ウェブデザイン技能検定では実力が評価できず意味ない?
種類 | 難易度 | 合格率 |
技能検定 | 易しい | 60% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 1か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | 評価 |
知識習得 | 6件 |
- 上記は3級についての数字ですがパソコンの習熟度により違います。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年11月24日に集計。
ウェブデザイン技能検定とは、ホームページをデザイン(ウェブデザイン)する能力に関する技能検定試験です。
合格すると「ウェブデザイン技能士」と名乗れます。
最も難易度が高い1級に合格してもウェブ業界ではあまり評価されず就職や転職では活かせません。
取得するメリットが少ない資格(技能検定試験)です。
Adobeのソフトが使えて、自分がデザインしたサイト・バナー・ロゴなどでPRした方が断然就職や転職は有利です。
ウェブデザイン技能検定(ウェブデザイン技能士)とは
Webのデザインの能力を測る検定試験
今の時代、ほとんどどの会社も自社のホームページを持っています。
単なる企業PRにとどまらず、ホームページで会社の業績や重大な発表をすることも珍しくありません。
センスの良いホームページは会社のイメージアップにもつながります。ネット販売を行っている会社であれば完成度次第で売上も大きく変わります。
ホームページの作成、つまりウェブデザイン業務では、掲載する文章だけではなく写真やレイアウトを考えて見栄え良く作ることが重要です。
使い勝手のよいホームページとは、同時によいデザインであるともいえます。
パソコンだけでなくスマホの画面にどう表示されるかも考慮しなければなりません。
ウェブデザイン技能検定とは、ホームページ(Web)をデザイン(ウェブデザイン)する能力を測る技能検定試験です。
試験では、プログラミングよりもむしろホームページのデザインの能力を問われます。
デザイン的な要素だけではなく、使い勝手のよいホームページに仕上げることも重要となります。
主催者サイト:ウェブデザイン技能検定
※本文中のホームページ、ウェブ、Web、サイトという表現はほぼ同じ意味で使っています。
役に立つ資格なのか?
資格でデザインの実力は測れません
残念ながら、一番難しいウェブデザイン技能検定1級に合格しても就職・転職は有利になりません。
国が実施する検定試験ですから履歴書に書いてアピールはできますが、採用する側としては「最低限のウェブデザインの知識はあるんだね」という程度の評価です。
ウェブデザイン関係の会社の採用基準が資格かというと、残念ながらそうではありません。
求人情報を掲載しているウェブデザインの会社の業務内容を見ると概ね下記のようになっています。
(業務例)・ホームページ制作・バナー制作・ロゴ制作・ランディングページ制作・スマートフォンサイト制作・モバイルサイト制・SEO対策・ソーシャルゲームサイト制作・アプリ制作・レスポンジブウェブデザイン制作・フロントエンド作業・・・
jQuery、JavaScriptを使用したHP制作、Adobe Photoshop/IllustratorあるいはDreamweaverなどの専用ソフトを使用・・・
こういった職場で何が求められるのかと言うと、Adobe社のソフトを使いこなせるとか、プログラミングや動画編集・写真編集などの経験です。
自分でデザインしたホームページ、バナー、ロゴなどがあればそれを見せれば早いです。
その完成度で実力のレベルはだいたい分かります。
面接をしなくてもデザインの実力は評価できます。どんなに国家資格をたくさん持っていてもデザインの実力が最優先される業界です。
取得する意味ない・・・とまでは言いませんが、あまりこの技能検定に期待しない方がいいでしょう。
将来性について徹底研究
この資格の活かし方
大学・高校新卒あるいは第二新卒と言われる20代前半の人が、Web関連の会社に就職を希望するのであれば、3級でも多少は評価されるでしょう。
ただし、それは未経験者であると会社側が理解した上で採用する場合に限ります。
経験者を採用する際は、候補者自身が実際に製作した作品を見て評価する場合がほとんどです。
あるいは単純なルーティンワーク、例えば写真や文章を決められた場所に貼り付けるといった作業の担当者であれば、ウェブデザイン技能検定の資格が評価される可能性はあります。
学歴が全くと言ってよいほど関係のない実力の世界
ウェブデザインの現場にはいろんな学歴の人がいます。
理系文系を問わず大卒や中退者、高卒や高校中退もいます。中には国立の有名美術大学を卒業した人もいます。
けれど学歴は関係ありません。
高校中退でも優秀なクリエイターはいくらでもいます。
逆に有名美術大学を卒業していても社内では下請け的な仕事しか任されない人もいます。
当然ですが、仕事を発注するクライアント側の企業も資格や学歴ではなく、過去に作った作品の実績を見て発注します。
世間一般的には転職回数が多かったり短期で離職している場合は転職が不利になるといわれていますが、この業界に関してはあまりそういった過去の経歴は関係ないようです。
逆にいえば、実力次第でステップアップの転職はできますし、たくさん稼げるようにもなれます。
合格するには
試験は学科と実技
ウェブデザイン技能検定には、難易度の低い順に3級~1級まであり、それぞれ「学科」「実技」に分かれています。
