ガイドヘルパーになるには?受講資格や難易度・活かし方を解説
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
指定講座受講 | ~5万円 | 3日程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
スキルアップ | 143件 |
- 修了試験などはなく、ほぼ全員合格できます。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年7月13日に集計しました。
ガイドヘルパーは、障害のために1人で出かけることが困難な人に同行し移動の支援を行います。移動介護従事者、移動支援従事者ともいいます。
国家資格ですが難易度は低く、1~5日、16~20時間のガイドヘルパー養成研修に参加すれば全員合格できます。
講習は基本的には誰でも参加できますが、自治体によっては介護福祉士や介護職員初任者研修修了者などの条件を設けています。
介護系の資格と合わせて取得すればメリットが期待できます。
ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは
障害がある人に寄り添って移動の支援を行う
ガイドヘルパーとは、何らかの障害のために1人で出かけることが困難な人に同行し、移動の支援を行う仕事です。
正式名称は「移動介護従事者」といいます。
※現在は「移動支援従事者」と呼ばれることも多いようです。
ガイドヘルパーがサポートする対象となるのは、視覚障害や全身性障害、知的・精神障害によって人での移動や外出が困難な人です。
こういった人達は、心身の状況から社会参加の機会が少なくなりがちです。
思うように外出ができないと孤独を感じることにつながります。
ガイドヘルパーは、障がいを持つ人が買い物や旅行に行くときに同行します。
ただ付き添うだけではなく、障がいを持つ人に対して移動の支度、移動時の安全確保、買い物の手伝い、食事・排泄等、外出先で全面的なサポートを行います。
サポートを行うことで障がいを持つ人が自分らしい生活を実現する支援をお手伝いします。
ガイドヘルパーは単なる移動の介助だけではなく、障がいを持つ人の生活を維持する上で大切な役割を担っています。
ガイドヘルパーの資格は3種類
ガイドヘルパー(移動介護従事者)とは、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)で定められたれっきとした国家資格です。
ガイドヘルパーは対象者によって以下の3種類に分けられており、それぞれ別の資格という扱いです。
全身性障害者ガイドヘルパー | 車椅子の人など全身障がい者 |
同行援護従事者 | 目の不自由な人など視覚障がい者 |
行動援護従事者 | 知的・精神・発達障がい者 |
ガイドヘルパーの資格を取得するにはガイドヘルパー養成研修を受講します(都道府県によって呼び名が違う場合もある)。
研修期間は1~5日、研修時間は16~20時間ぐらいです。
修了試験などはありません。
すでに介護系資格を持っている人は科目免除もあります。
難易度は低く、取得のハードルも低いです。
役に立つ資格なのか?
この資格だけではメリットは少ない
高齢化社会の進行に伴い、障がいを持つ人の日常的な移動をサポートするガイドヘルパーは年々需要が高まっています。
ガイドヘルパーの主な勤務先は、訪問介護事業所やデイサービス、障害者福祉施設などです。
介護や福祉の業界は、資格なし経験なしでも就職できますが、ガイドヘルパーの資格だけでも持っていれば基礎知識があると判断され就職や転職が有利になることもあります。
とはいえ現状ではガイドヘルパーの資格を単独で活かすのではなく、他の介護系の資格と合わせて活かせばメリットがあります。
ガイドヘルパー専任の求人はまず見つかりません。
ガイドヘルパーの資格を持っているというだけでは給料や待遇も特に違いはありません。
事業所によっては資格手当を支給しているところもありますが金額的には少額です。
プラスアルファのスキルとして活用
介護福祉士や介護職員初任者研修修了者がプラスアルファのスキルとしてガイドヘルパーの資格を取得します。
これから介護の業界へ就職しようと考えているのであれば、まずは介護職員初任者研修から入るのがおすすめです。
その後でガイドヘルパーの資格を取れば、障がいを持つ人の支援について必要な知識が身に付き、業務範囲や転職の選択肢が広がるでしょう。
将来性について徹底研究
感謝される仕事だが責任も重大
障がいを持っている人の中には、思うように外出ができず不便や不安を感じている方も多いです。
ガイドヘルパーは、そんな人の目・耳・口・手となって行動を支えて身体的・精神的な支えとなる仕事であるため感謝されることも少なくありません。
利用者さんの生き生きした様子を見ると充実感を覚え元気を貰います。
ただし、障がいを持つ人の外出をサポートするということは常にさまざまな危険と隣り合わせとなり責任は重大です。
ガイドヘルパーの行動によっては、感謝どころかクレームの原因にもなりかねません。
利用者さんと楽しい時間を過ごすことも大切ですが、神経を研ぎ澄まし常に安全を第一に考えなければなりません。
万が一何かしらのトラブルが起こったときはその対応で精神的に疲れることもあります。
デメリットもある仕事です。
ガイドヘルパーと介護職員初任者研修の違い
ガイドヘルパーの資格は、所定の研修を約20時間、日数にして1~5日ほど受講すれば取得できます。
それとは別に、訪問介護員(通称ホームヘルパーまたはヘルパー)の資格でもある介護職員初任者研修(かつてのホームヘルパー2級)は、130時間の研修で取得できます。
この2つがどう違うのかというと・・・
訪問介護員は、その名の通り高齢者などの自宅を訪問し介助や介護を行います。利用者の代わりに買い物もします。
しかし、外出時のサポートまではできません。ガイドヘルパーの資格がなければ一緒に外出して外出時の介助や介護をすることはできません。
さらに、介護職員初任者研修では知的障がい者の外出介助はできますが、重度の障害を持った人の外出介助はできません。目が不自由な人の外出介助もできません。
それを補うのがガイドヘルパーです。
このあたりが介護職員初任者研修とガイドヘルパーの決定的な違いです。
さまざまな障がいを持つ人達の外出をサポートするガイドヘルパーはまだまだ不足しているのが現状です。
介護職員初任者研修とガイドヘルパーは両方必要か?
