電気工事士とは?2種でも需要がありできる仕事は多い
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | やや易しい | 50% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | 2~5万円 | 3か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
就職・転職 | 13,411件 |
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月9日に集計しました。
第二種電気工事士ができることは幅広く、住宅や店舗などの新築・増改築時に、電気設備配線図通りに屋内配線を行い、コンセントの設置やアース施工などを行います。
一般的な工事は二種で十分間に合います。大規模な工場やマンションの電気工事ともなると一種が必要です。
電気工事士の資格は需要があり、求人が多く就職に強いと言われています。
試験の難易度はそれほど高くなく難しくありません。
独学でも1~3ヶ月で合格できます。
電気工事士(第二種)とは
電気工事のプロフェッショナル
電気工事士とは、経済産業省が試験を実施する国家資格です。
住宅や店舗などの新築・増改築時に、電気設備配線図通りに屋内配線を行い、コンセントの設置やアース施工などをするのが電気工事士の主な仕事です。
電気工事の欠陥による災害の発生を防ぐため、一定の有資格者でなければ電気工事を行ってはならないと電気工事士法という法律により定められています。
複数人で工事をするのであれば全員が資格を持っていなければなりません。
なお、電気工事士の免状は、国家試験合格後、申請により住所地の都道府県知事が交付します。
素人の電気工事は大変危険!
部屋にもう1つコンセントがあれば便利なのに・・・仕事部屋の天井に証明器具を取り付けたらもっと快適なんだけど・・・それくらいの簡単な工事であれば素人でもできそうです。
ホームセンターへ行けば工事に必要な部品はいくらでも売っています。
そこで買い揃えて、ネットで調べながら日曜大工感覚で工事をする人がいます。
でも、ちょっと待ってください。
何も知識がない人が電気工事をすると当然大きなリスクが常につきまといます。
まずは感電です。自分以外の家族が感電するかもしれません。
火事の危険だってあります。波及事故として周囲一帯が停電すれば損害賠償問題にまで発展します。雷で一瞬停電するのとはワケが違います。
第二種電気工事士と第一種電気工事士の2種類がある
電気工事士は、従事できる工事の範囲により第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれます。
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な店舗などで「低圧(600ボルト以下)」の電気工事をする際に必要な資格です。
例えば、建物の屋内配線、コンセントの設置などです。
第一種電気工事士は、工場、ビル、マンションなどで「高圧(600ボルト以上)かつ最大電力500キロワット未満)」の電気工事をする際に必要な資格です。
例えば、電気の配線、分電盤やコンセントなどの電気設備の設置作業、照明の取り付けなどす。保守やメンテナンスなどもします。
簡単に言うと、第二種電気工事士ができる工事は小規模な家や店舗に限られますが、第一種電気工事士は大規模な工場やマンションまで広い範囲の工事ができるということです。
第二種電気工事士の資格があれば一般的な工事は十分間に合います。
まずは第二種電気工事士の資格取得をおすすめします。
電気工事士の資格を取得して仕事に活かさなかったとしても、自宅のちょっとした電気工事もできるようになるのでとっても便利です。
主催者サイト:電気工事士って何だろう?|ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
役に立つ資格なのか?
中高年でも就職につながりやすい
電気工事士の資格は一般的に求人が多く、就職に強いと言われています。
それは、電気は生活に必要不可欠なので、不景気とは言え電気工事の仕事がなくなることがないからです。
電気工事士は中高年であっても転職に役立つ資格です。
取得しやすく就職先も多く、即効性のある国家資格です。
電気工事士という名称から、非常に高度な専門知識や技能が要求される試験であると思われがちです。
しかし、第二種電気工事士試験は、筆記試験、技能試験ともに、合格率が50%を超える年度も多く、国家資格の中では比較的合格しやい部類に入ります。
とにかく何か資格をとって就職をと考えている方にはおすすめです。
独学でも1~3か月で合格できます。
資格だけ持っていても役には立たない
電気工事士の役立つ点ばかり書きましたが、メリットばかりではなく役に立たない一面もあります。
資格を取得するのはそれほど難しくないので、誰でも数か月勉強すれば合格できます。
資格を持っているだけではなく、当然ですが資格を活かせる仕事を選ばないと全く役に立ちません。
また、個人の能力・ヤル気次第で実力差がハッキリと出てきます。
資格を持っていても現場で使い物にならない人も大勢います。
実力が伴わなければいつまで経っても給料や仕事の単価は低いままです。
電気工事士として就職しても、当然最初は道具持ちの下働きからスタートです。
持っているだけのペーパライセンスでは仕事の進め方など解らず現場では役に立たないからです。
電気工事は決して楽な仕事では有りません。
それを覚悟の上で資格取得を目指すのであれば、将来役立つ機会も多いでしょう。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
繰り返しになりますが、電気工事士は誰でも取得しやすく就職にもつながりやすい国家資格です。
特に中高年の方にとって手に職をつけやすい資格であるため、ハローワークでも多くの講習会を実施しています。
講座受講生の全員が資格取得して就職も全員決まったというケースもあるようです。
こういった成功例はネット上でいくつか紹介されています。興味がある人は一度調べてみると良いでしょう。
