイザーの試験に挑戦して、国家資格である消費生活相談員資格を取得する方法もあります。若干難易度はこちらの方が低いようです。

消費生活相談員資格 試験情報

試験日

お申込み

1次:10月中旬
2次:12月中旬

6月下旬〜8月上旬

受験資格

受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。

試験内容

本試験では、第1次試験(選択式及び正誤式筆記試験+論文)と第2次試験(面接)を実施します。なお、一定の要件に該当すれば申請により第2次試験が免除されます。
[試験科目]

  • 商品等および役務の特性、使用等の形態その他の商品等及び役務の消費安全性に関する科目
  • 消費者行政に関する法令に関する科目
  • 消費生活相談の実務に関する科目
  • 消費生活一般に関する科目
  • 消費者のための経済知識に関する科目

【第1次試験】
(A)選択式および正誤式筆記試験(180問180点):2時間30分
(B)論文試験:2時間
論文試験は、相談内容を分析し、問題点をまとめ、資料を作成する能力を判定するために出題します。このため、「体験談」や「感想文」といった作文ではなく、客観的な事実に基づき論理的に考察した論文である必要があります。
【第2次試験:15分程度】
上記試験科目より出題します。
消費生活相談を行う上での知識のほか、コミュニケーションスキルやヒアリング力などの技術を総合的に評価します。
[合格基準]
第1次試験
・選択式及び正誤式筆記試験:180点満点中、原則として65%以上の得点
・論文試験:100点満点中60%以上の得点
第2次試験
・2人の面接委員(判定者)の評価(5〜1の5段階)の合計点が、5点以上の者

試験に関する詳しい情報は消費生活相談員資格試験・消費生活専門相談員資格認定制度_国民生活センターをご覧ください。受験要項[PDF形式](3.8MB)からダウンロードできます。

消費生活相談員資格 おすすめ問題集

下記のおすすめ問題集・おすすめ参考書は消費生活アドバイザーと重複していますが、消費生活相談員の受験用にも一般的に使われています。

消費生活アドバイザー受験合格対策 2020年版

多くの受験生が利用している問題集・参考書です。

 

毎年ほぼ5月に販売されていますが、常に最新版を購入しなくても受験対策としては使えますが、新しい法律や制度ができた場合は別途消費者庁等のサイトでチェックする必要はあります。

 

とにかく分厚い本です。最初から全部通して読まず、必要な分野に絞って勉強しましょう。各章ごとに切り取って使う人もいます。

 

論文調の記載なので、初学者にとっては難解に感じられるでしょう(他社の参考書も同じくらい分厚くて分かりずらいです)。もう少し分かりやすい説明があった方が良い気もします。

 

消費生活アドバイザーの試験対策本ですが、消費生活相談員の試験にも対応しています。

種類 評価
問題集・参考書

消費生活相談員資格 おすすめ参考書

くらしの豆知識〈2020年版〉

くらしの豆知識は、暮らしに役立つ情報をまとめた本です。消費生活アドバイザーの受験には必須の参考書・テキストで、2次試験の論文対策にも使えます。

 

国民生活センターに寄せられている悪質商法の事例がたくさん紹介されていて、手口やその対策方法が分かりやすく簡潔に解説されています。

 

毎年9月初旬に発売されます。1次試験用には前年に発売されたものを購入してください。

種類 評価
参考書
ハンドブック消費者〈2014〉

こちらも受験生には必須の参考書です。費者政策の概要がコンパクトにまとまっています。

 

消費者基本法や消費者基本計画、消費者契約法なども全文載っているのでテキスト代わりに使えます。消費者政策に関心のある人には必読の本です。

 

無料でダウンロードすれば印刷して利用できますが、購入したほうが見やすいと思います。

 

※↓こちらから無料ダウンロードできるのでご利用ください。
ハンドブック消費者 | 消費者庁

 

※不定期で発行しています。上記が2019年11月現在では最新版です。

種類 評価
参考書

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