賃貸不動産経営管理士は独占業務もあり就職や転職に役に立つ
種類 | 難易度 | 合格率 |
国家資格 | 普通 | 30% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
誰でも受験可 | ~2万円 | 6か月程度 |
活かし方 | 全国の求人数 | おすすめ度 |
就職・転職 | 210件 |
- 全国の求人数は、ハローワークの情報を基に2024年5月13日に集計しました。
マンションやアパートなどの大家さんに管理受託契約に関する重要事項をあらかじめ説明をするのが賃貸不動産経営管理士です。
賃貸不動産経営管理士には独占業務がありますが、宅地建物取引士と比べても少数です。
とはいえ、宅建士と合わせてこの資格を持っていれば不動産関連の会社への就職や転職は有利になるメリットがあります。
不動産業界を目指す人にはおすすめの国家資格です。
賃貸不動産経営管理士とは
大家さんに説明するのが仕事
賃貸不動産経営管理士とはどんな業務内容なのかを説明するにあたっては、宅地建物取引士との違いを説明するのが一番わかりやすいと思います。
関連資格:宅地建物取引士とは
マンションやアパートなどの賃貸住宅を借す際に、後で契約上のトラブルが起きないように、借りる人(借主)に重要事項をあらかじめ説明するのが宅地建物取引士です。
一方、マンションやアパートなどの賃貸住宅を貸す人(貸主、つまり大家さん)に、管理受託契約に関する重要事項をあらかじめ説明をするのが賃貸不動産経営管理士です。
宅地建物取引士 :家を借りる人に説明
賃貸不動産経営管理士:家を貸す人(大家さん)に説明
賃貸マンション・賃貸アパートなどを所有している大家さん(貸主)は、賃貸の業務を管理会社(賃貸住宅管理会社)に全て任せているケースがほとんどです。
賃貸住宅で起きるトラブルというと、騒音や悪臭の問題、ゴミ出し・挨拶などのマナー違反など住民間の問題が多いのですが、実は大家さんと管理会社との間でもトラブルは多く発生しています。
家賃滞納、敷金の返還問題、入退去時のトラブルは後を絶ちませんが、管理会社が何も対応してくれないので貸主は泣き寝入りするなんて事例は多くあります。
つまり・・・
借りる側だけではなく、貸す側(大家さん)も守る必要があるということで誕生したのが賃貸不動産経営管理士です。
参考:賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)
民間資格が2021年に国家資格に昇格
賃貸不動産経営管理士は、2021年に国土交通省令により国家資格になった比較的新しい不動産系の資格です。
賃貸住宅の管理業務を行う管理会社は国土交通大臣への登録が必要となり、同時に事務所には1人以上の業務管理者を設置しなければなりません。
賃貸不動産経営管理士は、管理会社に設置が義務づけられている業務管理者の要件を満たす資格です。
この賃貸不動産経営管理士になるには、毎年11月に実施される国家試験に合格して登録を受ける必要があります。
登録には、2年の実務経験もしくはそれに代わる講習を受講する必要があります。これは宅建士も同じです。
役に立つ資格なのか?
