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旧サイト名:本当に役立つ資格、全く役立たない資格

マンション管理士はとは?需要があり将来性も見込める国家資格

電話をする初老の男性

経験を積めば独立も可能、他の資格と合わせて持つと活用範囲が広がる

種類難易度合格率
国家資格難しい8%
受験資格取得費用勉強時間
誰でも受験可2~5万円1年程度
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マンション管理士とは単なるマンションの管理人ではありません。

法律知識を兼ね備えたマンション事務管理の専門職です。

現在不動産関連の会社に勤めている人が、他の資格と合わせて取得すると業務の幅が増えるメリットがあります。

業界未経験者でもマンション管理会社、不動産会社への就職や転職は有利になります。

目次

マンション管理士とは

タワーマンション

法律知識を備えたマンション事務の専門職

マンション管理士とは、マンション住民間の規律を定めた法律である区分所有法や民法・不動産登記法などについて特別な知識と能力を備えたマンション事務の専門職です。

マンション各部屋の所有者の相談に応じ、法律的な知識に基づいて助言・指導など適正なアドバイスを行います。

マンションの1階受付に座っている管理人や単なる施設の管理会社とマンション管理士は違います。

法律的な知識を備えた管理人がマンション管理士です。

マンション管理士として名乗ったり名刺に印刷して活動するためには、マンション管理士試験に合格した後、国土交通大臣の登録を受けなければなりません。

マンション管理士は国家資格であり、略して「マン管」とも呼ばれます。

主催者サイト:公益財団法人マンション管理センター|トップページ

住民間のトラブルを解決するのがマンション管理士の役割

マンション住民間では、大小様々なトラブルが発生します。

マンションのトラブルでよく起きるのが修繕や建て替えの決議です。

重大な破損や古くなって倒壊の恐れのあるマンションをほっておくわけにはいきません。

放っておいたら増々ひどくなります。

しかし、多数決をとって住民の意見が全員一致することなどはまずありえません。

修繕費用も当然マンション住民の出資です。経済的に余裕のある人もいれば修繕費の積立が滞っている人もいます。

建て替えなどのように巨額の費用が発生する場合などは揉めるのが普通です。

各地でマンション住民間の裁判も起きています。

そういったトラブルに少しでも事前に対処して解決できるように定められたのが、法律的な知識を持ったマンション管理士の制度です。

マンション管理士は、住民の立場から相談に乗って、解決に導くためのアドバイスを行います。

管理業務主任者とダブル受験する人が多い

マンション管理士は、平成12年に成立した「マンション管理適正化法」に基づき、管理業務主任者とともに誕生した国家資格です。

マンション管理士の本試験は毎年11月下旬、その約1週間後の12月初旬に管理業務主任者の試験が実施されます。

両試験は出題範囲もよく似ており、管理業務主任者はマンション管理士試験よりも難易度が低いため、マンション管理士と管理業務主任者を同時に取得するつもりで学習をしている人が多いようです。

資格予備校や通信教育会社あるいはテキストの中には、最初から「マンション管理士&管理業務主任者」として、ひとつの講座として扱っていものも少なくありません。

役に立つ資格なのか?

作業着を着てマンションの部屋を回る管理人

コンサルタントとしての能力が求められる

マンション管理士は難関な国家資格ですから、取得すればマンション管理会社、不動産会社(販売・賃貸)への就職や転職は多少有利になります。

特にマンションの販売職においては、名刺に「国家資格マンション管理士」と印刷すれば箔が付くので、営業成績アップにも役立ちます。

しかし、本来マンション管理士は管理組合のコンサルタント業という位置づけです。

求められるのは経験に基づくコンサルタントとしての能力です。

そのため、業界未経験者がマンション管理士の資格を取得したからといって、それが就職や転職の際に決定打になるほど有利にはなりません。

都会で今後需要が見込まれる

日本には40万棟以上のマンションがあり、マンションの数だけ管理組合が存在します。

管理業務主任者や宅建士のように必置義務も独占業務もないので、残念ながら管理組合の数がそのままマンション管理士の需要には結びつきません。

ただ、長い目で見るとマンション管理士の需要は増えると思われます。

過去に建設したマンションの住民が高齢化し、管理組合での意見がなかなか一致せず、老朽化したマンションを建て替えをしたくてもできないといった話しをよく聞きます。

そのため建て替えがしやすいように毎年のように区分所有法が改正されてはいますが、大規模な修繕、建て替えなどは一向に進んでいません。

その際に活躍するのがマンション管理士です。

管理組合のコンサルタントとして住民の意見をうまくまとめ上げる能力があれば仕事には困らないでしょう。

なお、需要があるのは圧倒的にマンションの数が多い首都圏です。

マンション管理士の登録者の半数以上(52.8%)は関東地方に居住しています。

将来性について徹底研究

独立して高額な報酬を得る人もいる

マンション管理士の資格は、「単独」で活かすのではなく、現在不動産関連の会社に勤めている人や不動産に関わる仕事をしてる人が、他の資格と合わせて取得すると業務の幅が増えるメリットがあります。

