ウェブデザイン技能検定
Web業界ではあまり評価されない検定試験、2級以上でPR材料になるかも…
種類 | 学習期間 | 難易度 | 合格率 |
---|---|---|---|
技能検定 |
1か月 |
易しい |
60% |
活かし方 | 取得費用 | 受験資格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
自己満足 |
~2万円 |
誰でも受験可 |
※3級についての数字ですがパソコンの習熟度により違います。
※本文中のホームページ、ウェブ、サイトという表現はほぼ同じ意味です。
最終更新日:2022/11/02
ウェブデザイン技能検定(ウェブデザイン技能士)とは
ウェブデザイン技能検定について理解するためには、まずは国家資格でもある基本情報技術者との違いを理解しましょう。
IT関連の国家資格といえば、基本情報技術者が最も代表的です。
関連資格:基本情報技術者
この基本情報技術者試験に合格するためにはどういった能力が必要かというと、それはプログラミングです。
つまり、計算式などに代表されるようなプログラム言語(記号の羅列)を組み立てる(コーティング)能力です。
基本情報技術者には、パソコンの画面上にどのように表示するかというデザイン的な要素はあまり関係ありません。
一方、ウェブデザイン技能検定とは、プログラミングというよりもむしろホームページのデザイン(ウェブデザイン)の能力を問う試験です。
写真やレイアウトをデザインして、パソコンの画面上にどう表示されるかが重要となるので、デザインの能力が問われます。
また、デザイン的な要素とともに、使い勝手のよいホームページをデザインすることも重要です。使い勝手のよいホームページとは、同時によいデザインであるともいえます。
最近ではほとんどの会社は自社のホームページを持っています。センスの良いホームページは会社のイメージアップにもつながりますし、ネット販売を行っている会社であれば内容次第で売上も大きく変わります。
ウェブデザイン技能士は、会社の売上を左右する重要な役割を果たしている仕事であるともいえます。
※ウェブデザイン技能士とは、国家資格である技能検定制度の一種で、ウェブデザイン技能検定に合格した者のことをいいます。
主催者サイト:ウェブデザイン技能検定
役に立つ資格なのか?
Webデザイナー、ウェブクリエイター、ホームページデザイナー、クリエイター等々、名称は若干違いますが、Web関連の仕事は若い人を中心に根強い人気があります。
やはり、最先端の流行を追うような都会的なイメージがあるからなんでしょうね。
では、そういったWeb関係の会社の採用基準が資格かというと、残念ながらほとんど資格は評価の対象にはなりません。
つまり、一番難しいウェブデザイン技能検定1級に合格したからといって、就職・転職が有利になるとはいえません。
もちろんウェブデザイン技能検定に合格すれば、ITやパソコンに関して一定の知識を持っている証明にはなるので、履歴書に書いてそれがマイナスになるものでもりません。業界未経験者としての採用であれば、前向きな姿勢を十分に評価してもらえる可能性もあります。
しかし企業が技術者を採用するにあたってはもっと重要な判断基準があります。就職希望者自身が製作したホームページを見て、その完成度で評価する場合がほとんどです。
面接をしなくても、履歴書にホームページのアドレスさえ明記されていれば、パソコンを使ってどこからでも評価はできます。どんなに素晴らしい国家資格をたくさん持っていても、それよりも本当の「ウェブデザイン」の実力が最優先される世界です。
さらに、例えばDreamweaverやPhotoshopといったWeb作成にかかせないツールを使いこなせるかなども評価の対象になります。
Web作成に関して未経験の素人であったとしても、イラストが描けたり高いデザイン力を有していることが評価の対象になります。資格が役に立たないのではなく、現場ではもっと重要視する内容が多くあります。
とは言うものの、ウェブデザイン技能検定が全く役に立たないかというと、多少は役立つ機会もあるでしょいう。頭から否定するものでもありません。
ただ気をつけなければならないのは、資格試験に合格したことが「自分は資格も実力もがあって即戦力」と勘違いしてしまう事です。資格取得に走ってしまう人の中にはそういう傾向の人が少なからずいます。
将来性を徹底研究
この資格の活かし方
ウェブデザイン技能検定の資格が就職に役に立つかどうか…微妙なところです。
大学・高校新卒あるいは第二新卒と言われる20代前半の人がでWeb関連の会社に就職を希望するのなら、熱意を見せるために3級を取得すれば多少は評価されるでしょう。
ただし、それは未経験者と会社側が理解した上で採用する場合に限ります。経験者を採用する際は、候補者自身が実際に製作したホームページを見て評価する場合がほとんどだからです。
業界について理解しようと思ってウェブデザイン技能検定について学習したという態度に大きな意味があります。ただ、はれて入社してからはこの資格はずっと評価の対象にはならないでしょう。資格の学習で得た「知識」を仕事の成果に変えることの方が重要です。
Webデザイン業界の経験者であれ未経験者であれ、30代以上の人がIT業界に転職を希望する際は、2級以上が評価の対象です。3級では難易度が低すぎます。
実践で活かそうと思ったらやはり1級です。プラスして実際に作ったホームページのデザインが評価されるのは言うまでもありません。
3級はデザインの能力までは求められません
ウェブデザイン技能検定っていうくらいですから、試験会場で実際に自分で画面や文章の配置をデザインして提出するような、なんだか専門的で難しい感じがします。けれど3級に限ってはデザイン能力までは求められません。
