住宅ローンアドバイザーとは?難易度は低く意味ない民間資格
種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 82% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
養成講座受講 | ~4万円 | 1週間程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
知識習得 | 7件 |
- 上記は一般財団法人住宅金融普及協会実施が実施する検定試験を受験した例です。
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年8月22日に集計しました。
講座受講料 | 23,100円(テキスト、効果測定料) ※効果測定料とは受験料のことです。 |
登録料 | 11,000円(3年間有効) |
登録更新料 | 11,000円(3年間有効) |
- 一般財団法人住宅金融普及協会が実施する「Aコース(Web講習+会場効果測定)」の2024年1月現在税込み金額です。
指定の養成講座受講が必須で試験は簡単です。難易度は低く合格率は85%前後です。
テキスト持ち込み可能なので誰でも短期間で取得できます。
合格後して住宅ローンアドバイザーと名乗るには登録料、その後の更新料が必要です。
基礎的な知識だけでは仕事に役立つとは言えず、就職や転職にも活かせません。
もちろん国家資格じゃありません。
住宅ローンアドバイザーとは
顧客に合った住宅ローンを提案するための民間資格
住宅ローンアドバイザーとは、住宅ローン利用希望者に対して住宅ローンに関する専門的なアドバイスを提供することを目的とした民間の検定試験です。
住宅ローンといっても金利、返済方法、ローン申し込みに必要な保険など種類は様々です。
試験の学習を通して住宅ローンの仕組み全般を理解します。
購入希望者のニーズや支払い能力(財務状況)に基づいて、最適な住宅ローンを選択するために必要な情報と助言を提供します。
主催者サイト:住宅ローンは選択する時代!だからこそ住宅ローンアドバイザー|一般財団法人 住宅金融普及協会
※当サイトでは一般財団法人住宅金融普及協会が実施する試験について説明します。
複数の団体が試験を実施
住宅ローンアドバイザーは、下記のように複数の団体が試験を実施しています。
資格の名称は同一ですが、主催団体によって出題内容は若干異なります。
- 一般財団法人住宅金融普及協会(国土交通省所管)
- 一般社団法人金融検定協会
- 公益社団法人全日本不動産協会
住宅金融普及協会は、国土交通省所管の天下り団体です。
「住宅ローンアドバイザー」の名称は住宅金融普及協会が商標登録しています。
では、どこで取得するのが最も優位なのか?権威があるのか?
結論を申し上げますと、どこで取得してもそんなに変わりません。
いずれも公共性の低い単なる民間資格です。
実態は、講座受講料と受験料さらには登録料と更新費用で儲けているような検定試験にすぎません。
不動産業界が天下り団体に忖度するために、従業員のほぼ全員に受講させます。
役に立つ資格なのか?
資格よりも経験がモノを言う業界
住宅ローンアドバイザーを取得すれば、仕事に活かせて就職や転職に活かせるのかと言えば、それはあまり期待しない方がいいでしょう。
民間資格ですから金融機関職員や不動産会社の従業員が住宅ローンに関わる説明を顧客にする際に必ずしも必要ではありません。
試験は簡単です。数日の講習あるいは短期間の勉強だけで合格できます。
合格率は80%を超えるので、よほどのことがない限り合格できます。
こういった短期間で取得できる民間資格で何を勉強するのかと言うと、もちろん身に付くのは超基本的な知識のみです。
一般の人に住宅ローンの簡単な説明ができる程度です。
銀行の融資担当者と対等に渡り合えるほどの専門知識は身に付きません。
顧客により的確なアドバイスをするには資格よりも経験が必要です。実務ができれば全く必要ない資格です。
新卒学生が取得しても就活は有利になりません。転職の際に履歴書に書いてもほとんど評価されません。
就活や転職に活かしたいのであれば断然宅地建物取引士がおすすめです。
住宅ローンアドバイザー程度ならほぼ取得する意味ないです。
ファイナンシャルプランナーや建築士がおすすめ
住宅ローンについて勉強して顧客に説明できるほどの知識を身に付けたいのであれば、ファイナンシャル・プランナーの方がおすすめです。
試験の出題範囲に、住宅ローンなどに関する内容も含まれているからです。
それに、なんと言っても国家資格です。
「住宅ローンの相談なら国家資格のFP技能士にお任せあれ!」なんて堂々と言えます。
住宅ローンを利用する場合の多くは新築物件です。新築購入の相談であれば建築士の資格があればさらにいいです。
もちろん国家資格です。就職や転職にも強力な武器になります。
将来性について徹底研究
この民間資格の活かし方
住宅ローンアドバイザーの資格は、会社の指示で取得するケースが多いようです。
あるいは、個人で名刺に印刷するため取得します。
なんとなくそれっぽい名称ですし、名刺に肩書きのように印刷すれば顧客を信用させるには効果が期待できます。
けれど、ただ名乗るためだけに登録料を払うのってもったいないですよね。
住宅ローンアドバイザーの名称は商標登録されているので勝手に使えません。
そこで、名刺に印刷するだけが目的であれば自分で勝手に作ってしまえばいいんです!
例えば、「住宅ローン士」「住宅ローンプランナー」「住宅ローン鑑定士」等々。
※2024年4月現在上記はいずれも商標登録されていません。
名称なんて自分で作っても同じです。名乗った者勝ちです。
合格するには
難易度はかなり低い!
住宅ローンアドバイザーに合格するには、養成講座を受講し、試験(効果測定)に合格しなければなりません。
養成講座は、Web講習であれば合計520分、ほぼ2日間(1日8時間位、合計16時間ほど)の内容です。
試験はとても簡単です。
試験会場にはテキスト持ち込み可能です。
不動産業で実務の経験があれば講習以外は勉強しなくても合格できます。
さらに、講習で試験に出る箇所を説明してくれるので、そこに付箋を貼っておけば大丈夫です。
まれに「落ちた」っていう人がいますけど、講習をほとんど聴いていなかったのが原因でしょう。
居眠りせずしっかり聴いてください。
簿記3級よりずっと簡単です。
講習と試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
開催日
年2回(7月中旬、12月上旬)
お申し込み
- 第1回 4月下旬~6月中旬
- 第2回 9月中旬~11月中旬
受講資格
年齢、学歴等に制限はなく誰でも受講できます。
講習会場
全国約30会場の資格試験学校など
受講料
- Aコース(Web講習+会場効果測定):23,100円(税込み)
- Bコース(現在募集中止):27,500円(税込み)
※2024年4月20日現在
講習の内容
【基礎編】全16コマ:約270分
- 第1章 なぜ住宅ローンアドバイザーが必要なのか?
- 第2章 住宅ローンの基礎知識
- 第3章 コンプライアンス
- 第4章 説明責任の重要性
- 第5章 住宅ローン計算(借入額編)
- 第6章 借入額決定までのプロセス
【応用編】全16コマ、約250分
- 第1章 住宅ローン商品のリスクと注意点
- 第2章 繰上返済の仕組みと効果
- 第3章 目的別借換えの効果と注意点
- 第4章 知っておきたい税金
- 第5章 手続きの流れ
- 第6章 タイプ別住宅ローンの選び方と返し方
試験内容
【効果測定】
- 基礎編効果測定:45分、正誤問題(2択、○×)25問、計算問題(3択)10問
- 応用編効果測定:50分、正誤問題(2択)30問と計算問題(3択)10問の合計40問
合格基準
応用編の効果測定において、一定以上の点数で合格
主催者情報
試験に関する詳しい情報は住宅ローンアドバイザーの資格と養成講座|一般財団法人 住宅金融普及協会をご覧ください。