公益財団法人マンション管理センターのアンケート調査によると、マンション管理士の実に85.2%が管理業務主任者、77.8%が宅地建物取引士を取得しています。

引用:マンション管理士の業務についてのアンケート調査結果の概要(pdf)

その他多いのは、ファイナンシャル・プランナー(22.9%)、建築士(11.9%)、行政書士(11.1%)などです。もちろん複数取得している人もいます。

また、資格を取得した多くは、マンション管理業や不動産業に従事する会社員で34.6%となっています。

マンション管理士は、司法書士や行政書士のように独立するための資格ではありませんが、中には独立してマンション管理士として高額な報酬を得ている人もいます。

この資格の活かし方はまだまだ未知数ですが、使いようによってはかなり役に立つ資格です。

簡単な管理人という資格ではなく、多数のマンション所有者の利害に関わるので責任も重大です。

なお、余談ですが、同アンケート調査によると、分譲マンションに居住するマンション管理士の約8割が管理組合で役員等の就任経験(理事長経験者は37.3%)があるようです。

マンション管理士を取得すれば、自分が住んでいるマンションの価値向上のために知識を活かせるでしょう。

参考:マンション管理士ガイド(pdf)

まずは宅地建物取引士を取得した方が断然有利!

就職や転職に活かすにせよ、現在の職場でスキルアップに活かすにせよ、まず宅地建物取引士(宅建士)を取得するのがおすすめです。

そして、次は管理業務主任者です。

順番としてはいろいろと意見もありますが、宅建士→管理業務主任者→マンション管理士の順がおすすめです。

宅建士は最も価値があります。試験範囲の関係でもこの順がおすすめです。

管理業務主任者とマンション管理士は出題範囲の多くが重なります。

管理業務主任者の方が難易度は低いのでこちらを先にするのがおすすめです。

管理業務主任者に合格すれば、マンション管理士は5問が免除(正解になるということ)となり、いくらか合格しやすくなります。逆も免除はあります。

中高年以上の人がマンション管理会社などへ再就職するのであれば、消防設備士危険物取扱者ボイラー技士等の設備系の資格も持っているとよいでしょう。

賃貸不動産経営管理士なども狙い目です。

マンション管理士と管理業務主任者の違い

作業着でパソコンを操作する男性

マンションには、マンションの所有者が全員参加する「管理組合」という組織が必ず存在します。

これは区分所有法という法律で義務付けられており、マンション購入者は必ず管理組合に入らなければなりません。

そして、多くの管理組合は、マンションの維持のための管理費等の徴収、建物の清掃、設備の点検・検査などの業務を外部の業者、つまりマンション管理会社に任せています。

マンション管理士は、管理組合側の立場でマンション所有者に法律的なアドバイスや支援を行います

一方、管理業務主任者は、マンション管理会社に属し、管理組合に対して管理契約上の重要事項の説明、契約書の記名・押印のほか、受託した管理業務の報告を行います

つまり、下記のような立場の違いがあります。

  • マンション管理士:マンション所有者側(管理組合)の立場の人
  • 管理業務主任者:マンション管理会社側の立場の人

マンション管理士は独立性の強い資格です。

業務としては管理組合のアドバイザーとして会議に出席したり、マンション管理会社との交渉などを行います。

こういった業務は、実はマンション管理士の資格がなくとも行えます。

ただし、マンション管理士と名乗ることはできません。

つまりマンション管理士は名称独占資格という分類です。

管理業務主任者は、マンション管理会社では必須の資格です。

委託を受けた管理組合30組合につき1名以上の専任の管理業務主任者を置かなければなりません。

宅建士と同じ必置資格の扱いです。

管理業務主任者は、管理委託契約の締結時に、重要事項の説明や契約書の記名押印を行う権限が与えられているので業務独占資格でもあります。

関連情報:資格の分類について

両資格ともに国土交通省管轄の国家資格ですが、試験の運営は、マンション管理士は「公益財団法人マンション管理センター」、管理業務主任者は「一般社団法人マンション管理業協会」と違っています。

