介護職員初任者研修は就職後に施設の費用での受講がおすすめ
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | やや易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
養成課程修了 | 5~10万円 | 1~3か月 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
就職・転職 | 61,514件 |
- 研修期間を学習期間として紹介しています。
- なお、護職員初任者研修については介護保険法施行規則で規定しているため、当サイトでは国家資格として扱います。
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2024年3月27日に集計しました。
これから介護の業界へ就職しようとする人の入門資格です。3か月(130時間)ほどの研修を受講しなければなりません。
この研修は多くの民間業者が実施しています。基本はもちろん有料です。
では、受講するならどこがいいか?
実は、自治体の補助があったり、中には無料の講座もあります。就職後に施設側が費用を負担してくれるケースも多いです。
やはり就職(入職)後に施設の費用で受講するのががおすすめです。
実務経験を積めば他の国家資格の受験資格を得てステップアップも可能です。
介護職員初任者研修とは
介護の入門資格
介護の仕事は、大きく「身体介護」と「生活援助」の2種類に分けられます。
これは、高齢者の家を訪問して行う訪問介護でも老人ホームなどの施設介護でも同じす。
一般的な身体介護の具体例としては、入浴介助、食事介助、歩行介助、オムツ交換などです。
生活援助の例としては、家庭を訪問して掃除、洗濯、買い物、調理といった日常生活全般の援助があげられます。
お年寄りなどの身体に直接触れる「身体介護」をするためには必ず介護の資格を保有していなければなりません。
そのための資格として最も取得しやすいのがこの介護職員初任者研修です。
「資格」と一般的に称してますが、指定された3か月程度の講習を修了することで学歴や経験に関係なく誰でも合格できます。
これから介護の世界に飛び込む予定の人に最初に取ってほしい資格が介護職員初任者研修です。
※2021年4月から無資格者や未経験の介護従事者を対象にはじまった認知症介護基礎研修の制度が2024年4月より義務化されました。こちらが最も入門的な資格となっています。
かつてのホームヘルパー2級から名称変更
介護職員初任者研修は、平成25年(2013年)の制度変更により「ホームヘルパー2級」から名称変更されました。
それまでは、介護保険法において訪問介護を行う者の資格がホームヘルパーや介護職員基礎研修の制度です。
ホームヘルパーは難易度の低い順に3級・2級・1級に分かれていました。
ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は一本化され、現在は介護福祉士実務者研修となっています。これは国家資格でもある介護福祉士の受験資格のひとつです。
介護業界の入門的資格で人気のあったホームヘルパー3級は廃止されました。
現在は介護職員初任者研修が新人向けの入門的な資格として位置づけられています。
介護職員初任者研修と介護職員実務者研修の違い
介護の研修には介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の2つがありますが、どう違うのでしょうか?
まず、介護職員初任者研修は前述の通り介護について初めて学ぶ人向けの研修会です。
一方、介護職員実務者研修は、国家資格でもある介護福祉士の受験する際に必須の研修会です。
簡単に説明すると、前者は初心者向け、後者はキャリアアップを目指す実務経験者向けという違いです。
現時点で介護福祉士を目指すのでなければ、初心者はまずは介護職員初任者研修から受講して介護について学びます。
講習の内容ももちろん違います。
- 介護職員初任者研修:130時間の学習(+試験)、制限なく誰でも受講可能
- 介護職員実務者研修:介護職員初任者研修修了者は320時間の学習(+試験)/無資格者は450時間の学習(+試験)
実務者研修は、初任者研修よりも専門的な知識を身に着ける狙いがあります。
両研修会(資格)ともに介護の現場では正しい知識・スキルの証明になります。介護施設によっては資格手当の対象になります。
もちろん履歴書にも書いてアピールできるので就職や転職に役立ちます。
役に立つ資格なのか?
