知的財産管理技能士
知的財産関連の仕事をしている人がスキルアップのために受験する資格。
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
技能検定 |
2か月 |
やや易しい |
60% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
知識習得 |
~1万円 |
誰でも受験可 |
※上記は3級の内容ですが、合格率は非公開のため正確な数値ではありません。
最終更新日:2022/12/23
知的財産管理技能士とは
試験には、難易度の低い順に3級~1級があります。
知的財産管理技能検定に合格することで知的財産管理技能士と名乗れるようになり、名刺に「〇級 知的財産管理技能士」と印刷できます。
知的財産管理技能検定は国家資格ですが技能検定の一種です。同じ知的財産系の資格である弁理士と違って独占業務は存在しません。
つまり、合格しても単に能力や知識の証明になるだけであって、特別な業務ができるようになるわけではありません。
かつては民間検定だったが国家資格(技能検定)に昇格
知的財産管理技能検定とは、以前は日本弁理士会が後援していた「知的財産検定」という民間検定でしたが、2008年から国家試験 (技能検定) に移行しました。
試験は厚労省の委託を受けての知的財産教育協会が実施しています。これは知的財産検定の当時と同じです。
主催者サイト:国家試験 知的財産管理技能検定 ホーム
所轄省庁:知的財産権について | 経済産業省 特許庁
知的財産に関する知識を身に付けるための技能試験試験
知的財産管理技能士とは、主に企業内において知的財産の管理・活用を適切におこなう専門家です。
知的財産とは無形財産とも呼ばれており、アイデアやブランドなど直接的な形はありませんが価値を持っているものをいいます。
例えば知的財産の代表例は著作権、商標、意匠、発明(特許)、実用新案などです。
具体的に言うと書籍やゲーム・動画・音楽・画像などの著作物、ブランドの名称やロゴなどの商標、建築物や車のデザインなどの意匠、発明などがこれにあたります。
様々な分野の企業において知的財産の保護の必要性は以前に比べて高くなっています。
知的財産管理技能士が学習する内容は大企業においてニーズが高く、知的財産関連の部署や法務部など資格を活かす部署は増えています。
役に立つ資格なのか?
知的財産管理技能検定は、国家資格とはいえ技能検定試験です。この試験の合格者しかできないような独占業務はありません。
そのため、合格しても具体的に役立つ機会はありません。
知的財産管理技能士の資格は、具体的なメリットはほとんどないと思った方がよいでしょう。それは最も難易度が高い1級であっても同じです。
一応国家資格ですから履歴書に書いてPRできますが、就活中の大学生であってもほとんど就職は有利にはなりません。
知的財産管理技能検定の受験生のほとんどが知的財産関係の仕事をしており、職場でのスキルップのために受験するケースが多いようです。
全く知的財産と関係のない仕事をしている人であれば、合格しても社内での評価は上がりませんし、就職や転職が有利にはなりません。
知的財産管理技能検定は社会的な評価も低い
この知的財産管理技能検定ですが、社会的な評価もあまり高くないようです。原因は、3級の合格率が高すぎた点です。
3級の合格率は学科と実技はそれぞれ80%ほどと高い合格率でした。これなら数時間程度の学習で誰でも合格できます。
国家試験の中で最も簡単な試験の一つと言われ、天下り団体が受験料を稼ぐためだけのザル試験、小学生向けのクイズ、とまで言われていた時期もあったほどです。
ここ数年の3級の合格率は学科と実技ともに60%ほどですから以前よりは難易度も高くなっていますが、それでも3級は入門級で、あくまでも2級の受験資格を得るための試験という位置付けです。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
知的財産管理技能士の資格を取得することで得られるメリットは、特許や商標、著作権などに関して、ビジネスで役立つ知識が身に付く点です。
受験生の多くは下記のような人です。
- メーカーの技術職等の幹部社員
- 企業内で知的財産関連の部署に所属する社員
- 特許事務所の特許技術者または事務担当者
- 弁理士試験対策として受験
多くの受験生は、自己の業務知識を高めるために自発的に受験します。
弁理士試験に備えて腕試し的に受験する人もいますが、既に知的財産関連の仕事をしている人がほとんどで、さらなるスキルアップを目指して受験します。
業務上の知識向上、自己啓発の一環であれば、知的財産管理技能検定の受験勉強は役に立ちます。受験を通して学んだ知識は仕事に活かせます。
あるいは、将来企業内で知財関連の仕事をしてみたいということでこの資格を取得するのは有効かもしれません。
弁理士とはできる仕事が全く違います。
知的財産関係の国家資格は、現在2種類あります。1つは知的財産管理技能検定で、もう1つは弁理士です。
関連資格:弁理士とは
