サービス接遇検定
現実には合格者イコール接客態度が身に付いているとはみなされない。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
民間資格 |
1か月 |
易しい |
65% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己啓発 |
~1万円 |
誰でも受験可 |
※上記は2級についてです。
最終更新日:2022/11/01
サービス接遇検定とは
ひと口に接客業といっても、レストラン、カフェなどのウェイター、百貨店、小売店などの販売スタッフ、ホテル、公共施設での窓口対応など、さまざまな種類があります。
接客とは「お客様をおもてなしするサービス」で、お客様に満足感を与える行為です。商品の販売と違って目に見える形となって残りませんが、非常に重要であるのはいうまもありません。お客様に接するスタッフひとり一人が質の高いサービスが求められています。
「接遇」とは、その満足感を与える居心地のいい時間と空間をお客様に感じてもらうための接客のことをいいます。
サービス接遇検定とは、試験の学習をとおして、サービスに対する考え方や、言葉遣い、接客態度を身につけて役立てていくことを目的とした検定試験です。
主催者サイト:サービス接遇検定 | ビジネス系検定
サービス接遇検定とは民間の検定試験
サービス接遇検定とは、公益財団法人実務技能検定協会が試験を実施する民間資格です。年間5万人近くが受験する人気の試験ですが、知名度は今ひとつです。
実務技能検定協会は、サービス接遇検定の他に、秘書検定、ビジネス文書検定、ビジネス実務マナー検定、ビジネス電話検定などを主催しています。
それらは主に女性を対象としたビジネス系の検定試験です。
役に立つ資格なのか?
サービス接遇検定は就職・転職に役立つのか?
資格や検定試験について書いている多くのサイトでは、役立つ資格などと紹介していますが、残念ながらほとんど役には立ちません。仮に最も難易度が高い1級を取得しても同じです。
よほどサービス接遇検定に理解を示す面接担当者であれば、加点の対象と判断してくれるかもしれませんが、それ以外であれば評価の対象にはなりません。
理由は単純です。接客業に必ず必要な資格ではないからです。
サービス接遇検定に合格していれば、基本的な知識は身に付いていると評価されるかもしれませんが、接客業における実務経験者の方が評価されます。
接客業未経験のサービス接遇検定有資格者よりも、無資格で接客バイト経験者のほうが就職や転職は有利です。もちろん面接時の態度や、経験内容・経歴も重要です。
例えば、高校新卒者であれば、3年まで部活動をしてい方が評価されます。先輩・後輩と接した経験はそのまま接客態度に結びつくと思われるからです。高校の勉強をしっかりして、英検や商業高校なら簿記をを取得する方が得策です。
社会人であれば、短期間で取得できる民間の検定試験よりも面接時の態度の方が評価されます。こういった安易な民間検定では「人柄」までは補えません。
就職や役立つ資格を取得したいのであれば他の国家資格の方が評価されます。民間検定であれば、まだ簿記2級や英検、TOEICの高いスコアの方が役立つでしょう。
簡単な民間資格を持っていれば良い接客・サービスができるのか、ということです。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
サービス接遇検定試験の学習を通して得た知識や考え方、接客方法などを現実に実践できれば有意義で活かせる資格です。
特に小売販売業やサービス業では、実践する機会も多く役に立つでしょう。
ただ合格しましたという事実のみではあまり意味はないです。履歴書に書くためだけに取得しても全く資格は活かせません。
例えば、ホテルに就職を希望しているのであれば、試験の勉強で学んだことを現場でどう実践していきたいのか、知識を活かす努力をこの先にどうやってするのか、そこまで主張できてはじめて資格は活かせます。
サービス接遇検定3級を取得しました、採用してください、それでは何も活かせません。
サービス接遇検定と秘書検定、どちらを目指すべき?
