歯科技工士が役立つ資格なのか役立たない資格なのか紹介します

歯科技工士

現役歯科技工士ですら良く言わない業界、国もようやく待遇の改善を検討

種類 難易度 合格率 学習期間

国家資格

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98%

2年以上

活かし方 取得費用 受験資格 おすすめ度

一生モノの技術

200万円以上

養成課程修了

※歯科技工士になるには、高校卒業後、所定の養成機関で定められた期間以上の必要な教育を修了し、国家試験に合格しなければなりません。

最終更新日:2020/08/18

歯科技工士とは

入れ歯を作る歯科技工士

歯科技工士と聞くと「老人のい入れ歯を作る仕事」と想像する人が多いのではないでしょうか。

 

答えとしては、それが間違いではありませんが、全くの正解でもありません。

 

実は歯医者さんへ行くほとんどの人が歯科技工士のお世話になっていると言えます。

 

虫歯の治療のために歯医者さんへ行った経験のある人は多いと思います。あの独特の「キーン」っていう機械音や「プシュ」という消毒液を噴射する音は、聞いてるだけで緊張しますね。

 

虫歯が初期の段階であれば歯の表面を削って樹脂をつめるだけで済みますけど、進行しているようなら歯型を採って銀歯をかぶせなければなりません。場合によっては、銀歯、金歯、白いかぶせ物にします。

 

当サイトの運営者は虫歯になりやすい体質のようで、ひんぱんに歯医者さんへ通ってます。ほとんどの歯が一度は治療しているような状態なので、そこら中が詰め物だらけです。

 

その銀歯や金歯、差し歯やかぶせ物を作っているのは、歯科医師ではなく、実は歯科技工士という国家資格の有資格者なんです。

 

歯科技工士とは、歯科医師が作成した指示書を元に、入れ歯や銀歯や差し歯などの補綴物(ほてつぶつ)などの製作・加工を行う医療系技術専門職です。

 

関係団体:日本歯科技工士会

 

役に立つ資格なのか?役に立たない資格なのか?

歯科技工士のレーダーチャート

歯科技工士の資格がどれほど役立つのか、あるいは役に立たないのかを説明する前に、まずは歯科技工士の現状について書いてみたいと思います。

 

これだけ悪い評判の多い資格も珍しいです。現役の歯科技工士も、既に退いた歯科技工士も含めて悪く言う人ばかりが目立ちます。

 

単に「悪い噂」だけではなく、厚生労働省も歯科技工士の労働環境の悪さを認めています。

 

厚生労働省がまとめた「歯科技工士の勤務状況等」という資料に、歯科技工士から実際に意見を聞いてまとめた内容が掲載されているので紹介します。

  • 歯科技工士として就業している者は61.5%、就業していない者は38.5%
  • 歯科技工士としての仕事を辞めた平均年齢は、25.6歳
  • 79.4%の者が20 歳代で離職、そのうち51.1%の者が20〜25歳未満で離職
  • 離職の理由として、「給与・待遇の面(57.6%)」が最も多い
  • 2位の離職理由は、「仕事内容への不安(45.7%)」
  • 3位の離職理由は、「健康面(34.8%)」

出典:歯科技工士の勤務状況等(pdf)(21ページ)

 

せっかく歯科技工士として就職しても、約80%が20代で辞めているのは驚きです。最大の理由は待遇(収入・給与)の悪さであるのは疑いの余地もありません。

 

低賃金でサービス残業は当たり前、毎日深夜まで働いてほとんど休みもなく、それでも生活が大変なので、全く違う業種へ転職する・・・そんな実体験を持つ人も少なくありません。

 

中には、専門学校在籍中に辞める学生もいます。入学時点で40人いた生徒が最初の夏休みで20人になり、卒業したのは15人、5年後に歯科技工士として働いているのはわずかに3人なんて例もあります。

 