就職に直結する国家資格
日本は、世界の中で最も高齢化が進んでいる国です。
2025年には国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という超高齢化社会になります。
しかし、介護に従事する人材は圧倒的に不足しています。
求人情報を検索すると介護の仕事はとても多く引く手あまたです。
今後もほぼ間違いなくこの状況は続くでしょう。
介護職員初任者研修の資格は就職にそのまま結びつきますす。介護の現場でも必要性の高い資格です。
介護職員初任者研修を受講して修了試験に合格すれば、日本全国どこへ行っても就職・転職には困りません。
今後も求人は減ることはなく需要は増え続けるでしょう。
もちろん無資格でも介護の仕事に就けますが、有資格者は仕事の幅も広がりますし、一般的には資格手当がついて給料は上がります。
介護の資格には、介護福祉士、ケアマネジャー(介護支援専門員)、社会福祉士、精神保健福祉士などの国家資格があります。
これらの資格は受験するために学歴要件や実務経験が必要だったりします。
しかし介護職員初任者研修はそういった条件が一切なく、3か月程度の研修で誰でも比較的簡単に取得できます。
通信講座や夜間講座などもあります。仕事をしながら、また主婦でも取得しやすいのが特徴です。
介護業界への就職について
介護業界に就職することについてはあまり良くないイメージを持っている人が少なからずいることは否定できません。
実際に働き出してすぐに辞める方もいらっしゃいますし、職員の離職率が非常に高い職場もあります。
けれども、仕事に対するやりがいを持って長く務めている方も多くいます。
介護の対象となるのが年老いた痴呆の老人であったとしても、やはり相手は人間です。常に人間としての尊厳を持って接することは当然のことです。
介護・福祉の仕事は外から見ているだけでは何も分かりません。現実に働いてみて初めて自分がこの業界に合うとか職場に合うといったことが分かります。
安易に「おすすめの職業です!」なんて言いたくはないですが、迷っている方は思いきって飛び込んでチャレンジしてみるのもいいと思います。
将来性について徹底研究
様々な国家資格へステップアップが可能
介護職員初任者研修は、これから介護の業界に就こうとする人にとって入門資格であるのと同時にキャリアアップのスタートラインに着くための資格でもあります。
取得すると正社員になれる機会も増え、その後のリーダーや管理者へキャリアアップできる可能性も高まります。
介護職員初任者研修を取得後、「実務者研修」を経て、実務経験3年以上で上位資格である介護福祉士の受験資格を得ます。
さらに、実務経験5年以上でケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格を得ることができます。経験を積むことによって介護の業界で徐々にステップアップすることが可能です。
また、「介護福祉士」取得後にさらに研修を受けることで、これから誕生予定の資格「認定介護福祉士」にチャレンジすることも可能です。
介護職員初任者研修を取得すれば、例え介護の仕事に従事しなくても生活の中で知識を生かせます。
百貨店やスーパー、飲食店、ホテル、公共交通機関など高齢者がよく利用する施設では、高齢者の身体について理解するめに従業員がこの資格の取得を目指すケースもあります。
さらに、ガイドヘルパー(移動介護従事者)の資格を取得すれば、ひとりで外出が困難な人に同行し、移動の支援なども行えます。
本格的に介護や介助について学びたいのであれば、まずは介護職員初任者研修からスタートです。
取得するならどこがいい?費用はどれくらい?