弁理士になると法律上弁理士にしかできない独占業務が可能になります。特許申請などの業務は弁理士にかできません。
一方、知的財産管理技能士は、単に知的財産に関する知識があることの証明にすぎないので、持っているからといって何か特別な業務が可能だというものではありません。
弁理士はあくまでも独立して、外部の専門家として依頼を受けた内容に関して業務をおこなうのであって、会社内で社員としてその業務をおこなえません。一方、知的財産管理技能士は、企業内部での知的財産保護に関わる業務をおこないます。社内でのアドバイザー的な役割を担います。
取得しても3級まで、1級まで狙う必要はありません。
知的財産管理技能士は、あまり就職・転職に役立つ資格とはいえないまでも、法律的な根拠のある国家資格です。堂々と履歴書に書いてアピールできます。
しかし、取得したとしても2級までにしてください。1級はかなり時間をかけないとちょっとやそっとでは合格できません。
もし1級を目指そうと考えているのなら他の国家資格に挑戦した方がいいでしょう。3級はほとんどの方が合格できるのでそれで十分です。
知的財産に関する仕事をしていない人が、むやみに1級の試験まで挑戦するのはあまりおすすめできません。3級でも履歴書に書けるので、それで十分です。
天下り団体のために受験料収入目当てで作った資格。
知的財産管理技能検定は、ファイナンシャルプランナーと同様に国家資格(技能検定)です。
関連資格:ファイナンシャルプランナーとは
どちらの資格も試験の難易度によって1級から3級まで分かれています。3級は短期間の学習でほとんどの人が合格するといいますから試験の価値としては低いと言わざるを得ません。
知的財産管理技能士とは、特許庁の天下り先を確保するために作った機関が実施している怪しげな資格です。
漢字検定や他の技能検定試験同様に受験料の収入が目当ての公的試験にすぎず、天下り団体の収入確保ために作られた試験です。
知的財産管理技能士だからといって弁理士の領域に手を出すと、下手をすると弁理士法に触れますから注意が必要です。
合格するには
知的財産管理技能士試験は技能の内容に応じて、3級、2級、1級に区分されています。
2級は30~40%前後といわれており、3級であれば60%以上で受験者のほとんどが合格しています。3級と2級は、比較的短期間で合格できます。1級の難易度はとても高く、合格率は5%~7%と言われています。
知的財産管理技能検定3級に合格するための所要時間は50~100時間程度と言われています。1日1時間ほど学習すれば2か月ほどで合格できます。
知的財産管理技能検定は、2級と3級のレベル差が大きいのも特徴です。試験問題も難しくなりますが、合格基準点が70%から80%に上がるので、隅々まで学習しなければなりません。
3級合格から2級合格までは、ほぼ倍の学習時間が必要です。
学習方法に関しては、この試験に関しては公式テキストの内容が良いので、普通に公式テキストを購入して学習すするのがおすすめです。テキストや問題集を使って独学で合格できます。
知的財産管理技能検定の実技試験は、事例問題などが出題される筆記試験、ペーパーテストです。問題の内容が実際の業務をイメージしたものになります。回答方法自体は〇×や記号を記入する方式です。
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試験情報
試験日 |
お申込み |
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11月中旬~12月下旬 |
受験資格 |
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【3級】知的管理業務に従事している者、あるいは従事しようとしている者 ※3級は受験資格がなく、どなたでも受験できます。 【2級】①3級合格者 ②知的財産の業務について2年以上の実務経験を有する者 ③ビジネス著作権検定上級の合格者 ④大学または大学院において関連科目10単位以上を修得した者 ⑤2級技能検定の一部合格者 【1級】受験資格について細かく規定されているので主催者ホームページを参照ください。 |
試験内容 |
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以下は3級についての解説です。
試験は、学科試験と実技試験があります。
【学科試験】マークシート方式30問45分
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おすすめテキスト・基本書
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今のところこの問題集が一番良さそうです。教科書や参考書となるテキストはなくても、これ1冊を繰り返して学習すれば本試験合格レベルまでもっていけます。
※学科と実技の2種類があります。 |
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