オーダーメイドの薄利多売、コンビニ以下の時給に加え毎日のようにサービス残業、粉塵も多く感染症のリスクがある、福利厚生も無い、そういった意見が非常に多く見られます。

 

批判的な意見が多いようですが、全く役に立たない資格かと言えば、そうともいえません。

 

せっかく取得しても仕事に活かせない資格なんていくらでもありますが、歯科技工士の資格を取得すれば、とりあえず仕事には事欠きません。

 

実際の意見を調べても、「仕事がない」という調査結果は目にしません。ほとんどが「毎日深夜まで仕事に負われる」といった内容です。

 

この先日本の人口が減るのは確実ですが、高齢者の数はそれほど減りません。入れ歯や詰め物などの需要は増えると予想されるので、歯科技工士の必要性は変わらないでしょう。

 

行政的な側面からも歯科医療の確保は非常に重要な課題です。国はようやく歯科技工士の待遇改善を検討し始めました。今後、役立つ資格になるのを期待したいと思います。

ただ、国のやることですからねぇ、いつになるやら・・・


歯科技工士の将来性を徹底研究!

この資格の活かし方

 

入れ歯作成

 

歯科技工士の資格の活かし方ですが、ズバリそれは大手の法人(企業)や院内ラボへ就職することです。

 

そうすれば、福利厚生もしっかりしていますし、給与面の待遇も悪くないです。体を壊すようなサービス残業もないでしょう。

 

逆に、個人で経営している歯科技工所(ラボ)に就職すると、福利厚生は期待できません。人海戦術に頼っているので労働時間は長くなります。

 

院内ラボとは、歯科医院内にある歯科技工士専用の技工室のことを言います。つまり立場としては歯科医院の従業員です。

 

全国で歯科医院の数は約70000件ありますが、その中で歯科医院の中に院内ラボ(技工室)がある歯科医院はほんの一握りです。

 

参考:院内ラボ(技工室)があるメリット|医院ブログ

 

院内ラボであれば、直接患者と入れ歯やかぶせ物のフィット感を確認しながら製作できます。修理にも早急に対応できるので迅速かつ丁寧に仕上げられます。

 

どんな人が利用するのか分からずに黙々と作業をするよりも、実際に利用者の顔を見て作業ができるので、大きなやりがいにもつながります。

 

実際に、「歯科技工士が業務を行う上で、患者に会う機会が少なく、自分の仕事に対する評価が少ないため、歯科技工士という職業にやり甲斐を感じづらい」という調査報告も出ています。

 

参照:歯科技工士の勤務状況等(pdf)(3ページ)

 

企業や院内ラボであれば、働き方改革が進んでいるため、残業時間もかなり少なめです。また、作業を効率化するためにCAD/CAMシステムも揃っています。

 

歯科技工士の資格を活かすには、まずは就職先をよく調べて、間違った所へ就職しないことです。

院内ラボ・病院・診療所へ就職するには

 

日本の歯科技工士は8割弱が1人経営の歯科技工所(ラボ)です。

 

就業場所別では、歯科技工所が約7割、病院・診療所が約3割です。

 


出典:歯科技工士の勤務状況等(pdf)(4ページ)

 

求人を探しても院内ラボは全体の求人の1%もありません。では、そういった院内ラボ、あるいは病院・診療所へ就職するにはどうすれば良いか?

