建築CAD検定は意味ない?求人は多く就職や転職に活かせる
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 普通 | 60% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 6か月以上 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 2,597件(※28件) |
- 上記は2級に関する数字です。
- CADオペレーターの求人数は2,597件、建築CAD検定合格者を優遇する求人は28件見つかりました。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年9月18日に集計。
建築CAD検定試験とは、パソコンでCADソフトを使って建築図面がうまく描けるかどうかのスキルを問う民間の認定試験です。
CADオペレーターの求人は豊富です。
経験者はもちろん優遇されますが、意外と未経験者でも採用されます。
6か月間勉強して2級を取得するくらいなら、思い切って「未経験者可」という求人に応募すれば意外とすんなりと採用されるかも!
特に女性におすすめです。
建築CAD検定試験とは
CADによる図面作成に特化した検定試験
建築CAD検定試験は、パソコンのCADソフトを使って建築図面がうまく描けるかというスキルを問う民間の認定試験です。全国建築CAD連盟(AACL)が主催しています。
試験は、CADソフトを利用した建築の図面作成に特化しています。
試験会場では、パソコンにインストールされたCADソフトを使って図面を描き、操作技術が一定の基準を満たしているかを判断します。
建築CAD検定は、難易度の低い順に、3級、2級、准1級の3段階に分けられています。
4級もありますが、こちらは高校生が対象になり一般の人は受験できません。
建築CAD検定は、図面作成の実技試験のみです。
※ちなみに、よく間違えて表記されてますが、準1級ではなくて准1級です。
主催者サイト:【建築CAD検定試験】AACL-(社)全国建築CAD連盟
建築の世界ではCADシステムは必須
CAD(キャド)とは、Computer-Aided Designの略称で、コンピュータやパソコンを使ってデジタル化した設計図面を作成支援するシステムのことです。
マウスを使って画面上で確認しながら製図を仕上げていきます。
その昔、シャープペンや鉛筆で製図をしていましたが、これがかなり大変な作業でした。
間違ったら消して、また書いて、やり直して・・・高度な専門知識とうまく仕上げるテクニック、それに根気が必要でした。
ところが、CADと呼ばれるシステムが普及するにつれ、コンピュータやパソコンでキレイで見栄えの良い製図が比較的短時間でできるようになりました。
CADが世の中に普及しはじめた頃は、大型コンピュータなどを利用していたので価格も数百万円以上はしていました。
その後、パソコンで動いてしかも高性能・低価格のCADソフトが世の中に出回ると、イッキにCADは普及しました。最近では無料のソフトが主流です。
建築の世界では、今やCADは必須です。
一般的に、「AutoCad」や「JwCad」などがCADソフト・CADシステムと呼ばれ利用されています。
就職や転職に役立つ資格なのか?
CADオペレーターの求人はかなり多い!
CADは建設会社だけではなく、部品製造、木材加工、金属加工、配管、電子部品設計・・・多くの製造の分野で利用されています。
そのため、CADオペレーターは需要があります。
全国で探してみると2,500件以上は常に求人が見つかります。
各都道府県あたり50件以上の求人ですから、これは相当な数です。
決して高給ではないですが、多くは正社員としての募集です(地方へ行くとパート・アルバイトの求人が目立ちます)。
現場からCADが無くなることも当分ないでしょうから、CADを使いこなせる人材の需要は今後も見込めます。
CADについて学習するのは無駄ではありません。就職や転職につながる役に立つ資格です。
十分勉強するメリットはあります。
資格までは求められていない
ただし、CADシステムを使う会社では資格までは求めていないようです。
先程求人は全国で2,500件以上と説明しましたが、建築CAD検定の有資格者という条件になっている求人は28件と激減します。
資格を持っているよりも、CADの実務経験がある方優遇、あるいは未経験者可(全体の70%ほど)となっているケースが多く、ある程度パソコンが触れたら大丈夫なようです。