宅建士と合わせて取得するのが理想
不動産業界では、宅地建物取引士の資格が役立つのは間違いないですが、合わせて賃貸不動産経営管理士も取得すれば就職・転職には役立つでしょう。
賃貸不動産経営管理士だけではそんなに役立つとまではいえません。
何も資格を持っていない人よりも多少有利になる程度です。
宅地建物取引士の独占業務は重要事項説明、契約書、重要事項説明書への記名押印です。不動産の賃貸業務においては、圧倒的に貸主よりも借主への説明が多数を占めています。
そのため、有資格者の需要も宅地建物取引士の方が圧倒的に多くあります。
賃貸不動産経営管理士の業務は少数です。
「意味ない」なんて言いませんが、やはり「宅地建物取引士の周辺資格」程度に思った方がいいでしょう。
将来性について徹底研究
いずれ業務管理者には必須となる
賃貸住宅の管理業務を行う管理会社は、前述の通り事務所には1人以上の業務管理者を設置しなければなりません。
賃貸不動産経営管理士はそのための資格ですから、国家試験に合格すればもちろん「業務管理者」になれます。
しかし、賃貸不動産経営管理士の国家試験が始まって間もないため人数が不足しています。
そのため、2年以上管理の経験のある宅建士が講習を受けることで業務管理者になれます。
現状は宅建士で代用できるので、賃貸不動産経営管理士の資格は無くても支障はないんです。
しかし、これは暫定的な措置です。宅建士が業務管理者になれるという暫定措置はいずれは終了するでしょう。
将来的に業務管理者になれるのは賃貸不動産経営管理士の試験に合格した人だけになるということです。
いずれ、宅建士しか持っていない業務管理者は更新ができなくなるので、最近は宅建士をもっている人が賃貸不動産経営管理士を受験しています。
既に試験は難しくなってます
賃貸不動産経営管理士試験は、年々難易度が高くなっています。以下は合格率の推移です。
- 2013年(平成25年)85.8% 受験者3,946人
- 2014年(平成26年)76.8% 受験者4,188人
- 2015年(平成27年)54.6% 受験者4908人
- 2016年(平成28年)55.9% 受験者13,149人
- 2017年(平成29年)48.3% 受験者16,624人
- 2018年(平成30年)50.7% 受験者18,488人
- 2019年(令和01年)36.8% 受験者23,605人
- 2020年(令和02年)29.8% 受験者27,338人
- 2021年(令和03年)31.5% 受験者32,459人
- 2022年(令和04年)27.7% 受験者32,689人
- 2023年(令和05年)28.2% 受験者28,299人
※合格点(合格ライン)は毎年変動します。
賃貸不動産経営管理士はもともとは民間資格で、2018年までは合格率が50%を超えていることから比較的取得しやすい資格といわれてました。
国家資格になったのが2021年です。予想では数年の間は試験は簡単だろうと言われていましたが、その期待を大きく裏切りました。
国家試験になるという噂が本格的になった2019年から難易度が上がりました。
2022年には合格率はついに30%下回りました。
この傾向は今後も続くでしょう。試験問題はさらに難しくなる可能性があります。
賃貸不動産経営管理士になるには
200時間程度じゃとても合格できない
賃貸不動産管理士の試験に合格するために必要な勉強時間は、100~200時間程度、3か月もあれば合格できると言われていました。
しかし、最近の難化傾向により、とてもそれくらいの時間では合格できません。
おそらくその倍、6か月ほどは勉強しないと無理です。
試験の内容も、単純に間違いと正解を選ぶだけではなく、多くは「正解の個数」「正解の組合せ」を問うようなな出題です。
しかも、これは間違いない!っていう正解肢もほとんどありません。
印象としては、「あからさまなイヤガラセ」みたいな出題も目立ちました。
講習をあらかじめ受講すれば、全50問のうち問46~50の5問が免除されますが、その5問免除分だけが易しかったようです。
5問免除の対象者ですら不合格になる受験生も普通にいます。
宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士の試験勉強を最近までしていた人であれば、市販の問題集で知識を増やせば短期間で合格できます。
試験実施団体が発行する公式テキストがありますが約1000ページもあって内容もわかりずらいので、他の市販のテキストや問題集の利用がおすすめです。
賃貸不動産経営管理士講習を受けて5問免除
評判のあまりよろしくない公式テキストを使用した講習(全1日)を受講すると、全出題のうち5問が免除になります。
一度受講すれば2年間有効です。
つまりお金を払って講習を受けて、5問分正解を買う制度です。
1点で泣いて不合格になる人もいますから、まぁ、良くいえば5問分のお守りですね。