電気工事士は「手に職」の資格です。現場での経験を積んで実力が付けば仕事に不自由しません。
有資格者にしか認められない業務独占資格ですから資格手当を支給している会社もあります。
現場での経験を積んで、さらに上位の第一種電気工事士はもちろんのこと、電験三種、1級電気工事施工管理技士を取得してステップアップを目指せます。
現場での工事の経験が3年以上あれば独立も可能です。
電気工事士とは言え建設業の仕事、危険も伴う
電気工事士の仕事は、電気関係というよりもどちらかといえば建築関係に入ります。
いわゆる現場工事です。
まだ電気の通っていない建設中の建物は、当然ですがエアコンも効いていません。
夏の炎天下の中での密閉された室内の作業は想像以上に過酷です。
もちろん冬の寒冷地での工事もします。
危険な場所での作業も普通にします。高所作業はさらに危険が伴います。しかも体力的にキツイです。
相手は電気ですから感電などで最悪死亡に至るケースもあります。
舐めて安全管理を怠ると大きな事故につながります。
そんな中で、安全にしかも丁寧に仕事をしなければなりません。
電気工事士のデメリットは、事故やケガなどのリスクと常に隣合わせだということです。
それで仕事ができなくなる恐れもあります。
認定電気工事従事者とは?
本来、第一種電気工事士の資格が必要な作業において、それ以外の者でも一定の条件の下で工事できるよう認定するのが認定電気工事従事者の資格制度です。
これにより、通常は第二種電気工事士では扱えないビルや施設などでも、600ボルト以下であれば工事ができるようになります。
第一種電気工事士の試験に合格しても免状を申請するには3~5年の実務経験が必要です。
認定電気工事従事者は、その期間のつなぎの資格ということです。
認定電気工事従事者とは、試験による資格取得ではなく講習を受けて認定をもらいます。
第二種電気工事士免状だけの取得者でも、一定の実務経験があれば申請すると認定されます。
第二種電気工事士を取得したらぜひ取りたい資格です。業務の範囲がプラスアルファされるメリットがあります。
5年ごとに講習会の受講義務があるのは第一種のみ
第一種電気工事士は、免状の交付を受けた日から5年以内に定期講習の受講が義務づけられています。
5年ごとの講習を受けなかったら資格を喪失するのでは?と勘違いをしている人が多いようですが、自動車などの運転免許と違って有効期限が過ぎても自動的に失効しません。
まず、第一種電気工事士の免状には有効期限が記載されてません。記載されているのは公布日と講習の受講年月日だけです。
「講習を受講する義務」があるだけで「講習を受けて更新する」のとは意味が違います。講習を受けない場合でも免状は有効です。
ただし、電気工事士法違反となって都道府県知事から「返納」命令がいずれ来るでしょう。返納すると無資格扱いになります。
なお、第二種電気工事士は講習の受講義務がないので間違えないように。
合格するには
独学でも1~3か月で合格可能
第二種電気工事士の試験はそれほど難易度も高くはなく難しくありません。独学でも1~3ヶ月で合格できます。
試験は学科(筆記)と技能(実技)があり、筆記試験の合格者のみ実技の試験に進めます。
筆記試験は高校卒業程度の知識のある人なら十分理解できる範囲の内容です。
筆記試験は、テキストで一通り学習してから過去問を5年分ほど繰り返し学習すれば大丈夫です。
事前の知識があれば2、3回、初学者であれば4~6回は繰り返してください。
6回ほど学習すれば本試験で合格点に到達する実力は付くはずです。
余裕があれば予想問題も解きましょう。
計算問題も出ますが、苦手であれば最初から捨ててもかまいません。あるいは適当に解答しましょう(計算問題は50問のうち、3~6問程度)。
計算問題は捨てても6割合格は十分可能です。
電気工事士試験は、過去問題からの出題率が高いので、過去に出題された問題を繰り返しやればかなりの確率で合格できます。
合否を分けるのは実技試験、しっかりと事前の対策を
重要になるのは学科より実技です。
講習会などに参加してしっかり練習しないと難しいでしょう。
技能試験用工具や練習用部材の購入で2~3万円は必要です。
実技試験用の電気工事道具セットはインターネットでも購入出来ますし、秋葉原の電材屋さんではセット販売もしています。
実技に関しても理解してしまえばそんなに大変なものではないです。
配線図を見て短時間でで作業を終えなければならないので、ある程度の慣れが必要です。
実技試験に慣れさえすれば合格は見えてきます。
実技は職業訓練校や実技講習会を利用する方が大手通信教育よりも実践的に教えてもらえるのでおすすめです。
テキストは通信教育の高い教材を買うよりは評判の良い参考書や過去問を選んだ方が安上がりです。
余ったお金を実技講習会に回せます。
参考:電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント(pdf)
まずは無料の資料請求
おすすめの通信講座
JTEXは40年の実績があります。主に企業単位での受講者が多いのが特徴です。
効率よく学習できるように工夫されたテキストで合格に必要な知識が着実に身に付きます。値段もお手頃です。おすすめの通信講座です。
受験生指導の実績も豊富で、これから学習を初めたい人にはおすすめです。
通信講座を利用して合格した人の多くは、このJTEXを利用しています。下記はともに同じ講座です。動画配信も行っています。
※こちらから受講申し込みができます。
※こちらから受講申し込みができます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト・基本書
筆記+技能となっていますが、「筆記対策本」のテキストと思ってください。
全体的にイラストや絵が多く、フルカラーなので初学者にとっては単なる解説よりもイメージがしやすくなっています。
解説も上ポイントを絞っていて、非常に噛み砕いた説明や実物の写真を多く採用しています。とにかく読みやすい本です。
また練習問題もあり、同じページにヒントも書いてあります。
これ1冊で十分合格の力が身に付きそうです。おすすめです!