なお、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は厚生労働省管轄の国家資格です。

マンションとは違って不特定多数が利用する商業ビル、テナントビル、学校などの建築物の環境衛生上の管理・監督などが主な業務です。

管理業務主任者とのダブル合格は現実的には難しい

「生涯役立つ注目資格をダブルで狙える!」「1年でダブルライセンス!」

なんて、マンション管理士と管理業務主任者のダブル合格を全面に出して宣伝している通信教育やテキストが目立ちます。

しかし、現実的には同時合格はかなり難しいようです。

合格率は、マンション管理士は9%台で、管理業務主任者は20%台です。

数字だけで判断しても、マンション管理士の方が難関です。

実際に、マンション管理士の試験は1~2年以上かけて合格する人がほとんどです。

そこで、まずは難易度が若干低い管理業務主任者に合格して、5問免除の特権を利用して翌年のマンション管理士に挑戦する人が多いようです。

同じ年で同時合格など超マレ、多くの受験生は2年以上かけてダブル合格にこぎつけています。

過去問を解くと分かりますが、出題される内容は似ていても、勉強する範囲がマンション管理士の方が広いです。出題の内容や問われる論点には若干の違いがあります。

出題数・試験時間ともに50問・120分と同じですが、マンション管理士の方が判例・条文・規約などについて細かい知識を求められます。

全く別物の試験とまでは言いませんが、やはり試験としては違う内容です。

類似の試験を繰り返すのとはワケが違います。

もちろん最初からダブル合格を目指すのを否定しているワケではありません。努力次第で可能は可能でしょう。

けれど、ダブル合格を目指すのであれば1年目に管理業務主任者だけでも合格しましょう。

それが現実的です。

関連記事:管理業務主任者とマンション管理士のダブルライセンスについて

マンション管理士になるには

電灯が廊下を灯す夜のマンション

数字以上に難易度は高い理由

マンション管理士試験の合格率は、概ね8~9%程度で推移しています。

9%というと単純に100人受験しても9人しか合格できません。

それだけでも難易度の高い試験であることが分かりますが、実は数字以上に難しい試験なんです。

その理由は、まず第一に、前述の通りマンション管理士の受験生の中には、管理業務主任者に合格して5点免除を利用する受験生が大勢います。

5問免除という大きなアドバンテージを持って、さらに管理業務主任者試験に合格した実力も備えた受験生が大勢いるということです。

そして、第二の理由は、既に宅建士、行政書士、管理業務主任者、建築士などの有資格者がダブルライセンスを狙って大勢受験するからです。

既に民法や不動産に関する法律系の学習をしている人は当然有利です。

そんな受験生が大勢いるワケですから、体感的に難易度はもっと高いはずです。

1年程度は勉強時間が必要

マンション管理士試験は、全て4択のマークシート方式で50問出題される筆記試験です。記述式の出題はありません。

なお、管理業務主任者試験の合格者は5問が免除になるので45問の出題となり、多少有利になります。

試験内容は、民法や不動産登記法、マンション特有の区分所有法、それに関する法令、建築基準法、都市計画法、消防法、住宅の品質管理の促進等に関する法律などです。

宅建士の学習内容と重なる部分も多く、民法の知識も求められます。

勉強時間としては、例えば全くの初学者であれば1日2時間学習しても10か月以上は必要です。1年ほどはみてください。

管理業務主任者とダブルで合格を目指すのであれば、やはり2年計画が現実的です。

サイトなどで合格者のアドバイスを見ると、過去問題集を3回くらい繰り返せば大丈夫!なんて書き込みを見ますが、とても無理です。

3回どころか、完璧に理解できるまで何度も繰り返し、さらに予想問題も8割以上は正解できるようにならなければとても合格できません。

まずは無料の資料請求

おすすめの通信講座

※管理業務主任者と合わせて取得するのが望ましいので、管理業務主任者とセットになった講座を紹介しています。

アガルートアカデミー

アガルートアカデミーはオンライン講義なので、いつでもどこでも無駄なく受講できます。

しかも、画面上にテキストが表示されるので、電車の中でも「テキストを開きながらの受講」が可能です。放ったらかしの通信講座とは違い、講師への質問制度などのフォロー制度も充実しています。

実は、アガルートアカデミーはまだ新しい通信教育の会社です。ところが合格率が素晴らしく、受講生の36.3%が令和元年度のマンション管理士試験に合格しています(全国平均の4.42倍)、管理業務主任者試験は受講生の合格率は60.8%(全国平均の2.26倍)と言いますから驚きです。