介護職員初任者研修は3か月(130時間)ほどの研修を受講しなければなりません。
一体どれくらい費用がかかるのでしょうか?どこがいいか?気になるところです。
大前提として、無料あるいはテキスト代程度の格安料金で取得できる場合が多いので、まずそういった講座を探してください。
民間のスクールを利用すれば相場は5万円~10万円ほどです。代表的な大手スクールの費用を調べてみました(2023年3月現在)。
- 三幸福祉カレッジ 79,800円(税別)
- ニチイ 80,000円(税別)
- ベネッセ 55,200(税別、関東近郊)
※キャンペーンや割引価格を実施しているスクールもあるので実際の金額は多少前後します。また、地域によっても多少違います。
自腹で受講すると概ね上記のような金額が目安です。
介護施設で実施している「資格取得支援制度」を活用すれば無料で取得できる場合もあります。
つまり無資格で一旦就職して、施設側の支援を受けて受講するわけです。
この制度は公的なものではなく人材確保を目的として施設が独自に行なっています。
もちろん全ての実施で施設しているわけではありません。
いろんな条件が付くケースもあるので必ず事前に確認してください。
介護職員初任者研修の取得と求職を同時に進めたいのであれば、各スクールが実施する「就職支援制度」や自治体が実施している「介護人材確保対策事業」「介護職員就業促進事業」の活用もおすすめです。
実質受講料が無料になり就職活動も同時に進められます。
とにかく就職に結びつけたいのであれば便利な制度です。
各都道府県のホームページには多くの情報が載っているので参考にするとよいでしょう。
現在失業中の人であれば、ハローワークが実施している職業訓練を利用すれば生活費を確保しながら無料で受講できます。
テキスト代等は自己負担です。
参考:離職中で、生活費を確保しつつスキルアップしたい|厚生労働省
気になる給料は・・・決して高くはないが近年増加傾向
月の平均給与額は317,540円
介護職の給与って「低い」とよく言われているので、介護の仕事に挑戦したくても二の足を踏む人も多いと思います。
かつて、厚生労働省つまり国の見解としても「介護職員の賃金は低い傾向にある」と結論付けていました(平成20年発表の資料による)。
経験年数、平均年齢等の要素の違いがあり、単純な比較はできないが、
引用:厚生労働省:政策レポート(介護職員処遇改善交付金について)
- 一般労働者については、介護分野の賃金水準は産業全体と比較して低い傾向にあり、
- 一般労働者であるホームヘルパーや福祉施設介護員の賃金は、医療福祉分野における他の職種の者と比較して低い傾向にある。
「低い」と断定せず「低い傾向にある」と遠回しに表現してるのがいかにもお役所らしいです。
ただし、近年は「介護職員処遇改善支援補助金」の支給などもあり、介護職員のベースアップ(基本給の賃上げ)が顕著です。さらに、手当や賞与などの一時金も増加しています。
厚生労働省の統計によると、介護職員の平均給与額は2022年9月には317,540円となっています。
引用:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要|厚生労働省(pdf)
※上記は12ページを引用
注意
この「平均給与額」には基本給に「手当+一時金(賞与等)」も含みます。
手当は職務手当、処遇改善手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、時間外手当(早朝・深夜・休日手当等)も含みます。
一時金は賞与その他臨時支給分として1~12月に支給された金額の1/12の金額です。
単純に、317,540×12か月=3,810,480円、これが介護職員の平均年収・収入と考えてよいでしょう。
対象は「月給・常勤の者」となっていますが、正職員以外の契約社員などが含まれるかは明記してありません。
※平成7年の厚生労働省の発表資料では契約社員なども含んでいました。
果たして介護に従事する人の賃金は本当に低いのかと言うと、今の経済状況から判断しても決して低くはないと思います。
もちろんここから社会保険料や税金なども引かれますから、手当などを含んでも手取りは25万円前後でしょう。
この金額は確かに「低い傾向」かもしれませんが、若者や中高年の中には同程度の条件以下で派遣や非正規の身分で働いている人はいくらでもいます。
何歳になっても挑戦できる仕事です。それなりに給与ももらえます。働きがいが見つかれば十分満足できる給与かもしれません。
参考までに、過去の発表資料はこちらです。
合格するには
講習は130時間、期間は1~3か月
各地方自治体や民間の養成研修機関が主催している講座を受講すれば、どなたでも介護職員初任者研修の資格を取得できます。
介護職員初任者研修を取得するには、計130時間の講習を受けなければなりません。
これは、自宅学習と通学での学習を合計した時間数です。すべてのカリキュラム修了後に1時間程度の筆記試験を受けます。
研修を実施するスクールによってカリキュラムのプラン・時間割りはさまざまです。
土日、夜間、短期集中講座、通信教育が多い講座などがあるので自分に合うものを選べます。
介護職員初任者研修は、介護にたずさわる人が業務をおこなう上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけて、基本的な介護業務をおこなうことができるようになることを目的としています。
