種類 | 難易度 | 合格率 |
民間資格 | 易しい | 99% |
受験資格 | 取得費用 | 勉強時間 |
指定講座講座 | 5~10万円 | 1か月程度 |
- 全国の求人数は、ハローワークの求人情報を基に2023年2月14日に集計。
介護食士とは、お年寄りが食べやすいように食材を細かく刻んだりすりつぶして調理して必要な栄養を摂れるように調理する民間資格です。国家資格になる可能性は今のところありません。
難易度は低く、お金を払って講習会に参加すれば誰でも1か月ほどで合格できます。専門学校や一部の大学・短大の学生が在学中に学校で取得しますが、こういった民間資格を取得しても就職や転職は有利になりません。採用する側としても評価しません。
介護食士とは

要介護者向けの調理方法を習う
人間は、生きていくために食事を通して必要な栄養を摂らなければなりません。
しかし、人間は年を重ねるにつれて、例えば歯が抜けて咀嚼がうまくいかなくなったり、飲み込む力が弱くなって食べ物を飲み込めなったりします。
その状態で放っておくと、うまく食事を摂れず、生きていくために必要な栄養が摂れなくなります。そこで、介護食のようにお年寄り向けに調理した食事の提供が必要になります。
介護食士とは、お年寄りがあらかじめ食べやすいように食材を細かく刻んだり、すりつぶして調理して、必要な栄養を摂るようにお手伝いするための民間資格です。
要介護者向けの食事が提供できる知識を学んだ人に与えられる民間資格で、試験には1級から3級まであります。
試験は、全国調理職業訓練協会が実施していますが、指定の講座を受講しなければなりません。
参考:介護食士|協会認定資格 | 公益社団法人 全国調理職業訓練協会
役に立つ民間資格なのか?
「人気の資格」「就職に有利」という甘い言葉にご用心
介護食士を紹介する一般サイトの多くは、介護食士について「介護施設に就職する際に有利になる」「介護職や看護師を中心に人気のある資格」と紹介しています。
専門学校などに講習会について問い合わせてみると「近い将来、介護食士は国家資格になる」という説明をしている所もあります(確認済み)。
しかし、今のところ、国家資格になるという動きは確認できていません。将来的に可能性は低いでしょう。受講生を集めるための明らかな誇大PRです。
さすがに、試験を主催する全国調理職業訓練協会の公式サイトではここまで誇大な表現は見当たりませんが、こういった相談は、当サイト運営者のところにも以前寄せられました。ネット上でも同様の書き込みを散見します。
介護食士について勉強し、知識を得るのは素晴らしいことですが、大切なお金と時間と費やしたけど全然意味が無かった・・・とならないよう、よく考えてみましょう。
将来性について徹底研究
介護食士と言っても民間資格にすぎません。就職・転職する際には履歴書に書いても有利になりません。
全国の介護施設で、調理担当者を募集している求人を検索すると27,831件見つかりました(2023年3月12日調査)。都道府県当たり590件ですからすごい数です。
そのうち、調理師免許「必須」あるいは「あれば尚可」となっている求人は6,521件です。栄養士は4,523件、管理栄養士については1,625件の求人が見つかりました(重複あり)。
最も多いのは、資格不問つまり無資格者でもOKという求人です。全体の約68%、19,190件です。
介護食士を優遇している求人は3件のみでした。
つまり、介護の現場で調理業務全般を担当する職員を募集する場合、圧倒的に調理師免許を持っている方が有利です。さらに理想を言えば、栄養士や管理栄養士の有資格者が求められます。
上記の3資格については資格手当が支給されます。1,500~10,000円と幅がありますが、概ね5,000円ほどです。
介護食士のような民間資格は無資格者扱いです。採用されても資格手当は支給されません。
介護食士の民間資格は、専門学校などで開催している計72時間の講習会に出席すれば、介護や栄養学について知識ゼロの人でもで1か月ほどで取得できます。費用は70,000~90,000円ほどです。
そういった検定試験にどれくらい価値があるのか・・・少し考えれば分かるはずです。
もちろん介護食について学ぶことは素晴らしいことだと思います。勉強して得た知識は有益です。無駄にはなりません。
けれど、就職が有利になるのかと言えば、それは当てはまりません。
他にも、介護食アドバイザーと行った民間資格もありますが、どれも同じです。
合格するには
介護食士の認定資格には、難易度の低い順に、3級、2級、1級の3種類があります。
介護食士を取る方法は2つあります。
- 講習会を開講している学校(専門学校など)の学生となり、受講する。
- 一般の方を対象とした講習会を開講している施設(専門学校など)で受講する。
講習会を開講している施設は以下に一覧で掲載されています。
主催者サイト:資格取得方法・開講施設|介護食士 | 公益社団法人 全国調理職業訓練協会
いずれも調理訓練校や調理師学校など、調理ができる設備の整った調理関係の学校です。ユーキャンのような独学では取得できません。
講習会を80%以上出席するのが条件で、講習修了後に筆記と実技の試験を受験します。試験は筆記も実技も60点以上で合格で、認定資格を取得できます。
栄養学や介護について知識ゼロであったとしても、3級であれば計72時間・7日間程度の講習会に出席すれば、70,000~90,000円ほどで取得できます。
難易度は低く、ほぼ100%の合格率
3級の受講生は年間1700人ほどです。難易度はそれほど高くなく、講習の内容をしっかり聞いていれば全員合格できるレベルです。
講習さえ聞いていれば、特に自宅学習などの事前の対策や課題提出などの必要もありません。
学科では高齢者の身体機能など医学的な知識について、また栄養学や食品学・食品衛生を学を学びます。実習では介護食の献立の作成や調理もします。
試験情報
試験日
協会指定の認定校によります。
お申し込み
各指定校にお問い合わせください。
受験資格
【3級】どなたでも受験できます。
【2級】介護食士3級取得者
【1級】介護食士2級取得後、2年以上の介護食調理実務経験のある25歳以上
試験会場
協会指定の認定校
受験料
受講料:70,000~90,000円
※協会指定の認定校により異なります。
講習内容
【講習内容】
■3級
《学科》25時間
・介護食士概論、医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
《実技》47時間
・調理理論・調理実習Ⅰ、調理理論・調理実習Ⅱ
■2級
《学科》16時間
・医学的基礎知識、高齢者の心理、栄養学、食品学、食品衛生学
《実技》56時間
・調理理論、調理実習
■1級
《学科》32時間
・医学的基礎知識、高齢者にかかわる制度、栄養学、食品学、食品衛生学
《実技》40時間
・調理理論、調理実習
合格基準
2級、3級は講座修了後の筆記・実技試験に合格すると認定されます。
【合格点】実技・筆記ともに60点以上
【受験資格】:講習出席率80%以上
主催者情報
試験に関する詳しい情報は資格の種類|介護食士 | 公益社団法人 全国調理職業訓練協会をご覧ください。
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