値段もかなり抑えられていて業界最安値です。しかし、値段以上におすすめできる通信講座です。

※こちらから受講申し込みができます。

スタンディング

最近話題のスマホで学習できる講座です。通勤の時間を有効に使いたい方は検討してみてください。無料のお試し講座もあります。

※こちらから受講申し込みができます。

学び

テキスト・問題集・参考書

おすすめテキスト・基本書

マンション管理の試験は範囲が広く、法律系の知識から建築、電気、ガス、水道、火災予防の知識まで幅広く問われます。

このテキストは分野別に要点が整理されているので、項目ごとにポイントが分かりやすく、要点をしっかり学習できます。

マンション管理士の受験者数減少によりテキストの種類は限られていますが、現状ではこれがおすすめです。

種類評価
テキスト

おすすめ問題集

直近10年分・500問の過去問をカバーできる分野別過去問題集です。

本書に収載されているのは直近8年分の過去問題です。付属ハガキでアンケートに解答するとそれ以前の2年分も特典として入手できます。

問題は全て4択ですが、間違いの選択肢も全て丁寧に解説されています。

ボリュームもあるので一冊しっかり解けるように繰り返せば実力は付きます。

種類評価
過去問題集

おすすめ参考書

この本を利用している方は多く、かなり評判はいいです。実はほとんどの受験生が愛用しています。

これはテキストというよりも、学習をすすめる上での副教材と考えてください。マンション管理士の仕事のことが広く詳しく書かれています。

これ一冊で、法律も設備も横断的な知識を得ることができます。

まずはこの本でマンション管理士の世界の全体像をつかんだ上で、テキストを使った学習をし、問題を解いてはさらにこの本で詳しく調べるのが効果的です。

種類評価
参考書

「マンション管理士」と言われても知人にそんな人もないし、ネットで調べてもやはりよくわからない職業です。

この本の著者は現役のマンション管理士で石川県マンション管理士会の理事長です。マンション管理士の仕事について分かりやすく解説していて大変面白い内容です。

著者の経験を踏まえた人格論や実践的な心理学も挿入されていて、読み終わると、「マンション管理人になりたい!」と感じてしまう一冊です。

マンション管理人の仕事に興味を持っている方だけではなく、現在、マンション管理人の仕事をしている方にもおすすめできる内容です。

名著です。

種類評価
入門書

当サイト運営者がおすすめする一冊です。

マンション管理士のページを書く際に参考になればと思って読んだんですが、期待を上回る面白い内容でした。

マンションはなぜこんなにたくさん建てられるのか?理由は簡単です。それは「儲かる」からです。キレイに作られたモデルルームや新聞折込チラシを見ると購買意欲が掻き立てられます。

マンション販売の担当営業マンは良いことばかり話して悪い点は一切話しません。マスコミだって同じです。マンションの抱える問題などは一切報道しません。それは不動産業界が一大スポンサーだからです。けれど実はマンションには様々なトラブルが多く付いてまわります。

マンションは近所付き合いをしなくて良いというメリットがあると受け止められていましたが、そもそもこれは誤りです。

購入者は管理組合という組合には強制加入です。マンションが壊されない限り入居者(所有者)は運命共同体で、月に一回は住民(所有者)が総会に出席して、全員で話し合うのが原則です。近所付き合いは一戸建てよりも濃いんです。

これからマンションを購入しようと考えている人には是非事前に読むといいでしょう。既に購入された人は読まない方がいいでしょう。

ちなみに、この本の筆者ほどの知識と経験があれば、マンション管理士として独立しても十分にやっていけそうです。

種類評価
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試験情報

日程・出題内容・合格基準・その他

試験日

11月下旬の日曜日
※2023年(令和5年)度の試験日は11月26日(日)です。

お申し込み

例年9月上旬から10下旬。

受験資格

受験資格はありません。どなたでも受験できます。

試験会場

札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市、福岡市、那覇市

受験料

9,400円(非課税)

試験内容

【試験科目・出題範囲】問題数50問、120分
マンション管理士の試験問題は法令、設備など下記4つの分野から50問出題されます。

  • マンションの管理に関する法令及び実務に関すること
  • 管理組合の運営の円滑化に関すること
  • マンションの建物および附属施設の構造及び設備に関すること
  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

試験形式:四肢択一のマークシート方式
免除科目:管理業務主任者試験合格者はマンション管理適正化法5問が免除

合格基準

80%程度(2022年は50問中40問以上正解で合格)
※難易度によって変動あり

合格発表

翌年1月中旬ごろ

主催者情報

試験に関する詳しい情報はマンション管理士になるには – 国土交通省をご覧ください。

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