建築士が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

建築士

受験資格が令和2年から大幅に緩和、二級でも需要は高く求人も豊富。

種類 難易度 合格率 学習期間

国家資格

難関

20〜25%

1年以上

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

就職・転職

50万円以上

学歴要件その他

※上記は二級建築士についてです。学歴による受験資格要件がありますが独学でも取得できます。免許登録要件として一定の実務経験が必要です。

最終更新日:2020/09/20

建築士とは

建築用の図面

建築士とは、一般住宅や商業ビル、オフィスビルなどの建築物の設計・工事管理などを行う技術者のことで、建築士法によって定められた試験に合格し免許を受けた者です。

 

設計とは、建築物の工事を実施するために必要な図面を作成する作業のことで、大きく分けて「意匠設計」「構造設計」「設備設計」に分けられます。

 

主に建物の外観や内部のデザインなどが「意匠設計」、建物の土台や柱・梁といった建築物の骨組みに関わる部分が「構造設計」、空調や照明、上下水道やガスなどの配管、コンセント・通信回線などの建物のインフラに関わる部分が「設備設計」です。

 

設計と聞くと、建物の外観や内観のデザイン、間取りを思い浮かべる人が多いと思いますが、建物の構造や設備を設計することもまた建築設計の重要な仕事です。

 

また、工事の経過状況を設計図面と照合しながら、それが設計図どおりに実施されているかどうかを確認する工事監理も建築士にとって重要な仕事です。

 

この、建築物の設計工事監理は、法律上建築士にのみ認められた独占業務になります。

 

この他に建築士が行う業務としては、建築工事の指導監督、建築物に関する調査、建築に関する法令に基づく建築許可や道路の使用許可などの申請手続きや届け出などがあげられます。

一級建築士・二級建築士・木造建築士の3種類

建築物といっても、超高層マンションからテナントビル、一戸建と規模は様々です。

 

建築士法で規定されている建築士には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、設計・工事監理できる建築物が違い、その規模が建築士法で決められています。

 

一級建築士はすべての建築物の設計、工事監理ができます。一級建築士と比べて小規模の建築物を対象としているのが二級建築士です。

 

二級建築士は、木造建築では高さが13メートル以下で延べ面積が1000平方メートル以下か階数が1のもの、非木造建築では延べ面積、高さ、軒高が一定以下の小規模建築などに限定されています。

 

木造建築士は、階数が2以下で延べ面積が300平方メートル以下のものの設計・工事監理に限られます。

 

また、一級建築士は国土交通省の行う試験に合格して国土交通大臣の免許を受けますが、二級建築士と木造建築士は都道府県知事の行う試験に合格し、知事の免許を受けるという違いもあります。

 

関連団体:公益財団法人 建築技術教育普及センター

受験資格が令和2年から緩和されました。

ご存知の通り建設業界は慢性的な人手不足です。現場の作業員だけではなく建築士の人材確保も急務となっています。

 

その問題を解消するため建築士法が改正され、令和2年3月1日から建築士の国家試験を受験するための受験資格などの条件が大幅に緩和されました。

 

従来、建築士の国家試験を受験するには実務経験が必要でした。試験に合格できる実力があったとしても実務経験(現場での経験)が一定年数なければ受験すらできなかったワケです。

 

これが実務経験については建築士免許の登録要件に改正されました。つまり、実務経験が無くても受検は可能となり、合格後に実務経験を満たした時点で免許を受けられるようになりました。

 

それによって、例えば大学の建築学科で指定科目を修めて卒業すれば直ちに一級建築士を受験できます。二級建築士は直ちに一級建築士を受験できます。

 

試験に合格後、一定の実務経験をした後でそれぞれ一級建築士として免許の登録を受けられます。試験合格の前後の実務経験を通算することも認められます。

 

二級建築士に合格したら、すぐに上位の一級建築士の勉強に備えて勉強できるので効率的です。

 

※詳しくは下記を参考にしてください。
参考:報道発表資料:令和2年から建築士試験の受験要件が変わります!
参考:新しい建築士制度の概要いついて(pdf)

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

二級建築士のレーダーチャート

建築士は、難しい国家試験に合格した人だけが就ける非常に専門性の高い職業です。

 