 

当たり前の解答ですが、学校での勉強をしっかりすることです。仮に専門学校であれば、2年間の学校での成績は当然評価され就職希望先へ通知されます。遊んでいては良い就職先は紹介してもらえません。

 

専門学校としても、離職率の低い良い就職先は残しておきたいので、優秀な学生を推薦します。4年制の大学が決して有利ではない世界です。

 

入学する学生は、概して目的意識が希薄で、「学校が楽しそうだから入学してきた」という理由が多数です。そんな学生は基礎学力が低く、これまで勉強の習慣がない学生もいます。

 

また、歯科技工士という職種を理解しておらず、将来像が描けていないことが多いようです。

 

参照:第3回 歯科技工士の養成・確保に関する検討会 資料 4(pdf)(4ページ)

 

歯科技工士を目指すキッカケは、物作りが好き、細かい作業が苦にならない、手先が器用、なんて理由でもいいと思います。

 

入学してから後悔しても遅いです。何度もオープンキャンパスに行って、納得してからにしてください。1回、2回程度じゃなくって5回、10回と通ってください。

 

しっかりとした目標を持って進学して、そして毎日勉強してください。

 

現状では、かなり歯科技工士の数が少なくなっています。そのため、求人を出してもなかなか人が集まりません。病院・診療所・企業でも若手が集まらずに困っているため、一昔前よりも好条件を出しています。

歯科技工所を開設して、目指せ職人!

 

歯科技工士の資格があれば、歯科技工所を開設して自ら経営者になれます。

 

前述の通り、日本の歯科技工士は8割弱が1人経営の歯科技工所(ラボ)です。

 

もちろん、資格を取得をしてすぐでも開設できますが、やはり経験を積んで技術を身に付けた後で開設する人が多いようです。開業資金も必要ですし、歯科医院などの取引先もあった方が良いでしょう。

 

歯科技工士は独占業務です。誰もが参入できません。その点は国家資格の強みです。人に雇われるよりも個人で開業したいと考える人には魅力かもしれません。

 

歯科技工士は、時には拡大鏡を覗いてミリ単位の精度を求められます。医療系の国家資格の中では数少ない「職人技術」を要する資格です。

 

慣れてコツを掴めば、誰にも真似のできない「作品」が完成します。信頼される職人になれば稼げる職業です。

 

少し大げさかもしれませんが、歯科技工士という職業はまさに職人技だと思います。

 

参考:>歯科技工士ドットコムとは | 歯科技工士ドットコム|全国の口コミ評価の高いおすすめ歯科技工士が見つかる!

歯科技工士か歯科衛生士を目指すべきか・・・

 

今の時代、歯科技工士を目指した方が良いのか、あるいは歯科衛生士が良いのか?将来性はどっちがあるのか?

 

迷っている人もきっといるでしょう。

 

関連資格:歯科衛生士とは

 

社会ではもちろんどちらも必要とされてます。ともに業務独占の国家資格です。確実に高齢化社会が到来するこの国では、もっと需要は増えるでしょう。

 

一般的な求人の内容は以下のようです。

  • 歯科衛生士:月18万〜、ボーナス年2回(計3か月分)、求人数多い
  • 歯科技工士:月15万〜、ボーナス予定無し、求人数少ない

これだけを見ると、歯科衛生士の方が収入は良さそうです。

 

歯科衛生士の方が収入は上という統計資料も出ていますが、逆に歯科技工士の方が上という資料も出ています。一概には言えません。やはり、就業先や個人の能力によるところが大きいと思います。

 

ただ、新卒に限って言えば、断然歯科衛生士の方が就職先は豊富で待遇も上です。

 

歯科衛生士は、直接患者さんの口に手を入れて接する機会が多いので、コミニュケーションも大事です。処置が終われば患者にお礼を言われるので、その点やりがいがあるでしょう。

 

一方、歯科技工士は院内ラボ以外は直接患者さんと接する機会は少ないです。人と接して日常会話をするのが苦手な人には良いかもしれません。

 

歯科技工士は、独立して歯科技工所を開業できるのがやはり大きなメリットです。開業すれば大きく稼げる可能性は十分あります。

 

歯科技工士は作業が深夜に及ぶこともあり体力も必要です。どちらかと言うと男性向きです。

 

一方、歯科衛生士のほとんど100%が女性です。男性と体力で勝負する必要もないです。

 

女性であればまずは歯科衛生士を目指すのが良いかもしれません。

 