家庭内での介護にも活かせる知識として講座を受講し、資格を取得する人も増えています。将来的にもいろんな場面で使える資格です。
講習に出席すればほとんど全員合格できる
介護職員初任者研修のスケジュールが全て修了すると約1時間の試験が実施されます。
これに合格しなければなりません。
試験やテストと聞く思わず身構えてしまう人も多いと思います。
せっかく受講する気満々だったけど、「試験」と聞いて一気にトーンダウン・・・でも心配する必要はありません。
漢字が読めて日本語が理解できる能力があって、その上で休まず出席すればほぼ全員合格できます。
ペーパーテストは簡単で、よほどのことがない限り不合格にはなりません。
仮に不合格になってもすぐ再試験してくれるスクールもあります。
落とす試験ではなく合格させるための試験です。
講習中にやんわりと出題内容と解答を教えてくれる講師も多いです。
仮に研修会やテストを休んだ場合は、多くの場合何らかの救済措置があります。
それは事前に確認しておきましょう。
介護職員初任者研修は、決して「難しい」とか「難易度が高い」という研修ではないので安心して受講してください。
まずは無料の資料請求
※介護職員初任者研修の講座を一覧比較して資料請求ができます。「どこがいいか」の参考にしてください。
テキスト・問題集・参考書
おすすめ参考書
実際に介護の職についている100人以上の方々からヒアリングをおこなって編集した内容になっています。
書かれている内容は、①どういう過去を経て介護の仕事につくことになったのか、②日々どんな介護を心がけているのか(筆者はこれを哲学といってるようです)の2点が中心です。
介護の現場では年齢や過去のことはあまり問われず門戸を開けて受け入れてくれるので、現場の方の経歴はユニークです。
ホテルマン、役者、ピアニスト、理容師、鉄道マン、芸人、ニューハーフ・・・いろんな人がいます。そんな個性的な人達の「過去の考え方」と介護をしている「今の考え方」が共通しているのが読んでいて妙に納得します。
介護という仕事の理想像が見えてきて、みなさんがその理想を現場で追求しているのがよくわかります。こういった人のもとにいるお年寄りは幸せだと思います。
どんな気持ちで介護の世界に飛び込んでよいのか迷っている人にはおすすめの良書です。
ただ、悪いことは一切書いてありません。介護の現場や現実を知るための本とは違います。
種類 | 評価 |
入門書 |
介護職員初任者研修とはあまり関係のない書籍ですが、評判が良いのでここで紹介します。
※福祉住環境コーディネーターのページでも紹介しています。
高齢者の介護施設といっても介護の状態や受けるサービスによっていくつかの種類があります。特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、グループホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどです。
高齢者に対する施設に対してはさまざまな呼び方がありますが、サービス内容やレベルの違いがあり、一般の人ではどこが適しているのか迷ってしまいます。
施設ごとに特色がありますが良い点もあれば悪い点もあります。この本はそれらをきちんと体系たてて解説していているので、全体を理解するのにとても良い内容です。
家族の為に高齢者施設を探している人には一番知りたいことが全部載っていると思います、高齢者施設にどのようなものがあり、どのように選択すべきかを知るために参考になります。
実際の入居者の生の声が多く書かれており、実体験に基づく記述で実態がかなり理解できます。
介護の世界へ飛び込む前に、高齢者施設がどういうものかをあらかじめ理解しておくにはおすすめの一冊です。
種類 | 評価 |
参考書 |
講習情報
日程・受講資格・内容・その他
開催日
各都道府県、主催者によって異なります。実施先までお問い合わせ下さい。
お申し込み
各都道府県、主催者によって異なります。実施先までお問い合わせ下さい。
受講資格
どなたでも受講できます。
講習会場
全国各地
受講料
民間のスクールを利用すれば相場は5万円~10万円ほどです。ただし、無料あるいは格安で取得できる場合もあります。もちろん住んでいる地域や研修の内容によっても違います。
講習の内容
介護職員初任者研修課程カリキュラム・・・130時間
- 職務の理解(6時間)
- 介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
- 介護の基本(6時間)、
- 介護・福祉サービスの理解と医療の連携(9時間)
- 介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
- 老化の理解(6時間)
- 認知症の理解(6時間)
- 障害の理解(3時間)
- こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)
- 振り返り(4時間)
全課程を修了した後に修了試験があり、それに合格する必要があります。 この試験に合格すれば介護職員初任者研修課程の資格を取得することができます。ほぼ全員合格できます。
合格基準
研修を終了し、修了評価において100点満点で70点以上で合格となります(ほぼ全員合格)。
※主催者により異なります。