簡単には取れない国家資格なので、やはり建築業界や不動産業界へ就職・転職する際には役立ちます。

 

特に一級建築士として免許を得るには学歴に応じた実務経験を積まなければなりません。長い時間がかかりますし、誰もが一級建築士までたどり着けるわけではありません。

 

一級建築士の存在価値は非常に高いことから、より良い条件を求めての転職も可能です。転職先の規模や状況にもよりますが、それまでの実績や経験を考慮して給与が高くなるケースも十分に期待できます。

 

努力して一級建築士の資格を取得すれば手がけられる建物の規模が大きくなり、必然的に仕事の幅も広がるのでキャリアアップにも役立ちます。

 

腕に自信があれば独立して事務所を開くのも可能です。もちろんリスクは伴いますが、成功すれば大幅な収入アップも期待できます。建築士は夢のある職業です。

 

また、二級建築士も法律で規定された独占業務のある立派な国家資格です。住宅の設計なら十分仕事ができるので転職に役立ちます。ネットで求人を探すと全国規模で非常に多くの求人が見つかります。

 

ただし、二級建築士であれば独立して事務所を開くのではなく、あくまでも社内で活用する資格と考えた方がよいでしょう。

 

二級建築士は、建物の設計にとらわれず不動産の営業や管理などの仕事をする際に非常に役に立つ資格です。

 

例えば、不動産会社で営業をするのなら、名刺に「二級建築士」と印刷されているだけでお客さんの反応が違います。名刺に何も書かれていない営業マンよりも圧倒的に信頼度が増すので商談が有利に進みます。木造建築士も同様の効果が期待できます。


建築士の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

建築士を目指すのであれば、多くの人が最終的に憧れる一級建築士の資格。一級建築士になれば一般の戸建住宅はもちろん、大規模な建物や高度な技術を必要とされる建物まで、あらゆる建築物の設計・監理が対応可能になります。

 

ゼネコンや設計事務所であれば当然一級建築士が求められます。二級建築士を取得したら、ぜひ一級建築士を目指しましょう。難易度は高くなるので勉強に費やす時間は膨大ですが十分に価値はあります。

 

さらに、一級建築士の中でも限られた一部の人のみが手にできる「構造設計一級建築士」の資格を取得すれば、大型ビルや超高層マンションなど大規模な建造物の設計も可能になり、業務の幅が広がります。

 

一方、二級建築士であっても資格を仕事に活かせます。需要が高い一般的な戸建住宅であればほとんどの建物の設計・監理ができます。

 

二級建築士のメリットは、一級よりも取得しやすい点です。実務経験がなくても、例えば工業高校を3月に卒業した後、同年の7月の二級建築士試験を受験できます。さらに二級建築士に合格すれば直ちに一級建築士の試験を受けられます。

 

建設会社に二級建築士の資格を持っている社員がいると、建設業の許可が申請ができます。建設業許可を持っていれば金額の大きい建設業務を請け負えます。

 

つまり、規模の小さな建設会社が建設業の許可を取りたい、不動産業などの周辺業種からリフォームなどの建設業に参入したいという場合に二級建築士の資格が活かせます。

大学へ進学するのがおすすめ

 

建築士としての就職先は建設業界、住宅メーカー、建築士事務所などです。いきなり独立する人はいないでしょうから、少しでも労働条件の良い会社を選びたいところです。

 

あなたが進路について考えている中高生であれば、良い会社へ就職するには、良い大学へ進んで下さい。

 

建築士になるのが目的なら、試験に合格すれば同じですから工業高校や専門学校、大学や大学院などどこを卒業しても同じでしょう。しかし、専門学校卒と大卒・大学院卒では就職先が現実的に全然違います。

 

大手ゼネコンや大手設計事務所の採用は、ほとんどが新卒で有名国立大や私学の大学院卒です。専門学校卒では就職できません。その結果、大手の下請けとか面白くない仕事をやり続けることになります。

 

大手の方が給料面と労働面ではほぼ例外なく良いです。ゼネコンに勤める建築士の給料は年収500万円〜1000万円くらいが相場でかなり開きがあるものの全体的に給与水準は高めです。一級建築士の平均年収は702.9万円(賞与込)ですが、ゼネコン以外になると550万円前後になると言われています。