歯科技工士に合格するには

歯科技工士になるための進路

歯科技工士になるには、高校卒業後、歯科技工士教育機関に入学し、2年以上学んで必要な知識と技能を習得して卒業すると歯科技工士国家試験の受験資格が得られます。

 

歯科技工士教育機関は2年制・3年制の専門学校、4年制の大学、2年制の短大など全国に49校(2019年9月現在)あります。また、夜間部を併設している学校もありますが、夜間過程は3年です。

 

参考:歯科技工士教育機関一覧|日本歯科技工士会

 

なお、生徒の減少傾向が続いているため(下記図参照)、専門学校の数は減少していています。さらに定員割れしている学校がほとんどです。2019年4月より募集を停止している専門学校もあります。希望すればどこかの専門学校へは入学できそうです。

国家試験は比較的簡単で、ほぼ全員が合格できる

 

合格率は、ほぼ90%の後半なので、よほどのことが無い限り全員合格できます。不合格になるのは名前や受験番号の書き忘れ、解答欄への記載ミスくらいでしょう。

 

毎日学校に通って、授業を普通に聞いて、実技も真面目にやれば合格できます。難しい教科も存在しません。高校時代の学業がかなり悪かった人でも国家試験に合格できます。

 

無事に国家試験に合格すれば、厚生労働大臣指定による登録機関に申請をおこなって、歯科技工士の名簿に登録されて免許の交付を受けます。

無料で大学・専門学校の資料請求ができます。

いろんな学校を比較検討することもできます。

女性のイラスト

ポイント【スタディサプリ進路】高校生注目!学校パンフ・願書請求でプレゼント

社会人でも入学できる大学・専門学校の資料請求

歯科技工士 試験情報

試験日

お申込み

2月中旬

12月中旬〜下旬

受験資格

専門の養成機関で定められた課程を修了という学歴の条件があります。

試験内容

試験には、学説試験と実地試験があります。
【学説試験】多肢選択式

  • 歯科理工学
  • 歯の解剖学
  • 顎口腔機能学
  • 有床義歯技工学
  • 歯冠修復技工学
  • 矯正歯科技工学
  • 小児歯科技工学
  • 法規関係

【実地試験】

  • 歯科技工実技

試験地:北海道、宮城県、東京都、大阪府及び福岡県
合否基準:学説試験、実地試験それぞれの合否基準を満たした者を合格とする。
■学説基準 配点を1問題1点、合計80点満点とし、48点以上の者を合格とする。ただし、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満である者は不合格とする。
■実地試験 1課題を30点、合計90点満点とし、54点以上を合格とする。
参考:平成30年度歯科技工士国家試験の合格発表について|厚生労働省

試験に関する詳しい情報は歯科技工士国家試験の施行|厚生労働省をご覧ください。

歯科技工士 おすすめ参考書

デンタルスペシャリスト歯科技工士への道

歯科技工士の職業紹介本というよりも、各地の専門学校の所在地や、学校生活を紹介した一冊です。現役の歯科技工士の紹介や、インタビューなども掲載されていますが、内容は歯科技工士になるための方法が中心です。

 

著者は、歯科技工士学校の団体である全国歯科技工士教育協議会ですから、まぁ内容は歯科技工士の魅力紹介が中心です。当然ですが、世間一般的な悪評などはほとんど書かれていません。

 

歯科技工士について興味がある人は一度読んでみる価値はあります。

種類 評価
参考書
歯科技工のおもしろさ―未来の歯科技工士へ

この本は、主に進路について考えている高校生向けに歯科技工士の仕事のおもしろさを紹介しています。

 

本書は日本歯科技工士会による編集で、歯科技工士の仕事の辛さ、苦しさなどを紹介しています。先輩歯科技工士の声などもいくつか紹介されています。

 

「職業の魅力」を伝えるのが目的なので、基本的には悪い内容は書かれていません。

種類 評価
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