仕事の幅を広げて介護の世界で活躍の場面を増やすために、介護職員初任者研修とガイドヘルパーの両方の国家資格を取得するのはおすすめなのか・・・?
実はこの点では現場の人でも意見が分かれます。
ガイドヘルパーは、介護職員初任者研修と内容が重なる部分が多いです。
ガイドヘルパーまでは要らないという人もいれば、ガイドヘルパーをついでに取得しようという人もいます。
これから介護が必要な人が増えるに従ってガイドヘルパーの需要も間違いなく増えるでしょう。
時間とお金に余裕があればぜひ取っておきたい資格です。
障害についての知識を深めるという点から考えてもあれば便利な資格です。
しかし、ガイドヘルパーは無理して取る資格でもありません。
「かなり必要」というよりも「ある方が良い」という程度の認識で十分かと思います。
ガイドヘルパーになるには
研修は各地で開催、料金も違う
ガイドヘルパーの資格取得の条件は主催する自治体(市区町村)や団体によって異なります。
基本的には受講資格(受験資格)はなく誰でも参加できますが、資格制限を設けている自治体もあります。
その場合、介護福祉士や介護職員初任者研修修了者を条件としています。
介護職員初任者研修の講座を受ける際にオプションでつけられる講座もあります。
養成講座の受講費用は主催者によって違います。受講の費用は1,000~40,000円ぐらいです。
自治体や社会福祉協議会が開催する講座はかなり安く済みます。民間の団体は高いです。
中には学生のボランティア養成のために、大学生に限定して1,000円で受けられる講座もあります。
ハローワークが募集する公共職業訓練であれば受講料は無料で教材費のみ自己負担、介護職員初任者研修とガイドヘルパーを合わせて取得できて、しかも就職率90%以上という講座もあるようです。
興味のある人はインターネットハローワークで検索してみてください。
参考:実践コース・介護福祉分野「介護職員初任者研修及びガイドヘルパー科」
ガイドヘルパーの仕事に就きたいのであれば、まず介護職員初任者研修を受講してから、その後働きたい地域でガイドヘルパーの資格を取得するとよいでしょう。
講習情報
日程・受講資格・内容・その他
開催日
主催者により違います。
お申し込み
主催者により違います。
受講資格
各課程ごとに必要な条件が異なります。
※基本的には誰でも受講できますが、資格制限を設けている自治体もあります。
講習会場
各都道府県
受講料
数千円~3万円程度(主催者によって違います)
講習の内容
※講義の内容は、各実施機関により多少異なります。
■全身性障害課程(全身性障害者ガイドヘルパー)
【講義(12時間)】
- ホームヘルプサービスに関する知識:3時間
- ガイドヘルパーの制度と業務:1時間
- 障害者(児)福祉の制度とサービス:2時間
- 障害者(児)の心理:1時間
- 重度脳性まひ者等全身性障害者を介護する上での基礎知識:2時間
- 移動介護にあたっての一般的注意:3時間
【演習(4時間)】
- 移動介助の方法:3時間
- 生活行為の介護:1時間
■視覚障害者課程(同行援護従業者)
【講義(11時間)】
- ホームヘルプサービスに関する知識:3時間
- ガイドヘルパーの制度と業務:1時間
- 障害者(児)福祉の制度とサービス:2時間
- 障害・疾病の理解:2時間
- 障害者(児)の心理:1時間
- 移動介護の基礎知識:2時間
【演習(9時間)】
- 移動介護の基本技術:2時間
- 屋内の移動介護:2時間
- 屋外の移動介護:4時間
- 応用技能:1時間
■知的障害課程(行動援護従事者)
【講義(13時間)】
- ホームヘルプサービスに関する知識:3時間
- ガイドヘルパーの制度と業務:1時間
- 障害者(児)福祉の制度とサービス:2時間
- 障害・疾病の理解:4時間
- 障害者(児)の心理:1時間
- 移動介護の基礎知識:2時間
【実習(6時間)】
- 移動介護の基本技術:6時間
※免除科目:介護職員初任者研修などを修了している場合など、科目免除を受けられることがあります。
合格基準
ほぼ全員合格できます。
主催者情報
講習に関する詳しい情報は各自治体のホームページをご覧ください。