 

建築士を目指すのであれば、是非大学へ行くべきです。建築士は学歴社会です。可能な限り偏差値の高い大学の工学部建築学科を目指して下さい。できたら国公立や私立名門ですが、より充実した教育研究環境を備えた上位の国公立大学がおすすめです。

 

建築設計の仕事にしたいなら大学院まで行くのが当たり前の時代になっています。大手ゼネコンには東大や早稲田の大学院卒が普通にいます。

二級建築士でも十分に需要はある

 

一級建築士であれば二級もカバーできるので、その点需要が高いのですが、 二級建築士でも十分に需要はあります。

 

二級建築士のメリットは、件数的には圧倒系に需要がある住宅設計のスペシャリストになれる点です。住宅の設計以外でも不動産の営業や管理などの仕事をする際にも資格を活かせます。

 

マンションや住宅の営業マンであれば、名刺に「建築士」と印刷されているだけで見込み客の信頼は増します。随分前の話しですが、建築CADシステムのトップ営業マンは二級建築士でした。

 

建築資材のメーカー、商社、販売会社などの営業部門において、二級建築士は非常に貴重な存在です。取引先の工事担当者や設計担当者と技術的な打ち合わせができるので、一般の営業担当者よりも高い給料をもらうことができます。

 

他の資格をさらなる武器とすれば、不動産に関係する業界であれば相乗効果を狙えます例えば、不動産鑑定士、土地家屋調査士、土木施工管理技士、行政書士、宅建士などです。

 

関連資格:不動産鑑定士とは土地家屋調査士とは土木施工管理技士とは行政書士とは宅地建物取引士とは

 

福祉住環境コーディネーター、インテリアコーディネーターなども営業の部類で知識を活かせます。

 

関連資格:福祉住環境コーディネーターとはインテリアコーディネーターとは

 

最近は高齢化社会に伴い、お年寄りや体の不自由な人が不便なく暮らせるように、段差の解消・手すりをつける等、介護保険を利用した住宅の改修が盛んです。

 

インテリアの提案といっても、建築士の資格がないとできる仕事に限界があります。建物の構造を理解した上でインテリアを考えないと建築基準法に違反しているかどうかさえわかりません。

 

建築士の知識があれば、住宅の改修工事・インテリアの改装まで大掛かりな提案ができます。

 

建築士に合格するためには

建築士は難易度の高い順に一級建築士・二級建築士・木造建築士となっていて、それぞれの合格率は以下の通りです。

  • 一級建築士:10〜12%
  • 二級建築士:20〜25%
  • 木造建築士:30〜40%

建築士の試験は、学科試験・製図試験の2段階です。一級・二級・木造すべてにおいて、まず最初に学科試験が実施されます。内容は、建築計画・建築法規・建築構造・建築施工についての知識を問われます。

 

学科試験に合格した人のみが、第2段階である設計製図の試験を受けられます。

 

なお、学科試験の合格者については、向こう2年間に限っては、再び学科試験を受けなくても設計製図試験を受けることができます。

 

木造建築士は、木造住宅の設計や歴史的建造物の維持管理を行うための資格です。二級建築士の資格を持っていれば木造建築士の業務範囲をカバーできるので多くの人は二級から目指します。

 

一級の受験生は約26,000人、二級で20,000人、木造は600人を下回っているので受験生は極めて少ないです。

 

木造建築士は3つの資格のなかでは最も難易度が低い試験です。独学でも合格可能ですが、受験生が少ないためテキストや参考書が限られます。二級建築士試験のテキストも併用するとよいでしょう。学習期間は1年以上は必要です。

多くの受験生はまずは二級から

二級建築士は主に戸建て住宅の設計・工事管理を行うための資格です。建築士を目指す人の多くはまずは二級の合格を目指します。

 

独学でも合格は可能ですが、ほとんどの人は大学や専門学校で学びます。建築の予備校でしっかりと勉強した人でも簡単には合格できません。一発で合格できる人は少数です。やはり合格するためには学習期間は1年以上は必要です。

 

そして、なんと言っても設計製図試験は5時間休憩なしの過酷な試験です。体力や集中力、気力も必要です。

 