種類 | 評価 |
テキスト |
おすすめ問題集
筆記試験は過去問に似た問題が繰り返し出題されます。
従って、過去問を3~4年分マスターできれば合格は見えてきます。過去問を繰り返しするというのが一番効率的な学習法です。
この問題集はとにかく評判がいいです。過去20年間の試験問題が掲載されており、1問1問にわかりやすい解説を載せてくれていて非常に理解しやすくなっています。
初学者の方でも繰り返し問題を解き解説を読んでいくうちにその内容を理解できるようになります。
これ一冊を手元において、ひたすら練習すれば合格できます。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
これから独学で学習をはじめる方にはちょうどよい本です。
工具の使い方をはじめての人が理解するのにはぴったりです。カラーで見やすくなっています。
この一冊で、技能試験のポイントは十分つかめます。完成度がとても高く、本としてはこれかなり評判がよく、使っている方も多いです。
工具の使い方、複線図の書き方について覚えてから、参考書を買ってさらに勉強すれば完璧です。
種類 | 評価 |
技能試験対策 |
おすすめ参考書
分数すら忘れて数学は全然ダメという方人にもおすすめです。
ある程度の数学知識(三角関数・分数の計算・ルートなど)があればこの本は不要です。
ただし、電気初学者の方にはぜひおすすめの1冊です。この本は、基礎数学のみならず、それを応用した電気数学(電気回路計算への数学知識の応用)が載っています。
この本によって、数学の基礎・電気回路への応用を学べます。第2種電気工事士の計算問題はほぼ克服できるでしょう。
種類 | 評価 |
参考書 |
この手のマンガ入門書はだいたい評判がよくないのですが、この本はかなり評判はいいです。
試験に対しての敷居を低くするための本で、難しいことが全く書いてありません。
この本を読んだ後なら、レベルの高い教材の理解も早くなります。実にすばらしい本です。
第二種電気工事士のテキストで難しそうだなあと思っていても、これを読むことでそのテキストが簡単に見えてきます。
技能試験のDVDも付いてます。特に初学者の方にはおすすめの1冊です。
種類 | 評価 |
参考書(マンガ) |
必要な工具が揃っているので、バラで揃えるより断然お得です。これだけあれば、家庭用電気配線はすべてできそうです。
テスト後も考えるならお勧めです。
種類 | 評価 |
工具セット |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
※試験は年2回実施します。
上期:筆記6月上旬/技能7月下旬
上期:筆記10月上旬/技能12月上旬
お申し込み
※1年に受けられるのは上期・下期どちらかです。
上期3月上旬~4月上旬
下期6月中旬~7月上旬
受験資格
受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。
試験会場
各都道府県
※試験地は選べますが試験会場は選択できません。
受験料
インターネット申込み: 9,300円
郵便申込み: 9,600円
(各非課税)
試験内容
試験には筆記試験と技能試験があります。
【筆記試験】:マークシートによる四肢択一方式です。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
【技能試験】:筆記試験の合格者と筆記試験免除者が対象です。
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器及び配線器具の設置
- 電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物の検査
技能試験は、持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法でおこないます。
合格基準
【筆記試験】
- 100点満点中、60点以上で合格。
※年度により基準は異なります。
【技能試験】
- 「欠陥の判断基準」に基づき作品の欠陥の有無を判定し、最終的には試験委員会で合否の決定が行われます。
主催者情報
試験に関する詳しい情報は第二種電気工事士試験|ECEE 一般財団法人電気技術者試験センターをご覧ください。