サービス接遇検定と秘書検定、どちらを学んだ方がいいか?そんな質問がネット上に多くあるようです。
関連資格:秘書検定とは
秘書検定は、ビジネスマナーが中心で、対象は限られた範囲の人です。相手との上下関係を考えた上での対応の良さを追求します。
それにに対しサービス接遇検定は、対象は不特定多数で、相手が快適であると感じるような態度や言葉遣いで接することを追求しています。
どちらも対人関係が重要ですが、秘書検定はビジネス、サービス接遇検定は接客という違いで判断すればよいでしょう。
仮に不特定多数のお客が想定されるのであればサービス接遇検定です。企業で顧客との対応を考えているのであれば秘書検定でしょう。
知名度であれば、秘書検定の方が圧倒的ですけど。
難易度で考えれば、秘書検定2級の合格率は50%前後、サービス接遇検定2級の合格率は65~70%前後ですので大差はないですが、秘書検定の方が若干難しいようです。
1つ言えるのは、両資格とも目指しても2級までで十分です。それ以上を目指しても時間ばかりかかって、それほどメリットは期待できません。
ちなみに、両方ともに文部科学省後援となっていますが、単に「公的」と称して受験生を集めているだけです。公的資格の制度は既に廃止されています。別段公共性が高い資格ではありません。
関連情報:公的資格(旧認定資格)について
はじめるなら2級から
初学者であってもまずは2級からの受験をおすすめします。
出題範囲も3級と2級はほとんど同じですし、2級のほうが長文問題が多いくらいで、難易度もそれほど変わりません。
2級の範囲に3級も含まれているので、違うテキストや問題集で勉強する必要もありません。
2級でもかなり易しい部類ですので、比較的短期間で合格できます。
同日に3級と2級の同時受験も可能ですが、普通に合格を目指して勉強している人であれば、どちらも合格します。
接客サービスマナー検定との違いは?
よく似た試験で、接客サービスマナー検定というのがありますが、どう違うのか・・・
どちらも社会人・販売員として、お客と接客する際の言葉遣いや態度、一般常識やビジネスマナーなどについて問われる民間の検定試験です。
ただ、接客サービスマナー検定は、外国人に対する対応も問われます。簡単な英会話の穴埋め、文章作成、英単語の知識を問う問題も出題されます。その点が大きく異なりますが、レベルとしてはそんなに難しい内容ではないです。
接客サービスマナー検定はNPO法人日本サービスマナー協会が主催しています。歴史も浅いため受験生も少なく、超マイナーな試験です。
どちらか選ぶのであれば・・・サービス接遇検定の方がまだ良さそうです。
合格するには
サービス接遇検定試験は、難易度の低い順に、3級、2級、準1級、1級に別れています。
筆記試験は全級(準1級は面接のみ)とも「理論」と「実技」に出題区分されていますが、解答方法はマークシートと記述です。準1級は、2級合格者が対象で試験は面接のみです。
サービス接遇検定は2級からの受験でも、1日1時間ほどの学習でも、1か月あれば合格できます。2か月あれば余裕でしょう。
こういった試験は、分厚いテキストを読むというよりも、薄いテキストを何度も読む方が早く知識が身に付きます。あとは、とにかく過去問を解いて問題に慣れることです。
1級になると模擬電話トークを面接担当者の前で披露
1級になると難易度は上がりますが、それでも35%ほどですから極端に難関でもないです。
1級の面接試験は2人1組で行うロールプレイング形式です。
面接課題は「テレセールス」と「セールストーク」の2つです。2人1組になってロールプレイング形式でおこない、所要時間は1組10分程度です。
まずは、面接室に入る前に課題を3分間で覚え、実際に面接担当者の前で模擬電話セールスと模擬電話トークを披露します。
初対面の人を相手に、静まり返った室内で面接です。当然ですけど緊張して声も震えます。かなりの度胸も必要です。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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【3級・2級・1級筆記】6月と11月 【準1級】7月と12月 【1級面接】6~9月または11~翌年2月 |
4月上旬~5月上旬 |
受験資格 |
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受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。 |
試験内容 |
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【試験内容】
詳細は以下のとおりです。
■3級:サービス接遇実務について初歩的な理解を持ち、基本的なサービスを行うのに必要な知識、技能を持っている
■2級:サービス接遇事務について理解を持ち、一般的なサービスを行うのに必要な知識、技能を持っている
【合格基準】筆記試験は、全級とも「理論」と「実技」に領域区分されており、それぞれの得点が60%以上のとき合格になります。 |
試験に関する詳しい情報は受験要項 | サービス接遇検定をご覧ください。
おすすめテキスト・基本書
サービス業教科書 すらすら合格 サービス接遇検定 準1級・2級・3級 テキスト 問題集 | |||||
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サービス接遇検定の3級と2級の受験に対応したテキスト&問題集です。
筆者はサービス接遇検定試験の面接審査員ですから、信頼性が高いといえます。
一般常識の範疇ともいえる内容も多いですが、試験対策として実用的な内容となっています。この1冊で十分に2級の範囲はカバーしているので、繰り返し学習すれば合格できます。巻末には、実際の試験と同じ形式、難易度で作られた3級と2級の模擬試験がついています。
試験対策用のテキストとしてはかなり使い勝手が良いので利用者が多いです。 |
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