3級はウェブデザインの入門的な内容しか問われません。ただ単に指定された作業ができるようにHTMLを作成する能力や、簡単なWeb知識があるかどうかの試験です。
そのため、本当の意味でウェブデザインの能力があるかどうかを確認できるのは2級以上ということになります。
学歴が全くと言ってよいほど関係のない実力の世界
Web関連のクリエイター系といわれる職種は、採用する際に資格や検定はほとんど参考にはしません。
極端なことを言うと、履歴書の内容すらほとんど見ません。民間資格なども履歴書に書いて全くと言ってよいほど評価されません。
関連資格:Webクリエイター能力認定試験とは、CGクリエイター検定とは
世間一般的には、履歴書に書いてある転職回数が多かったり短期で離職している場合は転職が不利になるといわれていますが、この業界に関してはあまりそういった過去の経歴は関係ないです。
逆にいえば、実力次第でステップアップの転職はできますし、たくさん稼げるようにもなれます。
現場にはいろんな学歴の人がいます。高卒や高校中退、国立の有名美術大学を卒業した人もいます。
けれど学歴は関係ありません。高校中退でも優秀なクリエイターがいくらでもいますし、逆に有名大学を卒業していても社内では下請け的な仕事しか任されない人もいます。
当然ですが、仕事を発注するクライアント側の企業も資格や学歴ではなく、過去に作った作品の実績を見て発注します。
資格よりもセンスを磨く方が大切
ウェブデザイン技能検定1級を持っていてもセンスが悪くて仕事ができない人もいます。会社内で実力が認められず、自己PRのためにこういった検定試験に走ってしまう人も多いようです。
資格を取得するよりも、デザインの実力を身につける方が実は難しいんです。時間もかかりますし一朝一夕で簡単にセンスを磨くことはできません。
それでついつい手っ取り早く資格取得に走ってしまう気持ちも理解できますけど、本気でWeb業界で働きたいのであれば、資格よりも現場では重視されていることがたくさんあります。
就職・転職するためには、自分の実力を示すための実技資料を用意する方が大事です。
ITパスポートより合格するのは簡単
ウェブデザイン技能検定(3級)は、初歩的な入門試験であるITパスポートよりさらに問題は簡単で合格しやすいようです。ITパスポートって意外と参考書が分厚いのですが、ウェブデザイン技能検定はかなり薄くて簡単に読めます。
試験内容については、学科で本当に簡単なWebの基礎知識を問うだけで、実技で簡単なサイト制作が出来るかを見るだけです。
しかも学科試験については選択式です。なんとなくの知識でも解答できます。
実技試験については、ブログやホームページのHTMLやCSSの内容を触った経験がある人であれば、少し勉強すれば分かる程度です。見たことがない人でも数回繰り返して学習すれば記号を覚える感覚で理解できます。
関連資格:ITパスポート試験
合格するには
ウェブデザイン技能検定には、難易度の低い順に3級~1級まであり、それぞれ「学科」「実技」に分かれています。
試験範囲は、インターネットの仕組みや接続方式、規格や法律、デザイン、プログラミング言語、等々、かなり広範囲にわたります。
学科・実技共に「100点満点中70点以上」を取れば合格です。合格すると「◯級ウェブデザイン技能士」と名乗ることができるようになります。もちろん名刺にそのように印刷することもできます。
各級の合格率は以下の通りです。
- 3級:60~70%
- 2級:30~40%
- 1級:10~20%
3級であれば合格率は高く、ある程度ホームページについて知識のある人であれば2週間くらい学習すれば十分合格は可能です。パソコンを日常的に触っている人なら、知識ゼロからでも1か月ほど学習すれば合格できます。
1級の難易度が高くなります。よほどはっきりとした目的がない限りおすすめしません。他の国家資格を挑戦しましょう。
ウェブデザイン技能検定は過去問による対策がかなり有効です。とにかく過去問の繰り返し学習で合格できます。
試験情報
試験日 |
お申込み |
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【1級】11月学科、翌年2月実技 |
試験日の1か月ほど前までに申し込みます。 |
受験資格 |
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【1級】【2級】には受験制限があります。 |
試験内容 |
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3級ウェブデザイン技能検定の科目及びその範囲
2.ワールドワイドウェブ(WWW)法務
3.ウェブデザイン技術
4.ウェブ標準
6.ウェブインフォメーションデザイン
7.アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
※出題範囲は級別の学科・実技毎に細かく試験要項にて示されています。 |
詳しい情報は試験概要 | ウェブデザイン技能検定をご覧ください。
おすすめ問題集
改訂版 ウェブデザイン技能検定 3級 過去問題集 | |||||
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ほぼ公式の過去問題集です。
この問題集を持っていないと、いくら知識があっても不合格になってしまうぐらいの必須アイテムと言われています。特に実技試験を受験する際に知識として必要な内容が記載されています。
※2022年11月現在で上記の問題集が最新版です。 |
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