製図については、詳しい有資格者に実際に見てもらう必要があります。添削講座が資格スクールを利用するのがおすすめです。

6時間半ぶっ通しで設計製図、もはや過酷な試験

一級になるとさらに過酷とも言える試験が待っています。

 

基本的に、二級に合格してキャリアを積んだ社会人が上位を目指す試験です。周りにはレベルの高い大学卒がゴロゴロしています。合格率10〜12%といっても、想像以上に難易度は高いです。

 

司法試験ほどは難しくはないですが、想像よりはるかに過酷です。1次の学科試験は毎年受験者が26,000人ほどですが、受験予定者は40,000人いると言われています。毎年挫折する人が15,000人います。

 

一級建築士は、学科試験も製図試験も6時間半の試験時間で実施されます。2次の製図はナント6時間半ぶっ通しです!

 

難易度も半端なく、一級建築士の受験勉強時間は2000時間とも言われています。普通に2年以上の学習期間が必要です。社会人が仕事をしながら勉強時間を確保して合格するのは至難の業ともいえます。

 

受験生のほとんどが自分の時間を犠牲にして必死になって勉強しているでしょう。その中での10%程度の合格率です。一発合格は0.4%といいますから1%も合格できません。製図は特に厳しい競争です。

建築士 試験情報

試験日

お申込み

【一級建築士・木造建築士】学科:7月下旬、設計製図:10月中旬
【二級建築士】学科:7月上旬、設計製図:9月中旬

【二級建築士・木造建築士】4月上旬〜中旬
【一級建築士】4月上旬〜5月中旬

受験資格

受験資格要件および免許登録要件があります。

※令和2年3月1日より大幅に変更になりました。

試験内容

受験地:全国47都道府県
【受験料】

  • 一級建築士 17,000円
  • 二級建築士・木造建築士 17,700円

試験内容:
【一級建築士】

  • 学科試験(四肢選択:125問/6時間30分):学科I(計画:建築計画、建築積算等/20問)、学科II(環境・設備:環境工学、建築設備(設備機器の概要を含む。)等/20問)、学科III(法規:建築法規等/30問)、学科IV(構造:構造力学、建築一般構造、建築材料等/30問)、学科V(施工:建築施工等/25問)
  • 設計製図(1課題/6時間30分):あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成

※学科の試験の合格者は、申請により引き続いて行われる次の2回に限り、学科試験が免除されます。

 

【二級建築士・木造建築士】

  • 学科(五肢選択:100問/6時間):学科I(建築計画)(25問)、学科II(建築法規)(25問)、学科III(法規)(25問)、学科III(建築構造)(25問)、
  • 設計製図(1課題/5時間):あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成

※学科の試験の合格後に行われる5回の「設計製図の試験」のうち、3回の「設計製図の試験」が受験可能です。

 

合格基準:
【一級建築士】

  • 学科:125点(125問)満点中おおよそ87〜92点以上の正答
  • 設計製図:一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」を有することを認められたもの

【二級建築士】

  • 学科:100満点中(100問)おおよそ58〜60点以上の正答
  • 設計製図:二級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」を有することを認められたもの

【木造建築士】

  • 学科:100満点中(100問)おおよそ60点以上の正答
  • 設計製図:木造建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」を有することを認められたもの

合格発表:
【一級建築士・木造建築士】

  • 学科 9月上旬
  • 最終発表 12月下旬(木造建築士は上旬)

【二級建築士】

  • 学科 8月下旬
  • 最終発表 12月上旬

試験に関する詳しい情報は資格試験 建築技術教育普及センターホームページをご覧ください。

建築士 おすすめ参考書

新米建築士の教科書
建築士を目指す建築初学者が知っておくべき仕事についてまとめた本です。それだけではなく、新人建築士が覚えておくべきポイントについても分かりやすく、ツボを押さえた書き方で書かれています。

 

内容としては、将来設計事務所を開設したいと夢見る若者向けのマニュアル本という体裁です。「建築士になるための本」ではなく、「建築士として食っていくための知識」の本です。専門書やテキストには書いてない実務に直結する情報が豊富です。

 

独立して事務所開設を夢見る建築学生あるいは既に建築士として活躍している社会人にとってバイブルになることでしょう。

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