就職や転職のために建築CAD検定試験やその他のCADに関する検定を取得するのであれば、合格すれば就職や転職は有利になるでしょう。全くの未経験者よりもかなり評価は高いはずです。
けれど、2級合格までに6か月の勉強時間を要するのであれば、いっそのこと未経験者で応募する方がおすすめです。
「入社後はしっかり教育しますので、安心してください」とわざわざ明記してある会社も多いです。
建設業をはじめとして製造の現場はどこも人手不足ですから、年齢制限さえクリアできれば採用される可能性は高いと思います。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
建設業界は万年人手不足です。CADが使えるというだけで就職の選択肢が広がります。
今後も需要はあるので、建築CAD検定試験の勉強をするのはそれなりに意味があります。
一度技術が身に付けばもちろん仕事に活かせます。
建築CAD検定試験2級以上であれば履歴書に書けば十分アピールできます。
もちろん意味ないなどとは言いません。ステップアップするための道具として取得するのであればメリットも十分です。
再就職を考えている女性であれば、CADオペレーターの派遣の時給相場は1700円程度です。
普通の事務職よりも高い時給の仕事を見つけられます。時給1200円程度のバイトならさらに多いです。
JwCADが利用者も多くおすすめ
建築CAD検定試験では、各級とも広く出回っている汎用のCADソフトを使用して図面を作成します。
例えば、AutoCAD、AutoCAD LT、Jw_CAD、Vector Works、DRA-CADなどです。図面の自動生成機能を持った建築専用CADで受験はできません。
試験では、課題に沿ってCADコマンドを駆使して作図します。
点、線、円、楕円、文字、引き出し文字、寸法線、移動、複写、回転、レイヤなどなどの基本コマンドの操作をマスターしていれば、どんなCADソフトで受験するかで有利・不利などの違いはないです。
利用者の割合は、AutoCADが6割、2割がJwCAD、残りがその他のCADになります。
JwCADは無料で誰でも手に入ります。しかも動作が軽いので本当は利用者が最も多いと言われています。
AutoCADとJwCADが大多数を占めていますが、この2つのどちらかであれば汎用性が高いです。
市販の参考書はこの2つを基本としているので、学習をすすめやすい利点もあります。
AutoCADは安くないので個人で購入するには考えてしまいます。
やはり、無料で使えて参考書も多いJwCADからまずは始めるのがおすすめです。
それに、JwCADは独学に向いています。
※こちらからダウンロードできます。
参照:Jw_cadのページ
合格するには
受験方法は、実際にパソコン上でCADソフトを使って図面を作成する実技試験です。
受験方法は次の2種類から選べます。
- 試験会場に設置されたパソコンを使って試験を受験する
- CADソフトをインストールした自分のパソコンを会場に持ち込んで受験する
試験会場は毎回異なります。会場によってあらかじめインストールされているCADソフトもそれぞれ異なるので少し厄介です。
試験会場に設置されたパソコンを使用する場合は、主催者公式ホームページにて会場所在地・試験実施級・会場設置のCADソフト等を必ず確認した上で受験の申し込みを行いましょう。
建築CAD検定試験は、何級からでも受験できます。
自信があればいきなり准1級でもかまいません。
作図する課題は、各級とも出題内容があらかじめ決められています。
そのため、学習方法としては出題内容を踏まえた問題集や図面をCADで繰り返し描く練習をすることです。
できる限り多くの作図問題を練習しましょう。
公式の「建築CAD検定試験問題集」が販売されていますが、書店やAmazon等を通しての販売はしていません。
下記主催者サイトで直接お申込み下さい。公式ガイドブックは書店やAmazonで購入できます。
参考:【建築CAD検定試験】AACL-(社)全国建築CAD連
建築CAD検定試験は独学でも3級や2級までは取得できると言われていますが、建築の知識もパソコンの知識もゼロの初学者であれば相当に厳しいでしょう。
専門学校やCADを学べるスクールに通う方法もありますが、あましおすすめしません。
建築CAD検定の3級で検索すれば、優良なyoutubeの動画はたくさんあります。参考になるので必見です。
おすすめの通信講座
職業訓練(ハロートレーニング)で習得するのがおすすめ
建築CAD検定試験について学ぶおすすめの講座は、なんといっても職業訓練(ハロートレーニング)です。
高いお金を払ってCADの専門学校やスクールへ通う必要なんて全くありません。そこで建築まで習って将来建築士を目指すのであれば話は別ですけど。