試験範囲は、インターネットの仕組みや接続方式、規格や法律、デザイン、プログラミング言語、等々、かなり広範囲にわたります。
学科・実技共に「100点満点中70点以上」を取れば合格です。
合格すると「◯級ウェブデザイン技能士」と名乗れるようになります。もちろん名刺にも印刷できます。
各級の合格率は以下の通りです。
- 3級:60~70%
- 2級:30~40%
- 1級:10~20%
3級であれば合格率は高く、ある程度ホームページについて知識のある人であれば2週間くらい学習すれば十分合格は可能です。
パソコンを日常的に触っている人なら、知識ゼロからでも1か月ほどの勉強時間で合格できます。
1級は難易度が高くなります。
よほどはっきりとした目的がない限りおすすめしません。他の国家資格を挑戦しましょう。
ウェブデザイン技能検定は過去問による対策がかなり有効です。
とにかく過去問の繰り返し学習で合格できます。
実技といっても簡単
学科試験では、Webの基礎知識を問われます。
解答は選択式なので、なんとなくの知識でもなんとかなります。
実技試験では、簡単なサイト制作ができるかどうかを問われます。
ブログやホームページのHTMLやCSSを触った経験がある人であれば少し勉強すれば分かる程度です。
見たことがない人でも数回繰り返して学習すれば記号を覚える感覚で理解できます。
ウェブデザイン技能検定(3級)は、初歩的な入門試験であるITパスポートよりさらに問題は簡単で合格しやすいようです。
ITパスポートって意外と参考書が分厚いのですが、ウェブデザイン技能検定はかなり薄くて簡単に読めます。
3級はデザインの能力までは求められない
ウェブデザイン技能検定っていうくらいですから、試験会場で実際に自分でデザインした作品を提出するような、なんだか専門的な感じがします。
けれど3級に限ってはデザイン能力までは求められません。
3級はウェブデザインの入門的な内容しか問われません。
ただ単に指定された作業ができるようにHTMLを作成する能力や、簡単なWeb知識があるかどうかを問うだけの試験です。
そのため、本当の意味でウェブデザインの能力があるかどうかを確認できるのは2級以上ということになります。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ問題集
ほぼ公式の過去問題集です。
本試験ではここから多く出題されますから、内容を丸覚えすれば3級なら合格できます。
IT・パソコン業界未経験者の人はわからない専門用語がよく出てくると思いますから、本書以外の別の解説書があればなおよいでしょう。あるいは、ネットで調べても問題ありません。
この問題集を持っていないと、いくら知識があっても不合格になってしまうぐらいの必須アイテムと言われています。特に実技試験を受験する際に知識として必要な内容が記載されています。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
【1級】11月学科、翌年2月実技
【2級】9、11、2月の3回
【3級】5、9、11、2月の4回
お申し込み
試験日の1か月ほど前までに申し込みます。
受験資格
【1級】【2級】には受験制限があります。
【3級】についてはどなたでも受験できます。
試験会場
【3級】北海道、宮城、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、岡山、福岡、鹿児島、沖縄
実施回、級により異なるので、予定地域を事前に確認してください。
受験料
- 1級:学科 8,000円、実技 25,000円
- 2級:学科 7,000円、実技 16,000円
- 3級:学科 6,000円、実技 8,000円
※23歳未満の在職者は4,000円 ※23未満の在職者以外は6,000円
※各非課税
試験内容
※下記は3級ウェブデザイン技能検定の科目及びその範囲です。
【学科試験】
1.インターネット概論
- インターネット
- ネットワーク技術
- インターネットにおける標準規格・関連規格と動向
- ウェブブラウジング
- ワールドワイドウェブ(WWW)セキュリティ技術
- インターネット最新動向と事例
2.ワールドワイドウェブ(WWW)法務
- 知的財産権とインターネット
3.ウェブデザイン技術
- ハイパテキストマーク付け言語および拡張可能ハイパテキストマーク付け言語(HTML・XHTML)とそのコーディング技術
- スタイルシート(CSS)とそのコーディング技術
- スクリプト
4.ウェブ標準
5.ウェブビジュアルデザイン
- ページデザインおよびレイアウト
- マルチメディアと動的表現
6.ウェブインフォメーションデザイン
- インフォメーションデザイン
- インタフェースデザイン
- ユーザビリティ
7.アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
8.ウェブサイト設計・構築技術
9.ウェブサイト運用・管理技術
10.安全衛生・作業環境構築
【実技試験】
ウェブサイト構築
- ウェブサイトデザイン
- ウェブサイト運用管理
※出題範囲は級別の学科・実技毎に細かく試験要項にて示されています。
詳しくは、インターネットスキル認定普及協会の試験細目(PDF)をご覧ください。
合格基準
各級とも以下の通りです。
学科:70点以上/100点
実技:70点以上/100点(ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点が必要)
主催者情報
詳しい情報は試験概要|ウェブデザイン技能検定をご覧ください。