もちろん自信がある人や、お金を払うのはもったいないと思う人は受講する必要はありません。
同じような制度は宅地建物取引士にもあります。
宅建登録講習を受講することで修了日から3年以内の本試験で5問が免除されます。
ただし、不動産業などの宅建業に従事している人のみが対象となっています。
賃貸不動産経営管理士講習の概要
賃貸不動産経営管理士講習とは、試験合格に向けた学習の場であって、賃貸管理業務に必要な専門知識の習得と実務能力を高めるための講習です。
【講習受講のメリット】
- 賃貸不動産経営管理士講習の修了者は、修了年度より2年間、出題50問のうち5問が免除されます。
- 1,000頁を超える公式テキストを1日の講習で効率的に学習できます。
講習は全国主要都市にて開催します。希望者はどなたでも受講できます。
参考:賃貸不動産経営管理士講習(試験の一部免除)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)
まずは無料の資料請求
いろんな講座を比較検討できます。
※登録するとすぐに無料で講座を試せます。
おすすめの通信講座
令和3年度の賃貸不動産経営管理士における受講生の合格率は、驚きの70.25%!これは全国平均31.5%の2.23倍です。
これだけ高い合格率を叩き出す理由は、質の高い講義動画と読みやすいオリジナルテキストに理由があります。
動画はオンラインで配信され、8段階の倍速で再生できます。テキストはもちろんフルカラー、視覚的に理解しやすくなるように工夫されています。※
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スタディング賃貸不動産経営管理士講座は、忙しい人でも無理なく合格するための画期的なオンライン講座です。
従来の資格講座とは違い、スマートフォンやPC、タブレットを使い、スキマ時間を使って効率的に学習できます。
膨大な試験範囲のなかから要点をコンパクトに集約しているため、短期間での速習が可能です。
※こちらから受講申し込みができます。
テキスト・問題集・参考書
おすすめテキスト
このテキストは、分野別に出題ランクが表示されているので、重要度の高い箇所を意識しながら効率よく学習できます。
内容としても悪くなく、初心者でもわかりやすく解説されています。各章の最後には理解度を試すチェック問題もついているので役に立ちます。
宅建士試験などで既に民法を学習している人は、理解は早いかもしれませんが、民法についてあまり知識がない人は、民法の分野についてはじっくり学習した方がよいでしょう。
※公式テキストは、5点免除の講習会に出席する人以外は使わない方がいいです。要点が整理されておらず、とにかく分かりづらくて使えません。索引すらない最悪なテキストです。
種類 | 評価 |
テキスト |
おすすめ問題集
賃貸不動産経営管理士の問題集は最近になって種類も増えてきました。この問題集は他の問題集と比べても選択肢の解説が詳しいので、一番おすすめです。
既に宅建士の学習をした人であればこの問題集だけでも今のところは合格は可能だと思います。ただ出題が年々難化してるので来年以降は本書だけで試験を乗り切るのはむずかしいかもしれません。
上記で紹介しているテキストと一緒に学習するのが効率的です。問題にあわせてテキストの該当ページが記載されています。
種類 | 評価 |
過去問題集 |
試験情報
日程・出題内容・合格基準・その他
試験日
毎年1回11月中旬頃
お申し込み
8月~9月いっぱいまで。
受験資格
受験資格の制限は一切なく、どなたでも受験できます。
試験会場
北海道、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、長野、静岡、岐阜、愛知、三重、滋賀、奈良、京都、大阪、兵庫、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、福岡、熊本、長崎、大分、鹿児島、沖縄
受験料
12,000円
※2024年3月現在の金額です。
試験内容
【四肢択一式】50問:120分
- 管理受託契約に関する事項
- 管理業務として行う賃貸住宅の維持保全に関する事項
- 家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理に関する事項
- 賃貸住宅の賃貸借に関する事項
- 法に関する事項
- 1から5までに掲げるもののほか、管理業務その他の賃貸住宅の管理の実務に関する事項
合格基準
2023年:36問以上/50問(72.0%)
※合格基準点(合格ライン、合格点)は毎年違います。
合格発表
例年12月末ごろ
主催者情報
試験に関する詳しい情報は試験実施要領(令和6年度)-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)をご覧ください。