現実的に多くの人が職業訓練校で学んでいます。
料金は格安で、しかも受講期間は3~6か月とかなり本格的です。
求人情報を検索すると「職業訓練校でCAD・CAMを学んだ方歓迎」と明記している求人も見つかるくらいです。
建築CAD検定2級の合格率は約55%と比較的高めですが、まったくの初心者が公式テキストと問題集だけで合格するには少し無理があります。
やはり最低限の建築の知識も必要ですが、そういった勉強もカリキュラムに含まれています。
受講するには、受講者の条件(ハローワークに求職登録している方等)や、選考方法(書類選考・面接・筆記)などが定められている場合もあれば、それらが全くない訓練科・コースもあります。
下記のサイトから全国のハロートレーニング(職業訓練)のコース情報が検索できます。是非ご利用ください。
参考:ハローワークインターネットサービス – 職業訓練検索・一覧
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
建築CAD検定試験の公式ガイドブック(テキスト)です。
4級から准1級まで全てのレベルに対応し、2級・3級の解法例をJw_cadとAutoCADで解説しています。
実際に出題された問題の解法例を掲載し、試験に必要な基礎知識をわかりやすく説明しています。
全くの初学者が、このテキストだけで独学で合格するのは難しいです。やはり建築の知識も必要です。
※公式過去問題集は、書店やAmazon等では販売していません。主催者サイトから購入してください。
種類 | 評価 |
テキスト |
おすすめ参考書
本当にはじめてAutoCADに触る人用に作られている入門書です。
図解中心でわかりやすく初心者でもスムーズに勉強できるように配慮されています。
初めて使う方人でも無理なく作図ルールと直線や円などの基本機能を習得できるよう、わかりやすい言葉で丁寧に説明しています。
作図で実際の画面の写真が豊富に使われていて、どこをクリックすればよいのか直感的に理解できるようになっています。
本書は数多くの初心者向けのスクールのセミナー、専門学校の授業で採用されています。
種類 | 評価 |
参考書 |
Jw_cadで建築製図を簡単にマスターするための入門書です。
初学者が授業で製図を学ぶように建築図面の描き方を初歩からやさしく解説しています。
建築知識ゼロの素人でもわかりやすく学習できます。製図についての予備知識があまりなくても、繰り返し操作しているうちに憶えられます。
基礎的なことを身に付けるには良い参考書です。
この本の通りにやればJw_cadの基本が自然と身に付きます。
種類 | 評価 |
参考書 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
【3級・2級】4月、10月
【准1級】10月
お申し込み
主催者ホームページ参照
一般受験の申し込みについて
受験資格
制限はなく、どなたでも受験できます。
試験会場
一般受験:全国各地
団体受験:試験認定校
受験料
准1級:14,700円
2級、3級:10,500円
4級:3,150円 ※高校での団体受験のみ
(各税込、2024年4月7日現在)
試験内容
すべてパソコンを使った実技試験のみです。CADソフトを用いて建築図面を作成します。
【試験内容】
《3級》
試験時間:2時間
与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかを問う。
試験は実技試験で、建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を一定時間内に作成する。なお問題数は4題である。
《2級》
試験時間:5時間
自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかを問う。試験は実技試験で、一定時間内に建築一般図を2面作成する。
《准1級》
試験時間:4時間10分
課題として与えられた建築図面(RC構造等)を、自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させる。試験は実技試験で、建築一般図を4面作成する。
※4級は高校による団体受験のみです。
合格基準
- 3級:200点満点中140点~150点を目安とする
- 2級:250点満点中190点~200点を目安とする
- 准1級:4図面すべて完成の場合を合格とする
主催者情報
試験に関する詳しい情報は【建築CAD検定試験】AACL-(社)全国建築CAD連盟をご覧ください。