発破技士になるには?難易度や合格率・勉強方法などを解説
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 易しい | 60~70% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~6万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 9件 |
- 取得費用は発破実技講習を受講した場合です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年4月20日に集計。
発破技士とは、ダイナマイトを使って爆破(発破)をする際の一連の作業を行う技術者です。
試験は簡単なので、1か月ほどの勉強時間で合格できるはずです。
合格後は、実務経験がなければ発破技士講習を受講して免許を取得します。
なお、火薬の保管・管理を行うのであれば、火薬類取扱保安責任者の国家資格が必要です。
発破技士とは
責任と危険が常に伴う作業
老朽化した建物の解体、土木作業現場、採石場などでダイナマイトを使ってコンクリートや岩石の爆破(発破)などの作業を行うには発破技士の国家資格が必要です。
発破技士は、火薬類を用いる発破の作業である穿孔(せんこう:爆薬を埋める穴を開ける)、装填(そうてん:爆薬を実際に据付ける)、結線(けっせん:爆薬と爆薬を起爆させるための信管をつなぐ作業)、点火、不発の際の残薬点検と処理などの業務に従事します。
発破を設置する際には、建物の立地や岩盤の硬さなどの状況を考慮し適切なダイナマイトの容量を算出します。作業には危険も責任も伴います。
発破技士には火薬に関する豊富な知識や正しい取り扱い方法だけではなく、現場での指導力や判断力、慎重さが求められます。
※日本で発破技士の資格が必要となるのはトンネル工事や砕石現場がほとんどです。ビル解体で爆破をする機会はめったになくマレです。
発破技士になるにはどうしたらいいの?
発破技士とは労働安全衛生法に規定された国家資格です。
国家試験に合格し、都道府県労働局長から免許の交付を受けると発破技士の業務に従事できます。
発破技士になるには以下の2つの条件をともに満たさなければなりません。
- 発破技士試験に合格する
- 実務経験を積む(発破の補佐作業の経験が6か月以上)
※その他に、一定の学歴+3か月以上の実地修習という条件もあります。
試験は誰でも受験できます。
本来であれば、6か月以上の現場経験が求められますが、なければ全国火薬類保安協会が地域別に行う「発破技士講習」を修了することで、実務経験と同等と見なされます。
免許取得後は通称「青手帳」と呼ばれる「火薬類取扱従事者手帳」の更新が2年毎に必要です。
更新講習を受けなかった場合は手帳が失効してしまうので業務に従事できなくなります。
ただし、発破技士の資格は一度取得すれば一生涯有効です。
失効した場合は免許の交付を再度申請するか、あるいは再度講習を受講すれば手帳を取得できます。
役に立つ資格なのか?
非常にマイナーな国家資格
発破技士の2022年の受験者数は480人と少なく、非常にマイナーな試験です。
同じ火薬を扱う火薬類取扱保安責任者の受験者数2,813人と比べても大きく下回っています。
そのため、全く未経験者や学生などが取得しても就職や転職が有利になることないでしょう。
発破を行う企業へ就職・転職希望でしたら、発破技士免許を持っていればもちろん有利になりますが、やはり現場での経験が求められます。
この資格がないと発破業務はできないめ、月に数万円の資格手当を支給する企業もあります。
発破技士は土木作業現場や採掘現場などで必要とされることが多いので、既に土木関係の仕事に就いている人が取得すれば仕事の幅が広がる可能性があります。
可能であれば火薬類取扱保安責任者がおすすめ
発破の作業を行うには発破技士の資格が必要ですが、発破に使用する火薬を保管する際には「火薬類取扱保安責任者」の国家資格必要となります。
つまり、発破技士は発破作業における穿孔、装填、結線、点火、不発の際の残薬点検と処理などの業務に限定されます。火薬の保管・管理はできません。
火薬庫における火薬の貯蔵・保管、調達等は、火薬類取扱保安責任者の業務です。
発破技士は火薬類取扱保安責任者が持ってきた火薬で、発破の準備から発破そして後片付けをする「発破に限定した技士」という位置づけなんです。
さらに、火薬類取扱保安責任者であれば発破技士の仕事も行えます。
可能であれば火薬類取扱保安責任者を取るべきです。
持ってるとなんとなくカッコいい資格?
発破技士は比較的取得しやすい国家資格です。
それで、持っていればなんとなくカッコいい・・・という理由だけで取得する人もいるようです。
個人で作る名刺に「発破技士」なんて印刷すれば、もらった人はちょっと驚きます。
話しのネタとしては十分です。
くだらない民間資格よりも、そこは国家資格です。相手に与える破壊力は十分ですよ!
発破技士講習は安くないのであまりおすすめしませんけどね。
講習の費用は、東京都火薬類保安協会の場合、43,600円(一般)+テキスト代6,900円となります。
発破技士になるには
発破技士の勉強方法や勉強時間の目安
発破技士合格に必要な勉強時間は、1日2時間としても2週間、余裕を持っても1か月ほどあれば大丈夫でしょう。
もちろん個々の事前の知識や能力によっても大きく違います。
勉強方法は単純です。テキストを繰り返し読んで、過去問題集を繰り返し解くだけです。
問題集で理解できない点があれああばテキストに戻って復習します。
1度では理解できない問題も繰り返し解いて、さらにテキストを繰り返し読むことで徐々に記憶や知識が定着します。
発破技士の試験は、過去に出題された問題やよく似た問題が多く出題されます。そのため過去問題集は重要です。
発破技士の試験問題では、簡単な計算問題が出題されることがあります。
計算問題といっても複雑ではない計算なので、計算の方法だけ把握しておけば問題ありません。
比較的簡単なので計算問題を捨てるのはもったいないです。計算問題は点数を取りやすいんです。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
労働安全衛生法に基づく発破技士免許試験のための受験準備用テキストです。
本試験はこの本からそっくり出題されます。
過去問題集と合わせて勉強すればおそらく合格できるはずです。
この資格の学科試験に関しては必須の一冊です。
種類 | 評価 |
テキスト |
おすすめ問題集
最新の過去問題から過去10回分を収録し、詳しく解説した過去問題集です。
発破技士の試験は、過去出題された問題や似た問題が多く出題されます。1週間前から勉強はじめまて合格する人もいます。
合格するには必携の一冊です。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
6月と12月の年2回ともに初旬頃に実施します。
お申し込み
- 6月実施分:4月初旬~5月下旬
- 12月実施分:10月初旬~11下旬
受験資格
年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。
試験会場
北海道、宮城、千葉、愛知、兵庫、広島、福岡
受験料
6,800円(2023年6月現在)
試験内容
五肢択一式:2時間
- 発破の方法 10問
- 火薬類の知識 5問
- 火薬類の取り扱い 5問
導火線発破技士、または電気発破技士の資格者は、「火薬類の知識」「火薬類の取扱い」が免除されます。
合格基準
科目ごとの得点が40%以上かつ総得点が60%以上で合格
主催者情報
試験に関する詳しい情報は受験資格(発破技士)をご覧ください。